「はぁ~……」
キンジは大きなため息をついた。現在キンジはリサ、そしてロキと共に飛行船に積み込まれ頑丈そうな手錠を付けられていた……しかもご丁寧によくテレビとかで出る指を脱臼させたりして手錠を外す技があるがそれをできないような作りだ……やってくれるぜ……
「これ……方向的に西にむかってるみたいだね」
銃も没収されキンジと違い近接戦闘は無力のロキは大人しく監禁されてる部屋についてる窓を見る。
「今この船は大西洋に向かってるぜ」
そう言って現れたのはカツェだ。
「おいおい、リサ~、そんなに落ち込むなって。お前はちゃんと
そうカツェがいうと今まですっかり落ち込んでいたリサが口を開いた。
「ご主人様やロキ様はどうなるんでしょうか!」
「勿論、死刑」
リサが目を見開くがキンジとロキは肩を竦めた。まぁ~そうだろうな……
「と、まぁそうなるだろうがな……安心しな、お前らは殺させねぇよ」
「どう言うことだ?」
キンジはカツェを見るとカツェはリンゴをかじる。
「お前らの処遇は裁判で決まるんだが……私を含め投票権は四人持ってる。私とパトラはお前らの死刑反対に票をいれてやる」
「そいつはうれしいんだが……パトラを抱き込んだのか?」
「お前の兄さんキンイチっていうんだろ?パトラにキンイチに恩を売れるぞっていったら簡単につれた。お前の兄さんが好きらしいぜ」
(カナを見ても兄さんが好きか……いろんな意味で凄いな……)
下手すると将来パトラをお義姉さんと呼ぶ日が来るのか……心の準備だけはしておこう。
「んで?何でそこまですんだ?俺たちに」
「お前らを助けりゃ桐生一毅に恩が売れっからだよ。あいつは絶対アタシの使い魔にすんだからな」
「あ?」
ロキの目付きが悪くなったがカツェはケケケと笑うだけだ。
「絶対いつかぶっ飛ばす……」
とロキの言葉は……後のきちんと果たされるのだがそれはまだ知らない……
その後キンジ達はワルサーを突きつけられながら龍の港と呼ばれる人工性の運河に降り立った。
「ようこそ……そしてここがあなたの終着点よ、遠山キンジ」
「……………………」
キンジはイヴィリアの言葉を黙って聞く……こいつは……またデカイし不気味だ……リサも震えている……
そしてそのまま滝壺の中にはいるとそこには……
「帆船?」
と言うロキの呟き……あぁ、間違いない……ナオ・デ・チーナと呼ばれる大昔の帆船だ……
「ほら歩きな」
とカツェが押してくるので歩く……奥に進むと外装とは違い電気は通ってるし内装はかなり派手だ……寧ろ派手すぎる。
そんな内装のなかを進むと良い匂いがしてきた……歩を進めるとそこには大量の食料がおかれていたのだ。
「飯だ飯だー!」
っと先に席についたのはキンジを突き飛ばしながら走り出すカツェ……
「落ち着きなさい……全く」
と次々にイヴィリアにパトラにセーラと座っていく。奥にはすでになにかにおにぎりの山を前にしていて顔は見えない誰かがいる……キンジたちも隅にだが座らされた。食わせてはくれるらしい……
(しぃっかしこの光景……異様っつうかなんつうか……)
柄の悪い女たちの巣窟っていう風情の食卓を見る。さらに動物たちも好き勝手に同じ場所で食っているので中々カオスだ。しかも食ってるのが各々自由すぎて栄養バランス的な部分で心配だ……すると、
「リサ、あなたは
とイヴィリアは言ってリサを引っ張っていった……
「お前の好きなオリボーレンもあるぞ」
他の面子もリサに食べ物を進める……これはあれだ……好きな食べ物とか進めて自分の仲間にしようっていうやつだ。だが断れば……ってやつだろう。リサもこっちを気にしてはいて半べそをかきつつも勧められるままに食べていた……
しかし……リサが最強?っとロキとキンジは目を見合わせて首をかしげた。
あの虫も殺せないリサが……最強?どういうことだ?会計や家事が得意でそっちでこき使いたいのか?だがそれでは言葉とあわない……何がどういうことなのかわからない……すると、
「お主が今代の遠山か?」
『っ!』
キンジとロキは全身が泡立つのを感じた……声の方を見るとそこには梵字と織田木工のようなアフリカ生地の服を着女性……明らかに人間じゃない……何せその額には角がある……そう、鬼だ。
「成程……亜門がいっていた通りの容姿じゃな」
キンジは喉がカラカラになった感覚に陥った……なにか喋った方がいい……少なくとも今の状況で襲われたら間違いなくワンパンで死ぬぞ……
「あ、亜門と知り合いなのか……?」
「正しくはあやつの遠い先祖が我が同胞……それ故に知り合いつい昨日も一緒に酒を飲んでおった」
「……え?」
キンジは唖然とした……遠い先祖が同胞?え?いや……もしかしたら種族を越えた仲間的な?
「中々面白い人間もいたようだな……」
「違う、我と同じ鬼だ」
はい決定……もう逃げ場ない……つまりあれか……亜門ってあいつ鬼の子孫だったのかよ……そりゃなんかこいつを見たときなんかどっかでにた空気だと思ったんだ……そうだよ……亜門にあったときに感じた圧迫感だよ……しかもつい最近までいたのかここに……会わなくてラッキーだったぜ……何てキンジがふざけていると……
「何を驚いている……お主にとって鬼の子孫など珍しいものではなかろう」
「んなわけねぇだろ……そんなホイホイいるわけでもなし」
「だがお前は常に共にいたはずだ……噂ではお主とは友だったときいている」
そう聞いて……キンジは固まった……ロキもえ?みたいな顔をしている……
「名前は……桐生……………………かずき……だったか?」
キンジは金槌で頭をぶっ叩かれたような衝撃が走った気がした…………
そのあとリサと離されてキンジはカツェに連れられてロキと一緒に面白いやつに会わせてやると歩かされていた……だがキンジの頭に走っていたのは閻の言葉だった。
昔……一体の鬼がいたらしい……その鬼は強かった……だが同時に変わり者である時鬼の一族のもとから離れ人間と共に生きたらしい……鬼の武力によって味方した一人の人間を助け……その人間に付き従いそして旅路の中で妻を娶り二つの子を残し死んだ……後にその子は道を違え時は流れ互いの子孫は亜門と宮本……いや、桐生と性を変えて続いてきた……
つまり……一毅も鬼の子孫と言うやつらしい……
(なんつうか……納得だ……)
キンジは寧ろ納得してしまった……そもそも一毅は……幾らなんでも頑丈すぎるのだ。ギャグとか抜きにしてだ……謎が解けた気分で寧ろキンジは落ち着いたものだ。ロキも似たような表情だしな……
そんな風に納得していると……
「ジャンヌ?」
そう、目の前にジャンヌがたっていた……だが、
「……じゃねぇな」
「ご明察だ」
カツェがいうとジャンヌ?の顔から砂と水が落ちた……その下はパトラの顔がある。成程な……こういうカラクリか……つまり裏切ったように見せていたジャンヌはこの手で変装した偽ジャンヌってわけだ……
「頼むから本物に会わせてくれ」
「ケケケ、言われなくたって会わせるさ」
と言ったカツェに連れられてロキ共々牢屋にぶちこまれた……そしてそのなかには先客もいる。
「よう、本物のジャンヌ」
「すまない遠山……」
暗がりの中からジャンクが出てくる……次の瞬間キンジは目をひんむいた。
「な、なんだその格好は!」
ジャンヌの格好は布地が透けたセクシードレスを着ていた……下着は水着みたいな見せ下着だったのが唯一の救いか?
「あぁ、なんでもジェヴォーダンの獣への生け贄の服装らしい」
「よくそんな服着せられて冷静だねぇ……」
と言うロキの言葉ににキンジはうなずいてしまった。まぁ……置いておこう。
「それで?遠山」
「ん?」
キンジが首をかしげるとジャンヌが半眼になった。
「お前リサと一緒にいたらしいな?寝る場所は違ったよな?」
「あ、当たり前だろ……」
実際迫られましたけどね?そこは黙っときますよ……ロキも武士の情けだよ?的な目でこっち見てくる……とにかく!
「少し真面目な話するぞ」
とキンジがいうとジャンヌとロキは表情を締める。
「今回の一件……当たり前だがジャンヌや俺は
「私もだ」
「え?誰なの?」
キンジとジャンヌは顔を見合わせた……そして同時にいう。
『バチカンだよ』
「え?」
ロキが唖然とした。
「正確には八割だ。バチカンは意図的に
とキンジはいう……ジャンヌもなにも言わないし同じくというところだろう……
「少し捕捉しましょう」
そこに割り込む声……ジャンヌは首をかしげたがキンジとロキは知っている……
「よう、ローレッタさん……あんたか」
「開戦時もメーヤに言伝てを頼みましたがバチカンは戦争を望んでいません……
「それが幸運強化の特性上身内を疑えないメーヤを前線に立たせてどっちにもいい顔しようっつう作戦かよ……流石二次大戦の時同盟裏切ったくせに戦勝国名乗ってるイタリアだぜ……厚顔無恥って言葉を送ってやるよ」
と、キンジの嫌みにもローレッタは表情を変えない。
「それで遠山さん……あなたは明日必ず極刑になります」
「なに?」
「明日……私があなたに極刑の票をいれるからです。故に明日は極刑と回避の票は同数には決してなりません……」
「そういうことかよ……」
このまま終わらなさそうな気がしてたぜ……とキンジが思うとローレッタは続けた。
「あなたは知りすぎました」
そう言ってローレッタは去っていく……
「どうする?」
「神にでも祈るしかもう手が思い付かねぇよ……」
と言うキンジに二人も息を吐くしかなかった……
はい、やっと出せたぜぇ……驚いたかたもいると思いますが……はい!一毅の先祖が判明ですね。正確には一馬乃介よりも遠い先祖が緋鬼です。そして亜門とは同じ先祖……龍が如くの原作では亜門とは血縁関係はありませんがこっちでは繋がってます。と言ってもこれまでも某所某所で緋鬼を意識して書いてましたので伏線はボチボチおいてあります。詳しくは次の談話シリーズで発表いたします。それでは今回のバスカービル日記……
バスカービル日記
某月某日
執筆者・レキ
今日は朝起きたらハイマキの散歩に行って朝御飯を作りました。今では調理もご覧の通りです。そんなことをしているとみんなも起きてきました。皆でご飯を食べ、談笑……そんな変わらない毎日……いつまでもこんな毎日が続きますように……終わり