規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です) 作:グリムリッパー02
ファミレス
ガツガツバクバクモグモグ
「美味い!日本の料理はこんなに美味いのか!」
「ああ、これが故郷の味よね!」
「ファミレスで何言ってやがる」
二人をファミレスに連れて来て好きな物を頼むように言ったらがっつき始めた。どんだけ腹減ってたんだよ。
「夕弥、こんなに奢って金は平気なのか?」
イッセーが問いてくる。
「知っているか?株って案外ちょろいんだぜ。それに宝くじもな」
「その金には汗も血も染み込んでねえよ!」
何を言う。俺の脳を使った立派な稼ぎ方だ。
ま、他にもはぐれ悪魔退治や、三勢力への貿易なんかもやってるし、俺の懐はかなり暖かい。
「ご馳走様でした。この心優しき悪魔に慈悲を」
「「「うぅ」」」
「あっ!ごめんなさい。つい十字をきっちゃった」
俺とレキ以外が頭を抑える。
「ハッ!ここは?」
おっと痛みで匙が目を覚ましたな。
匙は此処が何処かわからないといった風にキョロキョロと辺りを見回し始める。また騒がれても面倒だしとりあえず流しておこう。
「おう、匙も好きな物頼め。せっかくの美少女との会合だからな」
「え?……あ、あぁ」
さて気づくのは何時になるか
とそこへ、粗方食べたゼノヴィアが息をついた。
「ふぅー。なんとか落ち着いたか。悪魔達に救われるなんて世も末だな。
それで私達へのお願いとはなんだ?」
早速くるか。その為に連れてきたんだけど
「今回の聖剣奪還についての詳細と『聖剣計画』の関係者などの情報をコイツら教えてやってくれ。破壊に協力する」
その言葉に二人は目を見開く。が、直ぐに鋭い目つきになる。
「今回のことには関わるなと言ったはずだが」
「俺がそれを聞く必要は無い」
「他の者から反感を買うぞ」
「俺は悪魔じゃねぇしな。それに今回の件はミカエルの奴から直々に要請が来ている。こいつらは俺の付き人って事だ」
「ミカエル様直々にだと!?」
「どうやったらそんな事が起きるの!?」
「説明すんのはめんどくさいからパスな。それで情報を貰おうか」
そう言えばゼノヴィアは若干渋る動作を見せたが観念して話し始めた。
「なら、まず渡せる情報から渡す。『聖剣計画』についてだが、あの計画のおかげで聖剣使いの研究は飛躍的に進歩した」
「だからと言って不適合者を処分していい理由なんて無いだろ」
イッセーはゼノヴィアの発言にイラついていた。
「その問題は私達教会でも最大級に嫌悪されている。処分を決定した当時の責任者は異端者の烙印を押されて、現在は堕天使側の人間だ」
「そいつの名前はなんていうんだ?」
「バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれているわ」
それはアザゼルからの報告で聞いている。
そいつに木場の標的が代わればいいが。
「今回の聖剣奪還だが、成功率は何パーセントなんだ?」
「良くて30パーセントよ。ジブリール様を抜いての計算だけど」
「ま、妥当なところだな」
「それでも高いと思って我々はやってきた」
犬死だな。
「で、エクスカリバーは何本奪われたんだ?」
イッセーの質問。
「『
これもミカエルの話で聞いたな。
「その内二本を破壊しておいてやる」
「そちらの方が多いだと?」
「昨日の戦闘を考えれば妥当な判断だと思うが」
「ちっ、それで構わない」
「夕弥くんがそこまでやる理由って、もしかして私達が死なないため?」
「そんなわけ無いだろ。ただ俺はお前らに貸しを作りたいだけだ」
「ふふっ。久しぶりに会って変わったなと思ったけど、本質は全然変わってないわ」
ふふっと笑うイリナ。調子狂うからやめてくれ。
「とにかく!こっちはエクスカリバーの破壊を目的としてるからな」
「ああ。堕天使側が所持してるくらいならその方がいい」
「でも、悪魔に手を借りるのはマズいんじゃない?」
イリナがゼノヴィアに言う。幾ら扱いが俺の付き人でも悪魔が関係するのは不味いと思ったのだろう。
「ドラゴンの力を借りたということにすれば屁理屈だが通るはずだ」
「本当に屁理屈ね」
「それでは我々は任務に戻るとしよう」
そう言って出て行くゼノヴィアたちに俺は声をかける。
「お前らさ、さっきみたいに物乞いするくらいならうちに来い。次あんなことしてるのを見かけたら幼なじみだろうと他人のふりするからな」
「うぅ、分かったわよ」
2人は任務に戻ってゆく。
次は祐斗だな。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「イッセーくん。どうしてこんなことを…」
さて、祐斗を電話で呼びつけた。
聖剣の事を言えば直ぐに来たよ。
「ま、仲間だし。今回はお前の力になろうと思ってな」
腐女子歓喜のタグがつくような絵面だな。写メっておこう
「…裕斗先輩がいなくなるのは寂しいです」
少しだけ表情を出す小猫、この反応は俺とレキ以外の奴に衝撃を与えていた。
「…お手伝いします。…だから、いなくならないで」
イッセーとかめっちゃときめいてるな。
「ははは、まいったね。小猫ちゃんにそんなこと言われたら僕は無茶できないよ。今回は皆の好意に甘えさせてもらおうかな」
小猫のギャップ萌に当てられて祐斗も普段の笑顔を取り戻した。
「よし!俺らエクスカリバー破壊軍団結成だ!がんばろうぜ!」
「あの、俺も?それに俺って何があったか知らないんだけど…」
イッセーが微妙なネーミングの団をつくると匙が恐る恐る手をあげて言った。
そういや寝てたし何も知らなかったな。
「…少し、話そうか」
そんな匙に祐斗は俺たちが部長から聞いたことを話しだした。
「うぅぅぅぅぅ」
祐斗の話しを聞いて匙は号泣していた。
なんというか情に熱い奴なんだな匙って。
「木場ぁ、俺はイケメンのお前がイケ好かなかったけどそういう話なら別だ!俺も協力するぞ!」
単純な奴だな。
ま、そういうところがこいつやイッセーの良いところなんだろうな。
「よし!なら俺のことも知ってくれ。俺の目標はソーナ会長とできちゃった結婚することだ!」
高らかと宣言する匙。そして横ではイッセー感動の涙を流していた。
「匙!聞けっ!俺の目標は部長の乳を揉み、吸うことだ!」
「ッ!」
固い握手を結び合いエロトークに花を咲かせるイッセー達。馬鹿なのだろうか?馬鹿でした。
「あはは」
「…最低です」
「…卑猥ですね」
流石に下衆すぎるぞ。ここファミレスだからな?
「はぁ、小猫、レキ、祐斗。ちょっとこい」
俺たちはイッセーと匙を放置してテーブルから離れた。
さて…
プルルルル、
「もしもし警察ですか?変態がファミレスで語り合ってるんですが」
警察に通報。善良なる市民の滝宮さんは変態を許しません。
「い、いいのかな?」
「…夕弥先輩。お菓子食べに行きましょう」
「…私はパフェが食べたいです」
「そうだな。祐斗もこいよ」
ハハハと苦笑いする祐斗。滝宮家のノリについて来いよ?
そうして俺たちはファミレスを出た。イッセー達がどうなったかって?御察しの通りである。
尚ファミレスの会計では小猫とレキが一番食っていた…定食コンプとかどんな胃袋してんだよ……