規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です) 作:グリムリッパー02
向かった先はかなり酷い状況だった。
部長も朱乃も小猫も祐斗もボロボロだ。
朱乃はさっきの戦いで魔力を消費し過ぎたか。雷光は使えないみたいだ。
アーシアは防御術壁で部長を守っているがフラフラだ。
魔力も結構ヤベェだろ。
祐斗と小猫は膝を付いている。何回殺れたか知らねぇけど、不死相手にはやっぱ厳しかったらしい。
そして何よりイッセーだ。
さっきから焼き鳥に挑んでいるが、もうボロボロだ。
骨だって折れてるだろう。目も虚ろだ。
だがそれでも立ち向かう事をやめない。
と、イッセーが焼き鳥に吹っ飛ばされた。
「イッセー‼︎」
俺はイッセーを受け止める。
受け止めて分かる。身体中傷だらけだ。
「………ゆう………や…あと…頼む」
「あぁ、頼まれた」
そう言って俺はイッセーをアーシアの元へ連れて行く。
「イッセーさん‼︎」
「……アーシア、イッセーを頼む」
俺はアーシアにイッセーを任せる。
「来たか…だがリアス。もう戦えるのはお前とこの人間だけだろ?諦めてリザインしろよ。俺も弱い者虐めは趣味じゃない。それがグレモリー家の為にもなる」
ゴォォ‼︎
「黙れよ焼き鳥」
俺の魔力で空間が軋む。
眷属の皆も俺の殺気に飲まれて怯えている。
「部長。こいつとは俺がやる。手を出すな」
「え、えぇ。分かったわ」
許しはもらった。後はこいつを殺すだけだ。
「チッ‼︎お前のような人間にこの俺がー「一回目」
俺は奴が喋り終わる前に腹に一発いれる。
拳はそのまま奴の腹を貫き風穴を開けた。
「フェニックスなんだろ?この程度じゃ死な無いよな」
「ゴフゥッ‼︎ハァハァ…貴様何を…「次だ」何⁉︎」
「我は最強にして、全ての勝利を掴む者なり。人と悪魔、全ての敵と敵意を挫く者なり。我は立ちふさがる全ての敵を打ち破らん!」
言霊を紡ぐと、俺の力が何倍にも膨れ上がる。
ウルスラグナの権能の一つ『雄牛』の能力。効果は単純な腕力アップ。
更に俺は呪文を詠唱する。
「
それを右手に込める。光は使わない。コイツは嬲り殺す。
焼き鳥は下がって炎を放ってくるが、瞬動で一気に相手の懐に入る。
「んな‼︎」
「雷華崩拳‼︎」
焼き鳥に向かって撃つ。
余波で後ろの建物が全て消し飛んだ。
「二回目」
「くッ‼︎舐めるな‼︎」
焼き鳥は空へと飛び極大の炎の塊を作り出す。
「ハハハハッ!焼け死ね‼︎」
それを俺めがけて投げつける。
「避けなさい!夕弥‼︎」
部長が声を荒げるが避ける必要はない。
「全ての敵よ、我を畏れよ。全ての悪しき者よ、我が力を畏れよ。今こそ我は、十の山の強さを、百の大河の強さを、千の駱駝の強さを得ん!雄強なる我が掲げしは、猛る駱駝の印なり!」
言霊を紡ぎ権能を入れ替える。ウルスラグナの権能の一つ『駱駝』。
能力は耐久力、そして強靭な脚力。
俺は地面が凹む程の力で地面を蹴り炎の玉に突っ込む‼︎
こんなチンケな炎じゃ俺は焼かれない‼︎
炎の玉を突き抜け焼き鳥の頭上まで跳び、その頭にかかと落としをする。
焼き鳥はそのまま吹っ飛び地面にめり込んだ。
俺はドラゴンの翼を展開しそこに降り立つ。
「どうだ?弱い者虐めされる気分は」
「クッソタレ‼︎わかっているのか!?この婚約は悪魔にとって大切な事なんだぞ!お前みたいな奴が壊していい事じゃないんだ!」
「だから何だ。お前は俺の大事な人達に手を出そうとした。その上俺の親友を弱いと言った。俺がお前を消し去るにはそれで充分だ‼︎」
「消し去る?ハッ!俺は死なない‼︎このまま殺され続けようとも俺は再び蘇る‼︎それがフェニックスだ‼︎」
「そうか、なら違う方法で消そう」
そうして俺は手を突き上げる。
「“
出て来たのは双頭をなす龍。
「いくらドラゴンだろうと俺は殺せんぞ」
「なら為してみるか?ーーー喰らえ」
刹那、双頭龍は焼き鳥の左腕、右足を喰らう。
本来ならここで炎が渦巻き手足は復活する。
だが、手足が戻ることは無かった。
「うわぁぁぁぁぁぁあ‼︎な、なんだ‼︎どうして手足が戻らない…!」
「簡単な話だ。お前の手足ごと次元を喰った。俺が指示するまでお前の手足は戻らない」
「な⁈、嘘だろ!や、やめろ‼︎」
「次は右腕!」
双頭龍は勢い良く食らいつき右腕を食いちぎった。
「うぁぁぁぁぁあ‼︎」
「最後、これはイッセーの分だ‼︎龍蛇の水銀‼︎」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉお‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
『ライザー・フェニックス様戦闘不能。リアス・グレモリー様の勝利です』
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「あなた怒るとホント怖いわね」
「……私も震えが止まりませんでした」
「いや〜、完全に我を忘れてた…ごめんな小猫。怖い思いさせて」
「でもカッコ良かったです」
「そうか?ありがとな」
焼き鳥との試合が終わった。あの後ちゃんと焼き鳥は元に戻しておいた。
今は部室にて打ち上げをやっていた。
どうやら刀奈達が準備してくれてたらしい。
「絶対勝ってお腹空かせてると思ったから」だとさ。
流石だね。料理も美味いし。
「……俺更識家に嫁ごうかな?」
「ちょっ!なに言ってるのよ‼︎急に‼︎」
照れる刀奈も可愛いな。うん。
「冗談だよ」
「ちぇっ!結局いい所は全部夕弥に取られちまったな」
「何言ってんだ。ボロボロになりながらも焼き鳥に向かって行くお前はカッコ良かったぞ」
「そ、そうか?そう言われると照れるな…」
「ホントよ。あなたが私の為に戦っている姿はとっても素敵だったわ、だからこれは、御礼ね」
そう言って部長はイッセーにキスした。
おうおうお暑いな。お二人さん
「それじゃ」
「……私たちも」
そう言って朱乃と小猫がそれぞれ俺の頬にキスする⁉︎
小猫さん…脚立まで持ってきやがって…
「え〜!朱乃ちゃんだけズルいわ!私もする〜」
「私もやります」
「ちょっ⁉︎刀奈、レキ落ち着け!って神器は反則……!うがぁぁぁあ‼︎」
結果、さんざんキスを求められた…
……………
俺と小猫は今外にいる。
理由は外の空気を吸いにきたら小猫が着いて来たからだ。
「今日は助けてくれてありがとうございます」
「いいさ、俺がやりたい事をやっただけだ」
暗闇の空。星は綺麗に瞬いていた。
ふと、ある考えが浮かんだ。
確かに、もう大丈夫かもしれない。
「なぁ小猫…」
「なんですか?」
「黒歌に会いたくないか?」
その言葉は夜の乾いた空にすごく響いた気がした。