ガイム&パンツァー  戦車道・ライダー道極めます!   作:フルーツ大将軍

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長らくお待たせしました第8話です

では、どうぞ!


第2章 親善試合 VS聖グロリアーナ戦車隊&ローズライダー部隊
第8話「初の戦車&ライダーの合同訓練です!」


 これまでのガイム&パンツァーは

 

 父親の導きにより大洗女子学園に転入した異世界から訪れた少年破神一真と天子たち5人

 

何事もなく学校生活を送っていた最中一真たちは杏たち生徒会の勧めもありこの世界では有名な武道戦車道を受講する

 

だが実際に一真たちが受講したのは戦車道と双璧を成す武道仮面ライダー道だった

 

その事が明かされた直後に強豪校聖グロリアーナ女子学院&男子学園のチームと試合をする事となった

 

 

 

 

              『大洗女子学園 グラウンドガレージ前』

 

 作戦会議をした次の日、一真たちライダー部隊とみほたち戦車隊のメンバーはガレージ前にチームごとに集合し生徒会チームの4人がみんなの前に立っていた

 

「今日はライダー部隊との合同訓練をする」

 

 桃から宣言され他のメンバーがざわめきだした

 

「今日は幽香さんと一緒に練習できるんですね!」

 

「そうみたいね」

 

「今日はバロンと協同作戦か・・・」

 

「そうだね・・・って変身するかどうかは分からないよ?」

 

「今日は衣玖と一緒に出来るんだ!、楽しみだね」

 

「はい、私も楽しみです」

 

「どんな練習になるのかな?」

 

「どうだろうね・・・」

 

 みんな思い思いの事も言っていた

 

「みんな静かに!」

 

 桃の一言にみんなは黙った

 

「で、どうしましょう会長?、ライダー部隊が乗る車輌は」

 

「うーん、そうだね~」

 

 桃の問いかけに杏は悩んでいた

 

「一番望ましいのは1人ずつに『ロックビークル』があれば良いんですが」

 

「あれは値が張るからね~」

 

(『ロックビークル』ってもしかして)

 

 桃と杏の話の中に一真はある単語が気になった

 

「あの会長さん少しよろしいですか」

 

「な~に破神君?」

 

「『ロックビークル』ってこれのことですか?」

 

 一真はそう言うとこれまでのより大きな桜を模したロックシードを取り出し杏たちに見せた

 

「お~持っていたんだね、これは助かるよ」

 

「破神先輩それは?」

 

 杏がいつもの軽い調子で言っていると梓が桜のロックシードを指差して尋ねた

 

「あぁこれは・・・」

 

「おぉ!!、これは試作型ロックビークルのサクラハリケーンじゃないですか!!」

 

 一真が答えようとした時急に優花里が楽しそうに言った

 

「それにこれは見る限り最初期モデルではないか?」

 

 優花里に便乗してエルヴィンが一真に尋ねた

 

「えっもしかして『時空間転移システム』が搭載されているんですか!?」

 

 優花里も興奮冷め切らない面持ちで一真に尋ねた

 

「あぁ・・・うん搭載されているけど・・・」

 

 一真は優花里のテンションに圧倒されながらも答えた

 

「一真君『時空間転移システム』ってなに?」

 

 沙織はその単語が気になり一真に尋ねた

 

「時空間転移システムって言うのはざっくりと説明するとこのロックビークルである一定のスピードで走るとヘルヘイムの森に移動できるシステムなんだ」

 

「でもそんな小さい物でどうやって移動するんだ?」

 

 一真の説明を聞き麻子は誰しもが思った疑問を一真に聞いた

 

「まぁこればっかりは見せたほうが早いね」

 

 そう言うと一真は桜のロックビークルを解錠した、するとロックビークルは変形し徐々に巨大化していき一つのバイクになった

 

「あんな小さい物がバイクになるなんて・・・」

 

 華は言葉に出して驚いていたが他の戦車隊のメンバーも驚いていた

 

「会長さん良い機会ですので一度走ってみても良いですか?」

 

「良いよ~」

 

 一真の頼みを杏は承諾した、一真はバイクに跨りエンジンを吹かした

 

「よし、今日も良い調子だ」

 

 一真はエンジン音を聞きバイクの調子を確かめた

 

 一真はアクセルを踏んで発進した

 

 どんどんスピードを上げていきスピードメーターとは違うデジタルなメーターが現れたそして・・・

 

 デジタルメーターが振り切れると桜の花びらのような光を放出し始めた

 

「「「「「おぉ・・・・・!!」」」」」

 

 戦車隊のメンバーが驚きの声をあげた、その最中も一真は光を放出しながらバイクを走り続けるとクラックとは違う別の空間の裂け目が現れた

 

 するとバイクは一真ごとくるくると回転しながら宙に浮き空間の裂け目を通った

 

「これが時空間転移システム・・・まさか生で見られるなんて!!」

 

「でも一真はちゃんと戻ってこれるのか?」

 

 優花里はすごく嬉しそうにだったが麻子は少し心配そうに言った

 

「大丈夫ですよちゃんと戻ってこれますから」

 

 衣玖がそう言った時みほたちの目の前にさっき同じの空間の裂け目が現れそこからバイクに乗った一真が現れた

 

 一真はバイクから降り搭乗者のいなくなったバイクは元のロックシードに戻った

 

「すごいもんだね~」

 

 杏が戦車隊のメンバーを代表して感想を言った

 

「お前たちも持っているのか?」

 

 桃が天子たちライダー部隊のメンバーに向いて尋ねた

 

「うんあたしたちも持っているよ」

 

 天子たちははそう言うと一真が持っているロックビークルを取り出した、幽香が持っていた物は一真の物と同じだったが、天子・衣玖・夜罪が持っていた物は一真のとは違いバラを模したロックシードだった

 

「まさかバロンが持っているのは・・・!!」

 

「ローズアタッカーだよ一真のと同じように時空間転移システムも積んでいるよ」

 

 優花里が驚嘆の声をあげると天子が答えた

 

「で、河嶋さん今日はどんな練習をするんですか?」

 

 一真が桃に尋ねた

 

「まずはお前たち仮面ライダーを仮想敵と想定し我々が攻撃を仕掛けるからお前たちは1時間の間逃げ回ってくれ」

 

 桃が言った練習内容にみんながまたもざわめきだした

 

「でも一真君たちに弾が当たったたらどうするんですか?」

 

「それよりも自分たちを目標にするって少し的が小さくないですか?」

 

 一真とみほがお互いに思った疑問を言った

 

「いっぺんに言うな・・・まずライダー部隊は万一の事があってならないから変身して逃げてもらう」

 

「攻撃は直接お前たちを狙うのではなくこちらで用意した練習用のバルーンを付けて逃げ我々はこれを狙う」

 

 桃が2人に説明した

 

「それでは各員準備に取り掛かれ!」

 

 桃の号令によりみんなはそれぞれの持ち場に付き準備を始めた

 

 

 

 

 #####

 

 

 

 

 

                      『演習場』

 

 各チームの準備が終わり演習場に来ていた、ライダー部隊は生徒会から渡された練習用バルーンを紐で自分の体と繋いでそれぞれのロックビークルに乗り待機していた

 

「各戦車チーム用意は良いな?」

 

「Aチーム大丈夫です!」

 

「Bチームこちらも大丈夫です!」

 

「Cチーム問題なし!」

 

「DチームもOKでーす!」

 

 戦車隊は互いに確認しあい準備完了だった

 

「ライダー部隊は?」

 

「破神一真問題ありません」

 

「比那名居天子問題なし」

 

「永江衣玖問題なしです」

 

「風見幽香OKよ」

 

「五翠夜罪右に同じ」

 

 ライダー部隊も準備万端だった

 

「ではこれよりライダー部隊が変身したと同時に訓練を開始する!」

 

 桃が行った直後に一真たちライダー部隊の5人は戦極ドライバーを取り出して装着した後ロックシードを取り出した

 

「「「「「変身!」」」」」

 

【オレンジ!】【バッナーナ!】【ブドウ!】【メロン!】【ブラットオレンジ!】

 

 一真たちはロックシードを開錠しドライバーにセットしロックをかけた

 

【【【【【lock on!】】】】】

 

 一真たちは申し合わせたかのように一斉にカッティングブレードでロックシードを切った

 

【ソイヤ! オレンジアームズ! 花道 オンステージ!】

【カモ~ン! バッナーナアームズ! ナイト オブ スピアー!】

【ハイ~! ブドウアームズ! 龍砲 ハッハッハッ!】

【ソイヤ! メロンアームズ! 天・下・御・免!】

【~♪ ブラットオレンジアームズ! 邪ノ道 オンステージ!】

 

 一真たちは仮面ライダー鎧武・バロン・龍玄・斬月・武神鎧武に変身した、それと同時ライダー部隊はに力強くアクセルを踏み込み一気に発進した

 

「もらった!」

 

 訓練開始直後に桃が先手必勝と言わんばかりにいきなり撃った・・・・・が弾はバルーンとは全く違う方向に逸れた

 

「桃ちゃん当たってない・・・」

 

「桃ちゃん言うなぁ!!」

 

 柚にツッコまれ桃がキレ気味に言い放った

 

「で~どうする隊長?」

 

「崖まで一体ずつ追い込みましょう、相手はこちらよりも機動力がありますので普通に追いかけても振り切られるだけです、まずは各チームでライダー部隊の皆さんを探し発見次第連絡してください」

 

「了解です」

 

「了解」

 

「はーい!」

 

 戦車隊の隊長みほにより作戦が決まり各チーム発進し行動を開始した

 

「一真ここからはどうする?」

 

「ずっと走り続けるのか?」

 

 一方逃げるライダー部隊のメンバーも内蔵されている無線を使い話しながらバイクを走らせていた

 

「ずっと走るのも手だけどそれだとこちらの位置をばらすようなものだしここは全員散開して物陰に隠れて様子を伺おう」

 

「でもこちらの方が断然速いのだからそんな慎重にならなくても良いんじゃないのかしら?」

 

 一真の作戦に幽香が否定的な意見を言った

 

「確かにそうですけど相手もその事については充分に分かっているはずです、これを考慮した作戦を展開すると思われます」

 

「そうだね・・・相手の隊長は有名な流派の出なんだしそれぐらいは考えるだろうね・・・」

 

 逆に衣玖が肯定的な意見を言い天子も衣玖の意見に頷いていた

 

「それもそうね了解したわ」

 

 幽香も納得したがただ1人夜罪だけが何も言わないでいた

 

「夜罪何か気に入らなかったか?」

 

 一真がその事に気づき夜罪に話しを振った

 

「いや、なんでもないじっくりとお前たちの話を聞いていただけだ」

 

「そうか・・・わかったみんな何かあったらすぐに連絡してくれ」

 

「「「「了解(です)!」」」」

 

 そう言うとライダー部隊のメンバーはそれぞれ違う方向に走っていった

 

 

 

 

 #####

 

 

 

 

 

〈みほサイド〉

 

「みほ一真君たちまだ見つからないね・・・」

 

「うん・・・あんな目立つ格好で走っているからすぐに見つけれると思ったけど・・・」

 

 みほたち戦車隊のメンバーがライダー部隊捜索を開始して15分が経過したが一向に見つからずただ時間だけが過ぎていた

 

「一体ライダー部隊の皆さんはどこに隠れているのでしょうか?」

 

「おそらくみんなバラバラになって森の中に隠れていると思うけど・・・」

 

 みほたちAチームはみほの考えに従い森の中を捜索していた

 

「うん?、あそこに何か見えるぞ」

 

 みほたちが話している最中麻子が何かを発見した

 

「麻子さんどれですか?」

 

「あそこの茂みが妙に光っているんだが」

 

 麻子はみほの問いに答えある場所を指差したみほたちはその場所を見ると麻子の言う通りその場所だけ他の場所より妙に輝いていた

 

「みほあれって・・・」

 

「多分そうですね、沙織さんの他のチームの皆さんに連絡をお願いします」

 

 みほは沙織が言わんとしたい事が分かった

 

「こちらAチーム、ライダー部隊の1人を見つけました!」

 

 そうみほたちは妙に光っている物の正体が太陽の光に反射しているライダーの鎧だということに気付いた

 

 一方狙われているライダーは

 

「はぁ~暇だな・・・隠れているいうのもなんか疲れるな~」

 

 見つかったライダーはバロンであり当の本人は戦車隊に見つかったことにまだ気付いていなかった

 

「こんなことならワザと見つかりに行った方が面白いかもね~♪」

 

 冗談を言っていたバロンだったが何かの気配を感じ辺りを警戒した

 

(気のせいか・・・いや確かに・・・!)

 

 バロンは頭の中で考えていると危険を察知したかのように急にアクセルを踏み発進した

 

 するとその直後に砲弾がバルーンの目の前に着弾した、あと一歩遅ければバルーンに直撃していただろう

 

「やっぱり気付いていたのか!」

 

 バロンはその事実に少々驚きながらもバイクを走らせ逃げていた

 

「すいません外してしまいました・・・」

 

 攻撃したAチームでは砲撃が外れた事を砲手の華が申し訳なさそうに謝った

 

「仕方ないですよ華さん、まさか天子さんがあそこで避けるなんて私も思いませんでした」

 

 みほが華を慰めせている間もAチームのⅣ号戦車はバロンを追いかけていただが戦車よりロックビークルが速く徐々に引き離されていた

 

「どうする?、このままだと振り切られるぞ」

 

 操縦手としてその事を実感していた麻子が懸念をあげた

 

「あの場所まで誘導さえ出来れば大丈夫です、華さん威嚇射撃をして相手の進路を変更させてください」

 

「分かりましたやってみます」

 

 みほの指示に華は気持ちを改め砲撃を続けた

 

「沙織さん他のチームの皆さんに例の地点に集合するように通信をお願いします」

 

「分かった!」

 

「麻子さん振り切られないように運転お願いします」

 

「了解」

 

「優花里さんなるべく装填早めにお願いします」

 

「了解しました!」

 

「くそっ・・・簡単に振り切れると思ったのにかなりデキるようだな・・・」

 

 バロンは悪態つきながらもなんとか振り切ろうと逃げていたが砲撃のせいで思うように進むことが出来ずにいた

 

「しかもなにか上手いように誘導されているような・・・」

 

 バロンは嫌な予感がしていたが今のバロンには逃げることしか方法はなく走っていた

 

「近くに川が流れているのか?」

 

バロンは水が流れる音が聞こえた、その直後に後ろから追ってきているⅣ号戦車とは違う砲撃音が左右から聞こえバロンのすぐ近くで砲弾が着弾した

 

「なかなか早いご到着だな左右も封じられたか・・・この状態だと時空間転移でも逃げられないな」

 

 バロンは時空間転移システムで逃げようとしたがある一定のスピードで走らないと使えない唯一の弱点を突かれた形になり今はひたすら真正面に逃げるしかなかった

 

 逃げていると森を抜けて崖が見えバロンは崖の数メートル手前で止まった追ってきた戦車もバロンに合わせるかのように止まった

 

(なるほど・・・ここでケリをつける気か)

 

 バロンはそう察知し崖の方を見た、崖と崖の間にはそれなりの間があり普通のバイクでは到底飛び越える事など不可能だが・・・

 

 バロンは一気に崖に向かって走り出した

 

「とりゃぁぁぁ!!」

 

 戦車隊は意表を突かれたように慌てて砲撃したがバロンはお構いなしにどんどんスピードを上げ崖の手前で飛んだ

 

 なんとバロンはバイクで崖を飛び越え綺麗に着地した、バロン自体もそうだがバロンの乗るバイクローズアタッカーも仮面ライダーが乗ることを想定して作られた物であり普通のバイクとは規格外もいいところである

 

「よし!、じゃーな・・・うん?」

 

 バロンは余裕を見せて後ろの戦車隊のメンバーを手を振ったが全然慌てる様子もなくむしろ落ち着いていた

 

「なんで?」

 

 バロンは疑問に思いながらバイクを走らせようとしたが目の前の道からⅢ突とM3リーが現れバロンは退路を断たれた

 

 そうみほが建てた作戦はこの崖まで追い詰め飛び越えた直後に既に待機していた別の戦車が道を塞ぎ退路を断つ待ち伏せ作戦だった

 

「・・・・・」

 

 バロンは仮面の下では口を開けてポカーンというものすごく間抜けな顔をしていた

 

「撃て!」

 

 みほの一声で一斉に撃ち込まれバロン諸共バルーンに着弾した

 

「うーーー・・・・・」

 

 爆煙が晴れると変身が解除された天子がバイクから落ち大の字になって倒れた

 

「バロンよ大丈夫か?」

 

「なんとかね・・・」

 

エルヴィンの問いかけに苦笑いを浮かべながら答えた

 

「あっ、一真に連絡しないと・・・」

 

〈みほサイド OUT〉

 

 

 

 

 

〈一真サイド〉

 

 

「さっきの砲撃音は・・・いや、なにかあったら連絡するように言っているから・・・」

 

 鎧武に変身している一真はまさか天子がやられているとは思わず様子を窺っていた

 

 すると、内蔵された無線から通信があり応答した

 

「こちら一真」

 

「こちら天子・・・一真言い難いんだけど・・・」

 

 通信の相手は天子だった

 

「どうした?、まさか・・・」

 

 鎧武は嫌な予感がした

 

「あぁ・・・見事にやられてしまった」

 

「はぁ・・・天子何かあったら連絡しろって言ったよな?」

 

 嫌な予感が的中し溜め息つきながら言った

 

「ごめん、逃げるのに必死で忘れてた」

 

「連絡してくれれば手はあったが・・・仕方ないか、天子通信ありがとう少し休んでくれ」

 

「了解~」

 

 天子が返事をした後通信が切れた

 

「こんな早く天子がやられるとは・・・」

 

 一真は呟きながら手を耳に当てて通信した

 

「こちら一真、みんな聞こえている?」

 

「こちら衣玖、聞こえています」

 

「こちら幽香、聞こえているわ」

 

「こちら夜罪、問題なし」

 

「さっきの通信は聞いていた?」

 

「はい、バッチリです」

 

「でも天子がやられるとはね・・・」

 

「あいつらの動きは予想以上だな」

 

 鎧武たちは戦車隊の予想以上の動きに驚いており夜罪が代表して言った

 

「確かにな・・・俺たちは少しみんなを舐めすぎたのかもしれないな」

 

「そうですね、こちらも動きましょう」

 

「でも下手に動くと包囲されてやられてしまうわよ」

 

「大丈夫です、ちゃんと考えはあります」

 

「よし、それでいきましょう」

 

 鎧武は龍玄に変身している衣玖の提案を聞き入れ動き出した

 

〈一真サイド OUT〉

 

 

 

 

〈みほサイド〉

 

「西住殿、やりましたね!」

 

「うん、作戦がうまくいって良かった」

 

 戦車隊ではバロンを倒した事に歓喜していた

 

「西住ちゃん~うまくいったね~」

 

「はい、これも皆さんのおかげです」

 

「よし、この調子で行くぞ!」

 

 桃が意気揚々に言ったがみほはなぜか不安げな表情を浮かべていた

 

「どうしたんですかみほさん?」

 

 華が気付きみほに尋ねた

 

「なんでもないよ、ただ・・・」

 

「ただ?」

 

「同じ作戦が2度も通用するのかなと思って」

 

「そうですね、相手は破神殿とそのお友達の皆さんですからね」

 

 みほの意見に同意するかのように優花里が言った

 

「でも、みほ私たちこの作戦しか建ててないよ」

 

「やるしかないな」

 

「うん、そうだね・・・変な事を言ってごめんね」

 

 みほは沙織と麻子を意見を聞きAチームのメンバーに謝った

 

「皆さん、またライダー部隊の皆さんの捜索に戻ってください、見つけ次第連絡をお願いします」

 

 みほの指示で各チームはライダーの捜索に戻った

 

 そして捜索再開して間もなくまたみほたちAチームがライダーを発見した

 

「あれは・・・鎧武か?」

 

「武神鎧武かもしれませんね」

 

 見つけたのは鎧武だったがまだシルエットでしか分からずどちらか判別できなかった

 

 すると鎧武はAチームの接近に気付き走り出した

 

「鎧の色が赤いよ」

 

「武神鎧武の方だったな」

 

 Aチームに見つかったのは武神鎧武だった

 

「沙織さん、各チームの皆さんに連絡をお願いします」

 

「分かった!」

 

「こちらAチーム、武神鎧武を発見しました、例の地点に集合してください」

 

 沙織がみほの指示で連絡しバロンを倒した作戦を仕掛けようとした

 

 Aチームが順調に武神鎧武を誘導していた時

 

「こちらDチーム、幽香さんじゃなかった斬月を発見しました」

 

「こちらCチーム、龍玄を発見、追撃している」

 

「こちらEチーム、鎧武を発見、Bチームとともに追撃している」

 

 ほぼ同時に連絡が入った

 

「この勢いで全員打ち倒すぞ!」

 

「そうだね~これを逃したら逃げ切られてしまうかもね」

 

桃が活を入れ杏もそれに応じていた

 

「皆さんこれは敵の作戦です、まず確実に1人ずつ倒していきましょう」

 

 みほはライダー部隊の意図に気付き立て直しを図ろうとした

 

「全員ライダーを追い込め!」

 

「後が怖いけど頑張ります!」

 

「龍玄・・・ここがお前の墓場だ!」

 

「殺してしまってはいかんぜよ」

 

「みんな鎧武に強烈なスパイクを食らわせるよ!」

 

 みんな聞く耳を持たず目の前のライダーを追いかけていた

 

「皆さん西住殿の声が届いていていないようですね・・・」

 

 優花里がバツが悪そうに言った

 

「仕方ないよ、もう残り時間が少ないから焦っているんだと思うよ」

 

 そう訓練終了まで残りあと10分をきっており戦車隊のメンバーは焦っていた

 

「私たちも目の前の武神鎧武に集中しましょう!」

 

「分かりました」

 

「分かった!」

 

「了解しました!」

 

「了解~」

 

 Aチームも目の前の武神鎧武に狙いを定めた

 

 それから各チームは発見したライダーを執拗に追いかけたがバルーンを破壊できずタイムアップになった

 

〈みほサイド OUT〉

 

 

 

 

〈一真サイド〉

 

 一真たちライダー部隊とみほたち戦車隊のメンバーが訓練の開始地点に戻っていた

 

「みんなお疲れ様」

 

「一真君もお疲れ様」

 

 変身解除した一真がみほたちAチームに声を掛けみほも一真に気付き応じた

 

「みんな今日の訓練はどうだった?」

 

「そうですね・・・とても楽しかったです」

 

「はい、とても充実した1時間でした!」

 

「でも出来れば全員倒したかったよね~」

 

「そうだな」

 

 みんな思い思いの感想を言っていた

 

「まぁ俺たちも易々とやられる訳にはいかないからね」

 

「確かにそうだよね」

 

「でもこちらが建てた作戦になんで気づいたんだ?」

 

 麻子が不思議に思い一真に尋ねた

 

「それはおおよそみんなが包囲して1人ずつ倒すとは考えていた、戦車とロックビークルのスペックを考えると俺もこれしかないと思ったいたから」

 

「だから俺たちも作戦を建てたんだ」

 

「「「「作戦?」」」」

 

一真はみほたちに向かって答え始めた

 

1、天子が通信した地点から戦車隊のキルゾーンを特定し、そこの地形からおおよその捜索を再開した時の進路を割り出す

                        ↓

2、囮として武神鎧武を進路上に待機させワザと罠に掛かる

                        ↓

3、頃合いを見計らって他のライダーが残された戦車を惹き付ける

                        ↓

4、その後は四方八方に逃げ部隊を分散させ時間稼ぎ

 

「この作戦はキルゾーンさえ分かれば成立するってわけですよ」

 

「なるほどな、それなりにできた作戦だな」

 

「それなりってものじゃないよ!、すごいよ一真君!!」

 

 麻子が一真が説明した作戦に納得し、沙織に至っては絶賛していた

 

「まぁこれは衣玖さんと考えた作戦なんだけどね」

 

 一真は苦笑いを浮かべて頭を掻きながら答えた

 

「そうなんですか・・・永江さんも頭がキレる方なんですね」

 

「あぁ、俺なんかよりもずっと頭がキレるよ」

 

「それよりも俺はみんなの方が先に先手を取るとは思ってなかったよ」

 

「それはただの偶然だよ」

 

「偶然?」

 

 みほの言った事に一真が聞き直した

 

「うん、探していたら麻子さんが茂みの中に隠れている天子さんを見つけてくれたんだ」

 

 みほから聞き一真は溜め息をついた

 

「天子・・・まぁあいつの性格を考えたら隠れるのが苦手なのは良く分かるけど」

 

 その一真の言い草を見てみほは苦笑いをしていた

 

「各チーム集合!!」

 

 桃の号令が聞こえみほたち戦車隊と一真たちライダー部隊が集まり始め次の訓練が始まろうとしていた

 

 

 

 

 

 #####

 

 

 

 

 

                『大洗女子学園 ガレージ』

 

 初の合同訓練も終了し夕暮れも近づき帰路に着く学生もいた、その中一真は天子たちライダー部隊と話をしていた

 

「今日はいつもより疲れましたね」

 

「そうですね、初めての合同訓練でしたからね」

 

「そうね、でも戦車隊のみんなは存外動けていたわねまさか天子を倒せるとは思ってなかったわ」

 

「確かに俺もまさかとはと思ったが」

 

 一真は合同訓練の事を思い出しながら頷いていた

 

「でも今回はあくまで訓練、実際に試合で通用するかどうかは別だけどね」

 

「そうですね、それに試合の相手はどうやら強豪校のチームのようでしたね」

 

 それに対し天子は一抹の不安を感じていた、衣玖も同じ気持ちだった

 

「はい、こちらの相手もゲネシスライダーの部隊・・・苦戦を強いられると思います」

 

 一真も難しい顔になりながら言い、天子たちも一真の思いを察しこれから戦う相手について対策を考えていた

 

「でもまずは俺たちが出来ることをやるしかないだろう」

 

「そうだな・・・夜罪の言う通りだ」

 

「なにかあったらその時は頼むぞ隊長さん」

 

 夜罪がなにか含みのある笑顔を浮かべ肩を叩きながら言った

 

「あぁその時は任せてくれ」

 

 一真は威勢良く答えたがその直後一瞬暗い表情になり天子はそれを見逃していなかった

 

(一真・・・やっぱりあの事を忘れられないんだな・・・)

 

 天子の不安をよそに一真は話していた、それから間もなく一真たちは解散した

 

 こうして大洗での戦車&ライダーの合同訓練は終わりを迎えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回 ガイム&パンツァー!!

 

 始まる初めての他校との試合

 

 相手は聖グロリアーナ女学院の戦車隊と聖グロリアーナ男子学園のローズライダー部隊の強豪校チーム

 

 果たして一真たち大洗は勝つことは出来るのか!?

 

 第9話「初めての対外試合! 聖グロリアーナ戦車隊&ローズライダー部隊です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回から本文冒頭にあらすじっぽいものと最後に次回予告を載せました

また投稿が遅れるかもしれませんが次回もお楽しみしていてください

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