規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です)   作:グリムリッパー02

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幼馴染みAがホモで幼馴染みBが馬鹿な子な件について

イリナとゼノヴィアが去った後

 

「よぉ祐斗。頭は冷めたか?」

 

俺たちは氷漬けにしていた祐斗を解放した。

 

「…一体アレはなんの真似だい?」

 

祐斗の目は鋭く憎悪が滾っている。氷漬けでもダメか?

 

「悪いけど僕の目的はエクスカリバーの破壊だ。邪魔するなら君だって斬る!」

 

そう言って魔剣の切っ先を向ける祐斗。

 

「僕は同士達のおかげで処分から逃れることが出来たんだ。だから彼らの恨みを魔剣に込めないけないんだ!」

 

俺はその切っ先から目を背けず真っ直ぐ祐斗を見て話す

 

「復讐が悪いとは言わねぇ。お前がやりたいならやればいい。だがな、それで仲間を危険に晒すな。今のお前の剣じゃイッセーにだって負けるぞ。もしお前が俺の家族や仲間を危険に晒すような真似したら俺がお前を殺す」

 

殺意を含んだ目で祐斗を見る。今のこいつにはこの位が充分だ。

 

「それが分かったなら行けばいい。止めはしねぇよ」

 

「…そうかい。なら行かせてもらう」

 

そう言って祐斗は去っていった。

 

「夕弥、なんで祐斗を行かせたの?」

 

部長が聞いてくる。

 

「アイツには自分を見つめ直す時間と場面が必要なんだよ。今強引に止まらせてもアイツはこの先さらに憎悪に飲まれる一方だからな」

 

そう言った後、今日は解散となった。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

翌朝、俺は小猫とレキと共にイッセーを尾行していた。

理由は簡単。昨日イッセーがなにやらコソコソと連絡していたからだ。

アイツの事だ、祐斗の為に何かしてやれないか考えているんだろう。

 

にしてもバレないな…まぁ小猫もレキも気配を消す能力は高いからな。イッセーくらいじゃバレないか。

 

イッセーはそのまま歩き駅前についた。隣にいるのは……匙?

匙がいるのは予想外だったな。

どうやら役者も揃ったようだし、ここらで俺たちも出ますか。イッセー達をからかいに!

 

「よ、イッセー。こんな所でデートか?」

「イッセー先輩の意外な秘密……」

「イッセーさん…」

 

「夕弥⁉︎それに小猫ちゃんにレキちゃんも!待ってくれ!これは誤解だデートとかそんなんじゃないから!」

 

「え?滝宮に小猫さんに蕾姫さん?」

 

 

「あぁ、分かってる。お前らの関係はデートなんて生易しいものじゃないんだな」

「…そんな所まで…!」

「……そういった、趣向もありますよ。大丈夫です」

 

「やめろぉぉぉぉお!!俺たちはそんな関係じゃないから!小猫ちゃんそんな本気で驚いた顔しないでっ!レキちゃんもなぐさめたりしないでっ!夕弥に至っては話を大きくさせんな!」

「なんの事か分からんが俺は兵藤の頼みごと聞いて飯を奢って貰うんだよ!そんな関係じゃねぇ!」

 

「そうやってマジで反論するところが怪しいよなー」

 

「俺は普通に女の子のおっぱいが好きなんだよォォォォォォオ‼︎」

 

「最低ですね」

「幻滅しました」

「地獄に堕ちろ猥せつ魔」

 

「もうやめて!俺のライフはもう0よ‼︎」

 

イッセー達をからかうのもそろそろ終わらないとなwwwww

 

「…それなら二人は何をしていたんですか?」

 

「うっ…そ、そういうなら小猫ちゃん達も何をしてたんだよ!」

 

「ハハハッデートだ」

 

「「何ぃ!?」」

 

そこ二人ハモるな。小猫は頬を赤くし、レキは平然としている。いや若干照れてる?

さて、からかうのも此処までにしておこう。

 

「んで、本当は何してたんだよ」

 

「うっ…聖剣の破壊許可をあの二人から貰うんだよ…」

 

へぇー……

 

「…夕弥さん楽しんでませんか?」

「…あくどい顔になってます」

 

失礼な。

 

しかしイッセーの発言に意を唱える者がいた。──匙だ。

 

「ふざけんなよ‼︎俺は帰るぞ」

 

匙は顔を赤くしながら猛抗議する。街中でうるさい奴だな。

 

「な、待ってくれよ!他に頼めるのお前位だったんだよ!」

 

「お前らグレモリー眷属の問題だろ!シトリー眷属の「うるさいです」グフゥッッ!」

 

あ、静かになった。

小猫に殴られた匙はピクピクしながらも「行きたくねぇ…」と言っている。意外とタフだな

 

「ま、こいつは放っておいて、破壊許可ってことはあの二人を見つけるんだろ?俺も付いていくぜ」

 

「!…いいのか⁉︎」

 

「私達も行きます」

 

俺に続き小猫達も付いてくるらしい。ま、なんかあったら守るから心配は要らないよな。

 

「ありがとう!皆んな!」

 

感動の涙を流すイッセー。相変わらず熱い。そこがコイツの良いところだ。

 

「そうなったら早速行こ「待てよ」ん?どうしたんだ夕弥」

 

早速歩き出そうとするイッセーを引き止める。

 

「どうしたんだじゃねぇよ。お前この広い町の中全部探すつもりなのか?下手したら今日一日中探しても見つからねぇよ」

 

「うっ……それは…運?」

 

そんなもんで見つかってたまるか。

 

「はぁ、小猫。二人の気配覚えてるか?」

 

「…はい。聖剣のオーラを辿れば大丈夫です」

 

「そうか。なんにしても此処は人目があるしな、見当たりのいい人目がないとこまで移動するか」

 

「おい夕弥。どうするんだよ」

 

「まぁ内緒だ」

 

そうして俺たちは移動した。尚、匙は小猫が引きづる形で移動させた。

 

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

やってきたのはビルの屋上。どうやって登ったかはご想像にお任せする。

 

「さて、始めるか…イッセー後ろ向いて目ェ閉じてろ。念のため匙は目隠しさせとくか」

 

「ん?なんでだよ」

「いいから。さっさと後ろ向け」

 

未だ状況がつかめてないイッセーだが疑問符を浮かべながらも後ろを向いた。匙にも目隠しさせたし、

 

「小猫、いいぞ」

「…はい」

 

ピョコンと小猫の頭から猫耳が生える。同時に尻尾も生えた。

イッセー達に後ろを見せたのはこれが原因だ。混乱させると行けないし、何より小猫自身が俺以外に見られるのが恥ずかしいらしい。

 

そのまま数十秒猫耳をピクピクさせる小猫。とても可愛い。

 

「……!、見つけました。あの方角です。二人ともいます」

 

「サンキュー小猫。それじゃレキあっちらしいが、見えるか?」

 

今度はレキだ。レキはスナイパーのスコープだけを覗く。レキの視力は6.0あるからな、見えない物はない。

 

「見つけました…しかし」

 

「ん?しかし?」

 

なんか妙に歯切れ悪いな

 

「これは直に見てもらった方が良いですね…」

 

言葉をぼかすレキ。何を見たんだろうか?ま、場所が分かったんなら行った方が早いよな。俺はイッセーにもういいぞと声を掛け教会組の元へ向かった。

 

数分後これを後悔することになるとは知らずに…

 

 

 

「「「うわぁ……」」」

 

俺と小猫とイッセーの声がかぶる。俺たちはレキの見た場所へ移動し教会組を見つけた。見つけはしたんだが…

 

「どうかこの迷える子羊にお恵みをー」

 

「天の父に代わって哀れな私達にお慈悲をー」

 

……なにやってんのアイツら

 

二人はオカ研部室に来た時と同じ白いローブをかぶり街中で怪しい人となっていた。

その後二人はお金を貰えないことにイラついたのか言い争いをし始める。

 

「これが先進国である日本の現実か。これだから進行の匂いがしない国は嫌なんだ」

 

「文句言わないでよ。その異教徒から恵んで貰わないとパン1つ買えないのよ」

 

「ふん。元はと言えば、お前が詐欺まがいの絵画を買ったのがいけないんだろ」

 

どうやら俺の幼馴染みはバカらしい。

 

「何を言うの!?この絵には聖なるお方が書かれているのよ!展示会の人もそんなことを言ってたわ」

 

「ほう。ならこの絵に書かれているのが誰か分かるな?私には誰一人として一致しないぞ」

 

「多分…ペトロ様?」

 

「その間と疑問符はなんだ!?聖ペトロがこんなん訳無いだろ!」

 

「いいえ!こんな物よ!私には分かるもん!」

 

そのまま啀み合いを始める二人。見てるこっちが恥ずかしい。

周りの人もカバンで顔を隠したりして関わらないようにしている。

 

(小猫、金やるから食物買って来くれ。質より量で)

(分かりました)

 

グーーー!

 

距離とって離れているのに腹の音が聞こえてきた。

 

「まずはお腹を満たしましょ。じゃなきゃエクスカリバー奪還どころじゃないわ」

 

お、小猫が帰ってきた。

 

「そうだな。それじゃあ、異教徒を脅して金を分けてもらうか。主も、異教徒相手なら許してくれるだろう」

 

「主が許しても日本警察が許さねえよ。銃刀法違反者共が」モグモグ

 

「「夕弥(くん)!?」」

 

「あー美味いな」

 

「「ダラダラ」」

 

「涎出てるぞ」

 

「「なっ!?」」

 

あわてて2人は口を拭う。

 

「あー、ハンバーガーは上手いなー」

 

「………このたい焼きも美味しいです」

 

「たい焼きってクリームは邪道だと思うけど、結構イケるんだよな」

 

「夕弥さん。奢ってくれてありがとうございますね」

 

「いやいいんだよ。やっぱりまともに働いて稼いだ金で食う飯は上手いな」

 

ニコニコ

 

ポト

 

「あ、落としちまった。きっとどこかの負け犬が食うんだろうな」(棒読み)

 

「うおおおお!切る!貴様の首をこの場で切り落とす!」

 

「なんだよ物騒だな。飯を奢ってやろうと思ったのに」

 

「何…だと?」

 

「イリナ。幼なじみとして飯くらいならちょっと頼みごとを聞いてくれたら食わせてやるぞ」

 

「やっぱり持つべき物は友達よね!」

 

寝返るイリナ。

 

「おっし、それじゃ行くか。」

 

「ま、待て、私は!?」

 

「他人でいきなり因縁つけた挙げ句斬り掛かろうとしてきた犯罪者予備軍に俺が稼いだ金を使えと?」

 

「がぁぁぁ!」

 

「夕弥君。ゼノヴィアにも恵んであげて」

 

「………イリナ」

 

「しょうがないな。イリナに免じて奢ってやるよ」

 

これで作戦成功。俺たちはファミレスへと移動した。汚い?何を言う立派な戦略ですよ!

 


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