そんな文章力で大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない
それでは吸血鬼異変スタートです!!
「紫!そっちに半分行ったぞ!気をつけろ!」
「えぇ!なんでこんなに吸血鬼が多いのよ!!」
「もっともっと僕と遊ぼうよ♪」
「ユウキ殿もう少し加減を.......」
怒号が飛び交う幻想郷.......
何故こうなったのか
───遡ること一日前
「幽忌~やっぱりそろそろだよ?」
「そうか?」
「その話本当ですか?」
博麗神社組と八雲組が神社の賽銭箱の前に立って話していた
内容は先日ユウキが呟いた吸血鬼異変のことである
その時幽忌はまだまだ先だろうと言っていたのだがここ数日の間に見かける蝙蝠が急激に増えたのだ
流石に二人だけで解決できるようなものではないと判断し八雲組を呼んだのだった
「本当にそのようなことが起こるなら幻想郷全体で相手をしなくてはならないわね......」
「それだけで足りるでしょうか.......」
藍が心配そうに呟く
その言葉に全員が唸る
「じゃあ助っ人を呼ぶってのは?」
そのなかでユウキがポンと手を叩きかなり突飛だがやることは可能な案を出す
「そう....だな..........」
「そうですわね.......私と幽忌の能力で異世界の強い人間や妖怪を連れてくれば」
「ならやるか『幽忌様!里が.....見たこともない種類の妖怪に襲撃をされています!』ちっ.....間に合わなかったか..........なら行くぞユウキ!!ゆきな!!」
「了解!!」
「はい!!」
「紫は契約結んである妖怪どもの説得とスキマの方は任せる!!」
「全く無茶言ってくれるわね....はぁ..........分かったわよ!!その代わり里は死守するのよ!!」
ため息を一つ吐いたあと、紫は里へ向かって飛ぶ幽忌に叫ぶ
★ ★
「里はここには無かった......歴史は消した、通りすぎるが良い吸血鬼共よ」
「いいから早く戻せ!」
「戻さないなら」
「いたぶってからもう一度聞く!!」
幽忌達は高速で上空を飛び里へと向かっていた
里があった場所には何もなく、代わりに里の入口があった場所で青い服の誰かが戦っている見える
三人はそこへ一直線に降りる
「慧音、無事か?」
「幽忌か....私と里なら大丈夫だ」
ちょうどこれから戦闘ってところだったらしくまだ慧音は無事だった
「──だったら!!」
何か後ろが五月蝿い
見ると羽を出した状態のユウキが他の吸血鬼と言い争っているようだ
「なにしてんのユウキ?」
「吸血鬼ならこちらと共に行くべきだって五月蝿くて」
「じゃあ消せ跡形もなくな」
そう言われるや否やユウキはダーインスレイヴを抜き目の前にいる吸血鬼を切り裂いた
その後妖力弾を打ち出し跡形もなく消し飛ばした
「「な?!」」
吸血鬼が一瞬で消されて他の妖怪達は明らかに動揺している
その後も何匹か吸血鬼が来たが全てユウキによって消された
それに恐れをなしたのか回りの妖怪は逃げていった
その時幽忌達は凌ぎきったと思い油断していた
本当の悪夢は満月の夜、だと言うのに........
☆
「いよいよ今夜だな」
「そうですわねぇ」
吸血鬼最強の男──レイ・スカーレットとその妻、リイネ・スカーレットが忌々しそうに空に浮かぶ太陽を見ながら呟く
そう......いよいよ今夜、幻想郷を手中に入れるのだ
同胞達は先に行って暴れているはずだ
「なぁ.....リィチェルよ.............」
「なんでしょうか?」
いつの間にか後ろにいたリィチェルに前を向いたまま話しかける
聞きたいことはただ一つ
「勝てる.......よな?」
「それはレイの実力次第です」
その返しは予想していた
と言うより未来のことなど誰がわかるだろうか.......
「下らない問いだったな、忘れていいぞ」
返事はない
「去ったか.....本当に何を考えているのかさっぱりわからない奴だな」
そんなことは今はどうでもいい
今夜勝つことだけ考えていれば........
☆
「フランいい?私たちはお父様が飛び出した後に行くのよ」
「分かってるよお姉さま、もうその話10回目だよ?」
「そのくらい心配ってことよ」
レミリアとフランは二人とも同じ部屋にいる
そこで今夜の戦いに備えていた
二人とも幼く見えるが齢500近い吸血鬼である
その辺の雑魚妖怪相手なら瞬殺することくらい余裕であったが気を抜く何てことはしない
メイド長の美鈴には気を張りすぎないように言われているが、勝手に力が入ってしまうのである
流石に力を入れすぎて破壊活動を行うまでは行っていないが戦いが始まればどうなるかわからない
フランが日の暮れてきた空を見ながら呟く
「私たちのいい相手になる妖怪はいるのかなぁ.......」
それに対してレミリアは一拍置いてから答える
「....大丈夫よ、心配しなくてもきっといるわよ」
「だといいんだけどさ.......」
そう言うと二人はベッドに入り夜まで眠ることにした
☆ ★
そしてやって来る本当の悪夢
「吸血鬼退治に成功!乾杯!!」
オオオオオオ!!!
現在時刻に換算すると夜の八時頃
幽忌達は博麗神社にて第一陣の吸血鬼退治が終わったことに対して妖怪等を呼んで宴会を開いていた
「鬼子母神よぉ.....お前本当に戦ったのかい?」
「勿論じゃとも、奴等の攻撃など天狗に比べれば止まっているようなものじゃけん」
「遅すぎたって訳か.....さすがだな」
「そんなに褒めたって何も出ぬぞ?」
幽忌と鬼子母神が酒を互いにぶっかけながらも楽しそうに飲んでいる
「ねぇねぇ天狗のお姉さん、どうやったらそんなに早く飛べるの?」
「あやややや、どうやったらと言われましても.....椛はどう思います?」
「えぇぇ?!そこで私に振るんですか?困りますよぉ......」
幽忌達の後ろではユウキが最速烏天狗の射命丸文と犬走椛と早く飛ぶコツを聞いていた
ドガーーーン
空気全てを震わせて大きな爆発音が響き渡る
そして幽忌の目の前に突如現れた紫がそこにいる全員に向けて一つの情報を言い渡す
「全員戦闘態勢で自分の土地へ戻りなさい!!さっきまでのとは比べ物にならない量と質の大軍が来たわよ」
「よりによって今かいの......」
「鬼子母神よ......お互いの取った首の数で勝負しようぜ?」
乗り気でない鬼子母神をやる気にさせる為幽忌はわざと挑発的に言う
「数をちょろまかすんじゃないぞよ?」
「勿論だ!」
幽忌の言葉を聞き終わる前に鬼子母神は妖怪の山へと飛び出していった
それを見届けると幽忌は紫の方を向き里の方角を指差す
「分かってるわよ....人間達を死守ね!!」
二人はスキマを使い一瞬で里の元へ到着するそこにはありえない光景があった
★
角が生えている慧音が一人で里を守っていた
角が生えた状態の慧音は吸血鬼や他の中級妖怪の同時攻撃をも紙一重で避けている
しかし、防戦一方な為か慧音の顔に疲労の色が見える
すぐさまスキマを使い慧音の回りの妖怪共を紫と二人がかりで二、三十メートルほど弾き飛ばす
「幽忌と......紫か?」
「そうよ...いたらいけなかったかしら?」
「いや、救援感謝する」
弾き飛ばした妖怪がすぐそこまで戻ってきている
幽忌が紫を見ると二人同時に頷き、スキマを3個開く
一瞬で開けたのは幽忌が1、紫が2だけだった
そのスキマの中からは見覚えのある三人(+見覚えのない人物)の姿が.........落ちてきた
「痛ってーな.....スキマってことはまた凌か?」
「俺のスキマじゃないぞ?これは」
「このスキマってことは幽忌だな!」
最初のが明空翔、次のが瀬戸尾凌、最後のが龍神王牙、それぞれ幽忌と手合わせもしくは共闘したことのある大事な仲間だ
三人は顔を会わせても驚かないところを見るとやはり知り合いのようだ
「三人ともまた来てもらって悪いんだけど目の前の妖怪全て蹴散らしてくれ!!むしろ殺っちゃってOKだ!!」
幽忌が叫ぶと
「OK!クゥ暴れて良いってさ!『わかったよアッキー』」
「よし、わかったぜリミッター2解除『ガウスカノン』!!」
「殺すのは気が進まないけど......ユッキーと幽忌の頼みだしな、いっちょやりますか!『ドラゴニックファイヤ』『ドラゴニックグレイシャー』」
それぞれ承諾の意思を示すと共に攻撃を始める
まず凌がガウスカノンを目の前に打ち出す
弾道ならぬレーザー道(?)にいた妖怪達は吸血鬼を残して中級妖怪以下は全て消えた
次に王牙のドラゴガンから打ち出された炎龍王と氷龍王はガウスカノンを避けた左右の妖怪達を飲み込んだ
多くの妖怪が焼け、凍り落ちてきては砕け散った
残った吸血鬼と下級妖怪を『翔とクゥ』『幽忌とユウキ』のペアで切り裂いていく
翔は斬空で、幽忌は琥神と暁楽で切り伏せていく
二人の攻撃で瀕死状態の妖怪にクゥとユウキでトドメを差す
「『キューブデリート』ばいばーい♪」
「ぁ、それ面白そう!私もやってみよっと♪こうかな?『キューブデリート』」
クゥのキューブデリートによって落下地点にいた妖怪はそこの地面ごと文字通り跡形もなく消えた
ユウキが能力で同じようにキューブデリートを発射したが、それは四角には程遠い球形をしていた
さらにそれは地面に近づくにつれてどんどん小さくなっていく
「あ、ユッキー!早く戻ってきて!なんかそれかなーり危ない気がする!!」
王牙の警告で戻ってきたユウキがこちらに戻ってくると同時に着弾したユウキのキューブデリート(?)が大爆発と共に地面を相当深く抉った
大体の吸血鬼や、妖怪を殲滅した跡として赤い染みがそこかしこにできていた
「いや~いきなり呼び出しちゃって悪いな三人とも」
「まぁ、あんまり気にすんなよ.....でも落とすのは勘弁.........」
「それは紫に言ってくれ.......」
「ユッキーも幽忌も元気そうでよかったよ」
「お陰さまでな?『うん!元気だよ!!』」
「俺ら三人とも呼んでるってことは何かあったのか?」
「あぁ、実は───」
★
「───っつー訳で手伝って欲しいんだ」
「勿論手伝うぜ」
「やるなら徹底的に殺らないとな」
「仲間を救うためならいつでも手伝うぜ!」
「私も手加減なしで暴れていいならやるよ!!」
全員無事手伝ってくれるそうだ
素直に感謝をする
「助かる......俺とユウキだけじゃあとても手が足りなくてな...........」
「ちょっと待ってろ.............あったあったほら全員これ食って回復しておけよ」
凌が自分のスキマに手を入れて人数分の桃を取り出しそれぞれに投げる
「お、サンキュー」
「桃?」
「ありがとうだな......ありがたく貰うよ」
しばらくの間凌達とはなしていると
ザワッ
急に風が冷たくなった
それと同時に湖の方角からとてつもない量の妖力が4つ、魔力量がおかしいのが1つ感じられた
「何かいるな......」
幽忌が呟くと凌達が頷く
その巨大な力はそれぞれ妖怪の山、太陽の畑、こちらに向かってきている
「じゃあ俺はあの一番でかい妖力のところに行くぜ」
凌はそう言うと妖怪の山へ向かって飛んでいった
幽忌とユウキはアイコンタクトで決めると幽忌が言う
「翔とクゥ?だっけは俺とここであのバカデケェ魔力の奴と交戦、ユウキと王牙は太陽の畑のほうに行ってくれ」
「了解だ....じゃあユッキー行くぞ!!」
「うん!」
二人はそう言うと大きめの妖力が2つ向かっている方向に飛び立つ
「翔、俺らはここで恐らくあの魔力量のだと魔法使いと───」
幽忌が言い切ることは出来なかった
何故なら
『あらら、予想通り負けてるねこの吸血鬼共は』
『お父様、敵がいますよ......早く片付けましょう』
パチュリーとその父親、リィチェルがいきなり転送魔法で目の前に現れたからだった
☆
『ほう.....貴様が私の相手か..........なかなか手応えがありそうだ』
凌の方にはリイネとレイ・スカーレットが
☆
『あなた達が私たちの相手ね♪』
『せいぜい楽しませてよね?人間さん♪』
ユウキと王牙の方にはレミリアとフランが現れたのだった
吸血鬼異変がとうとう開幕!!
さてさて転生者達はどうやって戦うことになるのか!!
幽忌「凌....二対一かぁ.......凄いな」
お前もかなーり強いのと当たってるんだから頑張らないと死ぬぞ?
幽忌「お、おう頑張るのぜ」
二人「次回もゆっくり見ていってくれよな!!」