東方反滅紀(凍結)   作:冷仁鬼

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今回と次回あたりは幻想郷から離れて別の『強いある方』の方へ飛びます
時間軸は前回の十年前くらいです

ではどうぞ~


サブストーリー・・・会合

「────と言うわけだ.......全員戦闘準備をしておけ」

 

「「「ハッ!」」」

 

バサバサッ

 

ある男の吸血鬼が命令をするように言うとそれを聞いていた他の有力そうな吸血鬼は跪き次の瞬間蝙蝠となり消えた

残った男の吸血鬼が誰もいなくなった筈の空間に向いたまま静かに言う

 

「リイネ、そこにいるのは最初からわかっている.....出てこい」

 

「流石は我が夫、レイ・スカーレットですわね♪」

 

レイと呼ばれた吸血鬼の後ろから綺麗な女の吸血鬼が現れた、話の流れから二人は夫婦なのだろう

レイは目つきを鋭くさせリイネを問い詰める

 

「何故彼処にいた?娘たちは誰が守っているのだ?」

 

それに対して少し考えてからリイネは普段通りの態度で口を開く

 

「あの魔法使いのところに預けているわ」

 

「アイツか......実力はあるのだが変なところがあるアイツのことだ、何かあったら困る」

 

「えぇ、はやく戻りましょう」

 

二人はそう言うと蝙蝠となり闇夜に消えた

 

 

 

 

「パチェ、よくこんなカビ臭い場所に居られるわね?」

 

一匹の小柄な吸血鬼が近くで魔方陣相手に格闘している紫色の服を着た少女に話しかける

パチェと呼ばれた少女は意識を9:1くらいの割合で魔方陣に向けながら返事をする

 

「そうね.....嫌なら出ていけば?そのまま日光に当たって灰になってしまえばいいのよ」

 

「酷い言い様ね.....といっても私は直射日光に当たった瞬間灰にはならないわよ?」

 

「じゃあレミィは出ていっても大丈夫ね?フランはここにいてもいいわよ?」

 

レミリアは黒い笑いを浮かべながら言うパチュリーに掴み掛かろうとする

パチュリーは既に魔方陣の方に目を戻しており避けられないレミリアの爪がパチュリーに当たる......その寸前目の前にいきなり水柱が上がりレミリアは直撃を食らい壁まで飛ばされた

 

「お姉さまっ!」

 

流水は吸血鬼の弱点のひとつ、流水をまともに食らったレミリアは全身火傷の状態で倒れている

そこへレミリアの妹フランが駆け寄る

そこに響く足音、そして凜とした男の声

 

「レミリアさん、貴女は人の子に何しようとしているのか分かっているのですか?」

 

その声を聞いた途端パチュリーは少し苛ついた顔をする

そしてその声の主に苛ついた声で話しかける

 

「お父様.....いちいち出てこないでくれませんか?あと私は魔法使いです.....人間じゃない」

 

「分かっているよパチュリー......そりゃあ私自身が大魔法使いであるのだからね♪」

 

大...の部分を無駄に強調しているパチュリーの父親にフランがレミリアを引き摺りながら連れてきて涙目で話しかける

 

「お姉さまは大丈夫なの......?お姉さま生きてる....?」

 

「大丈夫さ......ほらっ」

 

フランが下を向くと傷一つ無く寝ているレミリアの姿がある

フランは姉が無事で良かったと喜んでいる

 

「感動するねぇ」

 

「自分でやっといて何を言うか.......」

 

「ん?なにか言ったかい?」

 

「なんでもないですよ」

 

 

少しするとレミリアは意識を取り戻した

そして涙を流しているフランを見て不思議がる

 

「.........あ...れ?フラン?どうして泣いているの?」

 

「なんでもないよ...♪お姉さまが無事で良かった......」

 

「フラン........」

 

パンパンッ

 

手を鳴らす音がして二人は我に返る

そしてパチュリーの父の姿を見て嫌そうな顔をするも後ろにいる人物を見てすぐに明るくなる

 

「私がここに来たのは水晶にレイの姿が見えたからなんだよ」

 

「待たせたな、レミリア、フラン.....さぁ帰るぞ」

 

「「お父様!!」」

 

「今回の礼だ、ここに置いておく」

 

レイはそう言うと近くのテーブルに魔導書を二冊取りだし置き蝙蝠となり去っていった

 

三人がいなくなるとパチュリーら二人はレイの置いていった魔導書の解読に取りかかった

 

 

 

 

「翌年、長年住み慣れたこの地を離れ幻想郷という地を支配するべく移住する」

 

ある朝、レイは紅魔館の住人全てをホールに集め先日の吸血鬼の会合にて決まったことを告げる

反対するものはいない......当然である

ここにいるレイ・スカーレットはこの辺りの地を支配している吸血鬼の中でも最上位の強さをもつ妖怪だったからだ

逆らえばどうなることか........

 

レイは多くの妖怪を支配する代わりに安全を提供するという契約をこの辺りの妖怪全てと結んでいた

しかしこの頃急激に人間の力が強まったために妖怪の存続が危うくなった

そんなときレイにある者が教えたのだ

『幻想郷』と言う名の理想郷の存在を

 

その者はこう言っていた

 

『幻想郷には妖怪と人間、妖精などがバランスよくいる。人は我々を恐れ、妖怪はそれを糧に生きていると言う、今の状況を見るに移転しそこを支配するのが得策ではないのか?』

 

すぐに答えは出せなかった

しかし、これ以上ここにいても失うものは多いが得られるものは極僅かである以上決めざるを得なくなった

結果幻想郷とやらを支配しに移転することになったのだ

 

 

そんな理由は住人は知らない

だが、全員の思いはただ一つ『主の意向に従うべし』

ここにいる殆どがレイにより命を、心を救われたなど慕うには十分すぎる理由をもっている者たちばかりだ

レイもそれは分かっている

全員家族で守りたい.......しかし無理なのが現実である

ならば出来ることはただ一つ

 

「全員心して聞け.......貴様らは俺の家族だ。全員守ってやりたいが俺一人では到底叶わぬことだ..........よって貴様らに命令する『全員この戦争で死ぬな!!』この戦いは幻想郷と我ら吸血鬼の戦いだ死ぬ気でやり、必ず帰ってこい!!」

 

「「「「御意」」」」

 

無茶苦茶なことをいっているのは分かっている

最強の吸血鬼たる俺も本気の戦いとなれば無事では済まないだろう

だがしかし、我が娘たちだけでも.....紅魔館の仲間だけでも救えるのなら我が命など安きものだ

 

「期限は二年後!全員やることやりきって全力で叩き潰すのだ!!」

 

オオオオオオオォォォォオオオォォォオオオオ

 

その晩紅魔館周辺では物凄い雄叫びが木霊していたそうだ

 

 

 

 

「レミリアたちは幻想郷とか言う場所に行くみたいよ?私たちはどうするの?」

 

「勿論行くさ♪レイに幻想郷のことを教えたのは私なのだから」

 

ある屋敷では魔術書を読みながらうっすらと笑っている二人の魔法使いがいたのだった




レミリアの父親って結構厳しめのイメージがあったので仲間思いのよき父親ってかんじにしました
無駄に長くなってしまったため駄文に極みがかかっています

幽忌「俺の出番は.....」

しばらくない!!

幽忌「あぁあんまりだぁぁ.......」ピチューン

じゃあ締めましょう

二人「次回もゆっくりしていってね(ください)」

あれ?誰かいたような?気のせいか

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