規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です) 作:グリムリッパー02
球技大会が終了しオカルト研究部員は部室に集合していた。
パンッ!
乾いた音が部室に響き渡る。
一応言っておくが叩かれたのは俺じゃない。
「どう?少しは目が覚めたかしら?」
「もういいですか?球技大会も終わりましたし夜の部活まで休ませて下さい。昼間は調子が悪かったようです。申し訳ございませんでした」
部長が今日の祐斗の行動について怒る。
しかし、いつもの爽やかスマイルはなりを潜め祐斗は淡々としてかえす。
「木場、お前マジで最近変だぞ?」
「君には関係ないよ」
祐斗が作り笑顔で冷たくイッセーに返事を返す
「俺だって心配しちまうよ」
それでもイッセーは退かなかった。だが、祐斗は苦笑した。
「心配? 誰が誰をだい? 基本、利己的なのが悪魔の生き方だと思うけど? まあ、主に従わなかった僕は今回は悪かったと思っているよ」
完全に何時もの祐斗では無い。
「チーム一丸でまとまっていこうとしていた矢先でこんな調子じゃ困る。この間の一戦でどんだけ痛い目に遭ったか、俺ら感じ取ったことだろう? お互い足りない部分を補うようにしなきゃこれからダメなんじゃねぇかな? 仲間なんだから」
フェニックス戦、結果的に勝てはしたもののあれは俺がいたからだ。
そう言ってイッセー達は今まで以上に鍛えていた。
だが祐斗はイッセーの言葉にも嘲笑うかの如く答える。
「仲間か。キミは熱いな……僕はね、ここのところ仲間なんてことじゃなく、基本的なことを思い出していたんだ」
「基本的なこと?」
「そうさ、僕がなんのために戦っているのか、を」
「部長のためじゃないのか?」
イッセーの質問に木場は迷うことなく答える。が祐斗はきっぱりと言った。
「違うよ」
「僕は復讐のために生きている。聖剣エクスカリバー。それを破壊するのが僕の戦う理由だ」
木場の強い憎悪をこめた瞳。
そう言って木場は部室を出て行った。
この時期にエクスカリバーとか……タイミング良すぎだろ…
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「聖剣計画?」
祐斗が部室を出て行ったあと部長から祐斗が聖剣エクスカリバーを恨む理由を話してもらっていた。
「そう、彼はその計画の生き残りなの」
「聖剣計画…聞いたことあるな。確か人工的に聖剣を使えるようにする計画だったよな」
「人工的って?」
俺の言葉にイッセーが質問する。
「聖剣てのは使うのに人を選ぶんだよ。聖剣計画はそれを使えるようにする為に養成する計画だったんだ」
「へえ、じゃあ木場は聖剣を使えるんですか」
イッセーが再度質問。
「祐斗は適応できなかったの、それどころか祐斗と同時期にいた者たちも適応できなかったらしいの……」
「それだけじゃない。適応できなかったと知った教会関係者は、被験者を『不良品』と決めつけ、処分にしたんだ。ただ『聖剣に適応できなかった』という理由だけでな」
「そ、そんな、主に仕える者がそのようなことをしていいはずがありません」
アーシアにとっては、ショックが大きいだろう。純粋な信仰心が強いからな……こういった黒い部分は聞かせるべきじゃなかったかもな。
部長が口を紡ぐ。
「私が祐斗を悪魔に転生させたとき、あの子は瀕死のなかでも強烈な復讐を誓っていたわ。生まれたときから聖剣に狂わさた才能だったからこそ、悪魔としての生で有意義に使ってもらいたかった。祐斗の持つ剣の才能は、聖剣にこだわるにはもったいないものね」
周りは沈黙していた。
部員の重すぎる過去。それを目の当たりにしたのだから、不思議じゃない。
その日はそれで解散となった。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
家に帰ると同時に携帯がなった。最近多いな
▶︎着信 アザゼル
ピッ
「この携帯は電源が入っていない。または禿げ始めの方は繋がりません」
「オォイ!誰が禿げ始めだ、誰が‼︎」
チッ!俺の完璧な声真似が見破られたか。
「それで何の用だ?エクスカリバーの件なら知ってるぞ」
「なっ⁉︎さてはミカエルの奴か。すまねぇな。そっちに迷惑をかけて」
「まったくだぜコノヤロー。だけどある意味いいタイミングではあったな」
「なんの事だ?」
「いいやコッチの話だ。それで?なんか情報があるから掛けたんだろ?」
「あぁ、お前聖剣計画って知ってるか?」
「……あぁ。それがどうしたんだ?」
「実はな今回の件に関わってるバルパー・ガリレイってのがその計画の元責任者なんだよ」
「⁉︎おいそれ本当なのか!」
「あぁ、本当だ。ってなんかあんのか?」
ハハッ…マジかよ。
「いやなんでもない。ありがとな」
「おい!話はまだ終わって───」
ツーツー
「どうかしましたか?」
電話を切るとレキがいた。顔はとても心配そうだ。
「いやなんもねぇよ。ちょっとお腹空いてただけだ。今日はかなり動いたしな飯にしよう」
そう言ってレキを落ち着かせる。多分バレてるだろうが、
はぁ、また一波乱あるなコレは
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「明日、教会からエクソシストが来ます」
夕飯を作り皆んなで食べていたところでジブリールが口を開いた。
「また急だな」
俺としては後2日くらいは猶予があると思っていたのだが…
祐斗の件もある。何事もなければいいのだが。そう簡単には終わらないだろうなぁ
「……先輩はどちらの味方をするんですか?」
小猫が控えめながらも聞いてくる。この前事情は話したから俺がどちらに着くか心配しているのだろう。
場合によっては俺たちは敵同士になってしまうと。
「心配すんな。確かに天界側からの依頼だけど俺は家族の味方だ。間違っても小猫の敵にはならねぇよ」
そう言ってニカッと笑いかけ小猫の頭を撫でる。
小猫は頬を朱に染めながらも嬉しそうになされるがままになった。
しかしエクソシストが来るって事はジブリールの説明も部長達にしなくてはいけないわけだ。
はぁ、それを考えると憂鬱だな。
ま、それは明日になってから考えよう。今は飯だ!
一抹の不安を頭を振ることでもみ消し俺は夕食を再開させた。
続けて出します。