嫁を育てて世界を救え!~異世界転移物語~   作:妖怪せんべえ

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41・5話  ハウトゥーファンタジーを読め!

 ちなみにハルに料理を作るよう命令したのは俺だったりする。最近知った事だが、ハルは、作った料理を食べた人の体力を回復させ、気分を向上させる能力を持っているらしい。ハウトゥーファンタジーに名前が載るだけあって、スキルを持っていた、という訳だ。

 

 現在ハウトゥーファンタジーに名前が載っているのはアンジェ、カンナ、ハル、フェンリス、俺だ。残念ながらハーピーちゃんは載っていなかった。

 

 ハルは戦闘が出来ないからか、少々他3人とはハウトゥーファンタジーの記述が違った。通常は好感度、レベル、育成だが、ハルは好感度、育成度及び料理スキルの記述だった。

 

 スキルに関しての記述があるのはこの前確認した時点では俺とハルのみだ。だが、これは俺の勘だが今後全員何かしらのスキルを獲得すると思う。

 

 いい機会か。そう思い、俺は家に帰る道すがらハウトゥーファンタジーで皆の状況を確認する事にした。

 

『里中公平 育成能力700 経験値150万 ダ??エ??侵?スキル ???ポイント30』

 

 ……。言いたい事が色々とあるが、まあ順番にいこう。育成能力と経験値はいいだろう。順調だ。最近気付いたが、経験値を得る方法は戦闘のみ限られないようだ。国を獲ったり助けたりでも入るようだ。

 

 そして、問題は次からだ。ダ??エ??侵?スキルって何? 人をおちょくってんの? 語尾を見るに何らかのスキルなのは確定だが、何だよこの穴あき。ナメてんのか、クソ天使め。今度あったら物理的に舐めるぞ? 

 

 そして???ポイント。さっぱりわからん。なんかのポイントなのはわかるけど、考えるだけ無駄だろう。時が来ればわかるようになる。

 

 決めた。今度天使に会ったら舐める事は出来ないにしても尻ぐらい撫でてやろう。中身は最悪だけど見てくれだけは素晴らしいからな、天使は。

 

 さ、次いこう次。

 

『戦乙女アンジェ 愛情度450 レベル72 育成度820』

 

 ふむ。まあ、こんなもんだろう。順調に成長していってるな。この間見た時はカンナにばかり構っていたせいで色々と下がっていたが、最近は平等に気にするようにしているからな、下がってなくてよかった。

 

『呪術師カンナ・クロサレナ 愛情度1300 レベル69 育成度670 ???』

 

 この娘はもう、ホント、うん。この際愛情度は見なかった事にしよう。問題は???だ。

 

 言っている側からスキル的な何かが表示されてるんですけど。さっきのでフラグ建っちゃったのかな? しかも高速で回収されてるし。まあ、いい事なんだろうけどさ。

 

 しかし、カンナは育成度が上がりづらいみたいだな。この間のダスクエリア侵入で大きく上がってから、ほとんど上がっていない。

 

 カンナの場合はアンジェと違い、俺が手をかけるまでもなく1人で強くなっていくからだろうか。だとすれば、何かすれば育成度が上がるんだろうが、魔法の事を知らん俺が一体何を手伝えるというのだろうか。今度なんか対策考えるか。

 

『人狼フェンリス 好感度800 レベル81 育成度20』

 

 お、フェンリスはまだ愛情度じゃなくて好感度なのか。なんか複雑だな。育成度も出会ってから特に何かした訳じゃないから上がってないし。

 

 だって綺麗過ぎるんだもん。あっちから色々と近寄ってくるけど、大人の包容力みたいのが強くてタジタジだ。

 

 表面は繕ってるつもりだけど、そんなものはお見通しと言わんばかりに俺の心中を読んで、その上でからかってきて俺の反応を楽しんでる節がある。あらあらうふふな印象が強過ぎる。

 

 あれ? これやっぱり番いとかそういうんじゃなくて近所の綺麗なお姉さんにからかわれるボウズの図じゃね? いや、悲しくなるから考えるのはやめよう。

 

「ふう……」

 

 家に着いた。俺は服を脱ぐのもそこそこに、ベッドに飛び込んだ。騎士長はいない。新調した剣と体を馴染ませると言って素振りに行った。カンナも偉い人会議以降姿を見ていない。どこかで明日の準備をしているのだろう。

 

 今この部屋にいるのは俺とアンジェだけだった。明日の事を考えると、僅かに手が震えた。やはり、心のどこかで緊張しているのだろう。今までと違い、明日は俺も戦う。

 

 歩けば5分でコンビニ。チャリを漕げば大抵のものは手に入れられる生活をしていた頃から考えると、俺もずいぶんと変わったものだ。

 

 ベッドの横で正座しているアンジェの髪を撫でた。銀色の髪はいつか見た時とは違い、サラサラとしていた。

 

 くすぐったそうに、でも俺にされるがままになっているアンジェが急に愛しく感じた俺はこう言った。

 

「アンジェは今幸せ?」

 

「はい!」

 

 花の咲くような笑顔だった。




次回予告
「びゃあぁうまひいぃぃぃ!」
「旦那様……」
 いきなり耳元で囁かれた。耳にかかる吐息に背筋がゾクッとした。何事かと思い、後ろを見ると、いつの間に近寄っていたのか、フェンリスがいた。
「ひゃっほおおおおおい!」
 俺はタオル片手にフルチンで温泉に飛び込んだ。
「嘘つけや! 何が真面目じゃ! ……まあいい、元々期待してなかった。前から聞きたかったんだけどよ。ぶっちゃけお前誰が一番好きなの?」

次回 ハム太郎とっとこうた お楽しみに

なろうでレビューを書いてくれる人がいたらおしっこちびる

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