規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です) 作:グリムリッパー02
上手くやれたか心配です!
カキーーン
「オーライオーライ」
さて、部活動…とはお世辞にも言えない暴露大会も終えた翌日。俺たちは旧校舎の裏手にて球技大会の練習をしていた。
「来週は球技大会よ!部活対抗戦、負けるわけにはいかないわ!」
この手のイベント毎が大好きな我らがグレモリー部長は人一倍気合いが入ってる。なんかバックに炎が見えるもん。
「さぁ、次はノックよ!クローブをはめたらグラウンドにばらけなさい!」
本当に楽しそうですね
「次!祐斗!行くわ」
カーン
祐斗の方へ飛んだボールはそのままミットへ───ではなく頭へと落ちた。
あれぐらい祐斗なら簡単に取れるだろうに。
「木場!シャキッとしろ」
イッセーからも喝が飛ぶ。
「……あ、すいません。ボーッとしてました」
下に落ちたボール拾いさながら機械のように部長へ投げ返す。
「祐斗、最近ボケッとして貴方らしくないわよ?」
「すいません」
祐斗は謝ってはいるものの心ここにあらずといった感じだ。
やっぱ昨日の聖剣の写真のことだろうか…
と、思案している中で俺の携帯が鳴った。
「悪い部長。チョット外す」
そう言って裏林の方へ行く。
こんな時に誰からの電話だ?
▶︎着信 ミカエル
……………
ピッ
「よし、帰ろう」
なにも見なかった。見なかったんだ。
ピロリン♪
今度はメール音だ。俺は無視する。
ピロリン♪
ピロリン♪
ピロリン♪
ピロリン♪
……………
ピロッピロリピロリンピロリンピロリン♪
「ウルセェよ!」
なんなんだよアイツは!分かりましたよ!出ますよ!出ればいいんだろ!
「はい!もしもし滝宮ですが!」
俺は充分に怒気を込め電話に出る。
が、電話の奥から聞こえてきたのはとても落ち着いた声だ。
「やぁ、滝宮君。余りにも電話にでないから留守かと思いましたよ」
お前なんて堕ちてしまえ
そう言いたいのをぐっと堪える。もう何言っても無駄だ。
「はぁ…それで今日は何の用だよ」
「実は折り入ってお話したいことがあります。天界に来てもらえませんか?」
天使長自らが天界に招くとは…それ相応のことなのだろう。それならあの通知も仕方ない。のか?
「分かった。それじゃ今から行くわ」
そう言って電話を切る。
はぁ、平和は長くは続かないようだ
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「到着っと」
俺は今天界の第六天。ゼブル前に来ている。
天界は7層に分かれていてその最上階、ここの一つ上に神が住まう土地があるそうだ。もっとも神がいない今ではそのシステムだけが残っているわけだが
ゼブルにはセラフのメンバーが住んでいる。現天界の中枢機関だ。
もちろんセラフの天使長であるミカエルもここに住んでいる。
「夕弥く〜ん」
若干間延びした女性の声。視線を向ければ───ウェーブのかかったブロンド、おっとりしてそうな柔和な笑みを浮かべた女性の姿が。
「お、ガブリエル。久しぶりだな」
そう、この人はガブリエル。ミカエルと同じくセラフのメンバーでありミカエルに並ぶほどの翼を有している。間違いなく最強と言える天使なのだが…見た目からは想像出来ない。
「はい!ひさしぶりです〜。ミカエルさまはあちらのテラスでお待ちしてます」
そう言って案内してくれる。
わざわざ案内にセラフ使うとか…俺はそこまで異形かね。
そうして連れてこられたテラスには俺に対し虐めにほど近い着信を送りつけた主、ミカエルがいた。
「やぁ、久しぶりですね」
「久しぶりじゃねぇよ。つまんねぇ要件だったらお前の家ぶち壊すからな」
「そ、それは勘弁して欲しいですね。しかし今回はそうも言ってられないんですよ」
ミカエルの顔が急に真面目になる。それほどの事態ってことだろう。
「…実は、エクスカリバーが盗まれました」
「ッ⁉︎」
その言葉に俺は驚いた。
エクスカリバー。騎士王が持つ最強の剣。そして最強の聖剣だ。
だが大昔の大戦で折れ今はそれぞれ別の能力を持った七本の剣として保管されている。
「何本盗まれた」
「三本。『天閃の聖剣』『透明の聖剣』『夢幻の聖剣』です」
また面倒な物を盗みやがって…
「盗んだ奴は?」
「堕天使幹部のコカビエル。そしてバルパー・ガリレイです。彼らはどうやら駒王町の辺りに潜伏しているようです」
まさか堕天使側とはな。コカビエルとは何度か会った事がある。かなりの戦闘狂だったな。バルパー・ガリレイは知らない。
「それで、教会の事だもう使いは出してあるんだろ?」
「はい。既に何人もの教会関係者が追跡していますがその全てが迎撃されています。そこで教会側は同じくエクスカリバー使い二人を派遣したそうです」
エクスカリバー3本+コカビエルに対してエクスカリバー2本。死ねと言っているようなものだな。
第一相手がエクスカリバーの収集を目的としているならその行動は思う壺のように思える。
「それでお前の要件はなんだ?エクスカリバーが盗まれた事事態なら電話ですむだろ」
「貴方にエクスカリバーを破壊してもらいたい」
そうくるか。
「既に相手の手にある以上破壊することが最善だと判断しました。アレは三代勢力のバランスを破壊する」
「分かった。俺も自分のいる町で好き勝手暴れらちゃ困る。引き受けるよ」
そう告げるとミカエルはニコリと微笑んだ。
「あ、そういえばミカエルさまぁ」
さっきまで静かに聞いていたガブリエルがゴニョゴニョとミカエルに耳打ちをする。
それを聞いたミカエルはまたもやニコリと笑う。
しかし先ほどの微笑みとは違い何か裏があるような微笑みだ。
「それでは夕弥君。もう一つ頼まれてくれませんか?」
出来ることなら全力で帰りたい…
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
天界・第六天・独房
「おい、なんだってこんなとこに連れてかれなきゃならねんだよ」
あの後すぐに移動させられ俺は同じ階層の独房へと連れてこられた。
「実は会って欲しい者がいるんですよ」
「会って欲しい者?」
こんな所にか?
そんな疑問も意に介さずミカエル達はどんどん進んでいく。
「付きました。ここです」
連れてこられたのは独房でも頑丈な魔術で作られた檻だった。
中は見えない。不可視の魔法がかかっているのか?
ミカエルが指を鳴らせば不可視の魔法は消え去った。
その中には───
「あら、ミカエル様。今日はどういったご用件で…」
女性だった。桃色の髪をした三対三の計六枚の翼を持つ天使。
「ジブリール。今日は貴方にお話があってきました」
ジブリールと呼ばれた女性はふと俺の方を見た。
「…あの…そこの方は?」
っとジブリールが俺を指差しいう。
そういえば自己紹介してなかったな。
「俺は滝宮 夕弥だ」
「ご丁寧にどうも。私はジブリールと申します」
自己紹介をしあう俺たち。とそこへガブリエルが耳打ちをしてくる。
「実は彼女、この前冥界に奇襲して行っちゃいまして反省中なんです〜」
はァ!冥界に奇襲⁉︎何考えてるんだよ。今はまだ三竦みの状態だろうが。そんな状況で奇襲とか何考えてるんだ。
「さて、あの件について貴方の処罰が決まりました」
と言うミカエル。処罰?それになんでわざわざ俺の立会いが必要なんだよ。
ジブリールは顔色一つ変えずに尋ねた。
「それはどういった内容になるのでしょうか?」
処罰の内容か、普通冥界に奇襲とかしたんじゃ死刑並みの重罪だよな…
ミカエルは少し溜め、口を開く。
「エクスカリバーの件は貴方も知っているでしょう。そこで貴方に命じます。天界側の熾天使として彼に同行してください」
…………………………は?
「はぁぁぁぁあ⁈おいミカエル!お前何言ってんだ!聞いてねぇぞ!」
同行?熾天使?なんのことだよ!
「言ってませんよ今決めましたから」
にこやかフェイスで言うミカエル。今こいつをぶん殴っても罰は当たらないんじゃないですかね?
「…分かりました。任務はお受けします。ですが何故この様な者に同行なのですか?私一人でも充分だと思いますが…」
まぁその言い方は癪に触るが、確かに俺の同行でなくても良いはずだ。
「いえ、実は彼は異世界人らしいのですよ」
「おい!なにスルッとカミングアウトしてくれてんだ!」
個人情報守れよ!
俺がミカエルを本気でぶん殴ってやろうとしたところで、ジブリールは震えていた。
はて、何かしたかな?
「…………ものの…」
「ん?」
「本物の異世界人でゴザイマスカァァォァア‼︎‼︎‼︎」
「うぉっ‼︎」
ベタンと結界に張り付き行きを荒げるジブリール。
この結界ガラスみたいになってるから顔が凄い事になってるんだけど…
涎とか出てるし…
「彼女、知識欲が凄いんです。この前の冥界奇襲だって冥界側の知識を求めてでしたから」
知識の為に冥界に奇襲とか…無茶苦茶過ぎるだろ!
「ハァハァ………ッと失礼いたしました。それで貴方は本当に異世界人なのですか?」
「あ、あぁ。このペンダントがその証拠だ」
未だ興奮の冷めないジブリールに神様から貰ったペンダントを見せる。
「!そのペンダントは!では本物の異世界人…!」
「そうです。それで同行して頂けますか?ジブリール」
「勿論です!」
変わり身早ぇな!
「そ、それで同行中しっかりじっくり観察を………」
「…お前目的変わってんだろ…つか俺の意見は無視なのかよ!」
デュフフフと危険な笑い声をあげるジブリール。
「いいではありませんか。彼女がいれば事件も早く解決に進みます」
「お前、まさかとは思うが厄介払いで押し付けてんじゃねぇだろうな?」
「…………違いますよ」
「今の間はなんだ!」
「ち・が・い・ま・す・よ」
天使が悪魔に見えた気がする。
「お願いします!夕弥くん!こちらとしてもジブリールの様な上級の天使は残しておきたいんです」
ガブリエルが手を合わせ頼み込む。
まぁ、確かに上級天使が近くにいるというのは事件解決に近づくだろう。
今回の事に限っては戦闘は避けられない。エクソシストがどれほどかは知らないがグレモリー眷属に至っては確実に負傷者を出す。
戦闘の手は多いに越したことはない。
「はぁ、分かった。同行を認めてやる。その代わり好き勝手するようなら叩っ斬るからな」
さて、皆んなにはなんて説明しようか…
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「と言うわけで一人増えた」
「ジブリールです。皆様よろしくお願いします」
「「「「「またか‼︎」」」」」
ジブリールが登場しました!
一応ジブリールの翼は三対三の六枚です。
他のメンバーもおいおい出していく予定です!
それぞれちゃんと主人公と絡ませられるよう頑張ります!
それでは次回で