緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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緋弾の挨拶

「ほらアリア……何してんだよ」

「ウ、ウン……」

 

キンジの実家に向かってテクテクと歩いている間アリアはおとなしかった。話し掛けてもどこか上の空だった。どうしたんだ?

 

「む?キンジか」

 

と、キンジの実家の門の前で箒を掃いていたのは祖父の鐡だった。

 

「あ、爺ちゃん。また暫くここで住むことになった」

「そうか」

 

キンジが特に何か言った訳じゃないが鐡は快く了承した。するとそのまま視線はキンジの隣を歩いていたアリアに向く。

 

「あ、あの!か、かか、神崎 ホームズ アリアです!」

 

そう言ってスカートの裾を軽く摘まんで挨拶をする。それを見てキンジと一毅は珍しいと目を丸くした。基本的にアリアはホームズの部分はHで済ませるしな……

 

「こりゃまた別嬪さんを連れてきたのぉ!」

 

と、笑う鐡さんはアリアを連れていく……あのエロ爺は……とキンジと一毅はため息をつく。まぁアリアのポシェットに入ってるマガジンに簡単に気づいた辺りは流石だがね……何て思ってると中から祖母のセツが出てきた。

 

『あ……』

 

勿論そんな鐡を成敗とぶっ飛ばしセツにアリアはパス……軽く十メートルは吹っ飛んだが……まぁあの人ならすぐに復活するだろうとキンジと一毅も家に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キン……じゃなくて遠山くんと桐生くんとは同じクラスで……二人にはいろいろとお世話に……」

 

現在私遠山キンジは鳥肌がたっていた。何せアリアがこれである。遠山くんなんて呼ばれたことがないのだが……と言うかアリアの奇行はこれだけにとどまらずお茶を出すときに祖母のセツを手伝ったりさっきから妙に大人しいと言うか……

 

「あらあら、キンジもちゃんと男の子だったわねぇ」

「うむ、一毅と変な道を歩まぬか内心少し心配じゃったが……」

 

変な道ってなんだよ……とキンジと一毅は突っ込みそうになったが黙っておこう……しかしさっきからなんかアリアの顔が赤いし大丈夫だろうか……

 

何て心配しているとそ人祖母は席を離れた……二人の足音が遠くなると……

 

「あ……うぅ……」

パタリ……とアリアは倒れてしまった。何事かとキンジと一毅が心配して見ると……

 

「あ……足……足が……痺れ……」

『あぁ……』

 

西洋人は日本人と骨格が少し違うため正座すると足が痺れやすいらしい。それでさっきからなんか赤かったのか……と言うことで、

 

「よしマッサージしてやるよ」

「え!?ちょまきゃう!」

 

キンジはアリアの足を掴むとグリグリと押してやる。わはははは!アリアが悶絶しておるわ! いつも威張り散らしてるアリアがても足も出ないとは!

 

とキンジが悪役面でアリアに悪戯しているといきなりアリアの足の指がキンジの指を絡めとった。

 

「ご苦労様キンジ……お陰で痺れがとれたわ……お礼にバリツの小技を教えてあげる!」

「イゴャアアアアアアアアア!」

 

バキメキゴキィ!っと普通なら聞くことのない音がキンジの指から発せられた……ちなみに指が曲がっちゃいけない方向に完全に曲がっている……

 

「お前らイチャイチャすんなよ……」

『イチャイチャなんかしてない!』

 

と、ジト眼で見る一毅にキンジとアリアは叫んだのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とまぁそんなこともあったあと、指をやたら痛みを伴う遠山式整復術で治したキンジは一毅と一緒に遺品準備をやっていた。

 

と言っても別に一毅は特に整理するものはなく(そもそもキンジの実家にそんなに一毅の物は多くない)キンジの部屋にてクマの木彫りとかタペストリーとかをかなめ用と金三用に分けていただけだ。

 

そんなことをしているとアリアが顔を出す。

 

「なにしてんのよ」

「巣鴨の平和維持」

 

あのバカ妹とアホ弟はキンジが絡むと見境がない上に加減と言う言葉を知らないので遺産の取り合いなんてことをおっ始めたら巣鴨が地図から消えかねないので仕方なくキンジは身辺整理を行い、一毅はそれを手伝っていた。

 

「そう、なら手伝うわ」

 

そう言ってアリアも参加してきた。ほんとになんか今日はおしとやかと言うか……

 

「何か機嫌良くないか?お前……」

「そんなことないわ……って何これ……」

『あ…………』

 

アリアが押し入れの中から出したのはこれまた際どい水着のお姉さんとかハダケた着物を着たあられもない格好のお姉さんが写る写真集……しかも全部巨乳ときたもんだ。ほら……アリアの機嫌がどんどん悪くなっていくぞ……

 

「こういうのが好きなんだ……」

「いやそれは俺のじゃなくて……」

 

キンジがシドロモドロ言い訳するのを遠目に見ながら一毅は整理の手を進める……すると、そこに出掛ける準備をする鐡さんとセツさんが出てきた。

 

「爺ちゃんどこかに行くのか?」

「うむ、金一のところにな」

 

言い訳を一旦中断して祖父に声を掛けたキンジに鐡さんはそう答えた。

 

それを聞きキンジも金一さんに話したいことがあったのか自分も行くと言い出す。まぁ確かに最近あってないし兄弟で話したいこともあるだろう。

 

一毅にとっても遠山 金一と言う男は兄貴分であり、弟や妹のようなのはいたが、うえがいないためか、血は繋がっていない兄のような存在である。居場所が分かりにくいため会えるときにあっておくのもいいかもしれないな……

 

「だけど生きてるって知って驚かないんだな」

「遠山の男にとって死んだり生き返ったりするのは宿命みたいなもんじゃからな」

 

嫌な宿命だな……とキンジと一毅とアリアの三人は苦笑いしたのだった……


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