規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です)   作:グリムリッパー02

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シスターさん出会います‼︎

さて、あれから数日がたった。

あの後、家に帰り黒歌に説明した。

黒歌は若干顔を陰らせたが「夕弥の判断なら仕方ないにゃん」と言って了承してくれた。

 

いつものアレが無ければホントに良いやつなのに…

 

さて、朝だ。と今日は誰もいない。

 

珍しく一人の登校だ。

 

刀奈はクラス委員の仕事。レキは小猫と一緒に登校。黒歌はそれをバレないように見ている。

 

と言うわけで絶賛ぼっちな訳だ。

 

と、そこで見覚えのある後ろ姿を見つける。

 

「よぉ、イッセー。おはよう」

 

「あぁ、夕弥。おはよう」

 

イッセーも色々あった。

初契約の日、普通なら少しの魔力でもあれば跳べる転移魔法がまさかの使えないという緊急事態。

そのままチャリで契約を取りに行った時はもう腹がよじれるほど笑ったね。

 

契約先でも一晩中ドラグ・ソボール談義で盛り上がったり、巨漢の魔法少女ミルたんとアニメをみたり。

契約は取れなかったらしいが、アンケートでは「また来て欲しい」など前代未聞の成果を収めたのだ。

部長も頭を痛めていた。

 

つか漢の娘ってなにさ?写真見せて貰ったけどさ…あんな世紀末救世主な奴ホントにいるなんてな…

色んな奴らにはあったけど写真越しにあそこまで闘気を発してるやつ見たことねぇよ。

 

そういえば木場が

 

「兵藤君にはそういう感じの人に選ばれる魔力があるんだろうね」

 

と爽やかスマイルで言っていたが…うん。類は友を呼ぶって奴だな。

 

「はわう!」

 

と、後方から突然の声、

見れば手を大きく広げ顔面から路面へ突っ伏している、いわゆる顔面ダイブの格好をしたシスターさんがいた。

 

「だ、だいじょうぶッスか?」

 

「あうぅ。何故転んでしまうんでしょうか…あぁ、すみません。ありがとうございますぅぅ」

 

イッセーが手を取ってシスターが起き上がる。

学園なら罵倒の雨あられだろうな。

 

シスターさんが起き上がった瞬間、風でヴェールが飛んでいく。

俺はそれをキャッチし持っていく。

 

目の前には金色の長髪をしたグリーンの双眸をした可愛い美少女がいた。

 

「ほらこれ。飛んで行っただろ」

 

「はぅ、ありがとうございますぅ」

 

イッセーはというと完全に見惚れてた。

 

「あ、あの…どうしたんですか……?」

 

「あぁ、コイツ美少女を見ると固まっちゃうんだよ」

 

「ふ、不思議な方なんですね〜」

 

と、イッセーは我に返って明らかにキョドってる。話題でも探してんだろ。

 

「りょ、旅行?」

 

必死に振り絞った結果がそれかよ…

 

しかしシスターさんは首を横に振る。

 

「いえ、違うんです。実はこの町の教会に今日赴任することになりまして……あなた方はこの町の方なんですね。これからよろしくお願いします」

 

ぺこりと頭を下げる。

だが、シスターが赴任?おかしいな…ミカエルからは何も聞いてないぞ。

ただでさえ此処は悪魔の領地だ。赴任するとは考えにくいな。

まぁ、その悪魔の領地で好き勝手してた俺が言えることじゃ無いけど。

ま、それは置いといて、教会って町の外れの古びた教会の事だろ?

あそこには最近、人が入って来て無いはずだ。

数年前にも行ったことがあるが、その時ももぬけの殻だった。

 

「この街に来てから困っていたんです。その…私って、日本語うまく喋れないので…道に迷ってたんですけど、道ゆくみなさん言葉が通じなくて…」

 

イッセーが言葉を理解出来てるのは悪魔の力の一つだ。

音声言語だけならどんな国の言葉でも話せるし、どんな国の言葉でも聞き取れる。

俺の場合は魔法の効果だ。無くても理解出来るけど面倒だからな。

 

 

「教会の場所なら知ってるかも」

 

とイッセーが言うがおいおい良いのかよ。

 

「良いのか?教会は悪魔からしたら敵地だぞ、いつ光の槍が降って来てもおかしくない。」

 

「あ、そうか、で、でもこんな可愛い女の子ほっておける訳無いだろ。そんなことしたら俺が後悔する。」

 

なお、今までの会話は全てアイコンタクトだ。これぞ幼馴染が成せる技!

 

「分かった。付き合うよ。」

 

そう目で言いってシスターさんの方を向く。

 

「それじゃ行こうか。」

 

「ほ、本当ですか!あ、ありがとうとございますぅぅ!これも主のお導きですね!」

 

と言い天に祈りを捧げてた。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

「うわぁぁん」

 

教会に向かう途中の公園で子供の泣き声が聞こえてきた。

 

お母さんらしき人があやしているが泣き止まない。どうやら転んだようだ。

 

そんな中シスターさんが突然公演の中へ歩を向ける。

 

「だいじょうぶ。男の子ならこのぐらいのケガで泣いてはダメですよ」

 

シスターさんは子供の傍へ座り頭を撫でる。

 

言葉は通じていないだろうが表情は優しさに満ち溢れていた。

 

シスターさんが自身の手を子供の怪我にあてると、淡い緑の光が発せられて子供の怪我を治した‼︎

 

あれは、『聖母の微笑(トワイライトヒーリング)』⁉︎回復系の上級神器だ!

 

そういえば、悪魔さえも治ししまう魔女がいたって聞いたことがあるな…

堕天使、魔女、聖母の微笑。

少し判断材料が足りないな。

 

「どうしたんだ?夕弥。」

 

俺が考え込んでいるとイッセーが声をかけてきた。難し顔をしていたんだろう。

 

「わりぃイッセー、俺ちょっと用事思い出したわ。あのシスターさんちゃんと送り届けてやれよ。」

 

「あ、あぁ、分かった。」

 

イッセーの返事を背中で聞いて。俺は走り出す。

 

少ししたところで携帯を取り出しある人物に電話する。

 

『もしもし?お前から着信なんて目珍しいじゃないか。どうした?』

 

「あぁ、ちょっと聞きたいことがあるんだ。今いいか?アザゼルー」

 

 

 

閑話休題

 

 

 

さて、夜になった。

今は部室でイッセーが説教されている。

やっぱ教会に近づいたのがマズかった。

部長も今回ばかりはマジ切れだ。

俺も関わってた訳だし助け船をだすか。部長には話したいこともあるしな。

 

「部長、その前にちょと話し「部長、討伐の依頼が大公から届きました。」…」

 

ホント空気読めよ…

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

はぐれ悪魔

 

主を裏切り、または殺し主なしという状況の悪魔のことをさす。

 

止むに止まれぬ事情を持った奴もいるが、(殺してないけどウチの黒歌)大抵は己が欲のためってのが殆どだ。

人を食う奴だっている。

とにかく見つけ次第、消滅ってのが鉄則だ。

 

「「血の匂い…」」

 

俺と小猫の声が重なる。俺は吸血鬼の特性として、小猫は猫又の嗅覚だろう。

 

にしても匂う。何日も置かれた腐った匂いだ…

 

ちなみに刀奈とレキは置いてきた。

悪魔は別として女の子が夜更かししたら美容に悪いらしいしな。

それにあいつらが出てきちゃ他の奴の力量も見れないし。

 

「イッセー、良い機会だから悪魔の戦いを経験しなさい」

 

「マ、マジッスか⁉︎お、俺、戦力にならないと思いますけど!」

 

まぁ、無理だろうな。

 

「でも、悪魔の戦闘を見ることは出来るわ。ついでに駒の特性を説明してあげる。」

 

と、悪魔の歴史のレクチャーが始まった。俺は知ってることだしスルー。

 

「部長、俺の駒は、役割や特性ってなんですか?」

 

「そうね、イッセーは」

 

と、そこで会話は止まる。敵さんの殺意が濃くなったからだ。

 

「不味そうな臭いがするぞ?でも美味そうな臭いもするぞ?あまいのかな?苦いのかな?」

 

出てきたのは上半身女性下半身四足歩行の化け物だった。両手には槍らしき獲物を持っている。

 

「はぐれ悪魔バイサー。主の元を逃げ、己の欲を満たすためだけに暴れ回るのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

「こざかしぃぃぃぃ!小娘ごときがぁぁぁ!その紅の髪のように、鮮血に染めてやるるわぁぁあ!」

 

雑魚っぽいセリフだな。もう少し考えろよ。

 

「祐斗!」

 

「はい!」

 

と、近くにいた木場が飛び出す。なかなかの速さだ。

 

「さて、レクチャーの続きね」

 

部長が言ってくる。

 

「祐斗の役割は、騎士(ナイト)、特性はスピードそして祐斗最大の武器は剣」

 

そのまま木場はスピードを上げて行き化け物の両腕を切り落とした。

おみごと!

 

血を吹き出しながら悲鳴を上げる化け物の足元に小柄な人影…小猫だ。

 

「次は小猫。あの子は戦車(ルーク)。戦車の特性は…」

 

と、化け物はそのまま小猫を踏み潰す。

イッセーは声を張り上げるが心配ないだろう。

案の定小猫は化け物の足を持ち上げていた。

 

「戦車の特性はシンプル。バカげた力。そして、屈強な防御力。あんな悪魔の踏みつけで小猫は沈まない。それに、」

 

小猫はそのまま化け物を持ち上げる。

 

「……先輩が見てる。良いところ見せないと……吹っ飛べ!」

 

「今日は気合が入ってるわ」

 

そのまま化け物は投げられ吹っ飛ぶ。

 

「最後に朱乃ね」

 

「はい、部長。あらあら、どうしようかしら」

 

姫島先輩はそのまま笑いながら倒れている化け物へと歩みだす。

 

「朱乃は女王(クイーン)。王の次に強い最強の者。すべての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」

 

そうして姫島先輩は唸る化け物をみて不敵な微笑みを浮かべる。

 

「あらあら。まだ元気みたいですね?それなら、これはどうでしょうか?」

 

そうして天に向かって、手をかざす。

 

刹那、かなりの威力の雷が化け物に落ちた。

 

「あらあら。まだ元気そうね?まだまだいけそうですわね」

 

二度目、

 

三度目、

 

姫島先輩の顔はもう感無量という感じで笑っていた。

 

「朱乃は魔力による攻撃が得意なの。そして何より究極のSよ」

 

おっかねぇ‼︎姫島先輩には極力逆らわないようにしよう。イッセーも怯えてるよ。

 

「大丈夫よ、朱乃は味方にはとても優しいから。問題無いわ」

 

そうは言われても、人に一度ついた恐怖意識は簡単には拭えないですよ…

 

そんな間にも姫島先輩の雷攻撃は続いた。

 

数分間雷撃をくらい続けた化け物は若干可哀想だった。プスプスいってるし。

 

「最後に言い残すことはあるかしら?」

 

「殺せ」

 

「そう、なら消し飛びなさい」

 

部長は手のひらにドス黒い魔力の塊を出現させる。

 

滅びの魔力

バアルに伝わる特有の魔力で触れればたちまち消滅する魔力だ。

部長の魔力はサーゼクスとは違って威力重視な感じだ。

でもまだまだサーゼクスの方が威力高いけどな。

 

その滅びの魔力を撃ち出すと化け物は跡形も無く消滅した。

 

「終わりね。皆ごくろu」

 

その場でセリフは止まる。理由は簡単。さっきまで部長が居たところにはどでかい棍棒がぶっ刺さっているからだ。

 

飛んできた方向を見ると、2メートルくらいの巨体の牛、というかミノタウロスってのがいた。

バイサーの仲間か?

 

「あら、まだいたの、しつこいわね」

 

部長が滅びの魔力を出そうとするが俺がそれを手で制す。

 

「次は俺の番だろ」

 

そのまま俺は一歩前に立つ。

 

「お前が…おらの敵か?」

 

「あぁそうだよ、牛野郎。ロースにしてやる。」

 

牛はそのまま棍棒で俺を叩き潰そうとしてくるが遅い!

おかげで呪文詠唱までの時間が楽にかせげる。

 

「|影の地統ぶる者、スカハサの、我が手に授けん、三十の棘もつ霊しき槍を《ロコース・ウンブラエ・レーグナンス・スカータク・マヌム・メアム・ダット・ヤクルム・ダエモニウム・クム・スピーニス・トリーギンタ》…」

 

牛が思い切り棍棒を振り下ろし、それに合わせ上に跳ぶ。

 

雷の投擲(ヤクラーティオー・フルゴーリス)‼︎」

 

俺は雷の槍を牛に向かって投げつける。

牛は棍棒を使って防ごうとするが無駄だ。

槍はそのまま棍棒を貫き牛を貫いた。

 

「ふぅ、終了。」

 

串刺しになった牛はそのまま霧散して消滅した。

 

皆のところに戻ると唖然と行った感じだった。

 

「本当に強いわね、あなた。神器を使わずにここまで出来る何て…規格外だわ…」

 

「私の雷より強そうでしたわ」

 

「身体能力もかなりのものだね」

 

「……かっこいいです」

 

なんか俺が化け物みたいな目で見られてる?

アレでも手加減したんだよ?やりすぎるとクレーターとかつくちゃうし。

 

あと心なしか小猫の顔が赤い気がする。うん可愛くて大変よろしい!

 

と、イッセーがなにか思い出したのか部長に向き直る。

 

「部長、あの聞きそびれてしまったんですけど」

 

「何かしら」

 

「俺の駒…っていうか下僕としての役割はなんですか?」

 

兵士(ポーン)よ。イッセーは兵士なの」

 

イッセーはその場で崩れた。

まぁ兵士の力知らないんじゃ、しょうがないよね。




グリム「皆さんこんにちはグリムでございます」

夕弥「夕弥だ」

グリム「今回は書き直した、お話です」

夕弥「俺は悪魔化せず以前のままって事だな。前回はさんざん謝ってたしな」

グリム「これを気にちゃんと作って行こうと思います‼︎」

夕弥「まぁ、がんばれ」

グリム「それでは次回も」

グリム/夕弥「乞うご期待‼︎」

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