そんなこんなで今回は絵里編の二話です。今回も急ぎ足の中での投稿です。元より駄文な文章が更に駄文に…orz
というか、これって毎回のように言っている気がしますね…
現在3作品(ビビオペ・ガイル・ラブライブ)を同時に書いているので、やっぱり誤字・脱字、文章が雑になっている部分はあると思いますので、後日少しだけ修正が入ります。
最近 人間の時間は24時間以上欲しい なんて思ってしまう。
このままだらだらと長くなってもあれなので、前書きはこれで
5月30日 夜 -18:28-
「以上が当スクールの概要になります。何かご質問はありますか?」
「一つだけよろしいですか?」
「はい、どうぞ」
「この「矢澤プロダクション」っていうのは一体…」
気になっていたのは”矢澤プロダクション”との業務提携にあると書いてあった所だ。さっきの説明だと…受講するコースの説明の時に少し出てきた位だ。
「それはプロのアイドルを目指している人向けのコースですね。後ほど確認しようとは思っていたのですが…有紗ちゃんはプロ志望でしょうか?」
「有紗?」
「う~ん…」
有紗は少し考えているようだった。やっぱり、あんまり将来について考えていないんだろうな~なんて思っていると、部屋のドアの前の辺りにひそひそと動いている影を発見した。
「あの…外に誰かいますけど…」
「はぁ…」
絢瀬さんはため息つき、立ち上がってドアを開く。すると…
「なにしてるの?」
「あはは…」
「すいません…」
「…ごめんなさい」
ドアの向こうの廊下には、三人に制服姿の女の子が部屋に入ってきた。
「音ノ木坂の制服…」
小さな声で呟いた有紗の瞳は、きらきらと輝いている。
「それで…何をしていたの?ドアの前なんかに隠れて…」
絢瀬さんがそう尋ねると、ショートカットのオレンジ色の髪色の女の子が苦笑いで答えた。もし本当に“音ノ木坂学院”の制服なのだとしたら、彼女達は高校生なのかもしれない。
「えっと~…しずくに新しい人が来るって聞いちゃったから気になって…」
しずく と呼ばれたロングヘアーの女の子が頭を下げた。
「すいません絵里さん…」
「だからやめてこうって言ったのに…」
「理華ちゃんだって気になるって言ってたのに~!」
紺色のショートカットの女の子がボソッと呟くと、オレンジ髪の女の子が肩を掴んで必死に訴えている。なんだ、この微笑ましい光景…
「気になると、行動するのは…別の話」
理華 と呼ばれた女の子は、少し顔を赤くしてそっぽを向いた。
「理華ちゃ~ん!」
「はぁ…でもちょうどよかった。彼女達は音ノ木坂学院のスクールアイドルで、プロコースを選択している女の子達よ」
「プロの…アイドル」
絢瀬さんから説明を受けた有紗の瞳は、さっきよりも煌々と輝いている。
「初めまして!私は、支えるに倉って書いて、支倉かさねっていいます!♪」
一番最初に話したオレンジ色のショートカットの女の子 支倉かさね という女の子が、嬉しそうな笑顔で挨拶をしてきた。
「私は桜坂しずくと言います。私達はみんな、音ノ木坂学院の二年生なんですよ。ほら、理華さんも挨拶を」
さっき しずく と呼ばれた女の子だ。なんとなくだが、彼女を言い表すのなら“大和撫子”という言葉がぴったりのような気がする。そして彼女はもう一人の紺色のショートカットの女の子に向かって微笑みかけた。
「…神谷理華、二年生。よろしく…」
少し間をおいて、 神谷 理華 という女の子は恥ずかしそうに俯きながら自己紹介をした。
「もっとちゃんと自己紹介しようよ~!」
「…かさね、くっつかない」
「二人ともはしたないですよ、まったくもう…」
なんというか、目の保養になるな~と思いながら眺めていると、絢瀬さん パンッ と手を叩き、三人の動きがピタッと止まった。
「みんなはこれから練習の時間でしょう?早く行かないと先生怒っちゃうわよ」
「もうそんな時間!?」
腕時計を見ると、針は19:57を刺している。
「先生に怒られる~!」
「危ないですよ、かさねさん!」
「怒られるの…嫌」
そう言い残すと、三人は慌ててドタバタと走っていった。
「まったくもう…」
そういいながらため息をする絢瀬さんの表情は、どこか嬉しそうに見えた。
「そうだ…有紗!せっかくだし見て見たくはない?」
何かを思いついたのか、彼女は有紗に向かって提案してきた。百聞は一見に如かず…ということなのだろうか
「もしかして…いいんですか!」
「ええ、それじゃあ行きましょう」
俺と有紗はダンススクールのレッスンスタジオを見て回ることになり、途中から有紗も支倉かさね達の練習に混じっていた。
~2時間後~
練習を終えた後、必要な書類にサインし、俺と有紗は秋葉原の駅に向かって歩いていた。
「有紗…どうする?」
残っているのは…“プロ”か“アマチュア”コースの選択だけだ。この選択は、どうやら有紗も決めかねているようだった。
「お金…掛かるんですよね?」
「まあ…そうだな」
確かにプロのコースは通常のコースよりもお金がかかるし、絢瀬さん曰く、通常クラスよりも練習内容はハードになっているらしい。
「お金のことは気にしなくていい。有紗はどうしたいかだけ教えて欲しい」
足を止め、有紗は考えて始めた。
「わがまま…言っていいですか?」
「おう」
少し間を空けて、彼女が話しはじめる。時間が時間だけに、表情はよく見えなかった。
「私は…出来るところまでやってみたい。もっと上手くなりたいです」
踊っている時の彼女の表情は、辛そうで、苦しそうだった。でも、常に目を輝かせて、楽しそうに踊っていた。
「…わかった。ただし、途中で やめたい とかは絶対に駄目だからな」
「はい!」
有紗は嬉しそうな声で返事をして、パタパタと駆け足で隣に追いついてきた。
「遅くなってもいけないから…早く帰ろう」
「はい!」
街灯の明かりに照らされ、一瞬見えた有紗の笑顔に…ドキッとしてしまった。
「…まったく」
「どうかしましたか?」
「…いや、なんでもない。それより聞きたかったんだけど…どうして有紗は東京に来たんだ?」
それと、一日ちょっとしか一緒に行動してない俺が言うのもなんだが…どうしてそんなに純粋に育っているんだろうか、姪っ子とはいえ、ちょっと心配だ。
「私が東京に来た理由…ですか。お母さんから聞いていませんか?」
「ん~…聞いてたはずなんだけど、あんまり覚えてない」
「私の父は、あなたのお兄さんなんですよね」
「そうだな、そういや居たな~…兄貴なんて、久しぶりに思い出したよ」
俺とは歳が10歳離れている兄がいた。幼い頃の俺にとってはすごくかっこよくて、憧れだった。
俺が中学生3年生くらいの時だったと思う、既に兄は外国にいて、結婚した。
と母は言っていた。
中学辺りから別の場所に過ごしていたということもあり、俺と兄とは疎遠になっていた。
「はい。でも…私と父は血縁関係はないらしいんです。私は母方の…」
有紗が話しにくそうにしている様子を見ると、大分ややこしい話であることは察することができた。
「…その話は、いつか話してくれればいい。兄貴のことだから、多分「こっちの生活に慣れさせたい」っていうことで送ってきたんだろうし」
「…すいません」
申し訳なさそうに俯く有紗の頭に手を置き、軽く撫でる。
「言いにくい事もあるもんだ」
「お兄さんの手…暖かいです」
触れている掌から伝わってくる温もりと、糸のように細く滑らかな髪の毛の感覚。そして…子供の様な純粋な笑顔に、不覚にも心臓が高鳴った。
「…っ!?」
これは…なかなかやばい。ここまで純粋だと…お兄さん本気で心配になっちゃうぞ…
「…よし、もう帰ろう」
「はい♪」
姪っ子の将来が本気で心配になったが、それだけで俺の一日は終わらなかった。
同日 夜 -11:40―
「はぁ!?」
「だから~結婚相談所に連絡しておいたから、今週中に行っといてね~」
風呂から出て、のんびりとテレビを見て過ごしていると…母親に衝撃的な告白をされたのだ。
「ちょ…ちょっと待ってくれ!母ちゃん!いきなり過ぎて話が…」
「まあまあ、あんたも年齢考えたら…もう焦ってもいい時でしょう。それじゃあお休み~」
「うそだろ!おい!待ってくれ!」
悲痛な俺の叫びは、母親の寝室の扉で完全にシャットアウトされてしまった。
同日 ―同時刻― 絢瀬絵里
「結婚…ねぇ」
電話越しに聞こえてくる親友の言葉に、自分がもう学生のように楽しい事ばかりではないという現実を突きつけられているような気がした。
(うちはそろそろ考えてもいいと思うんやけど?)
「でも…今は正直考えたくないの」
(う~ん…そんなに深く考えんでもええと思うんやけどな~)
「スクールの子たちもいるし、そんなこと考える余裕がないのよ」
(まあまあ、うちの友達に結婚相談所で働いている人がおるんやけど…一回だけ…どうやろか?)
「…希がそこまで言うのなら、考えてみるわ」
(ふふっ…あんまり変な人を紹介しない様に、うちの友達には伝えておくからな~)
「…ありがとう。またね、希」
(おやすみ~)
通話を終了し、真っ黒になった携帯の画面を見つめる。
もう…彼女には見透かされてしまっているのだろうか。高校の頃から、希はこういう所は異様なまでに鋭いのだ。もしかしたら私が鈍いだけなのかもしれないけど…
「学生の時に…彼氏の一人でも作るべきだったのかしら…」
私は音ノ木坂学院を卒業し、大学に入学した。
大学生活にこれと言って何かあったわけでもなく、普通に友達を作って、ごくごく普通の大学生活を送った。
友達から、異性に関する相談も何度か受けていたことはあった。でも、私はただ相談を受けるだけで、これといって行動を起こしたことは無かったし、告白されても「付き合おう」とは考えられなかった。
言い方は悪いが…告白してくれた人の中には、あからさまに「身体目当て」の人もいた。しかし全員がそうと言うわけではなく、本気で私に好意を抱いて告白してくれた人もいた。
でも…私は断った。好意を抱いてくれるのは嬉しかった。だけど…私はその好意に、応えることが出来るのだろうか。
自分の想いを偽って過ごす時間に、なんの価値があるのだろう。
そう考えると…容易に付き合おうとは決断できなかった。もしかしたら…あの時のしわ寄せが、今こうしてやってきているのかもしれない
「…仕事しなくちゃ」
携帯に充電器を差し込み、パソコンを開いて今日入塾してきた女の子の個人情報を打ち込んでいく。
「いまいち想像できないもの」
“有紗” と “亜里沙”
私の大切な妹と、同じ名前の女の子だ。
初めて会った時も、今日少しだけ教えている時も、本当に楽しそうで…ずっと笑顔だった。まるで…あの頃の穂乃果みたいな。
容姿は違っても…本当に純粋で、綺麗なものを見るたびに楽しそうに輝かせる瞳、まっすぐな性格も本当にそっくりだ。
こんなとき…亜里沙だったらどう言ってくれるのだろうか そう思うと、少しだけ手が止まってしまう。
「亜里沙も…上手くやっているといいけど」
故郷のロシアに居る妹の事を思い出しながら、私は再び手を動かした。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
前回の誤字といい、ご指摘ありがとうございました。
今回も間違っていたら、ぜひともご指摘お願いしますm(__)m
最近スクフェスを初めまして、序盤で「あっ…(察し)」となった毛虫二等兵です。
友達に勧められ、キャラの参考のために初めてのですが…音ゲーが致命的なまでに苦手な私にとってはやっぱり難しいもんでした。
今回の話では、塾生としてスクフェスのキャラの「支倉かさね」「桜坂しずく」「神谷 理華」の三人を出してます。
キャラの性格が異なっているかもしれませんが…どこを調べても見当たらず、スクフェスでも出すことが出来ていないキャラなので、ある程度(?)…というか自分に中のイメージで書いている部分が多いかもしれないです。ごめんなさい
あと、気付いた人はいるかと思いますが、「矢澤プロダクション」はにこにーです。はい。
にこ編では、そっち方面の話の予定ですので、そっちの方も見て下さると嬉しいです。
帰宅中の描写だと大分有紗に偏っていますが、そういうわけではなく、表現の練習だったりということで書いていたりしてます。本筋は絵里編ですよ!
長くなりましたが、後書きはこの程度で終えようと思います。
ご意見やご指摘・感想・評価・ネタ提供など、心よりお待ちしております。
わざわざ最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それではノシ