黒子のバスケ ―太陽のColor Creation―   作:縦横夢人

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 はい、投稿しました。
 しかしまた改良するかもしれないのでご了承を。

 ではどうぞ


第2Q 日は未だ出ず

 

 

 

 体育館

 

 

 そこでは今、誠凜高校男子バスケ部が一年生も交ぜた初の部活動が開始されようとしていた。

 

「よーし、全員揃ったな。一年はそっちに集まれー!」

 

 と、黒髪の短髪に眼鏡をしたキャプテンの≪日向 順平(ひゅうが じゅんぺい)≫が指示を出し、まとめていく。その後ろにはだいぶ年をとっていそうだが、厳格な顔をしているこの部の監督らしき人がいた。

 そして日向の横には部活勧誘をしていたマネージャーと思わしき女生徒が立っていた。一年生の何人かがその女生徒について話している。

 

「なぁなぁ、あのマネージャー可愛くね? 」

 

「あぁ、あの二年のだろ?確かに! けどもうちょい色気があれば・・・」

 

「いいや、違う!! あのペタコーンこそが神なのだっ!!」

 

「おい、ここにバカがいるぞ!!」

 

 そう話す後ろから日向がダッシュで走ってきて、拳骨(特にバカには本気の)を入れる。

 

「だアホッ、違うわぁ!! あとそこのバカ!! 声でけぇよッ!! そんなことあいつの耳に入ったら・・・・・・」

 

 そう言う日向だが、時すでに――――

 

「・・・・・・もう遅いわよ」

 

 後ろから声が聞こえ、日向は凍りつく。振り向きたくない。しかし何の力が働いたのか日向の首はブリキのようにギギギと回り、後ろを振り向いてしまった。

 

 

 そこには夜叉がいた。

 

 

 背中からゴゴゴゴと形容しがたいモノを出しながら近づいてくるマネージャーと思わしき女生徒。、顔が暗くて、いや黒くてよく見えないが目と口だけがパックリと開いているのがさらに恐怖をかりたてる。口からハァァァと黒い靄が出て額に角が見えるのは自分の気のせいだろうか?

 

「や、ちょっ、ちょっと待て? お、オレは何も言ってないからな? な、わかるよな?」

 

「もちろんそんなのわかってるわよ」

 

 そう後ずさる日向の言葉に納得したのか彼女は笑顔で答える。ホッと安堵する日向。

 

「でもね・・・・・・」

 

 そう言って彼女は手を首に持っていき――――

 

「注意するってことは、そこ気にしてるってことでしょ?」

 

 笑顔で首を掻っ切る動作をする。そいて青ざめる日向と他数人(-喜ぶバカ)に歩いていくのだった。

 

 そして周りの一年は、そして二年は改めて思う。

 

『彼女の前で胸の話しは絶対やめよう』と・・・・・・

 

 

 

 ――しばらくお待ちください――

 

 

 

 あれからバカ含める一年と、とばっちりを受けた日向をなんとか介抱して立ち直らせた。

 

「あ、あーっと、カノジョはまねーじゃーではないんです、はい」

 

 いや、まだトラウマになっているのか目がグルグルと回っている日向に対し、同級生の伊月が斜め45度でチョップを当てて今度こそ治した。

 

「あー、うう゛んっ!! 彼女こそはこの誠凛高校男子バスケ部の――――」

 

「“監督”の≪相田 リコ(あいだ りこ)≫です。よろしく!」

 

「え・・・・・・」

 

『ええ゛ぇぇえーー!!?』

 

 そう挨拶する彼女の言葉に一年生一同は驚愕する。マネージャーだと思っていた二年生はそりゃ驚くよな、と苦笑していた。

 

「じゃっ、じゃあ、あそこにいる人は!?」

 

 と一年の男子が先程まで監督と思っていた厳格な顔をした人物を指差す。

 

「あぁ、あれは顧問の武田センセ」

 

 とそこで武田先生の顔がくずれ、ベンチに座りだした。よく見ると震えており、さっきまでは立つのがつらっかたので厳しい顔をしていたようだ

 

『ま、まぎらわしい・・・・・・』

 

「さて、始めましょうか」

 

 そう言って一年生の前に出て先導するリコ。

 

「では始めに・・・・・・」

 

 そしてビシッと指を指して言った。

 

「シャツを脱げ」バーン

 

『え・・・・・・・え゛え゛ぇぇぇぇえ!!?』

 

「へ、変たグベェッ!?」

 

 

 体育館に二度目の驚きと拳の音が響き渡った。

 

 

 

 

 あれから一年生全員はパンツ一丁でリコに身体を視られていた。

 先に言っておくが決して変態ではない。彼女の親はスポーツトレーナーで、データをとってトレーニングメニューを作る仕事がメインである。リコは毎日その仕事場で手伝いをしながら肉体とデータを視続けてる内についた――――――体格を見れば彼女の目には≪身体能力が全て数値で視える≫という特技で解析しいたのだ。

 そして今、リコは火神の身体を視ているのだが――――

 

(~~~~なっ、何これ!? 全ての数値がズバ抜けてるっ!! しかものびしろが視えないなんて・・・・・・)

 

 リコの視るステータスはパワー、スピード、柔軟性と三つにわかれ、その総合をLvとして表している。他の一年生は平均50超えでLv30が普通だが、火神の場合平均80超えでLvがつけられない、つまりまだ成長途中なのだ。 

 つまり火神は――――

 

(うっわ生で初めて見る・・・・・・

 

 ――――天賦の才能っ!!)

 

 そんなことを思いながらリコは目を輝かせよだれを垂らしていたが、当の火神は別のことを考えていた。

 

(ちっ、俺としたことがあの匂いに気をとられて名前しか聞けなかった・・・)

 

 そう、火神は昨日出会った彼――――虹織太陽にどこの部活所属かを聞き忘れたのだ。おまけにクラスも聞き忘れていたので、各クラスを回ったのだが見つからず、朝から今日の部活が始まるまで上の空だったのだ。

 

(つか、一年の全クラス回ったがどこにもいやしねぇ。もしかして上級生か? いやけど部活勧誘の場所にいたってことは一年だろうし、もしかして俺の見間違い? けど――――)

 

 

 あいつなら俺を楽しませてくれるかもしんねぇ・・・

 

 

「監督! いつまでボーッとしてんだよ! そいつで最後だろ?」

 

 とリコと火神がそれぞれの考え事をしていると、日向から声がかかった。どうやらこれで全員終わったらしい。

 リコは意識を戻して頷くが、そこでふと気付いた。

 

「あれ? 黒子君てあたし視たっけ?」

 

「あ! そうだ、帝光中の・・・・・・」

 

「え!? 帝光ってあの帝光!?」

 

 そうして日向たちは周りを探すが、見当たらない。

 

「(まぁ帝光中の子はクセが強いから勝手に休んでるでしょ・・・・・・)もういいわ、さっそく練習開始しま――――」

 

「あの」

 

「はいはい今度は何――――」

 

 とそこで違和感を覚えた。目の前から声が聞こえたが、姿が見当たらない。不思議に思い目の前をジィッと見つめると、いつの間にか一人の生徒がいた。

 現れたのではない、いたのだ。

 

「・・・・・・

 ・・・・・・?

 ・・・・・・ッ、きゃあぁぁぁあ!?」

 

「うぉっ、どうした・・・・・・ってうぉおっっ!?」

 

 その声に気付いた日向たちが振り向くと、全員認識したのか驚いた声を上げる。

 

「い、いったいいつからそこにいたのっ!?」

 

「? 最初からいましたけど」

 

「嘘ォッ!!?」

 

(カゲ薄っすっっ!! ってこの子が黒子君!?)

 

 そうして周りも帝光出身だと気付き、思わず唾を飲み込む。そしてそれを代表して日向が聞いてみた。

 

「じゃあ君、≪キセキの世代≫の? てかレギュラー?」

 

 周りがいやまさかこんな細いのを、と思っていたが、

 

「・・・・・・? 試合には出てましたけど?」

 

「だよなー・・・うん?」

 

 という言葉に固まってしまった。

 

「ちょっ、シャツ脱いで!!」

 

「え? さっきも脱いでいたんですが・・・・・・」

 

 リコもステータスを視ようと黒子に促す。そして改めて視て驚いた。そこには――――

 

「ちょっと待って、じゃあ二人目は!?」

「・・・っ、あぁ二人目の方ね」

 

 ともう一人の帝光中出身者のことを聞かれ、ハッと黒子についての考えから離れ、全員の方に振り返る。

 

 振り向いたリコの後ろでピクリと黒子が反応したが、誰も気づいていなかったようだ。

 

「えぇっ!? まだ帝光中のやついたの!?」

 

「帝光中のオンパレードかよ・・・」

 

「で、そいつに関しては何か知ってそうだが・・・」

 

 日向はリコの様子から理由を知っていると思い、問いかける。

 

「あぁ、彼は少し用事があるそうだから休むって連絡が来たわ」

 

「そっか・・・なぁ、そいつの名前は?」

 

 と日向は名前だけでもと思い問いかける。もしかしたら《キセキの世代》の内の一人かもと考えていた。周りにいる全員も同じようで、耳を此方に傾けていた。

 

「彼の名前は――――

 

《虹織 太陽》よ」

 

(――――ッ!?)

 

(おっ?)

 

「虹織・・・太陽? うーん聞いたこと無いな」

 

 と日向を含めほとんどのものが聞いたことの無い名前に首を傾げ、控えかベンチだろうと結論付けた。

 

 しかし残りの二人、黒子と火神はその名前を聞き、それぞれの反応を見せた。

 

(昨日の話とその名前・・・やっぱり《彼》なんだろうか? 虹織という名前は珍しいしけど、《彼》は向こうにいるはずだ。まさか帰って来ているのか?)

 

(昨日のやつも確か虹織だったな。てことはあいつ俺と同じバスケ部入ったのか・・・・・・はっ、こりゃ運がいい。今度会った時は勝負してやる。どれくらいやるのか試してやるぜ。

 さて、その前に――――)

 

「オイ、ちょっと聞きたいんだけど・・・。帝光中とか、《キセキの》なんたらとか――――」

 

 黒子は彼がここにいることに対しての驚きと戸惑い、そして共にバスケができるかもしれないという少しの希望を持ち、火神は彼がバスケ部に入部していた喜びと、そして戦えるという興奮を覚えながら、それぞれがこれからのことを思いながら行動していく。

 

 

 再会の時は近い――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにその頃の主人公は

 

「ぐがぁ~~、くぅ~~。ムニャムニャ、もう食えねぇぞ~」

 

 ベッドでぐっすりと寝ていた。

 まぁ無理も無い、入学一日前にアフリカから戻って来て次の日に入学しバスケ部に入部届けを提出し、荷ほどきと時差ボケで疲れて眠ってしまったようである。しかしその寝顔はまさに子供であった。

 いたって普通の、むしろかわいらしい場面である。

 

「ガウゥゥ~、クゥゥゥ~。クルゥゥ~ッガルルゥ~」

 

 ――――その隣に眠る山吹色の毛に茶色の鬣をした中型の動物を除いて

 

 

「う~ん、えへへ」

 

 

 

 

 


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