ガイム&パンツァー 戦車道・ライダー道極めます! 作:フルーツ大将軍
今回で第21話になります
今回は話数を変えずに前後編にしました、元々1話に収めるつもりが自分の勝手な都合で長くなりました・・・
では、どうぞ!
第21話「運命の再会 全国大会開催です!(前編)」
これまでのガイム&パンツァーは
一真たち大洗ライダー部隊はレジェンドライダーアームズにより苦戦を強いられたウィッチライダー部隊を破る
一方みほたち大洗戦車隊はエクレールたち隊長チームとの決戦の末一真たちの支援もあり辛くも勝ち大洗女子学園チームは初勝利を掴んだ
それぞれの誓いとアドバイスを胸に秘め遂に第63回戦車・ライダー道全国高校生大会が開催された!
『???』
(みほサイド)
「ここは・・・どこ?、でも・・・なんでだろう・・・知っているような」
みほは気が付くと見知らぬ森にいた、だが初めて見た森のはずなのにみほは既視感を憶えて仕方がなかった
「あれ身体が・・・勝手に?」
するとみほとは意思とは関係なく何処かに吸い寄せられるように歩いて行く、するとそこには小高い丘が見え2つの人影が見えた
「あれは・・・まさか!?」
その人影の正体が見えみほは驚愕するその正体は・・・
「鎧武と・・・バロン!?」
仮面ライダー鎧武と仮面ライダーバロンでありその雰囲気はまるでいつ終わるかもしれない死闘に身を投じようとしている様だった
(なんでだろう・・・心が・・・締め付けられる!)
鎧武とバロンが戦うのはこれが初めてではない教官が来た時も戦いこれまでの練習のなかでも鎧武とバロンが1対1で戦っている光景は何度もみほは目撃しているが今回の異様な雰囲気の性かまるで違う物のようにに感じていた
(なんでこんなに悲しいような・・・辛いような・・・不安に感じているの!?)
みほは自分でも分からないような感情の渦に頭が混乱していた
「はぁぁぁぁぁ!!」
「てやぁぁぁぁ!!」
すると鎧武とバロンが互いに駆け寄り武器が振り上げ互の間合いに入った所で振り下ろし互の武器がぶつかり合いその衝撃で強烈な光を発する
「っ!きゃあぁぁぁぁぁ!!」
みほはその光に呑まれ悲鳴を上げ辺りが真っ白に包まれていく
#####
(一真サイド)
『大洗学園艦 みほの部屋』
「っ!!、・・・なんだ夢か」
外は朝を迎えそうな頃みほは跳ね起き辺りを見回し少し考えると納得したように言う、どうやら先の出来事は夢だった
「でも最近同じ夢ばかり見ないなぁ」
みほはこれまでも何度も先ほどの夢を見ており何故なのか分からないがそこまで深刻にも考えていなかった
するとみほのケータイが鳴り始めるみほはケータイを手に取り画面を開くと通話ボタンを押した
「はい・・・もしもし」
「もしもし一真だけど、みほちゃんもう時間だよ?」
電話の相手は一真であり恐らくみほが寝坊していないか確認の電話を掛けていたようだった
「うんありがとう、すぐに用意して行くから」
「分かった、いつもの場所で待っているから」
一真がそう言うとみほは電話を切り身支度をし始める
それから数分後身支度を終えたみほは部屋を出て一真が待つ「いつもの場所」・・・隣の踊り場に向かう
「おはようみほちゃん・・・ほれっ!」
「おはよう一真く・・・うわぁーおっとっと」
一真はみほに挨拶すると手に持っていた丸い何かをみほに投げ渡す、みほは落としそうになりながらもなんとかキャッチする
「これって・・・おにぎり?」
その丸い物の正体はラップに包まれた少し大きめのおにぎりでありみほは怪訝そうにおにぎりを見る
「あとこれ・・・寮の自販機で買った奴だけど」
一真はそう言うとみほにお茶が入ったペットボトルをみほに渡した
「ありがとう・・・でもなんで?」
みほは一応一真に礼を言うも気になり尋ねる
「「ハラが減っては戦は出来ぬ」って言うだろう?、食べながら行こうよ」
一真はそう言うともう一方の手に持っていたおにぎりのラップを開け始め豪快に頬張りながら歩き始める
みほも一真の後を付いて行き寮を出た
寮を出た後みほもラップを開けおにぎりを食べる
「すごい・・・美味しい・・・」
みほはあまりの美味しさのあまりそう呟く
「良かった作った甲斐があったよ」
一真は満足げに言う傍らみほはまじまじとおにぎりを見る
「このおにぎりの具・・・サケ?」
「そうだよ、でもサケはサケでもそんじゃそこらへんのサケとは違うよ~♪」
みほはおにぎりの具を言い当てると一真は自信満々に答える
「そうなんだ・・・ありがとうね一真君こんな美味しいおにぎりを作ってくれて」
「そんな・・・大げさな・・・でもご所望とあればまた作るよ、次は何の具が良いか考えておいてくれ」
みほは一真にお礼を言うと一真は照れながらも答える
「うん、考えておくね♪」
みほは笑顔でそう言い、そうしている内に一真とみほは学校に着き既に着いていた沙織・華・優花里・麻子・杏・桃・柚子・夜罪と合流した
「じゃあみんな揃ったし抽選会場に行こうか~」
一真とみほが到着すると杏がいつもの調子で言い両連盟が用意したバスへと乗り込む
今日は第63回戦車・ライダー道全国高校生大会の抽選会になっており一真たちは大洗女子学園チームの代表として行く事になっていた
バスに集まった全員が乗り込んだ事を確認するとバスは両連盟で建設した会場へと向かっていた
#####
『抽選会場』
それから約2時間後一真たちは抽選会場に到着し中の案内に従って進み既に他校に集まったホールに入り用意されていた席に座り杏たち生徒会チームは一真たちよりも上の席に座る
「うわぁー凄い規模」
「それはそうですよ、戦車道・ライダー道の一大大会ですからね、これぐらい当然ですよ」
沙織があまりにも人数の多さに驚くと優花里がさも当然のように答える
(ここに集まる学校と戦うのか・・・気を引き締めないとな!)
一真は神妙な表情で集まっている学校を見ていき心の中で呟く
(今年もこの季節になったわね・・・あいつは元気にしているかな?)
一真がそう考えているとホールの入口から銀髪の少女とみほと顔立ちが似た少女とだるそうにしている少年・物腰の軽そうな少年が入ってくる
「ったく、まだ始まらないのか?」
「もうすぐよ少し静かにしろ」
だるそうにしていた少年が少し苛立ちながら言うと銀髪の少女が答え諌める
「へいへ~い、これはすいませんでした副隊長殿」
「あなたも副隊長でしょ、もっとしっかりしなさい」
だるそうにしている少年は特に悪びれることもなく言い銀髪の少女は少し呆れた物言いをする
「ごめんねエリカ、後でちゃんと注意しておくから・・・」
「本当よ正均、ちゃんと言っておいてね」
物腰の軽そうな少年國村 正均(くにむら ただひと)は銀髪の少女逸見 エリカに詫びるように言うとエリカは正均に釘を刺し辺りを見回す
(うん?・・・あれは?)
するとエリカは見覚えのあるような人を発見し注視するそこには
「まさか・・・みほ!?」
エリカたちが通う黒森峰学園を離れ戦車道を辞めたはずの「西住みほ」が友達と楽しく会話していた
「どうした逸見、もう時間だぞ席に着け」
するとみほと顔立ちの似た少女に注意される
「えっ・・・あっ!、はい・・・すいません」
エリカは1瞬焦るも先のエリカの発した言葉が聞こえていなかったと知ると謝り席に座る
「お~そいなぁ~、何考えことしてたんだよ副・隊・長・殿」
「直江やめろ!、ごめんエリカ・・・それにしてもエリカどうしたの?、具合でも悪いの?」
だるそうにしていた少年直江 頼道(なおえ よりみち)が馬鹿にするかのように言うと正均が頼道にキツく言いエリカに謝り気遣うように尋ねる
「なんでもない正均、これぐらいいつもの事でしょう?」
「そうだね、なんでもないなら良いんだ」
正均がそう答えると抽選会が始まり次々と学校の名前が呼ばれる
『続いて私立世界樹学園!、世界樹学園の代表者高司舞さんはステージに上がってください』
そして・・・・・
『続いて県立大洗女子学園! 大洗女子学園の代表者西住みほさんはステージに上がってください』
遂に一真たち大洗女子学園の番になりアナウンスに呼ばれる、クジを引くのは試合の勝敗を握る戦車隊の隊長が引く決まりになっている(これを決めるのに両連盟でひと悶着あったという噂アリ)
「みぽりん気楽にね、あとスマイルも大切にね男を落とすにはまず第1印象が大事だからね♪」
(それ本当なのかな?)
沙織のアドバイスに一真は引きつった苦笑いを浮かべながら心の中で呟く
「うんありがとう沙織さん・・・・・では行ってきます」
みほはそう言うと身体をガッチガッチのロボットみたいな動きでステージに立ちステージ中央のボックスに手を突っ込みカードを取り出す
『大洗女子学園・・・8番!!』
みほの取り出したカードには「8」と書かれており第1回戦の相手はサンダース大付属高校となった
「「「「「よっしゃー!!」」」」」
その傍らサンダースと思われる生徒がハイタッチをしながら歓喜を挙げる、恐らく大洗女子学園という初めて聞く学校名に余裕で勝利出来ると考えたのだろう
「~~~ZZZ」
その中でも遊び人っぽい少年が寝息を立てていた
「もう隊長・・・起きてくださいって良いか、今回の相手は楽勝そうだし」
その横で生真面目そうな少年が遊人っぽい少年を起こそうとするが途中で止める
「サンダース高・・・ここって強いの?」
「優勝候補の1つです」
サンダースを知らない沙織は眠りにこけそうになっている麻子に肩を貸しながら優花里たちに尋ねると優花里が答える
「え~大丈夫なの?」
(いきなり強豪か・・・いやある意味こちらにとっては都合が良いかもしれないな)
沙織が心配そうな声を上げる傍ら一真はむしろプラスだと考える
一方エリカは平静を装いながらも目をみほに似た顔立ちをした少女に向けるその少女はなにも変わらぬ表情でおどおどしているみほを見る、それを見てエリカは少し寂しそうな顔をするとすぐにいつもの表情に戻る
(みほ!?、なんで彼女がここに!?)
その横で正均はみほを見て明らかに動揺していた
「いきなり強豪ですね・・・」
「どんな事があっても負けられない!、負けたら我々は・・・」
「負けたらどうなると言うのだ?」
その頃生徒会チームは桃の危機迫る物言いに杏たちに尋ねる
「あっ!、えーとそれは・・・お前には!」
「五翠ちゃん・・・この事は明日ちゃんと話すからそれまで待ってね」
桃は明らかに失言した素振りを見せなんとか誤魔化そうとするが瞑想している様だった杏が遮るように言う
「良いんですか!?、五翠さんたちにもう喋っても」
「五翠ちゃんたち勘が鋭いしいつまでも隠し通せる事でもないからね」
柚子は驚きながら尋ねると杏は観念したかのように答える
「・・・分かったそうしよう」
夜罪は杏の真面目な表情を信じそう答えた
それから30分あまりで抽選会は終了した
#####
『戦車喫茶 ルクレール』
抽選会が終わり学園艦からの連絡艦を待っている間生徒会チームは連盟への申請手続きへと会場の隣にある連盟本部に行き一真たちは優花里の案内により「戦車喫茶 ルクレール」(最近はケーキが美味しいと評判になっている)という喫茶店で暇を潰す事になっている
最初は連盟本部には一真が行く事になっていたが
「最近こいつは作戦や陣形ばかり考えてあまり休んでいないから少しでも休ませる必要がある」
夜罪にそう言われ代わりに夜罪が行く事になった
一真たちはエクレールに着き男独りで気まずいのかみほたちとは違う席に座ろうとするが生憎同じように抽選会帰りで他校の生徒でいっぱいであり渋々一真はみほたちと同じ席に座り空いていた華の向かい側に腰掛ける
「一真さん、どれにしますか?」
「うーん・・・そうだな・・・」
華がそう良いメニュー表を渡し一真は考える素振りを見せる
(うん?・・・なんだこれ?、「禁断のリンゴケーキ」?)
一真はメニューの中にあった「禁断のリンゴケーキ」という物に目を惹かれる
(ハズレかな?、でもアタリだったら超アタリに化けるかも)
「じゃあ俺はこのリンゴケーキで」
一真は半ば博打のような感覚で選び華に伝え優花里が多砲塔戦車を模した呼び出しボタンを押す
すると砲撃音のような音が聞こえ一真たち少し驚く
「ご注文はお決まりですか?」
すると軍服のようなウェイトレス服を着た店員さんが来る
「ケーキセットでチョコレートケーキ2つといちごタルト・レモンパイ・ニューヨークチーズケーキ・リンゴケーキを1つずつお願いします」
「承りました、少々お待ち下さい」
華が一通り注文し店員さんはメモを取り敬礼すると去っていった
「このボタン主砲の音になっているんだ~」
「これは90式ですね」
「音だけで分かるのか・・・流石だね」
一真たちは先程の呼び出しボタンの砲撃音について言い一真が感心したように言う
すると他のテーブルからも同じ砲撃音が聞こえる
「う~ん♪、この音を聞くと最早ちょっと快感な自分が怖い~♪」
(それは本当に怖いというよりやばいなぁ・・・)
頬を赤くして言う沙織に対し一真は苦笑いで口には出さず心の中で呟いた、言ってしまうと沙織の心を抉りそうだと考えた為だ
それから程なくして
荷台に戦車型のケーキを乗せたドラゴンワゴンのラジコンが一真たちのテーブルの上に走ってきた
「うわぁなにこれ?」
「ドラゴンワゴンですよ」
「可愛い~」
「ケーキも可愛いです」
みほたちはドラゴンワゴンや戦車型のケーキを見て思い思い感想を言い一真も頷きケーキに手をつけ始める
「・・・ごめんね、1回戦から強い所に当たっちゃって・・・」
「いやみほちゃん、俺たちは戦車の数も少なければライダーも数も試合に出れる必要最低人数だ、むしろ戦車やライダー部隊の数がまだ少ない初戦の方が良い、勝ち進めばいずれ強豪校とは当たる物だしな」
するとみほが初戦から強豪校に当たってしまった事について謝ると一真がそう言ってフォローする
「サンダースチームってそんなに強いんですか?」
サンダースを知らない華が当然の疑問を尋ねる
「強いっていうよりかすごいリッチな学校で、戦車の保有台数が全国1なんです、チーム数も1軍から3軍まであって」
「ライダーチームも似たような物ですが中でもその中でも選りすぐられた精鋭部隊があってその鉄壁の守りから「ガーディアンライダー部隊」と呼ばれています」
優花里がサンダースの戦車隊とライダー部隊について語り一真が真剣な表情で聞く
「公式戦の1回戦は戦車の数は10両まで限定されているから、砲弾の総数も決まっているし」
「でも10両って・・・うちの倍じゃん、それは勝てないんじゃ・・・」
「ライダー部隊はどうなっているんですか?」
沙織はサンダースとの戦力差に弱音を吐くと華がライダー部隊のほうについて尋ねる
「ライダー部隊は1小隊あたり10人で構成する小隊を参加する戦車の数だけ用意出来るつまり・・・」
「恐らくサンダースは10小隊総勢100人用意してくる計算だよこちらの戦力差は単純な計算だと20倍だな」
そう一真が語り沙織はもう諦らめムード1色だった
「単位は?」
「負けたら貰えないんじゃない?」
沙織がそう答えると不機嫌そうにフォークをケーキに突き刺し大きめな一口を取り口に運ぶ
「それより全国大会って生中継されるんでしょう?、ファンレターとか来たらどうしよう♪」
「生中継されるのは決勝だけですよ」
沙織がそう言って妄想を膨らませると華がそう答える
「じゃあ決勝行けるように頑張ろう~!」
沙織はそう言うとケーキを頬張り始める
「ほらみほも食べて」
「うん・・・」
沙織はみほに食べるように促しみほもケーキに手を付けようとする
「副隊長?」
男性の声でみほに呼び掛けるように聞こえ一真たちは呼ばれた方に向く
「あぁ・・・「元」だったな腰抜け副隊長」
そこにはみほを馬鹿にするように言う頼道とみほと似た顔立ちをする少女とエリカは悲しそうな表情でみほを見ていた
(あの人・・・確かせんしゃ倶楽部で見たテレビの・・・みほちゃんのお姉さんの西住まほさんか)
一真はみほと顔立ちの似た少女がみほの姉西住 まほである事に気付く
「お姉ちゃん・・・」
「「「「あ・・・・・」」」」
みほがまほをそう呼ぶと沙織たちも気付く
「まだ戦車道をやっているとは思っていなかった」
まほはまるでロボットのような感情のない言葉をみほに言いみほの表情は暗くなる
(なるほど久しぶりに会った妹にこの言い様・・・流石は西住流だ俺は絶対に真似できないなぁ~)
一真はまほの言葉から西住流の黒い部分を少し垣間見え嫌悪感を抱きながらそれを消し去ろうとケーキを頬張る
「お言葉ですが、あの試合の判断は間違っていませんでした!」
暗い表情になっているみほを見て耐え切れなくなったのか優花里が席を立ちまほたち強く言い放った
「部外者は黙っていろ」
「す・・・すいません」
頼道がキツめに言うと優花里は意気消沈し何も言えなくなる
「行くぞ」
「へいへ~い」
「はい・・・隊長」
まほの一言で頼道は気のない返事をするもまほたちは店の奥へと進む
「そういえば1回戦はサンダース付属と当たるんでしょ・・・」
するとエリカが振り返りそう言い始めるが一真は何処か悲しげのような雰囲気を感じる
「最近サンダースのライダー部隊はロールアウトされたばかりの新型ロックビークルを多数購入したと噂よ気を付ける事ね」
「えっ・・・エリカさん?」
頼道のように馬鹿にされると思いきや明らかにこちらにとっての助言をしみほは驚きのあまり名前を呼ぶ
(ふっ・・・そうか、黒森峰にもまだこういう人がいるならまだ安心だな)
一真はエリカの助言でエリカの悲しげな雰囲気の正体が分かりホッと胸を撫で下ろす
「まぁ無様な戦い方をして精々西住流の名を汚さないようにな、腰抜け」
だが頼道の心のない言葉に沙織たちがみほを庇うように立ち上がる
「何よその言い方!」
「あまりにも失礼じゃ!」
「お前たちこそ戦車道とライダー道に失礼だろう、無名校のくせに」
沙織たちの言葉に頼道は完全に振り向きそう言う
「ちょっと直江、止めなさい!」
「良いか?、この大会は戦車道やライダー道のイメージダウンに繋がる学校は出場しないのが暗黙のルールだ、知らねえのか?」
「強豪校が有利になるように示し合わせて作った暗黙のルールとやらで負けたら恥ずかしいな」
頼道はエリカの制止を振り切りまたも馬鹿にしたように言うが麻子が毒舌で応戦する
「無名校の分際で俺に反論するのか、まぁ良いけど」
「もしあんたたちと戦ったら絶対に負けないから!」
頼道の言葉にますます火が付いたのか沙織が頼道たちを指差して宣戦布告すると頼道が鼻で笑う
「まぁ頑張れよどうせ1回戦で負けるだろうけどよ、ハッハッハッ・・・」
そう言って悪の手先のように高笑いをし流石のまほとエリカが注意しようすると
(なんだこのプレッシャーは?)
2人は異様なプレッシャーを感じ感じた方向に目を向けるそこには・・・
「・・・・・」
ケーキを平らげ俯きのままフォークを立てている一真だった
(こ・・・これは)
2人は絶句していた、何故かは分からないが頼道が決して開けてならないパンドラの箱を開けてしまったように思えた
「王者黒森峰と言うからどんな物かと思えば・・・ただの吠える犬か」
「なんだと・・・言いたい事があるならちゃんと顔を上げてから言え!」
「よ・・・よせ直江!」
一真はいつもと違うドスの効いた声で言い普段ない光景にみほたちは一真を見る頼道は一真の纏うオーラに気付かずに強く言い放ちエリカが止めようとするが既に遅かった
一真はゆっくりと立ち上がりそしてゆっくりと顔を上げるその表情は
「っ!」
表情こそ少し怒っている様にしか見えないが物凄い勢いで睨んでおりその圧倒的な迫力により頼道はいきなり膝を床に着けるとガタガタと身体中が震えだす
「どうしたの直江!?」
「わ・・・分からない・・・きゅ・・・急に身体が・・・うっ!」
エリカは心配すると頼道は必死に答えようとするも次は吐き気に襲われる
(この顔立ちそれにこの睨み・・・まさか?)
まほはこの表情に見覚えがあった
「君・・・一体何者だ?」
まほが確認の為一真に尋ねる
「・・・申し遅れました、自分は大洗ライダー部隊隊長破神一真です、以後お見知りおきを」
「なにっ!、君が・・・」
「まさか!?、この男が!?」
「な・・・何故腰抜けと同じ無名こ・・・うっ!!」
一真が自己紹介するとまほやエリカも驚き頼道も驚くがまた吐き気に襲われる
(まーたその反応だ、まぁ今やライダーシステムも大半を作っているみたいだしなその息子がいたら驚くか)
一真はまほたちの反応にうんざりしているまほから意外な言葉が発せられる
「君がまさか「破神教官」の息子だったとはな」
「教官?、どういう事ですか?」
一真はある単語が気になり尋ねる
「破神君、君に1つ頼みがある」
「何ですか?」
まほの言葉に一真は怪訝そうに答える
「今から私たちが用意するライダーと戦って君の力を証明して欲しい」
「隊長!、でも・・・それは!」
「大丈夫だ責任は全て私が取る」
エリカはまほの申し出を止めようとするがそう答えられ何も言えなくなる
「分かりました、受けましょう」
「うん、だが直江は無理か・・・なら」
一真もまほの頼みを了承しライダーを選定するが
「大丈夫ですよ隊長・・・もう収まりました、それに俺も見たいですからねライダー道最強の流派「破神流」の正当後継者の力を!」
頼道がそう言いながら立ち上がり真っ直ぐ一真を見据える
(「破神流」・・・父さんそんな事まで)
一真は自分の父親総一に少々うんざりしながらも場所を変え頼道と戦う事になった
後編の方でぼちぼちと語らせてもらいます