妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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アニメ1期第3話ネタバレあり注意。
前回嘘ついてごめんなさい。
フランは出ません。
ワイト島の、メンバーも最後に少ししか出ません。
このネタをどうしても先に入れたかったのでいれちゃいました。
ごめんね。


第14話 ターニングポイント

長距離偵察から2週間、正直言って疲れたよ。

FAFでもこんな頻度で偵察には行かなかった。

なんせ4回も偵察を行った。まぁ内容はまさにFAFのブーメラン飛行隊のらしいものだった。

2日休憩を挟んでガリアのネウロイの巣周辺を2時間偵察。陸上部隊が拠点をおけそうな場所を重点的に探し、どのルートを使うかなどの調査を行った。

2回目の偵察はネウロイの性能評価を行った。近くまで一気に踏み込んで誘きだしたらそいつらを引き連れどこまで追ってくるか、どれくらいの速度を出せるか、どれくらいの旋回性能を有しているか、同時にどのくらいの攻撃を行えるかなど調査した。はっきり言ってこれが一番精神的に来た。常に集中していないと万が一にも落ちたとしても誰も助けに来てはくれないからな。

3回目の偵察は一番FAFらしかった。2回目の3日後に行われたその内容は"501JFWのウィッチがどのような飛び方を行い、どのように戦うのかの調査を行え。"とのことだった。

501の攻撃隊の後方10km高度22000mから追いかける。順調に敵を落とすが問題が発生した。陽動に引っ掛かって本命を取り逃がしたらしい。確認してみると1機だけだがかなりの速度が出ているな。

雑魚が、なんでそれを想定しなかった。

熟練6人も向かわせてそのようなことも想定できなかったのか。敵を落とすことだけに集中するからそうなる。

戦場じゃ回りの状況を常に把握できなければ死ぬと言うのが世の常だと言うのに。

連絡すると本土に上陸するような事態になったら不味いので、最悪介入を許可するとのことだった。

501から新たに4人のウィッチの出撃を確認、そんなにいるのか。ワイト島の2倍もいるのか。戦力だけで言ったら確かに世界最高クラスの飛行隊だな。

2機が攻撃開始。一撃離脱を試みるも失敗、後ろから追撃に入る。機体の色とウィッチの情報を総合。ジャックからもらった人員データと照らし合わせると一致。

エイラ・イルマタル・ユーティライネン、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケか。この状況下では固有魔法は役に立たなそうだな。

ヒット。落としたか?

いや、ネウロイは後部を切り離して更に加速か。

速度が売りのメッサーシュミットが振りきられているがあれ平気なのか?てか、あんなのがたくさん来たらブリタニア陥落するんじゃないのか?

さて、どうするのか見ものだな?

進行方向の先を見てみると2機いたはずなのに反応が1?

は?肩車?

よくそんなのが思い付くな。戦闘機のりじゃまず考えられない。

下機が発砲。ネウロウが回避しようと上昇、そこに上機が発砲、ネウロイを直撃。

やるな。あいつらは誰だ?検索。

ヒット。

宮藤芳佳とリネット・ビショップ、ウィルマの妹か。ビショップ家はスナイパー家族なのか。

めっちゃ、喜んでる。というか、新人か。ミスってたらどうなってたんだろうな。501基地がぶっ飛んだらジャックの首も吹っ飛んでたな。まぁ、そうならないように最悪俺も待機してたしな。

「こちらSTAF SSQ VFA-21 一番機、ガルーダ。情報収集行動終了。敵残存勢力確認できず。 Fuel Bingo.Complete Mission,RTB.」

初めての実戦を成功させ喜んでいるものもいれば、ネウロイを全部落として安心している者もいたが、空の上で銃に反射して僅かに光った光に気づいた者は誰もいなかった。もちろんすべての戦闘行動を監視されていたことに気づいた者も。

 

その次の日、司令部に向かった。端末はジャックに渡してある。その端末を通じて情報は昨日のうちに渡してあるのでそれを確認するために今日は来た。

ちなみに、ここ最近の指令は端末を通じてgarudaに送られてくる。かなり便利だ。ちなみに万が一無くしてもgarudaは場所を把握しているし、最悪自爆させられるようになっている。すでにネウロイの巣に関連する情報は渡してあるためこれは501に関するものだ。

「グッドニュースのバッドニュースどっちから聞きたい?」

部屋に入るとコーヒーを入れながら聞いてきた。

「グッドニュース」

「お前さんが仕入れてくれたネウロイの巣に関する情報。なかなか興味深いものばかりだった。兵器開発にかなり使えそうだ。それと、なかなか面白い物が写ってた。」

「何だ?」

「昨日南回りで帰っただろう?その時garudaが偶然写して気になって調査したんだ。もともとなにもないはずの場所に高熱源反応が確認された。」

「どっかの誰がが何かをそこで行っていると? 」

「可能性はある。現に多数の人間やトラックの跡が確認されている。そして、それを裏付けるようにある報告が上がってきた。調査官が最近になって発見した。これを見てくれ。」

「んーと。食費のかさ増し?は?1食あたり1000円?なんでこんなの気づかなかったんだよ?」

「色々あったんだよ。他にもかさ増しがたくさんあって空軍の他にも海軍、陸軍にもあった。ちなみに空軍が一番少なかったが。そして、そのかさ増しした金がある一味のところに回っているのが判明した。それがこいつ、トレバー・マロニー大将だ。」

「そいつが、指揮をとってなにかやってるのか?」

「あぁ。ただ何をやってるのか完全には解らなかったのだが、ある程度はわかった。その一つがこれだ。見てみろ、吹くぞ。」

「……………パンジャンドラムだと?」

「しかも、実践配備レベルにまで完成させていやがった。アフリカのでの試験で成功させているらしい。」

「馬鹿な!?変態紳士がこの国にもいたと言うのか?」

「いや、開発者のなかに扶桑人がいたからな。あいつら、限られた予算のなかで無茶な要求に答えるの大好きだからな。」

「あー成る程ね。」

おもわず納得しちゃったよ。

「まぁ、それは置いておいてかさ増していた件を監査委員会に報告してやった。気分爽快。ここまでがグッドニュースだ。」

「バッドニュースは?」

「空軍がマロニーの手に渡った。」

「・・・?は?」

頭のなかで木魚の音がなった。

「それじゃあ、ジャックの立場は? 」

「STAF指令長官だ。マロニーがやっていたことは上も承認済みで俺は嵌められたってことだ。」

「なぜ、辞めさせられたんだ?」

「不正を見抜けなかったのは上司である君の責任だとよ。それに放置していた君にも責任があるとのことだ。」

「マロニーが何故空軍のトップに?」

「何かを成功させたらしい。ただ、あいつはウィッチが嫌いだから、あいつだけはトップにさせたくなくて何年も粘ったのだけどな。」

「ちょっとまて、それじゃあ、STAFを作った本当の理由ってまさか。」

「あぁ、やつに優秀なウィッチを渡さないためだ。あいつの指揮に入れば最悪捨て駒にされかねない。それに俺が創設すれば、自然と指揮官になれるから万が一空軍大将を首になってもまだ戦えるようにとね。

それと奴の不正を暴くために必要なものを出来るだけ俺の手の内に持っておきたかった。お前が来てくれたお陰で大分楽になったし拠点らしきものも見つかったしな。」

「さすがとしか言えないよ。クーリィ少将に似てきたんじゃないのか?」

「よしてくれ、あんなスーパー婆さんと一緒にしないでくれ。それでマロニーが行っていると研究についてなんだが、garudaの報告であることがわかった。」

「ほほう、聞こうか。」

「ネウロイのコアから発する特定周波数がこの廃墟跡地から発するものと一致した。」

「つまり、そこにはネウロイがいる?」

「そこで、さっきのマロニーが、空軍トップになった理由と繋がるわけだ。」

「ネウロイを利用した新たな兵器の開発、か。」

「恐らくな。ウィッチに手柄を取られて面白くない上層部がそう判断したのかもしれない。けれど、上層部も、そう簡単にはSTAFには手を出せない。何故だと思う?」

「お手上げだ、俺じゃもうわからんよ。」

「ヒントは式典当日に飛び入り参加したやつ。」

「マジでいってるのか?」

「あぁ、この組織のバックには王族がいる。君臨すれども統治せずとはいえ、ある程度の発言力をもつ王族を敵には回したくないだろうしな。」

「どんな人脈を持っているんだよ。」

「まだあるからな。まぁ俺としてはこのままではいささか気に入らない。マロニーを失脚させたい、しかし奴には上層部が味方についている。どうすればいいのか悩んだ結果思い付いたのが」

「奴の研究を隠せないレベルまで民衆の目にさらす?」

「その通り。実はなネウロイに人間に対して1度コンタクトがあったことがあるんだ。いずれもよくわからなかったがな。」

「具体的にはどのような形で?」

「人間の形をしたネウロイ。」

「馬鹿な、それじゃあ、ジャムみたいに…」

「ジャム人間のことか?今は確認できていないが問題ないだろう。現に雪風は撤退戦のとき、バンジー内のジャム人間を正確に発見していた。garudaにもできないはずがない。そのgarudaが、敵と認識しているネウロイを街中で発見していないならいないと見ていいだろう。」

「雪風、零か。懐かしいな。まぁジャックがそういうならわかった。それで?」

「Garudaの映像でもにたようなやつ、まぁそいつかどうかはわからないがコンタクトをとれないかと考えている。」

「もう、あそこにはいきたくないのだが。」

「だから、あらゆる周波数をガリアに向けて放っている。うまくいけばコンタクトがとれるかもしれない。」

俺は思わずため息をしてしまった。

「なぁ、ジャック。そんなことして、もしもネウロイの奴らが大挙して押し寄せてきたらどうするんだ?

ここイギ、いやブリタニアは欧州の反撃拠点の地でもあるんだろう?ここがつぶされたら欧州戦線に大打撃は間違いないだろう。」

「確かにその通りだ。だがな、そこまでリスクを負ってでも敵の事を知らなければなにも始まらないんだ。奴らの攻撃は駆逐艦の装甲を紙切れみたいに破る。

その唯一の対抗手段がウィッチのシールドだ。

もしそれが使えなくなったら?

そのときは人類の終焉だ。」

ジャックの言いたい事はわかる。ブリタニアと引き換えにしてでも敵を知る覚悟というわけか。

「わかったよ、ジャックがそう決めたなら俺はもう口出ししないさ。」

「ありがとう。それでは引き続き監視と調査。頼んだぞ。」

「了解。」

そういって俺は部屋を出たのだった。

 

 

 

 

この動きを快く思わない者もおりそのうちの1人が話し合いを始めていた。

「ねぇ、アメリー聞いて。」

「どうしたんですか?ウィルマさん?」

「最近バーフォードばっかり作戦に行って私には1つも命令が来ないの。何か不公平だとは思わない?」

まったく、最後に一緒にとんだのいつよ?

「はぁ、けれど聞いた話だとダウディング大将と大尉はお知り合いなのでしょ?だったら知り合いにしか頼めない作戦を頼んでいるのではないですか?」

「それでも、何か不満なんだよね。」

「その不満は大将に信頼されてないからと思っているからですか?」

「そうじゃない。」

「じゃあ何でですか?」

「バーフォードと一緒に飛べないからかな?」

「ほう。」

メアリーの目が光った。何か思い付いたのかな?

「もしかして、ウィルマさんも乙女と言うことですか!」

「は?乙女?」

「こっから先はウィルマさんが自分で自分の心に聞くのが一番だと思います!」

「そうはいったってね。」

「頑張ってください!あの、私、2人のために応援してますか!」

「え?ちょっとメアリー?」

「そっか、あのウィルマさんがかー。」

「教えてよー。」

「それを言うのは野暮ってもんですよー。」

2人の話は続いていき、隊長に怒られるまで続いていたらしい。




今回は独自解釈色が濃いめです。
利用して切り捨てる、フラグじゃありませんよ。
次あたりはさすがにワイト島に戻ります。
ジャックの出番が急に増えた。

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