緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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龍達と襲撃

一毅たちはエレベーターに乗っていた。昨日行方不明になったキンジを皆で探していたのだが先程アリアから見つかったと言う連絡をもらったのだ。

 

なので皆で待ち合わせて皆で一緒にいくことにした。何故かって?そりゃあ通信機越しのアリアの声がイライラMax状態で一人で行ったらおっかないからだ。

 

赤信号、皆で渡れば怖くない……イライラアリア、皆でいけば怖くないと言ったところだろう。

 

「じゃあ誰がドアを開ける?」

 

この向こう側にはアリアがいるのだ……ドア越しにも殺気がプンプンする。なので全員で顔を見合わせて……

 

「辰正だな」

「辰正さんですね」

「谷田くん頑張って」

「辰ちゃん頑張るんだよ」

「辰正だね」

「辰正だろうな」

「谷田くんだね」

「谷田殿でござろう」

 

こう言うときのお約束で辰正に押し付けた。

 

「こういうときはじゃん拳でしょ!」

 

辰正が突っ込んだが全員がそっぽ向いた。

 

「死んだら化けてやる……」

 

辰正は呪詛を呟いてからドアを開けた……そしてその先には……

 

『え?』

「アリア~……いっで!そろそろ許してくれぇあいだ!……頭に血がたまってきた~……あだ!」

「絶対許さない!」

 

天井から逆さに吊るされたキンジとそれを蹴っ飛ばすアリアがいた……

 

「あれですかね?新しいSMプレイか何かですかね」

 

レキの言葉に一毅は苦笑いする。だがそれを見た白雪と陽菜は……

 

「キキキキンちゃん!今助けるよ!アリア!!!そんな逆なら羨ましい――じゃなくてそんな酷いことしないの!」

「師匠!今お助けしますぞ!神崎殿!それ以上師匠への狼藉許さないでござるよ!」

 

白雪と陽菜はアリアに飛びかかる。

 

「これはお仕置きよ!」

 

アリアが応戦を始めた。

 

「よう。今度はどんな女を引っかけてアリアを怒らせたんだ?」

「いや……いく先々で女を引っ掛けて行くようなこと言うな一毅……」

「否定できるか?」

「否定でき……る……」

 

語尾がすごく弱くなった。

 

「あいや……でも本当に何もなかったんだって……俺だって別に好きで一緒だったわけでは……がふっ!」

「言いわけ無用!」

 

アリアのキックでキンジはまた揺れた。

 

「あんなに怒らなくても良いだろうに……」

 

キンジがぼやくと辰正が首を振った。

 

「そんなこと言っちゃダメですよキンジ先輩。アリア先輩昨夜なんかスッゴく心配そうな顔して一晩中探し回っていたんですかぶばぁ!」

「余計なこと言わない!!!!!馬鹿正!!!!!!!!!!」

 

だがそれを聞いてキンジはそれは悪いことをしたとアリアの昔グリズリーを殴り倒したとか言っていたパンチで吹っ飛んだ辰正を見ながら思う。

 

「アリア……」

「何よ」

 

ジロッと睨んできたアリアに少し後ずさりそうになるがそこは我慢(と言うか逆さに吊るされた状態じゃ逃げられない)して……

 

「その……悪か――っ!」

『っ!』

 

次の瞬間部屋が爆発した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「げほ!」

 

一毅が降ってきた木片を蹴っ飛ばして立ち上がる。

 

「お前らぁ!大丈夫か!」

 

うーんと呻きながら皆も立ち上がる。

 

「なんだいきなり……」

「何処かからかロケット弾を打ち込んできましたね」

 

レキが言う。

 

「成程ね~狙撃は辺りに高い建物がないこの部屋には無理だけど近くに着弾させれば良いロケット弾なら別に関係ないもんね」

 

理子の言葉にアリアもうなずく。

 

「火薬もわざと減らしてあったから多分合図の意味合いが強い攻撃ね。戦闘不能に出来れば御の字って感じかしら?」

「兎に角ここは急いで出た方がいいね」

 

それを聞いて皆はうなずくと素早く荷物をとって出た……

 

「おいこらお前ら!俺のロープを解いてからいけ!」

『あ……』

 

危なくキンジを忘れそうになったのは余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「▲★■●○□▽□□★!!!!!」

「ん?」

 

皆がでるとそこにホテルの従業員たちが立ちはだかる。見たところ味方ではないし突然の爆発に避難を誘導しに来た人間ではない……武器を持ってるのもいるし敵である。こんなタイミングで自分達を襲ってくる敵と言えばひとつだけだ。

 

「もしかしなくてもこの人たちって……」

「藍幇の構成員だろうね……」

 

辰正に理子は答えると髪がザワザワと動き出す。

 

「いつまでも遊んでたら敵も増えそうだし一気に行こうか」

「そうですね!」

 

先手必勝とあかりがマイクロUZIを抜くと弾をばら蒔く。

 

「ウォオオオオ!!!!!」

「リャアアアア!!!!!」

 

その隙をついて一毅とライカは拳を握って相手を殴る。

 

『ラァ!』

 

更に蹴っ飛ばすと相手はドアを壊しながら吹っ飛ぶ。

 

「二人とも伏せてください」

『っ!』

 

そこに後ろから来たが一毅とライカは伏せると狙撃弾が飛んでいき相手を倒す。

 

「その前にアリア!」

「なに一毅!」

「俺の記憶が間違ってなければ雑兵禁止じゃなかったか?」

「戦場ではそんなルールくそ食らえって奴もいるでしょ!」

「そう言えばそうでしたっけね!」

 

アリアの弾丸の隙間を縫うように動きながら一毅は刀を抜くと一閃……更に、

 

「ハァ!」

「オッリャア!」

 

志乃の燕返しと辰正の飛び蹴りが相手を倒す。

 

「なあ多くないか?」

「多分このホテルは全員藍幇の構成員だったんだろうね」

「マジかよ」

 

理子の返事にキンジはボヤく。

 

「キンちゃん後ろ!」

「分かってるよ!」

 

後ろからのナイフをキンジはバタフライナイフで止めると理子はワルサーを抜いてそいつを撃つ。

 

「ヤァ!」

 

止めに白雪の斬撃で終わりだ。

 

「ほら、降りるぞ」

「この階から階段ですか……」

 

あかりがボヤくが仕方無い。高層ビル故の悲劇……エレベーターが使えない状況ではひたすら降り続けなければいけないのだ。

 

「諦めるかしないでござるな」

 

陽菜の言葉にあかりはそれでもうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラァ!」

 

ヒィヒィ言いながら階段をかけ降り途中で出会った輩を蹴散らして下を目指すがこれがまた随分遠い道のりだ。

 

まあこの場にいるには全員武偵であり更にレキと志乃とキンジと陽菜以外は全員強襲科(アサルト)に在籍しもっと切り詰めると探偵科(インテスケ)のキンジと志乃と諜報科(レザド)に所属する陽菜比較的体を動かす……だがそれであったとしても……

 

「まだつかないのか~!」

「今二十階だって!」

「遠いー!」

 

一毅がボヤくと理子が答え更にどん底に落ちる……いや、いっそのこと落ちた方が楽なのだが……

 

「ふぅ……ふぅ…」

 

一番体力のないレキの顔色が若干悪い。

 

「大丈夫?」

「大丈夫です。アリアさんは……平気そうですね」

「当たり前でしょ」

 

そんなことを話してると一階が見えてきた。

「とうちゃーく!」

 

バンっとドアをぶち開けながら外に飛び出す……そして、

 

『っ!』

 

外には……いた、

 

「久し振りだなぁーっと」

「初めてみる顔もあるな」

「懐かしい顔もあるがな」

「さて……強くなったか?」

「ワクワクしてきたな」

「しかしここまで降りてきたのか……」

「お疲れさんって感じかしら?」

「………」

 

そこにいたのは夏侯僉、周岑、関羅、甘餓、趙伽、楽刄、夏候黽……そして、

 

「よう……桐生一毅……」

 

檄を手に笑う呂布……

 

「お久し振りです」

 

ペコリと頭を下げる姜煌……

 

「顔を見せるには初めてね。はじめまして、前回は狙撃をしていた貂蘭よ」

 

腰まで伸ばした黒い髪……更にボンキュボン……いや、ドン!キュウ!バン!といった感じのスタイルの美しい女性……白雪以上のスタイルの良さとは……もしかしたらロキと同等……いや、ロキより背が高い上にチャイナ服……すさまじい美女である……が、

 

『いっだぁ!』

『鼻の下伸ばさない!』

 

キンジはアリアと白雪と理子と陽菜に、辰正はあかりに、一毅はレキとライカに背中をつねられた。

 

「やっほ~狙撃手ちゃん」

「ええ、こんにちわ」

 

レキが何か凄まじい敵対心を出している……まあそっとしておこう。

それより気になるのはもう一人……

 

黒い髪……幼い容貌……緋色の瞳……

 

「猴?」

 

キンジが声を漏らすと素足でポテポテ近付いてきた……敵意がないため皆は反応が遅れた……

 

「クルル……」

「え?どうした猴?」

 

キンジが顔を近づけた……次の瞬間、

 

「(チュッ)」

『へ?』

 

全員が唖然とした……キンジは眼を限界まで見開いた……

 

「ンチュ……チュパ」

『っ!』

 

今度は舌まで入れだした……

 

「ぷは……」

 

最後にペロリとキンジの鼻を舐めて離れる……

 

「安心しろよ遠山……変なことはしてない。言葉をコピーしただけさ」

「そうかい……」

 

キンジはフッと笑う……成りやがったぞあの野郎……アリアより幼い容貌の女でなりやがった。

 

「よし戦おう遠山……」

「デートのお誘いかい?いいよ」

 

キンジをジトーッと一毅とレキと理子はヒステリアモードキンジを見ていた……


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