ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

25 / 70
第20話です

恐らくこの試合の結末は現在コミックウォーカーで連載されている話とは違うと思われます(作戦から丸っきり違いますし)

内容に納得いかないかもしれませんがご了承ください

ではどうぞ!


第20話「大洗の覚悟・マジノの思いです(後編)」

「見せてもらうわよ・・・あなたの力を!」

 

「麻子さん、うまく木を利用しながら相手の背面か側面を取ってください!」

 

「了解・・・・・」

 

 大洗ライダー部隊とウィッチライダー部隊が激闘を繰り広げている中大洗戦車隊は3両を撃破した後エクレールたちマジノ戦車隊の隊長チームとの決戦が開始された

 

「フォンデュ、相手は必ずこちらの背面か側面をとってくるはず一定の距離を保ちながら牽制しつづけるわよ」

 

「分かりました」

 

 みほたちⅣ号Aチームはエクレールとフォンデュが乗るソミュアS35と激しい砲撃戦を繰り広げみほの指示を聞き麻子は木々を盾にしながらエクレールたちの側面または背面を取ろうとするもエクレールはその意図に気付き一定の距離を保ちながらⅣ号の動きに合わしていた

 

(やはり・・・こちらの狙いには気付いている、一瞬でも気が逸れてくれたら!)

 

「キャプテン、もう1両が見つかりません!」

 

「一体どこに消えたのでしょうか?」

 

「まるで雲隠れでもしたかのようだな・・・」

 

 その頃B・C・Eチームはマジノ戦車隊のB1bisを見失い辺りを捜索していたが一向に見つかる気配がなかった

 

「して一体どこに隠れたぜよ」

 

『ドォーーーン!』

 

 CチームⅢ突のおりょうが愚痴っていると後方から砲撃音が聞こえ砲弾がⅢ突の背面に直撃し白旗判定が出た

 

「なにっ!?、いつの間に!」

 

「B・Eチームあとは任せた!」

 

 カエサルとエルヴィンから通信が入った後Ⅲ突を押しのけてB1bisが姿を現した

 

「素人風情がいい気になるのもここまでよ!」

 

 B1bisの車長ガレットがそう吐き捨てると89式に目掛けて砲撃する

 

「うわぁー!、来たよ鉄壁ブローーーック!」

 

「なんだか今の状況と違うような・・・」

 

 Bチーム89式の車長典子が叫びあけびが疑問に思いながらも砲弾を避ける

 

「からの・・・高速アターーーック!!」

 

89式とEチーム38tはつかさず反撃するも89式の放った砲弾は直撃するも硬い装甲によって弾かれ38tの放った砲弾は明後日の方向に飛んで行く

 

「そんな攻撃ではビクともしないわ!」

 

 ガレットは余裕の笑みを浮かべ的を38tを絞る

 

「桃ちゃん・・・やっぱり当たってない」

 

「桃ちゃん言うなぁー!!、それよりも柚子もっと近付け!」

 

「残念だけどそんな暇はないみたいだよ~」

 

 38tの車内で言い合っている柚子と桃だが杏の言葉で我に返るが既に遅く回避行動もままに取らずB1bisの砲撃が直撃し白旗判定が出る

 

「うわぁ~やられちゃったね、という事でBチームあとは任せたよ~」

 

 やられたのにも関わらず杏は呑気に言うと干し芋を頬張る

 

「キャプテン!、Eチームもやられちゃいました!?」

 

「う~・・・なんとかDチームが「ポジション」に着くまでは・・・」

 

 妙子の報告に典子はいかにも辛そうな表情を見せ車内の空気が一気に暗くなる

 

「こちらDチーム!、「ポジション」に着きましたいつでも大丈夫です!」

 

 するとDチームM3の梓から通信が入りBチーム車内の空気が一気に明るくなる

 

「こちらBチーム!、Dチームのみんなお願いします!」

 

「分かりました、みんな・・・行くよ!」

 

「「「「ハーイ!」」」」

 

「早く89式を片付けて隊長の方に向かいましょうか・・・あまり気乗りしませんが・・・」

 

 ガレットの言葉にB1bisの車内にいる他の2人が苦笑いする中照準を89式に向け装填も終わり砲撃準備を完了する

 

「どうせまたM3はまた逃げたのでしょうね・・・逃げる者を構う必要はないわ、うっ・・・」

 

『ドォーーーン!』

 

 ガレットを号令を出そうとした時突如後方から砲撃音が聞こえB1bisの後方至近距離に着弾し車体が大きく揺れる

 

「なにっ!?、まさか!」

 

 ガレットはハッチを開き上半身を出して後方を見ると・・・

 

「あー!、外しちゃった!!」

 

「やっぱり西住隊長に言われた通りもっと近づいてから撃とう!」

 

「佳利奈ちゃんフルスピードね」

 

「あいー!」

 

 M3が猛スピードでB1bisに突進し至近距離で撃ち込もうとする

 

「生意気な!、直ちに転進し先にM3を叩く!」

 

 ガレットの指示で転進しようとするが89式を砲撃しB1bisに直撃する

 

「気にする事もないどうせ効きはしないわ」

 

 だが対戦車に向いていない89式の砲撃では硬いB1bisの装甲には届かない

 

「まずい・・・Dチームがやられたら・・・」

 

 典子は冷や汗を流しながら言い緊張が走る

 

(このままじゃ埓が明かない・・・危険だけどやってみるしかない!)

 

「麻子さん、5秒後に急停車後直ぐに敵戦車目掛けて突っ込んでください」

 

 そんな中みほはある決断し麻子に指示を出す

 

「いいのか?、いちかばちかになるぞ・・・」

 

「大丈夫です、華さん急停車後発砲し次の発砲は私の合図でお願いします、優花里さん次弾装填を早めにお願いします!」

 

「分かりました」

 

「了解であります!」

 

 麻子が懸念の声を挙げるがみほははっきりと答え華と優花里に指示を出す

 

 華と優花里が指示を聞くとその5秒後に麻子の運転の元急停車しその直後華が砲撃しエクレールたちのソミュアS35の至近距離に着弾する

 

「仕掛けてきましたね、こちらも報復しないのですか?」

 

「わざわざ敵の手に乗る必要はないわ、私に任せて」

 

 フォンデュの言葉にエクレールがⅣ号見据えたまま答える

 

「この試合に勝って・・・・・」

 

「・・・?」

 

 するとエクレールが独り呟き始めフォンデュが不思議そうにエクレールを見る

 

「これからのマジノの為に私のやり方が通用する事を証明してみせる!」

 

「エクレール様・・・・・」

 

 意気込むエクレールをフォンデュが何か思い当たる事がある様に俯き直ぐに目の前を見据える

 

(もう少し・・・もう少し・・・もう少し!)

 

 その頃みほは今か今かと自分が見定めた距離まで額に汗を流しながら待ち優花里が次弾装填をしようとする

 

(今だっ!)

 

「・・・発射」

 

 やっとみほの見定めた距離に到達するが先にエクレールたちが砲撃しⅣ号の左側至近距離に着弾し大きく車体が揺れる

 

「しまっ・・・!」

 

 大きく揺れに襲われるⅣ号の車内ではみほが敵に自分の考えが読まれていた事に驚きを見せている中次弾装填の真っ最中だった優花里は大きい揺れに足元を取られ車内に激しく右肩をぶつけてしまう

 

「優花里さん大丈夫ですか!?」

 

「はい・・・なんともありませ・・・っ!!」

 

 いち早く優花里の状態に気付いたみほが心配そうに尋ねる優花里は心配させまいと次弾装填しながら答えようとするが落としてしまった砲弾を持ち上げようとした時に右肩に激痛が走る

 

「優花里さん!」

 

「優花里さん無理しないでください!」

 

「そうだよゆかりん!、早く病院で診てもらった方が良いよ!」

 

「確かに無理はするな、一生肩が使えなくなるかもしれないぞ」

 

「そんな事をより皆さん!、前を見てください!」

 

 優花里の容態が気になるあまりそれぞれ声を掛け合うが優花里の言葉に何かを思い出したかのように前を向く

 

 そう今みほたちはエクレールたちと対峙している事を忘れてしまっていた

 

「撃ってこないですね・・・」

 

「車内で何か起きた様ね、私たちには願ったり叶ったりだけど」

 

 エクレールたちもみほたちの異常に気付きまたとないチャンスと感じる

 

「西住みほ・・・ここは勝たせてもらうわよ」

 

 エクレールはまるで勝利を確信したかのように言う

 

(まぁ・・・これからも勝たせてもらうけどね)

 

 エクレールは心の中で言うと砲撃し砲弾がⅣ号目掛けて真っ直ぐに飛んで行く

 

「っ!!」

 

 みほは直ぐに指示を出そうとするが避ける事も出来ない距離まで近付いていた

 

(西住殿すいません!、不出来な私のせいで!!)

 

 みほたちも撃破が免れないと思い優花里は心の中でみほに深く謝罪する

 

「まだ諦めるには早いぞ!」

 

「「「「「・・・?」」」」」

 

 突如として聞こえた声にみほたちは不思議に思うといきなり近くの薙ぎ倒された木がまるで「操られたかの様」にⅣ号とソミュアS35の間に飛んで行きエクレールの放った砲弾が木に直撃しⅣ号の直撃を阻んだ

 

「っ!?、どういう事!」

 

「みんな今だっ!、撃つんだ!」

 

 エクレールはいきなりの出来事に動揺しフォンデュも動揺を隠せないでいる、その中謎の声はみほたちに砲撃するように言う

 

「で・・・でも今優花里さんが負傷していて・・・」

 

「っ!、分かった俺に任せろ!」

 

 みほは謎の声に恐る恐る答えると謎の声が威勢良く言い落ちた砲弾の目の前に黄色い魔法陣が現れその中から手が伸びると砲弾を掴み手が魔法陣の中に引っ込む

 

「えっ!、今のは!?」

 

「まさか・・・魔法・・・でしょうか?」

 

 みほと優花里がそう言い合っていたが沙織たちも有り得ない物を見たかのように固まる

 

 するとまた黄色い魔法陣が装填部に現れて砲弾を掴んだ手が伸びるとそのまま装填してしまう

 

「あっえーと・・・装填完了です・・・」

 

 優花里は呆気に取られながらも言いその言葉で全員我に戻る

 

「撃てぇ!」

 

「はい!」

 

 みほの合図ともに華が砲撃しソミュアS35に砲弾が突き刺さり白旗判定が出た

 

「や・・・やられてしまいましたね」

 

「え・・・えぇ・・・」

 

 エクレールたちは1瞬の出来事の様に感じまるでやられた実感がなかった

 

「このままじゃ・・・!」

 

「キャプテン!、履帯を破壊すればまだどうにかなりますか!?」

 

 冷や汗を流しているBチームの元にいきなり仮面ライダー龍玄に変身している衣玖から通信が入る

 

「衣玖!、うん・・・まだどうにかなりそう!」

 

「了解しました!」

 

 典子が答えると衣玖を返事をし通信が切れる

 

「あれさえ倒せば89式など・・・」

 

 ガレットはその場で旋回していると頭上から黄色い複数の光弾がB1bis目掛けて飛んでくる

 

「今すぐ回避っ!」

 

「駄目です間に合いません!」

 

 ガレットはすぐに指示を出すが間に合わずB1bisに直撃する

 

「くっ!・・・でもこの程度の威力なら撃破されていないはず・・・」

 

「車長!、履帯が切れています!」

 

 ガレットは衝撃が収まった後ハッチを開け履帯を見ると両側とも履帯が切れてしまっていた

 

「ま・・・まだ回転砲塔だけでも撃破出来るはず!、直ぐに向けなさい!」

 

「もう向けていますよ!」

 

 ガレットは動揺しながらも指示を出すともう既に行われていた

 

「そ・・・そうならすぐに砲撃しなさい!」

 

 ガレットはやや怒鳴り気味に言い砲撃しようとする

 

「撃ってくるよ!」

 

「梓ちゃんどうする!?」

 

 優季が焦りながら梓に尋ねる

 

(この細い道だと避けれない!・・・どうしよう・・・)

 

 戻る事も出来ずに頭を抱えるが

 

「梓ちゃん!、そのまま突っ込みなさい敵の砲撃は私がどうにかするわ」

 

 突然仮面ライダー斬月に変身している幽香から通信が入り梓の決意が固まる

 

「みんな・・・このまま突っ込もう!」

 

「うん!、幽香さんが言うなら大丈夫だよ!」

 

「行けー!、突っ込め!!」

 

 梓の指示にDチームの全員が了解し再びB1bisに突っ込む

 

 その直後B1bisが砲撃する、このまま当たると思われたが・・・・・

 

 突如炎の渦のような火炎放射が放たれB1bisが放った砲弾を焼き尽くし爆発する

 

「なっなんなの!?、あの炎は!?」

 

「車長!、爆煙で敵戦車が確認できません!」

 

 いきなり炎に阻まれ狼狽えるガレットだが他のB1bisの乗員から指摘を受ける

 

 すると爆煙の中からM3が現れB1bisの背面ゼロ距離まで近付く

 

「いくよ・・・みんな一緒に決めるよ」

 

「「「「「せーのっ!!」」」」」

 

 Dチームはその掛け声とともに砲撃し両方の砲弾がB1bisに突き刺さり白旗判定が出る

 

「ば・・・バカ・・・な」

 

 ガレットはこの事実を受け止める事が出来ずにそう呟く

 

『マジノ戦車チーム全車両走行不能!、よって・・・・・』

 

 すると香音の放送が始まるそして・・・・・

 

『大洗女子学園チームの勝利!!』

 

「私たち・・・勝ったの?」

 

「うん・・・そうみたい・・・」

 

 香音の放送によって自分たち大洗女子学園チームが勝ったことを知るイマイチ勝った感覚がなく沙織がみほに尋ねるがみほも曖昧な返事しか返さない

 

「そうだよみんな、正真正銘俺たち大洗の勝利だ」

 

 するとまたも謎の声が聞こえると地面から物凄い勢いで何かが現れるその正体は・・・

 

「えっ・・・鎧武・・・一真君!?」

 

 仮面ライダー鎧武に変身している破神一真であり現在黄色いウィザードアームズ(ランドスタイルVer)を装着した状態だった鎧武は戦極ドライバーにセットしていたロックシードを元に戻し変身解除すると人間の姿に戻る

 

 変身解除した一真はみほたちに向かって笑顔でサムズアップする、みほたちは今だ実感が持てないものの華はそれを見て満面の笑みで一真にサムズアップした

 

「華さん・・・」

 

 華の行動に一瞬驚くも一真も満面の笑みを返した

 

「勝っちゃったの?」

 

「まるで悪い事をしたかのように言うのね」

 

 その頃梓もまるで勝利の実感がなく言うと赤いフォーゼアームズ(ファイアーステイツVer)の斬月が姿を現す

 

「幽香さん・・・」

 

「みんなは勝ったのよ・・・もっと胸を張っても罰は当たらないと思うわよ」

 

 斬月は変身解除し元の姿に戻ると微笑みながら言う

 

「「「「ゆ・・・幽香さーん!!」」」」」

 

 するとDチームの全員が戦車から降り幽香に涙を流しながら抱きつく

 

「そう・・・みんな・・・怖ったかよねよく頑張ったわ」

 

 幽香は諭す母親の様に言った

 

「負けて・・・しまいましたね」

 

「・・・そうね」

 

 その中フォンデュが恐る恐るエクレールに言うがエクレールは穏やかな笑みを浮かべ答える

 

「悔しそうではなさそうですね」

 

「えぇ・・・みんなやるべき事はやったわ恐らくキャロたちもね」

 

「・・・はい」

 

 エクレールの言葉にフォンデュは笑みを浮かべて返事をした

 

 こうしてマジノ戦車隊&ウィッチライダー部隊との親善試合は大洗戦車隊&ライダー部隊の勝利で幕を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 #####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「優花里さん大丈夫ですか?」

 

「これぐらい大丈夫ですよ・・・イタッ!」

 

 その後大洗戦車隊とライダー部隊は帰りの準備をしておりみほが優花里を心配そうに尋ねると優花里は答え肩を回そうとすると激痛に襲われる

 

「優花里ちゃん無理に回そうとしたらダメだ、ちょっと俺に見せて」

 

 すると一真が優花里に歩み寄り右肩を触る

 

「は・・・破神殿!?、い・・・良いですよ!」

 

「良いわけがない、すぐに応急処置をした方が良い」

 

 あまり男性に触れられた事のない優花里は狼狽えるも一真は構わずに既に用意していた白いガーゼを器用に巻き右肩を固定すると一真は目を見開きまるで念じるかの様に右肩を一瞬見る

 

「よしっ、後はちゃんと病院で見てもらってくれ」

 

「あ・・・ありがとうございます・・・破神殿・・・///」

 

 優花里は赤面しながら答え一真はそんな優花里を不思議そうに見ていた

 

(あ・・・優花里さん・・・私も怪我をしていたら一真さんに・・・!?、私ったらなんて事を!!)

 

 華は優花里を羨ましいそうに見て心の中で呟いていると自分に恥ずかしくなった

 

「ごきげんよう大洗戦車隊とライダー部隊の皆さん挨拶に来ましたわ」

 

 するとエクレール・フォンデュ・キャロ・ガーリックがプジョーP4に乗って挨拶に来た

 

「お~これはどうもご丁寧に~」

 

 杏が陽気に答えるとみほが気付きエクレールの前に行く

 

「あ・・・あの・・・」

 

「とても素晴らしい試合だったわ、ありがとう」

 

 みほは何か言おうとするが先にエクレールが笑顔で言った

 

「いえ・・・そんな・・・みんなのおかげです」

 

「みんなで掴んだ勝利ね・・・随分西住流とは違う戦い方ね」

 

「はい・・・前にも同じ事を言われました」

 

「・・・ふっ、全国大会では絶対に勝ってみせるわ私たちと戦うまで負けないようにね」

 

「はい、頑張ります!」

 

 みほとエクレールは握手をしフォンデュがそんな2人を見守るように見ていた

 

「はい~一真君~おひさ~♪」

 

「キャロさん・・・身体の方は大丈夫ですか?」

 

 するとキャロとガーリックが一真の前に行きキャロがニコニコしながら言う

 

「うん、バッチリ治療は受けてきたから問題な~し♪」

 

「流石は神道コーポレーションが用意した最新機器です物の数分で完了しました」

 

ガーリックのある単語に一真は険しい表情をしてしまう

 

「一真君・・・あっそうだ~一真君の使ったあのアームズってなんなの?」

 

 キャロは一真の反応を見て咄嗟に話題が変えた

 

「あれは・・・自分にも分かりません、いきなり父さんが送ってきた物なんです」

 

「でも私が戦ったバロンが使ったオーズとやらも凄まじかったですまさか私と同じ分身まで使うとは思いませんでした」

 

「まぁ使用者が強いのもあるけど一真君のウィザードアームズもあんな風に私の能力を打ち破るとは思わなかったよ」

 

「あれは結構危ない賭けだったんですけどねあの時点では何の根拠もなかったので」

 

 一真はガーリックとキャロの言葉に苦笑いしながら答える

 

「でもそんな大胆な決断が出来るなんて流石は私たちを倒したライダー部隊の隊長ね」

 

 キャロは一真の言葉に頷きながら答える

 

「あっそういえば・・・ゴメンね一真君、戦車隊の事悪く言って」

 

キャロは突然思い出したかのように詫びた

 

「いえ・・・本心から言っていないのは分かっていましたよ」

 

「でも一真君これからもライダー道を続けるならこれだけは憶えていてね・・・」

 

 それに対し一真は最初から分かっていたかのように言うがキャロは神妙な面持ちで言い始め  

 

「戦車とライダーはともに助け合うものよ、どっちかが助けてばかりじゃもう一方に成長はないしそれが当たり前に感じた時にはもうそのチームに勝ちはないわ」

 

「はい・・・肝に銘じます」

 

 キャロの言葉に一真は真面目な表情で答える

 

「エクレール様キャロット様ガーリック、もうそろそろ帰りましょう!」

 

 するとフォンデュが2人を呼びかけエクレールとフォンデュはプジョP4に乗る

 

「じゃ~ね一真君、3サイズは全国大会の時に教えてあげるから~♪」

 

「いや良いです」

 

 キャロは半ば冗談気味で言い手を振りながらガーリックは軽くお辞儀をしてエクレールたちの元に戻り一真は苦笑いを浮かべながら手を振り返しエクレールたちは去っていった

 

「・・・あれ?」

 

 エクレールたちを見送る優花里は負傷した右肩に手を置きある事に気付く

 

「痛みが・・・全然ない・・・?」

 

 さっきまで感じていた右肩の痛みが消えていたのであった

 

 その後一真たちも大洗の学園艦に帰り優花里はすぐに病院に向かい診察を受けたが負傷していた右肩はまるで嘘だったかのように完治していた

 

 

 

 

 

「あ~あ~負けちゃったか~結構イイ線いったんだけどなぁ~」

 

「それにしてはあまり落ち込んでなさそうね」

 

エクレールとキャロたちが自分たちの陣営に帰る道中キャロがなんとも気が抜けた声で言いエクレールが指摘する

 

「まあねぇ~それにエクだってあんまり悔しそうじゃなさそうだけど・・・憧れの西住流と戦えたから?」

 

「かもしれない・・・でも彼女の戦い方は西住流とは全然違ったわ・・・でも・・・だからこそ」

 

「お互いに死力を尽くしたこそ負けた時にも清々しかったのかもしれないわ・・・」

 

 エクレールがそう語るのに対しキャロは嬉しそうに微笑する

 

「まぁ・・・ガレットの目の前で言ったらまた嫌味を言われそうだけどね」

 

「でもガレット今回はかなり落ち込んでいるみたいよ、それに別にエクが憎くて言っている訳じゃないよ」

 

「えっ!、そうなんですかキャロット様!?」

 

 フォンデュはキャロの言葉に驚き尋ねる

 

「えぇ・・・ガレットはマドレーヌさんに頼まれたからね「エクともにマジノ戦車隊を頼む」ってねそれを律儀に守っているだけなのよ、本当に不器用な子なんだから・・・エク、今日はちゃんとガレットを慰めるのよ」

 

「もちろん・・・そのつもりよ」

 

「それにしてもキャロは相当破神一真の事を気に入っているみたいだけど、ああいうタイプの男は一番嫌いじゃなかったの」

 

「確かに「みんなの為に~」なんて言う奴は大抵は口先だけだけど・・・破神一真だけは違うような気がするの」

 

 その中話題は一真の事となりキャロは神妙な表情で言う

 

「・・・実際に戦ってみて感じたの」

 

「破神一真は本当にそれを実現する為に自分を犠牲にする本物の「バカ」ってことをね」

 

「そう・・・」

 

 そう語るキャロをエクレールは珍しそうに見て一言だけ呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 #####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  『大洗女子学園 ガレージ』

 

 マジノとの試合後の夜ガレージの中で大洗戦車隊とライダー部隊復活以来の勝利を祝してお菓子パーティーが行われようとしていた

 

「え~、この度練習試合大いにご苦労であった、ひとえに今回の勝利をもたらしたのは・・・」

 

「桃ちゃん前置きが長いよ・・・」

 

 生徒会の3人と夜罪がみんなの前に立ち桃がスピーチを始めたが長くなると察した柚子が指摘し桃が咳払いをする

 

「ではこれよりささやかな祝賀パーティーを行う・・・では会長お願いします」

 

 桃はそう言うと持っていたマイクを杏に渡す

 

「いや~勝てて良かったね、全国大会もこの調子で頑張っていこう~では乾杯!」

 

「えっそれだけですか!?」

 

「「「「「「「「「「「「「「「かんぱ~い!!」」」」」」」」」」」」」」」

 

 桃は杏の言葉を短さにツッコミを入れるがそんな事を気にせずみんなは乾杯の音頭を取りいくつものテーブルに広げらているお菓子に手をつけ始める

 

「そういえば優花里ちゃん右肩の怪我はどうだった?」

 

「いえそれが・・・病院に行った時には既に完治していました」

 

 一真は優花里に怪我の事について尋ね優花里は戸惑いながらも答えた

 

「ゆかりん、もう治ったの?、そんなに大した怪我じゃなかったんだね」

 

「良かった・・・優花里さんの怪我が早く治ってくれて・・・」

 

「ありがとうございます西住殿・武部殿・・・・・私の不手際が招いた結果なのに・・・」

 

 沙織とみほは自分の事のように喜んでいると優花里がバツが悪いように言う

 

「そんな事はないよ優花里ちゃん、優花里ちゃんは何も間違った事はしていないしあの場合はああなっても仕方ないと俺は思う、自分を責めるのはお門違いだよ」

 

 一真の言葉にみほや沙織・華や麻子も頷き優花里は驚きの表情を見せる

 

「みなさん・・・ありがとうございます」

 

 優花里は深々と頭を下げ感謝の言葉を述べる

 

(俺がもっと早くに駆けつけていれば優花里ちゃんをこんな思いにさせずに済んだのに!)

 

 一真は心の中ではやくみほたちの元に行けなかった事に深い自責の念を感じ握り拳を作り思い切り力を入れていた

 

(一真・・・・・また自分を責めているのか)

 

 ふと一真を見た天子はコップにいれたバナナオーレを飲みながら心の中で呟く

 

「どうした天子?、何か気になるのか?」

 

 すると夜罪が天子に声を掛け天子は夜罪の方を向く

 

「いや・・・別に大した事は・・・」

 

「そうか・・・」

 

「あっ夜罪!、今回の試合どうだった?、私はかなり苦戦したよ~」

 

 天子は夜罪に悟られないよう別の話題を振ると夜罪は鼻で笑う

 

「そうだな俺もかなり苦戦した・・・それに良い体験も出来た」

 

「良い体験?、なにそれ?」

 

 夜罪の言葉に天子はある単語が気になり尋ねる

 

「・・・私もまだ・・・お前たちと似た姿ってだけなのに対峙した時・・・あんなに心を乱すとは・・・もう完全に割り切っていたと思っていたのに」

 

「・・・一真が聞いたら喜びそうだな」

 

 夜罪が感慨深そうに言うのを驚くも天子は微笑みながら答える

 

「絶対に一真にだけは言わないけどな」

 

 夜罪も微笑して言うとコップに入れていたブラッドオレンジソーダを飲む

 

「一真、少し良いかしら?」

 

「なんだ幽香?」

 

 その中幽香が一真を呼び一真はその理由を尋ねる

 

「少し梓ちゃんたちを褒めてあげて欲しいの・・・構わないかしら?」

 

「良いよ・・・ってか俺で良いのか?」

 

 幽香の頼みに一真は了承するが腑に落ちない部分があり幽香に再度尋ねる

 

「えぇ・・・私よりも一真に言った方がみんなも喜ぶから・・・」

 

「そうか・・・分かった俺で良ければいくらでもするよ」

 

 幽香の言う理由に一真はあまり納得出来なかったが頷き答えると梓たちの元に向かいそんな一真を幽香はメロンソーダを飲みながら見守っていた

 

「Dチームのみんな今回は良く頑張ってくれたね、ライダー部隊の隊長として礼を言わせてもらうよ」

 

「っ!、破神隊長!・・・いえそんな・・・破神隊長と西住隊長の建てた作戦が良かったからです、私たちはただ言われた事をやっただけです」

 

 梓たちが賑やかに談笑している中一真が声を掛けると一斉に梓たちは一真に注目し梓がモジモジしながら答える

 

「いや今回のみんなは相手の切り札であるB1bisを叩く為に随分難しい立ち回りをさせてしまった、それを見事こなしたのはDチームみんなの力だ」

 

「あっ・・・えーと・・・そんな・・・」

 

 一真は称えるように梓たちに言い梓は赤面し俯いてしまう

 

「どうしたの梓ちゃん?、具合でも悪いのか?」

 

「違いますよ破神隊長、嬉しすぎて赤面している顔を隠しているだけですよ~」

 

 一真は俯いている梓に心配そうに言うがあゆみが答え誤解を解く

 

「へぇ~そうなんだ~初々しくて可愛いな梓ちゃん」

 

 一真の冗談めいた言葉に梓の顔は嬉しさのあまり沸騰したやかんのように湯気が噴き出しそうだった

 

 その後も梓たちやほかのチームと他愛のない談笑しお菓子パーティーを楽しんでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 #####

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お菓子パーティーももうそろそろ終りをむかえそうな頃華はキョロキョロと辺りを見回し誰を探していた

 

「華さん誰か探しているの?」

 

「みほさん・・・実は一真さんを探しているんですけどどこにも見当たらなくて・・・」

 

 華の様子に気付きみほが尋ねると華は少し頬を赤くしながら答える

 

「そういえば色んな人と話した後見てないね、一緒に探しますよ」

 

「すいませんお願いします、私は向こうを探します」

 

 華がそう言うとみほは華とは反対の方向を探し始める

 

(見当たらないな・・・もしかして外なのかな?)

 

 全く見当たらない一真にみほはそんな予想をしガレージを出るすると・・・

 

 夜空を見上げる一真の姿があった

 

「一真君、華さんが探し・・・て・・・うわぁ・・・綺麗」

 

 みほは一真に声を掛けようとするが夜空の綺麗さに見惚れてしまう

 

「あっみほちゃんも来ていたのか・・・」

 

「うん・・・綺麗だね・・・とても」

 

 一真はその時初めてみほがいた事に気付く

 

「一真君・・・今日はありがとう、一真君が来てくれなかったら私たち勝てなかったよ」

 

「そんな事はない、みんなを守るのが俺の役目だそれに・・・・・」

 

 みほは今日の試合の事について一真に感謝すると一真はそう言い始め

 

「戦車とライダーは助け合うものだろう?」

 

「一真君・・・」

 

 一真はその言葉にみほは一真の顔をまじまと見ると一真は笑顔でみほを見る

 

「それに・・・今回の勝利は俺だけで手に入れた物じゃない」

 

「えっ・・・どういう事?」

 

 みほは一真が言った言葉の意味が分からず尋ねる

 

「俺だけの力じゃなくみほちゃんや優花里ちゃん・梓ちゃんや幽香・みんなの力で掴み取った勝利だ」

 

「っ!、うん・・・そうだったねみんなの力で・・・」

 

「あぁ・・・みんなで頑張ればどんな困難だって乗り越えていけるさ・・・絶対に」

 

 一真とみほは互いに頷き合いもう1度夜空の方へと視線を戻す

 

「一真君西住さん~ここにいたんですか~もう終わるから中に入ってください~」

 

 すると衣玖が2人にガレージに戻るように声を掛ける

 

「分かった衣玖さん~すぐに行くよ~みほちゃん行こうか」

 

「えっ・・・あっ!、うん!」

 

 みほは慌てながらも答え2人はガレージに入っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが・・・まだ西住みほは知らなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 今回勝ち取った勝利もこれから得る勝利も全て与えられていたいう事を・・・

 

 

 

 

 

 みんなで頑張っていけばどんな困難も打ち破る事が出来る・・・西住みほだけでなく誰もがそう信じていた

 

 

 

 

 

 だがそれを実現するにはまだまだ未熟でありある希望という果実に自分たちが頼りきっていた事にすら気付いていなかったという事をこれからを戦いで思い知る事となる  

 

 

 

 

 

 そしてそれに気が付いた時には既に自分たち自らの手で・・・・・

 

 

 

 

 

 その希望という果実を・・・・・

 

 

 

 

 

 「握り潰していた」のであった・・・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!!

 

 遂に第63回戦車&ライダー道全国高校生大会が開催される!

 

「まさか・・・みほ!?」

 

 旧友との再開・・・それは新たな戦いの始まり

 

「すぐに片付けてやるよ!」

 

【ライムエナジー♪】

 

 一真たちの目の前に現れる新たなゲネシスライダー!

 

「まだ続けていたとはな」

 

 再開する総一が一真がそう言う言葉の真意とは!? 

 

 再会に次ぐ再会・・・激動する中一真たちの物語は次のステージに進む!

 

 第21話「運命の再会 全国大会開催です!」

 

「覚悟はある!・・・みんなを守る為なら俺は父さんとも戦う!」 




いかがでしたか?、次回予告前の言葉は何を意味しているのか恐らく原作の鎧武を見ている人には分かると思います、その他の方は追々この意味は分かってきますので楽しみにしていてくれると幸いです

自分が執筆している間に遂に鎧武外伝が発売されました!、内容自体もとても良かったですがウォーターメロンアームズの出番が少なかった事が残念でした(試作品という事だし仕方ないのかもしれませんが)それに対しバロンのリンゴアームズは物凄くカッコよかったです!!、あれがバロンの最強アームズでも良かったけどな~

そしてそして!!・・・・・なんと鎧武外伝第2弾製作発表されました!、どうやら次の主人公はナックルとデュークみたいですね・・・この2人はまだ自分の作品には出でいないですね・・・なるべく早く出せるようにしたいです


次回からは全国大会に突入します!、乞うご期待下さい!

※5/22にキャラ紹介にウィッチライダー部隊の3人を追加しました
※5/24にライダー紹介にレジェンドライダーアームズと仮面ライダーマジシアンを追加しました

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。