東方反滅紀(凍結)   作:冷仁鬼

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今回からしばらく日常回が続きます
つまりコラボが出来るんですよ!
詳しくは活動報告にて

それでは本編へどうぞ~


幻想日常紀
ゆきなの日常


初代博麗の巫女が人間を辞めてから1年───

現在二代目博麗の巫女が大活躍しています

彼女は私と違い霊力の割合が常人以下ということもあってか近接戦闘を主流にしています

 

あぁ、どうも私はゆきなです

最近何故か神力を得て人間を辞めました───いや、強制的にやめることになりました

幽忌様は祝福してくれましたが何処か悲しそうでした

最初複雑な気分でしたが今は人間を守るために割りきったのでなんともありません これからも人間のために精進したいと思ってます

 

 

 

 

「ゆきな、明日から出雲に向けて出るから神社の方任せたぞ?」

 

「わかりました幽忌様。ユウキ様も行かれるのですか?」

 

その場合バランスを保つためにも結界の管理をしないといけないので念のため聞いてみる

ユウキは腰に提げている刀をポンと叩くと微笑みながら答える

 

「いや、こいつらがあるから大丈夫だ。俺がいない間頼んだぞ?」

 

「畏まりました」

 

会話を終えると幽忌は一瞬で消える

おそらく時間を止めて移動したのだろう

するとそこへ入れ替わるようにユウキが吸血鬼姉妹を連れて飛んでくる

 

「ゆきな~お客さんね♪」

 

「いらっしゃいませフラン様、レミリア様」

 

ゆきなは二人にお辞儀をする

二人は答えるように一礼して縁側の方へ歩いていった

何気無く着いていくと庭の桜の木の下でユウキが敷物を敷いて座っていた

 

そうか、花見か・・・ 最後にしたのはいつだったか・・・・

ゆきなが一人でその光景を眺めているとユウキと目が合った

 

「ゆきなも入る?」

 

「神となった私がそう簡単に妖怪と仲良くなってしまってもいいのでしょうか?」

 

「ぷっ そんなこと言ったら幽忌の立場無いじゃん」

 

「ふふっ」

 

確かにそうですね、そう言おうと仕掛けたが口には出さなかった

使えている神に、ましてや親とも呼べる相手を侮辱することになると思ったからである

 

「それじゃあ少しお邪魔しますね」

 

そう言いながらゆきなはフランの隣に腰を下ろす

しばらく桜を見ていると隣に座っているフランがゆきなの肩にもたれ掛かってきて聞いてくる

 

「ねぇ?ゆきなは私のこと好き?」

 

「もちろんですよ」

 

「よかった~霊香には嫌いって断言されちゃったからゆきなもそうなのかな?って思っちゃった」

 

フランは猫の様に頬擦りしてくる

以前記憶を覗いて分かったことだがこの子は姉のレミリアと比べると愛情を受けることが少なかったらしい

それを知って以来ゆきなはフランに極力優しく接するように心がけている

 

「フラン様は私のことが好きですか?」

 

同じ様にゆきなはフランに聞いてみる

するとフランはいきなり立ち上がって手を広げて答える

 

「こんっっっっっのくらい大好き!!」

 

満面の笑みである

流石に可愛いと思ってしまう

 

「フラン様、私もちょっと出掛ける用事が出来たので失礼しますね。花見楽しんでくださいね」

 

そう言って立ち上がり歩き出そうすると背中にフランが飛び乗って来た

 

「フランも行く!」

 

「お気持ちはありがたいですが大丈夫ですよ、ちょっと霊香の様子を見てくるだけですので」

 

「むぅ......霊香かぁ」

 

流石に直接嫌いと言われた相手に会うのは気が乗らないらしい

まぁ、余計なもめ事が無くなるなら我慢してもらおうかな

と思っていると

 

「ゆきながいるから大丈夫!フランも行くよ!!」

 

「そう、じゃあ人里に向かいますよ」

 

行くと決めたフランを説得するのは骨がおれそうなのでそのまま人里に向かって飛び立つ

 

 

 

 

「────だからもっと修行をしなさいね?」

 

「はい....師匠.........」

 

現在霊香は茶屋でゆきなに叱られていた

遡ること一刻

 

 

ゆきなはフランを肩車しながら人里を回っていた

すると前から霊香が団子をくわえながら歩いてきたのだ

ゆきなはにっこり笑いながら霊香に歩み寄ると、こちらに気付いた霊香が逃げようとするのも構わず掌底を腹部に撃ち込んだ

霊香が咄嗟にガードしようとするが間に合わず吹き飛ぶのを抑えるだけが限界だった

腹を抱えて転がる霊香を見下ろしながら説教が始まったのだ

 

結局このあと霊香はゆきなに監視されながら修行をすることになるのだった

 

 

 

 

「じゃあ最後に私と組手ですね♪」

 

「師匠.....なんでそんなに嬉しそうなんですか.....はぁ~」

 

現在霊香とゆきなは神社の裏で修行のラストに入ろうとしていた

会話の通りゆきなvs霊香の組手である

と言っても、実力差がありすぎるのでゆきなに攻撃をちゃんと当てられたら終わりとなっている

それでも霊香の実力では難しいのだが

 

「いつでもかかってきていいわよ?」

 

「じゃあ行きます!!」

 

霊香は言うが早いか霊力を込めた正拳突きを放つ

間合いが開いているが関係はない

一撃に集中して霊力を突きの形で発射する技だからだ

更に霊香は一瞬で間合いを詰めると足払いからのもう片方の足で跳びアッパーの要領で蹴りあげる

しかし

 

「最初のスピードが足りない.......あれじゃあ避けてくれと言ってるようなものですよ?込める霊力を減らして鋭くしなさい」

 

ゆきなは右腕で蹴り上げた足を押さえ込んでいた

霊香は足を戻すこと無くもう片足もゆきなの右腕に掛けて両足で思い切り蹴る

ゆきなはその勢いでバク中をし、なめらかに着地する

 

着地の瞬間を狙って先程より更に鋭い霊拳が飛んでくる

それも連続で5個ほど、空気抵抗が少ないせいで速度も数段上がっている

ゆきなもかわしきれないと思ったのか霊弾を撃ち相殺する

相殺時に起こった土煙りで姿が隠れる

 

「(ここで決める!)」

 

「(さてどう来ますか?)」

 

風で土煙が晴れていく

 

 

ボボボボッ

 

 

土煙を切り裂きながら霊拳が飛んでくる

よく見ると上下を除いた全方位から飛んできている

ゆきなは迷わず上へ跳ぶ

 

「貰ったァ!!」

 

そこに霊香渾身の踵落としが叩き込まれるも、ゆきなは両腕をクロスさせてなんとか受け止める

 

「これでおしまいですか?まだまだですねッぇぇぇ?!」

 

上に気を取られていたゆきなは真下で起こった霊拳同士の爆発に煽られてガードが緩む

その隙を見逃さず霊香はゆきなを蹴り落として上から連続で霊拳を撃ちまくる

霊力をたっぷり込めた必殺の霊拳だ

 

 

勝者は─────

 

 

 

 

「意外と強くなりましたね」

 

「でも辛うじて勝っただけだけどねー」

 

「師匠~何でこいついるんですか?私こいつのこと嫌いなんですけどぉ」

 

ゆきなはフランに手当てを受けながら今回の修行の成果を確認している

霊香は霊力が空になったため地面に寝転んでいる

その顔はフランを嫌っているらしくそっぽを向いている

 

「まぁ、今回の修行はここまでにしましょうか。またあんなはしたない真似したらこの倍ですよ?」

 

「はーい師匠、気を付けますよ~」

 

「ならよろしい。フラン様もそろそろ帰った方がいいのでは?」

 

「うん!帰るね!じゃあね~」

 

こうしてゆきなの日常は過ぎていったのだった

 




にっちじょーかい!
次回からコラボかな?

幽忌「いや、知らねーし」

まぁまぁ、頑張りますよ~

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