ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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第13話です今回はライダーは出ません

ではどうぞ!


第13話「華さんの憂鬱です(前編)」

 これまでのガイム&パンツァーは

 

 聖グロリアーナとの試合に負けた一真たち大洗は罰ゲーム「あんこう踊り」を踊らされる

 

 その後自由時間に華の母親五十鈴百合と新三郎と出会い今まで華が隠していた戦車道を受講していた事がバレてしまいなんと百合は倒れてしまう

 

 回復した百合の説得を受けるが華はきっぱりと断り百合から勘当を受ける

 

 その後学園艦に戻ると試合中逃げ出した梓たちDチームからの謝罪と決意を聞く

 

 華の強い意思と梓たちの決意を目にした一真は迷いを振り切り新たな決意を固めるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               『大洗女子学園 ガレージ』

 

「早くロックビークルを直さないとな」

 

「うん・・・試合の後から開錠は出来るけど全く動かないなんだよね」

 

 一真の言葉に天子が答えながら自分のロックビークルを見ていた

 

「でも、私たちじゃどうしたら良いか分からないわよ」

 

「そうですね・・・私もその事については専門外です」

 

「俺もだな」

 

「俺も・・・誰か出来る人がいないかな~」

 

 ロックビークルが使えないという事は一真たちライダー部隊にとって足がないと同義であり非常に悩んでいた

 

「自動車部の方はどうでしょうか?、なんせみんなで見つけた戦車をわずかな時間で動かせるほどの技術を持っている方たちですからきっとロックビークルも・・・」

 

「ロックビークルと戦車では全然物が違います、例えやってもらえても複雑な機構が満載ですから4つ全て直すとしたら最低でも2ヶ月は掛かると思います」

 

 衣玖が提案するが一真は懸念の声を上げ振り出しに戻る

 

「じゃあ彼女に頼んだら?」

 

 突如杏たち生徒会が現れ一真たちに言った

 

「彼女って?」

 

 一真は杏たちに尋ねる

 

「確か今は自動車部の部室にいますよ」

 

「ここで話し合っていてもらちがあかないだろう、ささっと行ってこい」

 

 柚子がその彼女の居場所について言うと桃が急かせるように言う

 

「ふ~ん今日は珍しくマトモな事を言うんだな」

 

「珍しいとはなんだ!」

 

 夜罪が茶化すように言うと桃が噛み付く

 

「いつもだったらくだらな・・・・・」

 

「なんでもないです!、さぁー自動車部の部室に向かおう!」

 

 夜罪が言おうとすると一真が慌てて夜罪の口を塞ぎワザとらしく言うと一真は夜罪の背中を押しながら急いで自動車部の部室に向かった

 

「ちょっと待って一真!」

 

 天子たちも一真の跡を追うようにガレージを出た

 

「あんなに慌てて出て行く必要もないんじゃないのか?」

 

 天子たちは一真と夜罪に追いつき天子が尋ねる

 

「ごめん・・・でもあのままいたらまた夜罪が河嶋先輩とひと悶着やらかしそうで・・・」

 

 一真は試合後の夜罪と桃の口論を思い出しながら言う

 

「確かにあまり馬が合わなそうな雰囲気でしたね・・・」

 

 衣玖もさきのやり取りからそう言った

 

「えぇ・・・せめてもう少し仲良くやってくれれば良いんですが・・・」

 

 一真がそんな切実な悩みを打ち明けていると自動車部の部室に到着していた

 

「一体誰なのかしら?」

 

「会長さんが専門の人でも連れてきたのかな?」

 

 幽香の問いに一真が答える

 

「それにしたってお金が掛かるだろう、ここってそんなにないんじゃ・・・?」

 

「実際に色々とやりくりしているからな、そんな余裕はないな」

 

 天子の疑問に生徒会の仕事を手伝っている夜罪が答えた

 

「とりあえず中に入ろうか、話はそれからだ」

 

 一真はそう言うと扉を2回ノックし

 

「失礼します」

 

 挨拶すると扉を開け部室に入った

 

「すいませんライダー道を受講している破神一真です」

 

 一真がそう言うがオレンジ色のつなぎを着た自動車部の部員が部室の中央にある大きい机の上に紙を広げて何かを語っていた、戦車の図面を見ておりどうやら戦車の整備について語っているようだ

 

「ここをこうして・・・こうすれば良くない?」

 

「あとここをこうすればもっとナウいねぇ~♪」

 

 一真はその光景を見ていると5人いる部員の中に緑色のキャスケットを被り赤い珠のようなアクセサリーでツーサイドアップにしているちょっと小柄な少女に目が止まる

 

(あの人は・・・)

 

 一真はその少女に見覚えがあった

 

「ねぇみんな、お客さんが来て・・・る・・よ・・・・・!!」

 

 その少女が一真たちの視線に気付き部員にそう言うが一真の顔を見て驚きの表情を見せる、そして少女が涙目になると

 

「盟友~!」

 

 そう言うと少女が一真の胸に飛び込む

 

「にとりさんお久しぶりです!」

 

 一真は少女 河城にとりとの再会を喜んでいた

 

「本当に久しぶりだね!、こっちに来ているとは聞いていたけど中々会う暇がなかったから寂しかったんだよ・・・」

 

 にとりも嬉しそうに言う

 

「でもここにもにとりさんの仲間がいるじゃないですか」

 

「そうだけど・・・盟友は違うの!」

 

「どういう事ですか?」

 

 にとりの言葉に一真は理解出来ないでいたが天子たちは理解していた

 

「相変わらずですね天子様」

 

「えぇ全く・・・」

 

 衣玖の言葉に天子がうんざりしたように言う

 

「へぇ~君がにとりの盟友君かぁ・・・」

 

 自動車部の部員ホシノが一真の顔を見ながら言う

 

「初めまして破神一真です、よろしくお願いします」

 

 一真はホシノに向かって礼儀正しく挨拶した

 

「聞いていた通りだね、私はナカジマこれからよろしくね」

 

「私はスズキよろしくね」

 

「私はホシノよろしくね一真君」

 

「私はツチヤ、ねぇ一真君交流も兼ねて今日の放課後にドリンクバーに行かない?」

 

 自動車部の自己紹介が終わるとツチヤがそう言って一真を誘った

 

「駄目だよツチヤ、盟友は渡さないから!」

 

 にとりが膨れっ面になりながら答え自分の胸を一真の腕に押し当てる

 

「大丈夫ですよにとりさん、自分は暫くの間こっちの方にいますから」

 

 一真はにとりの言動を全く気にせずに答えた

 

「いや~一真君・・・多分にとりが言いたいのはそういう事じゃないと思うけど」

 

「えっ?、ならどういう意味なんですか?」

 

 ナカジマは一真の的外れな回答に指摘するが一真は全く分かっておらず自動車部はその一真の言葉に頭を抱えていた、すると夜罪が咳払いをする

 

「自己紹介が遅れた俺は五翠夜罪だ」

 

「私は風見幽香よ」

 

「私は永江衣玖です」

 

「あたしは比那名居天子」

 

 天子たちも自己紹介をした

 

「そういえばなんで一真君たちはここに来たの?」

 

 スズキが部室に来た理由を一真たちに尋ねる

 

「自分たちはライダー道を受講していまして先日の試合で自分以外のロックビークルが故障したのでどうしたら良いか悩んでいると生徒会長さんにここに行けば専門の人がいると聞いたので・・・」

 

 一真がここに来た経緯について話した

 

「そうなんだ・・・でも私たち戦車の整備は出来てもロックビークルは流石に無理だね」

 

 ナカジマが申し訳なさそうに答えた

 

「私は出来るよ!」

 

 するとにとりが手を挙げて言った

 

「えっそうなんですか!?」

 

 一真が驚愕の表情で言う

 

「うん!、こっちに来る前に一真君のお父さんにそこら辺のノウハウは叩き込んでもらったの」

 

「いつの間に・・・」

 

 にとりが意気揚々に答えると幽香が呟いた

 

「じゃあにとり、一真君たちの方をやってあげて、戦車の方は私たちだけで事足りるから」

 

「了解~、じゃあ行こうか盟友!」

 

 ナカジマが気遣いにとりに言うとにとりは軽く返事をすると一真の手を掴んで部室を出ようとする

 

「すいませんナカジマさん、にとりさんを借りて行きます!」

 

「まーた先に行くなんて・・・」

 

「すいません失礼します」

 

 そう言うと一真はにとりに引かれるがままに部室を出た天子たちも跡を追うように部室を出ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

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                『大洗女子学園 グラウンド』

 

 一真たちはロックビークルを開錠しビークルモードに変形するとにとりが1人で整備していた

 

「にとりさん、何時からこの学校に来たんですか?」

 

 一真は気になった事をにとりに尋ねた

 

「盟友たちが来てすぐぐらいに私もこの学校に来たの、その直前にロックビークルなんかの整備の仕方を教えてもらったよ」

 

 にとりがビークルの整備をしながら答える

 

「じゃあにとりは・・・」

 

「うん、総一に推薦状を書いてもらってここに来たんだよ」

 

 衣玖が言おうとした事が分かったかのようににとりが答えた

 

「なんで父さんはにとりさんを・・・」

 

「それは当然お前の手助けをさせる為だろう」

 

 一真は少し考え込むが夜罪がさも当然かの如く答える

 

「でもこんな事の為にわざわざにとりさんを幻想郷から引っ張ってくる必要は・・・」

 

「私は嬉しかったよ、総一に頼まれた時」

 

 一真の言葉を遮るようににとりが言った

 

「妖怪の山にいるのは少々退屈だったし・・・それに盟友や天子たちに会えるのがとても嬉しかったの」

 

「にとりさん」

 

 神妙に語るにとりを一真が感慨深く見ていた

 

「よしっ出来たよ!、これでいつでも走れるから」

 

 その言葉に一真たちは自分のビークルのエンジンを吹かすといつもより調子が良く感じた

 

「完璧ね流石はにとり良い仕事ぶりだわ」

 

「総一からきゅうり10年分貰っているからちゃんと働かいとね」

 

 にとりの手際の良さに褒める幽香ににとりが照れながら答えた

 

「よしっ、気合入れて頑張っていきましょう!」

 

「勿論です!」

 

「無論手を抜くつもりはない」

 

 気合いが入る一真たちライダー部隊をそーっと華が物陰から見ていた

 

「華さんどうしたの?」

 

「っ!?、いえっなんでもありません!」

 

 偶然みほが華に気付き声を掛けると華が驚きながらも答えた

 

「華さんこれから砲撃訓練が始まるよ」

 

「分かりましたすぐに行きます」

 

 そう言うとみほは一足先にガレージに向かい華も一度振り返り一真たちを見るとすぐに向き直しガレージに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                  『大洗学園艦 商店街』

 

「今日は良い物が手に入ったな、帰ったら何を作ろうかな~♪」

 

 一真は放課後久しぶりに1人で帰る事になりスーパーで買い物を済ました後意気揚々と帰っていると商店街の一角で福引をやっているのが見えた

 

「へぇ~福引か・・・そういえば買い物した時に福引券を貰ったな」

 

 一真はそう言うと学ランのポケットに入れていた福引券2枚を取り出した

 

「勿体無いしやっていくか・・・」

 

 一真は福引で並んでいた列に並ぼうとしたが張り紙が見え一真は立ち止まってしまう

 

 張り紙には<福引券3枚で1回抽選! キミはどの賞品がほしい?>と書かれていた

 

「2枚しかないな・・・仕方ない帰るか」

 

 一真は帰ろうとすると

 

「ちょっと君、良いかな?」

 

「はい、何ですか?」

 

 一真は誰かに呼び止められ後ろを振り向くとそこには抽選所のスタッフの人がいた

 

「君ってもしかして先日の親善試合の時に参加していたライダーかい?」

 

「はいそうです」

 

 スタッフの問いに一真は普通に答える

 

「やっぱりそうなんだ~、久しぶり地元の試合が見れて楽しかったよ」

 

「そうですか、それは良かったです」

 

「君は券を持っているみたいだけど福引やっていかないの?」

 

「それが・・・2枚しか持っていないんです」

 

 一真はスタッフに尋ねられて苦笑いを浮かべながら答える

 

「そうか・・・分かった、特別に2枚で良いよ」

 

「良いんですか?」

 

「あぁ良い試合を見せて貰ったお礼さ」

 

 スタッフの人が気前よく言うと一真は礼をし列に並ぶ

 

 数分後一真の番になりさっきの人が福引券を受け取ると一真はガラガラを回す

 

 緊張の一瞬・・・・・そして

 

 ガラガラから金色の玉が落ちてきた

 

「おぉ・・・大当たりー!!」

 

 スタッフの人が叫びながらも洋鈴を力一杯鳴らした

 

「特賞の家族で満喫するパンツァーランド1日フリーパスです!!」

 

「遊園地か・・・でも家族なのか」

 

 一真は「家族」という事に悩んでいた、一真の父親総一とは講習に来た後からは全く連絡が取れない状態に陥っており近くに家族という存在がいなかった

 

「家族の人が無理だったら友達と行ってきたら?、何なら同じライダー道の仲間や戦車道のお友達を行ってきたら良いよ」

 

「すいません・・・ありがとうございます」

 

 スタッフの人が気を遣って言うと一真は深々と礼をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『大洗女子学園 教室』

 

「とこれらの出来事がライダー誕生のきっかけになった「ヘルヘイム・オーバーロード事件」となっています」

 

(本当にあったんだ・・・ってそんな事がなかったら仮面ライダーなんて必要ないもんな)

 

 とある歴史の授業中に一真がノートに黒板の内容を書込もうとするとシャーペンを落としてしまいペンを拾おうとする瞬間誰かの手に触れてしまうその相手は・・・

 

「あっ華さん」

 

「かっ一真さん!?」

 

 華は突然大声があげてしまいクラスの視線が華に集まる

 

「華どうしたの?」

 

「華さんどうしたの?」

 

「どうしたの?」

 

 みほと沙織に先生までも華に尋ねる

 

「いっいえ・・・なんでもありません・・・・・」

 

 華は赤面しながらも答えそのまま自分の席に座った

 

 その後授業が終わった後に一真が華に謝罪しようと話しかけた

 

「すいません華さん、俺がなんかやらかしちゃったみたいで」

 

「いえ一真さんのせいではありません、私が勝手に声を出してしまっただけです」

 

 華は明らかに一真から目を逸らしながら言っていた

 

「華さん・・・何か気に触るような事を言っていたら・・・」

 

「本当になんでもありませんから!!・・・・・すいません失礼します」

 

 華は一真の声を遮る様に声を荒らげてしまい我に戻ると断りを入れてその場を後にした

 

「華さん・・・」

 

 一真はそんな華を追いかける事が出来ず華が出て行った方向を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<華サイド>

 

(なんで私はあんな事を一真さんに言ってしまったの?)

 

 華は教室から出て行った後廊下を歩きながらさっき一真に声を荒らげてしまった事について考えていた

 

(私は決して一真さんの事が嫌いではありません寧ろ私の背中を押してくれた恩人なんです・・・だけど)

 

 すると華は足を止め一真の顔を思い出していた

 

(あの時の事のお礼を言いたいのに一真さんを見ると何故か言い出しにくくなってしまいます、どうしてしまったんでしょうか私は?)

 

 華はこれまでになかった体験に戸惑っていた

 

「華!、やっと見つけよ~、早く食堂に行こう~!」

 

 華の後ろから沙織とみほが現れ沙織が華の肩を軽く叩いて言った

 

「本当は一真君も誘いたかったんだけど一真君は比那名居さんたちと一緒に食べるみたいだから駄目だったんだ」

 

「一真さんですか・・・・・」

 

 沙織が一真の事を言うと途端に華が暗い表情になる

 

「華さんどうしたんですか?」

 

「いっいえなんでもありません」

 

 みほが気付き尋ねるも華は曖昧な返事で誤魔化そうとする

 

「そういえば授業中の事一真君と話したの?、誤解されたままだと色々マズイと思うよ」

 

「えぇ・・・ちゃんと話しました・・・」

 

 沙織が華に尋ねるが華は覇気のない声で答えた

 

「華さん・・・」

 

「そっか・・・なら早く行こう~、今日のB定食は人気高いから早く行かないと無くなちゃうよ」

 

「そうですね早く行きましょうか」

 

 みほと沙織は華の様子を察し華と一緒に食堂に向かった

 

<華サイド OUT>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『大洗学園艦 ガレージ』

 

 一真はライダー道の訓練が終わった後沙織たちに呼び出されガレージに来ていたが何故か天子たちも一緒に来ていた

 

「一真君こっちだよ~」

 

 沙織が手を振って招いていた

 

「沙織さんどうしたんですか?」

 

「うんそれで・・・って比那名居さんも一緒なんだ」

 

「ごめん・・・話をしたらどういう事か聞いてみたいって付いて来たんだ」

 

 一真は天子たちが付いて来た理由について話した

 

「そうなんだ・・・そんなに大した話じゃないよ・・・華の事なんだけど」

 

「華さんですか?」

 

 沙織の言葉に衣玖が尋ねた

 

「うん・・・昨日から華の様子がおかしいんだ」

 

「華さん最近はよく砲撃を外してしまうし」

 

「五十鈴殿訓練の合間にはよくライダー部隊の練習を見に行っています」

 

 みほたちが華の近況について話した

 

(やはりあの時の視線は華さんだったのか)

 

 一真は華の視線に薄々気付いており今回の事で確証が出来た

 

「あと一真の事を話すと急に様子が変わるよな」

 

「俺の事?」

 

 麻子がそう言うと一真が頭を傾げながら言った

 

「一真君あの時の事ちゃんと話した?」

 

「うん話したけど何か気に触るような事を言ったみたいで・・・」

 

「何を言ったんだ?」

 

 一真が沙織の問いに罰が悪そうに言うと麻子が尋ねた

 

「「すいません華さん、俺がなんかやらかしちゃったみたいで」って言ったんだけど」

 

「特に可笑しい所はないですね」

 

「確かに特に破神殿に悪い所はないです」

 

「他に気になる事がないか?」

 

 次に夜罪が一真に尋ねた

 

「・・・やっぱり勘当の時の事かな」

 

「勘当?・・・あぁ五十鈴さんってお母さんから勘当されたんでしたね」

 

 一真が思い当たる事を言うと幽香が思い出したように言う

 

「うん・・・俺が後押ししたんだ、言わなくて後悔するより言った方が良いって」

 

「ふ~んそれでお前は華が一真に後押しされたは良い物の今は勘当された事を後悔していてお前を恨んでいると考えているのか」

 

「う~んそんな事はないと思うけど」

 

 天子が一真の考えていた事を代弁すると沙織が否定した

 

「どうして思うの?」

 

「だって華、一真君に感謝していたよ自分の背中を押してもらったって」

 

「うん華さんとても感謝していましたよ」

 

 一真が沙織が尋ねるとみほと沙織が笑顔で一真に答えた

 

「という事は一真への恨みの線って言うのはないな」

 

「では一体何でしょうか?」

 

 優花里が頭を抱えながら言った

 

「やはりこういう事は本人に直接聞くしかありませんね」

 

「でもどうやって聞き出すんだ?、私たちもそれとなく聞いたんだが答えてくれなかったんだぞ」

 

 衣玖の言葉に麻子が尋ねた

 

「やっぱりみんなで一緒に遊びに行って気分が晴れている時に聞くのが良いんじゃのかな?」

 

「それはお前の願望だろう」

 

 沙織の言葉に麻子がツッコミを入れた

 

「あっバレた~♪」

 

「でも悪い方法にではないわね、後は場所ね・・・」

 

 沙織が舌を出しながら言うと幽香が満更でもなく言った

 

「そういえば明日は寄港日でしたね確かに近くに遊園地がありました名前は・・・」

 

「遊園地・・・」

 

 優花里の言葉に一真が顎に手を当てて考え始める

 

(あっそういえば・・・)

 

 一真は昨日の福引の事を思い出す

 

「そうだ!、遊園地に行こう!」

 

「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」

 

 一真が力強く言うと天子やみほたちが唖然としていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                   『パンツァーランド』

 

 翌日一真たちは華から調子がおかしい原因を聞き出すために福引で当てた景品を使いパンツァーランドで遊ぶことになった

 

「もうそろそろ時間か」

 

「お待たせしました・・・」

 

 一真がゲート前で腕時計を見て言うと華が申し訳なさそうに言いながら来た

 

「大丈夫まだ来ているのは俺と華さんだけだよ」

 

 一真は華を安心させるように言った

 

「にしてもみんな遅いなぁ~もう集合時間なのに・・・」

 

「そうですね私も少し寝坊してしまって間に合わないと思ったんですが」

 

「華さんが寝坊ですか?」

 

 一真はいつもの華なら有り得ない事につい尋ねてしまった

 

「はい・・・お恥ずかしながら考え事をしてしまって」

 

「考え事ですか・・・・・」

 

 一真は顔を逸らしながら言う華を不安そうに見ていた

 

「それにしてもみんな遅いなぁ・・・どうしたんどろう?」

 

 一真がそう言うと一真のケータイが鳴り画面を開き見るとその相手は衣玖からであり電話に出た

 

「もしもし衣玖さんどうしたんですか?」

 

「もしもし一真君?、衣玖ですすいません天使様や幽香たちも遅れてしまいそうなので先に入ってください」

 

「衣玖さんどれぐらい遅れそうですか?」

 

「すいません具体的な時間は分かりませんので本当に気にせず先に入ってください」

 

 そう言うと衣玖から一方的に切られた

 

「どうしたんですか?」

 

「衣玖さんから天子や幽香たちが遅れるからって電話があったんだ」

 

「そうなんですか・・・」

 

 一真が答えると華が不安げな表情で言う、すると華の電話が鳴った

 

「すいません出ますね・・・はい五十鈴です」

 

 華は一度一真に断りを入れて電話に応対した

 

「もしもし華さん、みほですすいません私や沙織さんたちも色々あって遅れてしまうので先に遊んでいて下さい」

 

「えっ・・・そうなんですか分かりました気を付けて下さいね」

 

 華がそう言うと電話が切れた

 

「みほさんから・・・皆さん遅れてくるって電話がありました」

 

「そうなんだ・・・何かあったなのかな?」

 

 華からみほたちの事を聞き一真は考え込んだが答えは出なかった

 

「仕方ない・・・華さん先に入りましょう、みんなにはフリーパスを渡しているから大丈夫だよ」

 

「そうですか・・・分かりました」

 

 一真と華はそう言うとゲートを通ろうすると華の肩に同じくゲートを通ろうとするガラの悪い人の肩がぶつかった

 

「キャッ!?」

 

「おいっ!、どこ見て歩いているんだ!!」

 

 華は悲鳴をあげぶつかった人は謝りもせずヤジを飛ばす

 

「ちょっとぶつかっておいてそれはないんじゃないですか!」

 

 一真は難なく華を受け止めるとぶつかった人に向かって反論したが休日という事もあり人が多く人混みの中ぶつかった男は既に分からなくなってしまった

 

「はぁ~大丈夫か華さん」

 

 一真は溜め息をつくと華を気遣う

 

「はい・・・ありがとうござい・・・まっ!!」

 

 華は一真にお礼を言おうとすると受け止めれる事に今更ながら気付き慌てて離れた

 

「あっごめんね俺みたいな男が相手で」

 

「いっいえそんな事はない・・・です///」

 

 一真は頭を掻きながら言うと華は赤面しながら答え2人はパンツァーランドに入っていた

 

 そんな2人を物陰から見る複数の影があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回ガイム&パンツァー!!

 

 パンツァーランドで半ばデート状態になった一真と華

 

「うまく行っていますね」

 

 それを監視する者たちの正体は!?

 

「昔俺は人と戦っていたんだ・・・」

 

 そして語られる一真の過去とは一体!?

 

 第14話「華さんの憂鬱です(後編)」

 

「俺はみんなの・・・華さんの思いを守ってみせる!!、必ずな」

 

【ブドウ!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 




華さん回の前編でした(サブタイからしてそうでしたけど)

そして河城にとりの登場回でもありました、ライダー部隊の方でメカニック担当が必要かと思いまして登場させました、そしてにとりはかなり分かり易いですがあの一真なので全く気付いていません

次回は一真の過去について触れていきます乞うご期待下さい!

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