緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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龍と百人組手

「うーん……」

 

一毅は腕を組ながら首を捻った。

 

(何故こうなった……)

 

目の前には総勢百名程の強襲科(アサルト)勢……と、

 

「おらぁ!死ね!殺しあえ!」

 

それを増長させる蘭豹……

 

「んでさぁ……何がしたいんだよ」

 

少し時間を戻そう。

 

 

 

 

プール授業が終わったあと一毅、キンジ、アリア、レキ、ライカと言う何時もの面々で昼飯を食べたあとライカはあかりに連れられて依頼(クエスト)に行き、キンジは探偵科(インテスケ)の授業へ、レキは狙撃科(スナイプ)の授業に行きアリアは桃饅の安売り聞き付け買いに飛び出していった。

そして一毅は特にやることもないため今夜の夕飯の買い物に行こうとしたところ人に囲まれのだが……

 

「ん?」

「ちょっと来い!」

 

両腕を捕まれそうになるが……

 

「っ!」

「ぎゃ!」

 

片方の鼻をぶん殴り反対側の相手を掴むと、

 

「二天一流 喧嘩術 投げ潰しの極み!!!!!」

『ぐげ!』

 

一毅を捕まえようとした二人は仲良くその場に延びた。

 

「何のようだよ。これから買い物があるんだが?スーパーで卵と豚肉の安売りがあるんだ」

「…………」

 

男は何処ぞの主婦か!と突っ込みそうになったがそれを飲み込み……

 

「話がある。そこの強襲科(アサルト)練に来い」

「ここで良いだろ?別に人もいないし」

「話したい奴がたくさんいるんだ」

 

たくさん?と一毅は首をかしげながら同時に嫌な予感がした。と言うか……強襲科(アサルト)練に呼びつけるなど絶対平和な話じゃない。

だが……ここで別に無理矢理行っても良いが……今気づいたが校門に佐々木が張ってる。

ここ最近毎日のように佐々木が勝負を挑んできてはそれから一毅が逃げるのは既に風物詩と化してる。とはいえ一毅は今のところ戦う気は更々ないので勘弁願いたいのだが諦めると言うことを知らない女の子のため嵐が過ぎ去るのを待つしかないだろう。

 

「分かったよ」

 

だが一毅は数分後に後悔した。結局どっちに行っても酷い目に遭う事になるのだから……

 

 

 

 

 

 

「で?」

 

さて時間を戻すと一毅はため息をついた。

話を聞き、要約すると、とどのつまりレキとライカ……二人の美女に手を出してる状況が気に食わないらしい。

その論理でいったらキンジも同様だと思うのだが彼ら曰く、まだキンジは手を出したなハッキリしないためまだグレーゾーンだが見逃そうとの事……だが一毅は違う。二人に手を出してることを全く否定しない。その堂々としてるのがどうにも許せないらしい。

まあ様は……

 

「嫉妬か」

『やかましい!』

 

百名程の声がハモった。

 

「で?一人じゃ敵わないから皆で気に食わん俺をここに呼び出してお話しかよ。おい蘭豹!何か言ってくれ」

「あ?リア充爆発せぇや!!!!!」

「そっちじゃねえだろ!!!!!!!!!」

 

蘭豹も気に食わんサイドらしい。

 

「お前やったら別に大丈夫やろ」

 

そう言って蘭豹は瓢箪から酒を呑み出した。

信用半分この間の合コンに失敗した八つ当たり半分と言った所だろう。

いや、九割位は八つ当たりだ絶対。

 

「はぁ……わかった。来いよ」

 

一毅は刀を全て床に置くと拳を握る。

 

「おい!刀は!?」

「はぁ……お前ら斬るとか刀が泣くしご先祖様に殺されるわ」

『なっ!』

 

一毅は足を肩幅に前後に開く。

 

「全員纏めて相手してやる」

『く、くそ!』

 

全員構えた。

 

「行くぞぉおおおおおお!!!!!」

 

一毅は疾走した………

 

 

 

 

「おっらぁ!」

 

一毅は飛び蹴りで先制すると近くの敵を掴みぶん投げる。

 

「ぐぉ!」

「せぇの!」

 

更に別の敵の襟を掴むと鼻に頭突きを叩き込み突き飛ばすと殴り飛ばす。

 

「このぉ!」

 

後ろから来たが、

 

「おらぁ!」

 

振り返りながら肘を頬に叩き込み、

 

「オラオラオラァ!!!!!」

 

内臓打ち(レバーブロウ)、鳩尾突き、トドメの顔面ストレートの3連コンボで静かにさせて流れるように背後に蹴りを放つ。

 

「がご!」

 

キンジのような速さはないがその分威力がある蹴りを顎に喰らいバック転しながら跳んだ。

 

「おぉ……」

 

一毅はそのまま突っ込み相手の頭を掴むと、

 

「らぁ!」

 

膝を叩き込む。

 

「この!」

「くっ!」

 

一毅を背後から羽交い締めにすると一人が一毅の腹を殴る。

 

「うぐ!」

「この!この!この!」

 

連続して腹にパンチを叩き込むが一毅の鍛えられた腹筋では効果が薄いと判断したのか腰から棒を引き抜くと振りかぶる。

 

「しっ!」

「あらよ!っと」

「げ!?」

 

思いきり顔を狙うが一毅は咄嗟に顔を伏せて躱し逆に羽交い締めにしてた方をぶん殴ってしまう。

 

「二天一流 拳技!煉獄掌!!!!!」

「ぐえ!」

 

だが息つく間もなく攻めてくるため、一毅は腰を落とす。

 

「ふ!」

 

一気に疾走するとまず一人目にアッパーを打ち込む、

 

「しゅ!」

 

更に疾走して距離を積めると二人目にパンチで静め、

 

「おらぁ!」

 

左フック、右ストレートのコンボで3人……

 

「イヨッシャア!!!!!」

 

そして四人目の手を叩き膝を着けさせると顔面に裏拳を叩き込み吹っ飛ばした……

 

「二天一流 喧嘩術……驚愕の極み」

 

少し肩が上がってきた気がする。

だがまだ余裕で動ける、

 

(何か弱い気がするな……)

 

一毅は相手を殴り飛ばしながらボンヤリと考えていた。幾ら最高でもAランク武偵までしか居ないとは言えこの多人数相手では前までの一毅ならもっと苦戦した。だが、こうしてる内に相手の人数は既に半分を切っている。

一応SランクとAランクの戦力差はAランクが例え束になってもSランクが簡単に叩きのめす事ができるくらいだと言われている。

 

「おら!」

「っ!ふん!!!!!」

「ぐげぇ!」

 

【二天一流 拳技 虎落とし】で相手を吹っ飛ばすと思い至った。

 

(あ、俺が強くなったのか)

 

ここ最近は宝蔵院、ジャンヌ、更にブラドと来たため一毅は自分が思ってる以上に強くなっていた。少なくとも最高でもAランクの軍団では相手にならないくらいに……

そうこうしているといつの間にか相手は30人を切っている。

 

「くそ!」

 

纏めて来る……だがそれに併せて一毅も疾走……

 

「オッラァ!」

 

一毅のドロップキックが複数人纏めて吹っ飛ばす。

 

「喰らえ!」

 

横からの攻撃……だが、

 

「二天一流 拳技!無手返し・白虎!!!!!」

「ぐぎ!」

 

そのまま相手の足を掴むと、

 

「二天一流 喧嘩術 スィングの極み!!!!!」

 

敵を巻き込みつつジャイアントスィングで投げ飛ばした。

 

「ち!」

 

あと10人……

一毅は首を軽く回すと指をクイクイっとやり、来いよ……と挑発する。

 

「クソッタレ!!!!!」

 

全員で行くと一毅の目が光る。

 

「勝機!!!!!」

 

一毅は突撃すると、

 

「二天一流 拳技!無手返し・玄武!!!!!」

 

正面の敵を潰すと、そこに左右から同時に殴りかかってくる。

 

「しゅ!」

 

それを伏せて躱すと、

 

『が!』

 

互いに潰しあってくれた。

 

「く、くそ!」

「おら!」

 

一毅は飛び膝蹴りで更に吹っ飛ばし、

 

「ふん!」

 

鼻っ柱にパンチを叩き込み、

 

「オラァ!」

 

一毅は目の前の相手を持ち上げると、

 

「二天一流 喧嘩術!人柱戯の極み!!!!!」

 

人混みに投げるとドミノのように崩れる。

最後の一人は丁度一毅を連れてきた奴だ。

 

「このぉおおおお!!!!!」

 

殴りかかってくる。

 

「二天一流 拳技……受け流し!!!!!」

 

相手の拳を捌くと腹に膝を叩き込む。そして相手がふらつくと、

 

「二天一流 拳技……」

 

一毅の体から蒼いオーラ(ブルーヒート)が吹き出す。

 

「奥義!!!!!」

 

一毅は飛び上がるとそのまま胴回し回転蹴りの体制をとる。

 

王龍の極み(おうりゅうのきわみ)!!!!!!!!!!!!」

 

喰らった相手は一毅の背後に火焔に身を包まれた龍が見えたような気がしたのを最後に意識がブラックアウトした……

 

 

 

 

「ふぃ~」

 

一毅は刀を腰に戻すと、外に出る。

 

「さて、特売に間に合うかな……」

 

余談だが結局その後一毅は佐々木に見つかって追い駆けっこしたため特売に間に合わずスーパーの前で膝をついたらしい……




王龍の極み……それは龍が如くでは古牧師匠の先祖が編み出した奥義にして最強の技……受け流しで相手をピヨらせてレッドヒート状態でのみ使える技で4までは結構じゃんじゃん使った技でした。
それが5じゃクライマックスゲージMAXじゃないと使えない技に……どうしてもそれが違和感があると言うかその性で受け流しが相手をピヨらせて終わりの技に落ちてしまいました……
と言うどうでもいい話でしたね。

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