規格外‼︎全てを護る者(更新停止中です)   作:グリムリッパー02

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修行です!〜後半〜

風呂でのボーイズトークが終わり俺は部屋に来ていた。

 

一応部屋割はイッセー+祐斗、部長+姫島先輩、小猫+アーシア、刀奈+レキだ。俺は一人部屋にしてもらった。

その理由が

 

「ん…にゃ〜……白音…」

 

横で寝てる黒歌だ。今日は一日中小猫を影から見守っていたらしい。

俺と小猫が組手をしたのを見て、もっと優しく‼︎と怒られた。

 

こいつも、妹思いな奴だな。

 

と、さっきの風呂場の話もあって眠気が全くない。

 

俺は少し気分を変えるために外に出た。

 

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

「姫島先輩?」

 

外に出た所で姫島先輩を見つけた。

 

「あらあら、滝宮君。眠れないのですか?」

 

「まぁな。姫島先輩もか?」

 

「朱乃で良いですわよ。私はリアスが部屋を出て行ったので目が覚めてしまって…」

 

成る程。てかプライベートじゃ部長の事リアスって呼ぶんだな。

 

「俺も夕弥で良いですよ」

 

「では、夕弥君と。それで夕弥君少しお話しませんか?」

 

それで俺たちは話をした。

内容は眷属の事とか、刀奈やレキの事とか、俺の魔法の事とか。

朱乃は俺の魔法が気になっているらしい。

まぁ、ウィザードタイプだしな。

 

と、話していた朱乃の顔が急に真面目になる。

 

「夕弥君。少し昔話に付き合ってもらえませんか?」

 

「昔話?」

 

「はい。私の家は駒王町の外れにある神社なんです」

 

へぇーそうなのか…悪魔なのに神社に住んでて大丈夫なのか?

 

「そこで私は産まれました…堕天使と人間のハーフとして…」

 

「んな…‼︎」

 

その言葉に驚いていると朱乃の背中から悪魔の羽と堕天使の羽が現れる。

 

堕天使と人間のハーフは珍しい話ではない。

堕天使は天使が邪な感情を抱いた際堕ちてしまうもの。

それは性欲とかも同じらしく人に恋した天使は大抵堕天使となる。

イッセーなら直ぐに堕ちるな。

 

だけど、神社に堕天使か…

なんか聞いたことある気がするな…

 

朱乃は話を続ける

 

「私は母と父と三人で暮らしていました。でもある日父は堕天使の仕事で帰るのが遅くなってしまいました」

 

堕天使も人員少なくて大変だからな。でもやっぱりどっかで聞いたことある気がする。

いや、見た気がする。

 

「その日私は母と遊んでいました。その時私達は姫島家の者に襲撃されました。理由は簡単です。汚れた血、それを家に置きたくなかったのでしょう。私は殺されようとしていました」

 

‼︎オイオイそれって!

 

「そこに現れたのが黒髪の少年です。黒髪の少年は真っ赤な双眸で殺そうとして来た者たちを次々に倒して行きました」

 

俺だ…そうか、朱乃があの神社の子だったのか…どうりで見たことある気がしたわけだ。

 

「…………まさか、あの子が朱乃だったとはな」

 

あの後は二人の安否確認したら直ぐに立ち去ったしな。

途中バラキエルの気配を感じたけどまだ知り合う前だったし

 

「やっぱり夕弥君だったのですね」

 

「お母さんは元気か?」

 

「えぇ、変わりありませんわ。あの時助けて頂いたおかげで家族三人仲良く過ごせています」

 

「そりゃ良かった」

 

なんにしても、俺は目の前のこの人を救えたんだ。

 

「だから、今ここで御礼を言わせて下さい」

 

「別に御礼なんていらねぇよ」

 

「で、でも」

 

「だったら死なないでくれるか?」

 

「え?」

 

「これから先危険なことも増えるだろう。ドラゴンの周囲ってのはそうゆうもんだ。だから死なないでくれ。死なければ絶対に俺が守る」

 

特にウチは赤龍帝と漆龍王がいるからな。

 

「分かりました。私は絶対に死にません。だから夕弥君も死なないで下さいね」

 

「俺は死にたくても死なねぇよ」

 

そういって俺と朱乃は月明かりの下笑あった。

 

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 

翌日。俺達は着替えを済ませ集合している。

 

「よし、揃ったな。んじゃ各自自分の最強の攻撃を俺にぶつけてくれ」

 

その言葉に皆驚愕する。

そりゃ、周りから見たら自分から死ぬって言ってるのと同じだしな。

 

「悪いが俺は焼き鳥より強い。魔王とも軽くやりあえるだろう。そんな奴がお前ら程度の攻撃でくたばると思うか?」

 

その言葉に何人かカチンと来た。

特に部長。あの人プライド高いからな。

 

「良いわ!やってあげる‼︎」

 

そういって手に滅びの魔力をためる。

他のメンバーも臨戦態勢にはいる。

 

最初に動いたのは祐斗だ。

スピードを上げながら右手には火、左手には氷の魔剣を持って斬りかかる。

 

俺はまず祐斗の右手を自分の脇に挟み無力化してそのまま自分の方へ引き寄せ一気に上に蹴り上げる。

 

「ーー‼︎」

 

祐斗が飛ばされると次に来たのは小猫。

鋭いパンチを連続で放つ。

昨日よりキレは良くなったが、甘い。

小猫の拳を真正面から受け止める。

そしてそのまま持ち上げこちらも投げる。

あとでまた黒歌に怒られるかな?

 

次はイッセーだ。祐斗と小猫を相手にしている間に3回は倍加しただろ。

そのままぶん殴ってこようとするが俺はそれをしたから手で払いのける。そしてガラ空きになった腹に手を当てて、吹っ飛ばす。

イッセーは木まで吹っ飛んだ。

 

最後は部長と朱乃だが、二人同時に放ってきた。

上からは雷撃。横からは滅びの魔力だ。

俺は漆龍王の煌尾(チェンド・エンシス)をだしそれらをまとめて斬る。

 

「‼︎そんな⁉︎」

 

「あらあら…」

 

そして手を突き出す。今回は実戦じゃないし捕縛用で良いだろ。

 

魔法の射手・戒めの風矢(サギタ・マギカ・アエール・カプトゥーラエ)

 

風の矢は二人を捕らえ拘束した。

 

「ふぅ、こんなところか?」

 

「いてててて、おい夕弥‼︎チョットは手加減しろ‼︎」

 

イッセーが怒鳴り散らす。意外と丈夫だな。

 

「手加減はしたぞ。やりすぎると殺しちまうし。小猫も祐斗も大丈夫か?一応受け身はとれるように投げたけど」

 

「あははは、まさかこうもアッサリと止められるなんてね」

 

「……不服です」

 

小猫、頬を膨らましても可愛いだけだぞ。

 

「全く、滅びの魔力を斬るなんて、貴方どれだけ強いのよ」

 

「夕弥君は捕縛プレイが好きなのかしら」

 

「俺にそんな趣味はねぇ‼︎」

 

「………捕縛プレイ」

 

刀奈‼︎俺はそんな趣味は無いって言っただろ‼︎

 

「ま、まぁなんにしてもだ。これである程度はお前らの実力は分かった。んで、これから各々の課題を言い渡す。

まずは部長から。部長はとりあえずゲームメイキングだ。キングは如何なる状況でも適切な判断が求められる。

それとそのキレ安い性格をいくらか直せ。格上相手の挑発に乗るな。お前が倒されればもう終わりなんだからな」

 

部長はしかめっ面をしているが頭では分かっているようだ。

 

「次に朱乃。朱乃はいくらか本来の力を出せるようになれ。それだけでも不死の焼き鳥にダメージを与えられる。分からない所は出来る範囲でアドバイスはする」

 

部長は俺が朱乃の秘密を知っていることに驚いていたが、まだ他の奴には言わない方が良いだろ。

特にイッセーやアーシアはあの事件があったばかりだしな。

 

「次に小猫、それから祐斗。お前ら二人は必殺技を作れ」

 

必殺技と言う言葉に二人は首を傾げる。小猫は俺を悶え殺す気か?

 

「相手を一撃、とまではいかなくてもこれが当たれば勝てる!ってのを作れ。小技だけで勝てる程不死は甘くない」

 

その言葉に二人は快く承諾してくれた。

決め手は誰でも必要だ。俺の場合決め手しか持ってないような能力ばかりだけど。

 

「で、次はアーシアだ」

 

「私ですか⁉︎」

 

「あぁ心配すんな、別に今から身体を鍛えろとは言わない。アーシアには防御術壁を覚えて貰いたいんだ。回復役はチームの命綱だ。当然敵には真っ先に狙われる。そこで防御術壁だ。それに仲間のピンチを救うことも出来るしな」

 

アーシアは「やってみます‼︎」と首を振った。アーシアは魔力の才能があるし多分大丈夫だろ。

 

んで、最後だ。

 

「最後はイッセー、お前には赤龍帝の籠手を第二段階に進化してもらう」

 

「第二段階?」

 

「あぁ、神滅具ってのは大抵二種類の能力を持ってる。お前はまだ倍加の力しか持ってないからな。二つ目を発現させてもらう。

それと基礎体力だな。倍加するにしても本体が弱けりゃなんの意味も無い。せめて刀奈に一発くらいは当てられるまでになれ」

 

その言葉にイッセーは気合の入った表情で頷く。

昨日の夜何かあったのか?

 

「と、話してみたが正直時間が足りない。部長や朱乃は兎も角、小猫、祐斗、イッセーはあと9日じゃ無理だ。よってお前らにはちょっと特別な場所で特訓してもらう」

 

「特訓な場所?」

 

俺は異次元空間から水晶玉がセッティングされた台のような物を人数分取り出す。

 

「これは幻想空間(ファンタズマゴリア)って言ってな俺の魔法で作った別次元空間みたいな物だ。中ではジャングルに高層ビル。マグマ地帯に砂漠、海、氷河地帯となんでもござれ。この中での24時間は現実の2時間。一日で最大12日分の修行ができる優れモノだ。中には本拠地もある。食事も具材から冷凍食品まで各種多用に取り揃えてる。修行しても餓死することはない」

 

もっと長くすることも出来るが、あんまりすると自分と外の年齢が合わなくなるからな。

 

ちなみにこれ、前にレキに蜂の巣にされた時にも使用した物だ。中は結構広いしな。

言うなれば簡易版精神と⚫︎の部屋みたいな物だ。

 

「あなた…つくづく規格外ね。自分の世界を作ってしまうなんて…」

 

「とりあえず現実時間で3日、向こうで36日、修行して残り5日間は実戦を交えた組手。最終日は帰りもあるし休息とする。これでいいか?」

 

「えぇ。問題ないわ」

 

「おし、そんじゃそれぞれ水晶に手をおいてくれ」

 

皆が手を置くと水晶に吸い込まれるように転移した。

 

「でも夕弥君言わなくて良かったの?向こうで1日過ごさないとこっちには戻ってこられないって」

 

そう、この幻想空間の欠点はいつでも戻って来られるわけじゃ無いってことだ。そのおかげで俺は散々レキにやられたわけだが…

 

「大丈夫だろ、イッセー意外なら戻ってこようととは思わないさ」

 

「?なんでイッセー君だけなの?」

 

人が手っ取りばやく鍛えられる方法それはーーー

 

「イッセーの所だけ魔獣の数を3倍にしといた」

 

「わぁお」

 

命の危険を感じることだ。人は命危機を感じると信じられないくらいのスピードで逃げられる。体力作りにはもってこいだろ。

 

俺も経験値あるしな。

 

俺に若干のトラウマを残した張本人は空をみながらぼーっとしていた。

 

「(生き残れよイッセー)」

 

親友の生還を祈りながら俺は屋敷に戻った。

 


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