妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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ようやく話を通常路線に切り替えられました。
アマアマもちょっと含めながらアニメ1期との連動も、もうすぐ終わります。




第20話 参賀日

0555

いつも通り目が覚める。

寒い。

隣を見ると彼女が寝ていた。

ゆっくり、体を起こしてとりあえず着替える。

1945年。前にいた世界では激動の年だった。

おそらくこっちの世界でも地図が変わるような大きな戦いがあるかもしれない。

そして、俺はその最前線で戦うことになるだろう。

まだ寝ている彼女を見て不安になる。俺は守れるのか?

また失うんじゃないかという不安に襲われる。

いや、失わないようにあらゆる術を教えているんじゃないか。もうあんなへまをしないように。

不安を打ち消す。

時計が鳴った。すぐに消す。

どうしようか、起こそうかな。でもまだ寝顔も見てたいし。

ウィルマが寝ているベットに腰掛けて彼女の髪を撫でる。というか、今日はどうしようか、1600までに基地に帰ればいいとして1400くらいまでは自由に使えるのか。

フロントで聞いてくるか。

立ち上がろうとしたら服を捕まれた。

「どこ行くの?」

「起きてたのか、下で今日のイベント何があるのか聞いてこようと思って。」

「私も行く。」

「なら起きろ。40秒で支度しな。」

「そんなんじゃ無理ー。かばんとって。」

「はいはい。」

まだ寝ぼけてる。目が半分くらいしか開いてないし。

「服、前後ろ逆だぞ。」

「んー。わかった。」

着替えるのに15分かけてようやく部屋を出る。

「それで、下に何しに行くの?」

「聞いてなかったのか?」

「聞いてたけど忘れた。」

「フロントに今日のイベント何があるのか聞きに行くんだよ。あと、朝御飯を食べに行く。」

「わかった。」

1Fに降りて聞いてみると特にはなにもやらないらしい。今日からは世間一般じゃ、普通に日常が始まるとのこと。

「なにもないんだって。」

「ブリタニアじゃ、盛大になんかやるのはクリスマスだからね。今日から仕事の人も多いんじゃない?」

「それを早く言えよ。」

「今思い出した。ごめんね。」

笑顔でそんなこと言われたら許せないはずがない。

「それより、朝御飯いこうよ。」

「だな。」

適当に朝食を済ませて部屋に戻る。

 

「さて、今日はどうする?」

「ゆっくりしたい、昨日は疲れた。主にリョウのせいで。」

「それでも、10時には出なきゃいけないんだ。」

「スルーですか。だったらギリギリまでゆっくりしたら、どっか適当に回ろうか。」

「そうしますか。」

壁に寄りかかりながらベットで座って外をみてる。

今日は快晴か。ロンドンは霧が多いって聞いてたがそんなことはないのか。

0900を回って時計が9回なる。

「一昨日ね、リョウがいないときにみんなで話し合ったの。」

「何を?」

「私が付き合うことになったらどうするかってこと。最初ね、話したらみんななんかそんな気がしてたみたいなこといっててビックリした。薄々気がついていたみたい。そうしたら、私おいてけぼりで話がエスカレートして最後に、隊長が"私達は2人にさせてあげることしか出来ないから、あとはあなた次第。頑張ってね"みたいなことをいってくれたの。」

「だから、みんな知ってたのか。」

「リョウも知ってたの?」

「出発する直前にみんなに励まされた。」

「そうだったんだ。だったらお礼しないとね。」

「じゃあ、ここ出たらそれ探すか。」

「そうだね。」

そのまましばらくボーッとして0950に部屋を出る。

チェックアウトして荷物を車に乗せる。

車を駐車場から出して適当に別の駐車場を探して止める。

その足で店がたくさんあるところまで歩いていく。

「何にしようか。」

「なんか、個人個人よりはみんなで1つの方がいいんじゃないか?」

「じゃあお菓子かな?」

「クッキーとかいいな。」

「紅茶は?」

「じゃあ両方で。」

「両方か。組み合わせも悪くないしね。それでいこう。」

お菓子やさんで俺がクッキーを買う。ウィルマも何か買ったみたいだ。

「なに買ったんだ?」

「秘密。」

「ケチ」

「後で教えてあげるか。」

(´д`|||)

「そんな顔しないで、絶対教えるから。」

腕を組まれた。

「なんか、らしくなってきたな。」

「ふふん、そうでしょ?」

そのあとも教えてくれなかった。

紅茶もいろんなものの詰め合わせにした。

時間は1250。フィッシュアンドチップスに挑戦したが意外といけた。こっちは噂よりよかった。

ただ、ウィルマばお気に召さないようなのでケーキのお店に連れていったら喜んでくれた。

「どうしてこんなお店知ってるの?」

「利用したことあるからな。」

「へー、誰と?」

「上司とだよ。」

「ダウディング大将?」

「違う、そこ頃はまだ知り合いじゃない。」

頭にさの上に?が、出てそうな顔をしてる。

「じゃあ、いつ利用したの?」

「単純計算だと、64年後かな。」

「?????」

「この世界に来る前だ。」

「えっ、それじゃあこのお店は60年後の別の世界にもあるの?」

「あぁ、もしかしたら世界が近いのかもな。」

「面白いね!」

全くだ。

買い物も終わったので基地に帰る。

車内では疲れたのかウィルマは寝てた。

1545

「「只今、帰投しました!」」

「おかえりなさい。」

みんなにやにやしながら言ってくる。

俺とウィルマは顔を見合わせて、覚悟を決める。

ウィルマの肩を抱き寄せて

「知っていると思いますが報告します。フレデリック・T・バーフォードはウィルマ・ビショップと付き合うことになりました。色々、応援ありがとう。」

「ありがとうね。」

みんな拍手してくれた。

よかった。

「プロポーズの言葉は?」

「どこまでいったの?」

「気になる。」

一気に迫ってきた。

「ウィルマ、後よろしく。」

「えっ?」

「車の中で寝てただろ?俺は運転で疲れたから休む。」

「ちょっと!?」

「あとで、ちゃんと愚痴は聞くから。」

とにかく逃げる。どうせ終わらないだろうしな。

その後5時間も話したらしい。ガールズトーク恐るべし。

 

深夜、ウィルマが部屋に入ってきた。

「これあげる。」

渡されたのはクローバーのチャームだった。

「これは?」

「前にチャームくれたでしょ?そのお返し。ちょっと屈んで。」

言われた通り屈むと持っていたチャームを取られてそのまま首の後ろに手を回されて、チャームが首にかけられた。

「ありがとう。大切にする。ウィルマ、俺も掛けてあげるから貸して。」

同様に掛けてあげる。

「それで、クローバーはどういう意味なんだ?」

「秘密、恥ずかしくて言えない。」

「なんだそれ。」

「ありがとうね、それじゃ!」

走って行ってしまった。

クローバーの花言葉を調べてみると"幸福"、"私のものになって" らしい。

全く、可愛いことしてくれるな。

 

次の日

「隊長達は休みを取らなくていいのか?」

「ワイト島勤務事態が休暇みたいなものだしね。私は平気よ。」

「私はウィルマさんの話聞けたら満足でした。休みなんか要らないくらい幸せになれました。」

アメリー、お前はそれでいいのか。

ほかの2人も似たようなこと言っていた。

なんか、思い思いにボーッとしてしているが、奴等にとってそんな事情は関係ない。

 

ネウロイ接近警報

その瞬間全員のスイッチが切り替わる。

「スクランブル!」

それと同時に部屋の電話も鳴る。

「もう、こんな急いでいるときに!」

隊長が愚痴をこぼす。

「俺が出る。ラウラ、前に教えたスイッチをonにしておいてくれ。」

「わかった。」

俺は直ぐに受話器を取る。

「誰だか知らんがこっちは緊急発進なんだ。後でまたかけてくれ。」

『バーフォードか!俺だ。こっちもそれに匹敵するくらいの緊急案件だ。』

FAF語で電話とは余程ヤバイことらしい。

「ジャックか、続けてくれ。」

『15分前、廃墟から謎の飛行物体が発進した。追跡した結果、ガリア方面に飛んで行ったとのことだ。だが、途中で振りきられたらしい。かなりの速度だ。』

「もしかして、これも関係が?」

『あるだろう。伝達、VFA-21、1番機は速やかに不明飛行体を追跡しろ。命令だ。』

「了解。」

格納庫に走る。既に殆どが離陸体制に入っていた。

ラウラ、助かる。

速やかにエンジンを作動。

離陸する。

「隊長、聞いてくれ。さっきの電話は司令部からだった。別方面からネウロイが接近しているとのことなので俺はそちらにあたる。ウィルマこっちに来てくれ。」

「?なに?」

「君には言っておく。一昨日ジャックが話した不明機がどっかを飛んでいるらしい。俺はそちらにそちらを担当する。ただ、速度が速すぎて俺にしか追い付けない。ウィルマ、隊長達のサポート頼んだぞ。」

「了解!」

「戦闘前に2人の世界とは羨ましいですね。」

「それじゃあなー。」

逃げるように離脱する。

さて、とりあえず探すか。

ジャックに回線を繋ぐ。

「現在の不明機の位置は?」

『不明、ただ501にもスクランブルがからそいつらが来た方向を探ってくれ。もしかしたら奴が誘い出したのかもしれん。』

「了解、情報が入ったら知らせてくれ。」

『任せろ。』

15分ほど探しているとコンタクト

見つけたら。

「発見、ガリアの海岸線に沿って南下中。他のやつと比べれば恐ろしく早い。」

『速度は?』

「音よりは遅いが他の機体よりは速い。まぁ、メイブの敵じゃない。高度18000から偵察を開始する。」

『了解、頼んだぞ。奴等の切り札とやら、拝ませてもらおうか。』

上空から偵察行動開始。

攻撃をしてこないところをみるとまだ気づいていないのか。奴との距離を考えればそこまで探知範囲は広くないのかもしれない。

たが、ネウロイの巣に近づいていると言うのに一向にネウロイがこっちに来ないのが気になる。

ステルスか?いや、メイブの空間受動レーダーにではなく、普通のレーダーに反応したということはステルスではないか。なら敵に味方と判断されているのか?

ネウロイはこっちには絶体に気づかない。なら味方と思われているのか。やはりコアを使っているのには間違いないか。

敵進路変更、帰投コースか。敵がこっちに気づいていないのなら、奴等はワイト島と501は避けて帰るはずだ。となると、ルートは限られる。

本島の海岸線を飛ばさせれば、気づかれないようにするために最大出力を出して飛ぶかもな。

ウィルマに連絡。やつが通りそうな所にネウロイをおびき寄せて進路を全て塞ぐ、海岸線方面以外を。

そちらに転進、かかった!

敵はスピードを上げる。亜音速か、よく出せるものだ。

追跡続行。

Garudaがありとあらゆる情報を収拾していく。

 

そのまま奴は廃墟に着陸していった。

敵は一度も追跡されていたことに気づかなかった。

これなら、ナイトウィッチの方がよっぽど索敵能力は上だな。

「ウィルマ、こちらは片付いた。援護は必要か?」

『こっちも終わってこれから帰るとこ。』

「了解、すぐ追い付く。」

 

基地に帰投後すぐジャックに連絡を取る。

「どうだ?情報は届いたか?」

『あぁ、ネウロイに味方と識別させるか、厄介だ。しかもこれが試験飛行は成功したと見るべきだな。』

「なら、奴等が行動に出るまで時間の問題か?」

『だろうな、ただ新たに入った情報だとまだ1機しかできていないとのことだ。廃墟は地下を考えてもそこまで大きくはない。こいつがいなくなった後潜入したエージェントは部品は発見できたが機体は見つけられなかったらしい。』

「潜入したのか。それで、他の情報は?」

『それだけだ。他は無理だったらしい。』

「なら、あと数機できるまで動かない?と考えるべきか?」

『そうだろう、予備機もないのに計画を実行は出来ない。マロニーも優秀だからそこのところはきっちり解ってるはずだ。こりゃあさらに攻めないとな。』

「わかった。別命があるまで待機している。」

『あと、明日部下に資料を渡すから貰ってくれ。』

「明後日501に渡してくるよ。」

『頼んだぞ。』

ジャックとの、話はおわった。

さて、これからは時間との勝負か。




チャームはお互いで交換するものらしい。
ゲームで知った。

物語も大体3/4が終わった感じかな。
もちろん、ガリアで話を終わらせるつもりはありません。
そこは約束する。

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