黒子のバスケ ―太陽のColor Creation―   作:縦横夢人

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 遅くなりました。これで第一章が終わります。

 ではどうぞ


第5Q 三つが重なるとき

 

 

 

「・・・・・・なんでまたてめぇがいんだよっ!!」

 

 火神は頬をひきつらせながら目の前にいる人物を見ていた。

 

 あの後、試合は一年生チームの勝利となり、その日の部活は終了した。疲れと空腹を癒そうと火神は一人「MAJIバーガー」で以前のようにハンバーガーを持って席に座った。

 のだが・・・・・・。

 

「ボクらが座ってるところに君が来たんです。

 それに好きだからです、ここのバニラシェイク」

 

 これまた以前と同じように黒子がバニラシェイクをチューと吸いながら答えた。

 

「はぁ、ったく二回目だぞ。(場所変えようかな・・・・・・)

 ってちょっとまて、ボクら(・)だと? てことは――――」

 

「お〜い、お待たせークロ!」

 

「やっぱりお前か・・・太よ、ってうおっ!?」

 

「おー、その声は火神かー」

 ドーン

 

「・・・・・・」

 

 火神はその人物の名前を呼ぼうと振り返ったが、見えたのは自分に負けず劣らずの、いやそれ以上のハンバーガーの山だった。

 そのハンバーガーの山がテーブルに置かれると、それに隠れていた顔がひょこっと横から出てきた。

 

「いや〜、作ってもらうのに時間かかっちゃって、その間にトイレ行ってたんだ」

 

「お、お前そんなに食えんのか・・・?」

 

 火神は自分のことを棚に上げて言う。

 

「太陽君はこれくらい余裕です。むしろこれだと少し足りないくらいです」

 

「さすがにこれ以上は無理だってさっき店員さんに泣きながら断れちった」

 

 火神は子供相手に泣きながら謝る店員を想像し、店員に同情の念を抱いた。

 

「・・・まぁいい、ホラよ」

 

「・・・?」 ポン

 

「おー?」 ポンポン

 

 火神は自分のハンバーガーの山から黒子に一つ、太陽に二つ投げ渡した。

 

「バスケ弱い奴には興味はねぇ。が、お前のことそれ一個分位は認めてやるよ。お前は二つ分だ。小せぇくせにあんだけやるとはな、少しなめてた」

 

「・・・・・・どうも」

 

「おー、何か知らんがサンキュー火神!」

 

 黒子は一個分・・・と少し落ちこみながらつぶやき、太陽は何のことかわからなかったが、とりあえず素直にもらっていた。

 

 

 

 その後火神と太陽は驚異的なスピードでハンバーガーの山を減らしていき、黒子と同時に食べ終わった。

 ――――果たして火神達がはやいのか、黒子が遅いのか・・・・・・。

 そして三人は今、店を出て帰宅の道を歩いていた。

 

「なぁ、≪キセキの世代≫ってのはどんぐらい強ーんだよ」

 

 火神は黒子に向けて話しかけた。

 

「?」

 

「あー、じゃあオレが今やったらどうなる?」

 

「瞬殺されます」

 

「即答かよ・・・。もっと違う言い方ねーのか・・・・・・?」

 

「おー、みんなそんなにすごっくなってんのか?」

 

 そこに太陽も加わってきた。どうやら自分がいなかった間のみんなのことが気になったようだ。

 

「ええしかもただでさえ天才の5人が今年それぞれ違う強豪校に入学しました。

 まず間違いなくその中のどこかが頂点に立ちます」

 

「・・・・・・」

 

 それを聞き火神は足を止める。

 黒子と太陽は後ろを振り返ると、火神は顔を下に向けていて表情は見えなかった。

 

「・・・・・・ハッ、ハハハ」

 

 しかし突如顔を上げ笑いだした。

 

「いいね、火ィつくぜそーゆーの!!

 ・・・・・・決めた! そいつらぶっ倒して日本一になってやる!!」

 

 そこには強敵と闘える興奮と、心に決めた覚悟がうかがえる表情だった。

 

「・・・・・・アハハ! 確かにそうだ。

 自分もまだ黒子との約束守れてないしなー!」

 

「え?」

 

「だって言ったろ? ≪みんなでまた一緒にやろう≫って。

 クロとは今日一緒にやったけど、他のやつは違う高校行ったんだろ? 別に同じチームじゃなくても、敵としてやりあった方が楽しいじゃん!」

 

「っ!!・・・・・・そう、ですね」

(太陽君は今のみんなを知らない。だからあの頃と同じようにはいかないと思う・・・・・・。そう、けどもしかして、彼らなら・・・・・・)

 

 あぁ、楽しみだなと太陽はみんなを敵と言いながらも、楽しかったあの頃と同じように思っていた。

 黒子は少し驚き一瞬不安がよぎるが、しかしその目にはそれ以上の期待と願いの光が輝いたように火神には見えた。

 そして黒子は二人に言う。

 

「そうだといいですね。でも火神君は無理だと思います」

 

「ぅおいっ!! 俺だけかよっ!!」

 

「潜在能力だけならわかりません。でも今の完成度では彼らの足元にも及ばない。

 一人(・・)では無理です」

 

 そこで黒子は一度切り、二人と向かい合うように立つ。後ろの街灯が一つのモノを映し出す。それは不安によるものか、それとも――――。

 

「ボクは脇役(影)だ

 ・・・・・・でも影は太陽や火の光が強いほど濃くなり、光の白さを際立たせる。

 主役()の影としてボクも主役(君達)を日本一にする」

 

 それを見た火神と太陽は顔を見合わせ、笑った

 

「ハッ、言うね。勝手にしろよ」

 

「よーし、んじゃあいつらぶっ飛ばすぞー!!」

 

「はい、頑張ります。

 あと太陽君、物騒です」

 

 三人はそう話しながら歩いて行く。

 

 

 

 黒子の前には影が一つ。しかし横二人の影も繋がって大きく見えた。

 

 

 

 

 





 今後はSAOと黒バスを交互に書いていきたいと思います。次はSAOかな?

 ではまた

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