ライセンス取得試験を控えた当日。友人宅にお邪魔してくる、と言って家を飛び出した。試験会場迄は公共交通機関、及び徒歩で向かう。
今日の私は私服、そしてサングラスに帽子。
この辺りの大会を総なめした私は、ちょっとした有名人だったりする。
はっきりと私であると認識されるのは、親に秘密でやっている事が漏洩する可能性が高くなる。だから、例え私だと分かられてしまう様な格好でも、言い逃れには使える程度には変装しなければならない。他人の空似とでも言えば良い。
バスを乗り継ぎ、試験場を目指す。D・ホイールがあれば、楽に移動出来るのだろうが・・・。
今日乗るD・ホイールその他は借り物、そのうち自分の物を買わなくてはならないな。
はやる気持ちを抑えつつも、
・・・が、こんな時には何故か邪魔が入るもので・・・。
「へい!ソコの彼女今ヒマしてるぅ?」
うわ、古い。
突如声を掛けてきたのはピアス男。だってそう言うにぴったりなのだもの。鼻やら耳にまでピアスを付け、髪を金髪に染め・・・少し黒が残っている・・・。
何故其の格好でナンパをしようと思ったのか、甚だ疑問である。香水の匂いも、少し離れているのにも関わらず、此処まで漂って来るし・・・。
「悪いですが、急いでいるので」
すり抜けようとした折、手首を掴まれた。うわ、なんかべたついてる。
「いいじゃんいいじゃん!ホラ、いいとこ教えてあげるからさ!」
ぐいぐい、と引っ張って来る男。何とか振り払って距離を取る。
「・・・強情じゃねーか。・・・あんたも決闘者だな、んじゃあコッチで決めようじゃん」
男の左腕のデュエルディスクが起動する。・・・迷ったら決闘、この世界のルールである。
「オレっちが勝ったら来てもらう、あんたが勝ったら・・・もう付きまとわないと約束してやんよ」
ニヤリ、いや、ニチャリとした気持ち悪い事この上無い笑みを浮かべ対面する・・・コレやるしか無いのか。
「・・・はぁ・・・」
時間無いんだけどなぁ、と思いつつ、デュエルディスクを起動。デッキをセットする。
「「決闘!」」
叩き潰してやろう。
「俺の先攻!ドロー!」
さて、相手のデッキは如何なりや。まず初手は向こうから。
「フィールド魔法!『ガイアパワー』!」
『ガイアパワー』
フィールド魔法
フィールド上に表側表示で存在する地属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、
守備力は400ポイントダウンする。
地属性ビートダウンだろうか。だとすると・・・。
「オレは『不屈闘士レイレイ』を召喚!」
『不屈闘士レイレイ』
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻2300/守 0
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
次の自分のターン終了時までこのカードは表示形式を変更できない。
筋骨隆々の戦士が現れる。レベル4にしては高い打点を持つモンスターだ。・・・だが、この手の高火力モンスターにはデメリットがある。此奴も例に漏れず、攻撃すると守備表示となり、皆無に等しい防御力を晒す事となる。
だが、このデュエルはライフポイント4000ルール。このクラスのモンスターの一撃が致命となる事も多い。一撃殴る事が出来れば元を取れるだろう。
「『ガイアパワー』の効果で『不屈闘士レイレイ』の攻撃力は2800だぁ!」
相手のフィールドに巨大な木が生え・・・攻撃力2800といえば、一部上級モンスターにも手が届く火力。コンボというには稚拙に過ぎるかもしれないが、単純であるが故、強力だ。
「カードを二枚セット!ターンエンド!」
それから、妙に威勢が良いな。まあ、元気なのは良い事だ。是非とも其の元気はナンパでは無く、仕事に使って貰いたい。
「私のターン」
「おおっと!ここで伏せカードオープン!『最終突撃命令』」
『最終突撃命令』
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上に存在する表側表示モンスターは全て攻撃表示となり、
表示形式は変更できない。
やはりデメリットを打ち消すカードを伏せていたか。何故このタイミングで発動したのかはよく分からないのだが。自分のターンでいいじゃん。それまで秘匿しておけば、此方のプレッシャーになったかも知れないのに。
「私は『ウォーターハザード』を発動」
『ウォーターハザード』
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札からレベル4以下の水属性モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
水属性デッキで広く採用される、高速展開を助ける永続魔法だ。天使族デッキで採用される『神の居城ヴァルハラ』程の強力な効果こそ持ち合わせていないものの、モンスターの展開において、大きなアドバンテージを得ることが出来る事に変わりは無い。・・・ライディング・デュエルでは使えないのだが。
「・・・『ウォーターハザード』の効果で『氷結界の術者』を特殊召喚、更に『氷結界の水影』を通常召喚」
『氷結界の術者』
チューナー(効果モンスター)
星2/水属性/水族/攻1300/守 0
自分フィールド上にこのカード以外の「氷結界」と名のついたモンスターが存在する限り、フィールド上のレベル4以上のモンスターは攻撃宣言できない。
『氷結界の水影』
チューナー(効果モンスター)
星2/水属性/水族/攻1200/守 800
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターがレベル2以下のモンスターのみの場合、このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。
生憎だが、今回はあまり手札がよろしくなかった。チューナーばかり集まり腐っている。新たに追加したのがよくなかったか。
「このカードは自分フィールド上に氷結界と名のつくモンスターが存在する時、手札から特殊召喚出来る」
『氷結界の伝道師』
効果モンスター
星2/水属性/水族/攻1000/守 400
自分フィールド上に「氷結界」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚するターン、
自分はレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。
また、このカードをリリースする事で、「氷結界の伝道師」以外の自分の墓地に存在する「氷結界」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。
「『氷結界の水影』は、自分フィールド上にレベル2以下のモンスターしか居ない時、相手プレイヤーに直接攻撃出来る・・・攻撃」
誠に残念な事に、レベル4シンクロモンスターは持ち合わせていない。というか、このデッキくん、少し意地悪してきていないか?
「何だと!?くそっ・・!」
ピアス男 LP 4000→2800
「カードを二枚セット。ターン終了」
『氷結界の術者』の効果で場は、擬似的な『グラヴィティ・バインド-超重力の網-』発動状態。恐らく向こうのデッキには低レベルモンスターは大して投入されていない筈。だとすれば・・・相手が狙って来るのは・・・。
手札がすっからかんだ。だが私としてはロックを守るか、何か適当なモンスターを引ければ勝てるのだから、何も問題は無い。其れで決められなければ、恐らく火力で押されてジリ貧になって終了だろう。
「へっ!雑魚モンスターを並べただけじゃねぇか!・・・時間稼ぎかどうかは知らんけど、『氷結界の術者』をぶっ飛ばすカードを引けばお終ぇだ!」
その雑魚に、貴方はこれから殴り殺される可能性があるんですけどね。兎にも角にも、相手は『氷結界の術者』をどうにかしなければ此方を攻撃出来ない。
「来たぜ、『死者への手向け』を発動!」
『死者への手向け』
通常魔法
手札を1枚捨て、フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを破壊する。
「これで『氷結界の術者』を破壊だぁ!」
ロックが解除されてしまったな。だが・・・備えはある。
「リバースカード発動。『ヘイト・クレバス』」
『ヘイト・クレバス』
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体が相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して墓地へ送り、
その元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
カード効果による破壊をトリガーとする罠カードだ。強力なバーン効果が特徴的。恐らく戦闘では『氷結界の術者』を破れないだろうと思い、伏せておいたのだが・・・見事に踏んでくれた。
「私が選択するのは・・・当たり前だけど『不屈闘士レイレイ』。」
『ヘイト・クレバス』の名の通り、ぽっかりと開いたクレバスに『不屈闘士レイレイ』が落ちる。ぐっばい。
「そして2300ポイントのダメージを与える」
「ぐおおおおっ!!」
ピアス男 LP 2800→500
『ファイヤー・ボール』の一発でも消し飛んでしまう様なライフになった。次のターン、『氷結界の水影』のダイレクトアタックが通れば、即終了だ。
「次のターンで『氷結界の水影』を使ってとどめを刺そうだとか考えてるんだろうが、そうは問屋が許さねぇ!リバースカード発動!『リビングデッドの呼び声』だ!」
『リビングデッドの呼び声』
永続罠
自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
「こいつでさっき墓地に捨てたモンスターを蘇生する!来いオレのエースモンスター!『究極恐獣』を特殊召喚だぁ!」
『究極恐獣』
効果モンスター
星8/地属性/恐竜族/攻3000/守2200
自分のバトルフェイズ開始時にこのカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、このカードから攻撃を行い、相手フィールド上に存在する全てのモンスターに1回ずつ続けて攻撃しなければならない。
「バトル!『究極恐獣』で『氷結界の水影』を攻撃!」
漆黒の・・・恐竜がニンジャみたいな『氷結界の水影』に襲い掛かる。攻撃力3500にも達したモンスターに敵う筈も無く、『氷結界の水影』はしめやかに爆散。
雪 LP 4000→1700
「『究極恐獣』は相手フィールド上の全てのモンスターに攻撃する!『氷結界の伝道師』に攻撃!終わりだ!」
『氷結界の伝道師』の攻撃力は僅か1000。『究極恐獣』の攻撃が通れば此方へのダメージは2500。ゲームセット、このクソ野郎に連れ回されてしまう。そんな事は断じて許さぬ。
「『ガード・ブロック』発動」
『ガード・ブロック』
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
手札が不足しがちな、この氷結界デッキには幾つかドローソースが含まれている。このカードもその中の一つだ。ダメージを軽減しつつカードを引く。本当なら『次元幽閉』やらその辺りのカードを入れたかったところだが・・・ぶっちゃけ使っても面白くないので、此処ぞと言う時にしか入れていないし、今はライディング・デュエル用のデッキに入れてあるので、こっちには入っていない。
モンスターを守れない欠点はあるが、簡単に手に入って、そこそこ使える攻撃反応罠だ。『氷結界の伝道師』は破壊される。
「『ガードブロック』の効果で一枚ドロー」
「ちっ・・・決められなかった・・・オレはカードを一枚伏せてターンエンドだ」
さて、あまり風向きがよろしくない。此方の場は『ウォーターハザード』のみ。手札は一枚。相手は手札こそ0なものの、フィールドには『ガイアパワー』の効果で攻撃力3500にまでパワーアップした『究極恐獣』に伏せカード一枚。このドローで・・・キーカードを引けなければ負けだ。
意図せず口の端が釣り上がる。この感じは本当に久々だ。挑んで来た奴は気に入らないが、決闘自体は其れなりに楽しめた。
「私のターン!」
デュエルディスクのデッキトップに指を掛け・・・。
「ドロー!」
前世見たアニメーションで、主人公達がそうした様に、大きく腕を振り抜きながら引く。目線のみを手先の引いたカードへ・・・。
「・・・ふふっ」
来た。少しは愉しい思いをさせてくれた御礼に魅せてやろう。
「『サルベージ』を発動!」
『サルベージ』
通常魔法
自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を選択して手札に加える。
「私は・・・『氷結界の術者』と『氷結界の水影』を手札に戻す」
これで手札は三枚。
「はっ!いまさら雑魚モンスターを呼び出したところで何も出来ねえよ!この際だから先に言っといてやる、この伏せカードは『聖なるバリア-ミラーフォース-』!たとえあんたが『氷結界の水影』でダイレクトアタックを決めて削り切ろうったってそうはいかねぇ!次のターンで攻撃した瞬間、オレの勝ちだ!」
盛大なフラグ立てと、わざわざ何を伏せているか教えてくれてどうも。
「『強欲なウツボ』を発動、『氷結界の伝道師』と『氷結界の水影』をデッキに戻し、三枚ドローする」
・・・引いた。目的のカード!
さて、これで・・・勝利の算段がついた。後は実行するのみ。・・・しかし、ここに来て昨日なんとなく入れたカードが面白い様に来たな。氷結界関係をライディング・デュエル用のデッキに移動したことによる、モンスターの不足を別テーマで補ってみたのだが・・・面白い。
「『ウォーターハザード』の効果発動、『アビス・ソルジャー』を特殊召喚・・・!」
「攻撃力1800のモンスターだぁ?自爆でもする気かぁ?」
あまり水属性デッキを使う者が居ないというのは分かるが、よくもまあ、この場面で出てくるモンスターにそんなに無警戒になれるものだ。
『アビス・ソルジャー』
効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1800/守1300
1ターンに1度、手札から水属性モンスター1体を墓地へ捨て、フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。
選択したカードを持ち主の手札に戻す。
「『アビス・ソルジャー』は一ターンに一度、手札から水属性モンスターを墓地に捨てる事で、相手のフィールド上のカードを持ち主の手札にもどせる・・・当然、『究極恐獣』を戻して貰おうか」
「なんだと!」
驚愕の表情とともに、消え去る『究極恐獣』を呆然として眺める男・・・だが、すぐに現実に戻って来た。
「だが、こっちにはまだこの伏せカードがある!あんたが攻撃した瞬間!そっちのモンスターは全滅だ!」
だが・・・その伏せカード、『聖なるバリア-ミラーフォース-』は破壊され、光の破片となって砕け散った。
「なにぃ!?何故だ!何をしたんだ!」
ニヤリ、と口元を歪ませながら、モンスター効果墓地発動のタブを見せてやる。
「私が手札から捨てた、『アビス・ソルジャー』の発動コスト・・・このカード」
「『海皇の狙撃兵』・・・だと?」
『海皇の狙撃兵』
効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、デッキから「海皇の狙撃兵」以外のレベル4以下の「海皇」と名のついた海竜族モンスター1体を特殊召喚できる。
また、このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた時、相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して破壊する。
世にも珍しい、コストにされる事で発動する効果を持ったモンスターだ。海皇シリーズと呼ばれるこのカード群は、氷結界とも中々に合う。エースモンスターの『海皇龍ポセイドラ』は氷結界シリーズの下級モンスター群を使っても召喚出来るし、逆に海皇シリーズの低レベルモンスター群はシンクロ召喚のレベル合わせに使える。だが、氷結界には海皇の力を十分に引き出すカードが少ないので、『アビス・ソルジャー』等のカードを追加したのだ。そして・・・今回決まった。
「『海皇の狙撃兵』は、水属性モンスターが効果を発動するコストとして墓地に送られた時、相手のセットカードを一枚破壊する事が出来る・・・」
ぺろり、と長語りで乾きかけた唇を一度舌を湿らせ、決闘を続行する。
「チューナーモンスター、『深海のディーヴァ』を召喚!」
『深海のディーヴァ』
チューナー(効果モンスター)
星2/水属性/海竜族/攻 200/守 400
このカードが召喚に成功した時、デッキからレベル3以下の海竜族モンスター1体を特殊召喚できる。
「このモンスターが召喚に成功した時、レベル3以下の海竜族モンスターをデッキから特殊召喚出来る・・・『海皇の突撃兵』を特殊召喚!」
『海皇の突撃兵』
効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0
自分フィールド上にこのカード以外の魚族・海竜族・水族モンスターが存在する場合、このカードの攻撃力は800ポイントアップする。
「まさか・・・シンクロを!」
それにただ口の端を釣り上げる事で答える。
「レベル3、『海皇の突撃兵』にレベル2、『深海のディーヴァ』をチューニング!」
明緑色の光の柱がレベルの数、五本のリングを纏う。
「シンクロ召喚」
爆発的な光を破って現れたのは、紺碧の海竜。長大な鎌首を擡げ、氷の様な鱗を身に纏う。
「『神海竜ギシルノドン』」
『神海竜ギシルノドン』
シンクロ・効果モンスター
星5/水属性/海竜族/攻2300/守1800
チューナー+チューナー以外のレベル3モンスター1体
フィールド上に表側表示で存在するレベル3以下のモンスターが墓地へ送られた時、このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで3000になる。
レベル5としては平均的な火力を持つシンクロモンスター。だが、特定条件を満たす事で、3000という最上級クラスの火力を手にする事が出来る。だが、あまり使い道は・・・思いつかない。ただのアタッカーだ。
「・・・攻撃」
攻撃の妨害、勿論無し。
「ぬあああああああ!!!!」
ピアス男 LP 500→0
攻撃の余波で大きく吹き飛ばされた男。起き上がる気配は無い。
「・・・はぁ」
一先ず難は去り・・・試験、時間大丈夫だろうか。そう思って時計を見た時、思わず仰け反った。
「・・・やば!」
駅まで歩けば十分、間に合う最後の列車が出るのは六分後。
私はこの時だけ、『猛進する剣角獣』の精霊が宿った様な、そんな気がした。
なりふり構わず走った結果、多少の女子力と引き換えに、列車にはどうにか滑り込む事は出来た。
試験には勿論間に合う。列車を降り、試験場にまで着くまでには既に全力疾走の汗も乾いていた。其処らのコンビニの化粧室で身なりを整えた後、試験場に到着する。
試験場は楕円形のサーキットから成る。此処で借り物のD・ホイールを借りてライディング・デュエルをするのだ。
前世、四輪は運転したことはあるものの、二輪は運転したことが無かった。大型にタンデムで乗せて貰ったことはあった様な気がするが。
用意されているD・ホイールは、前世見た大型二輪の燃料タンクの位置に決闘関係の機器が収まっている。
デュエル・ディスクと同じく、ソリッド・ビジョンシステムが搭載され、そしてこのマシン自体に、フィールド魔法『スピード・ワールド』が最初からインストールされているのが特徴。
『スピード・ワールド』
フィールド魔法
「Sp(スピードスペル)」と名のつく魔法カード以外の魔法カードを プレイした時2000ポイントのダメージを受ける。 お互いのプレイヤーはお互いのスタンバイフェイズに1度、自分用の スピードカウンターをこのカードの上に1つ置く。(お互い12個まで) 1度に受けたダメージが1000の倍数ごとに 自分用のスピードカウンターを1つ減らす。
『スピード・ワールド』影響下では通常の魔法カードの使用が制限される。使えない事は無いが、2000という、ライフポイントの半分にも及ぶダメージを受けねばならない。大人しくSpを使うべきだろう。
さて、相手をしてくれるセキュリティの方はまだいらっしゃって居られないのか。そろそろ時間だと思うのだが。
デッキでも見直そうか、と思った矢先、一台のD・ホイールがサーキットに走り込んで来た。セキュリティの物だった。
「ったく、何で俺がヒヨッコの相手なんざせにゃいかんのだ・・・」
何か見たことがある人だ。・・・そうだ、『ゴヨウガーディアン』の人だ。思い出したぞ。
「セキュリティの牛尾だ。随分と可愛らしいお嬢ちゃんだが・・・だからって手加減はしねぇからな!」
初めての原作登場キャラクターだった。
海皇シリーズはとても好きです。TF6には収録されていませんが・・・。
※死者への供物を死者への手向けに修正。究極恐獣を墓地に落とせていなかったので。