ソードアートオンライン‐快楽主義者の生き方‐ 作:810先輩
結城家にある狂矢専用の部屋。そこで狂矢は着々と面白そうな世界へ飛び立つ準備を進めていた。
「ここをこうして・・・・よっしゃ、できた。こんなんで本当に行けるのか?ソード―アートオンライン」
狂矢のつぶやいた独り言は誰にも聞こえることなくただただ反響した。こんな事を常人が体感すると、寂しさで押しつぶされそうになるかもしれないが、そんな事を気にしないのが狂矢クオリティ。たとえ、今いる部屋が独房の様であったとしても。
「さぁて行きますか。リンクスタート!」
その魔法の言葉は、日本各地で聞けたそうだ。
☓☓☓
キャラの設定をしてください。
機械的なアナウンスが狂矢の耳に響く。
「キャラの設定なぁ。」
そんな事をつぶやきながら設定画面をしたへスクロールさせていく。そこで狂矢の気を引く部分があった。
『現実同期』…これを行うと顔、身長、体重、声が現実と一緒にすることが出来ます。
それがこの現実同期である。
「ふぅーん。ゲームマスターも中々面白いこと考えるじゃん」
狂矢は迷わずそれを選択し、アバターネーム入力画面になった。
「アバターネームは『キョウヤ』と。現実と一緒にしたらその世界を現実見たいに感じれんだろ」
こうして快楽主義者はソード―アートオンラインの住人となった。
☓☓☓
「おいおい。この人の多さは異常だぞ」
今はまだ、正規サービスが始まってから数分しかたっていないにもかかわらず第一層『始まりの街』には普通のオンラインゲームではあり得ない量の人数が集まっていた。それほどこのゲームは期待されていたのだ。
「ここまで期待されてて面白くなけりゃ、『アーガス』を潰そうかね」
「何物騒な発言してんだ?」
「あん?」
話しかけてきたのは、黒が似合いそうな剣士と、いかにも武士と言った感じの剣士だった。その後話を聞くと黒が似合いそうな剣士は『キリト』と言い、武士っぽい剣士は『クライン』と言うらしい。
キリトは、βテスターらしく、それを見破ったクラインが戦い方のレクチャーを頼みこみ狩りに行こうとしたところで俺に話しかけたらしい。
「で、なんで俺に話しかけたんだ?」
「物騒なことをつぶやいてたから聞こえないようにつぶやいたら聞こえちまったんだよ」
「クライン。今度からは気をつけような」
「あーい」
「でだ、キリト」
「なんだ?」
「クラインが迷惑をかけたんだから俺にも戦い方を教えろ」
「まぁ、一人増えようがいまさら変わらないからいいけど…」
「ありがとな」
ここでキョウヤがキリトに頼んだのには二つ理由がある。一つは、βテスタから情報を手に入れこの世界を面白く過ごすため。二つは、キリト自身がおもしろそうなのだ。おもに後ろが理由だが。
「行くぞ。キョウヤ、クライン」
「おぉー」
第一層『始まりの狩り場』
キョウヤ達は、そこで青色の豚型のモンスター『フレンジ―ボア』を狩っていた。キリトの説明後キョウヤはすぐにソードスキルの使い方が分かるようになったがクラインはいまだに手こずっており
「くそう…。全然攻撃が当たらねぇじゃねぇか」
「そんなことはないぞクライン。キョウヤはもう100匹ぐらい狩ってLv3だぞ」
「んなっ、本当か!?」
「…あぁ。コツは初期モーションだ。後は勝手に体が動く」
「何!?やってみるぜ!」
キョウヤは何事もなかったかのようにまた狩り始めるが目だけはいまだにクラインにつきっきりのキリトに視線がいっていた。
(あいつはおもろいこといっこうにおこさねぇな。俺の勘違いか?)
キョウヤの視線に気付いたキリトはキョウヤになぜ見ているか聞こうとしたがクラインがフレンジ―ボアを倒したポリゴン音にかき消された。
「ふぅーやっと倒したぜ」
「おめでとうと言いたいところだが、そいつ他のゲームで言うスライム程度だぞ」
「てっきり俺は中ボス程度だと…」
「それなら百体狩ってる俺はさぞ強いんだろーな」
「う、確かに」
「キリト、クライン。俺は一回落ちるわ」
「急だな。分かった」
俺は落ちるために右手を振り窓を開いて、ログアウトボタンを押そうとしたがなかった。
さすがにあり得ないだろと思い、他のログアウト方法をキリトに聞こうとすると
「冷えたピザなんて粘らない納豆以下だぜ」と、クラインが叫んでいた。
「なぁ。キリトどうしたんだ?」
「ログアウトボタンが無かったんだ。お前もずっと難しい顔で考えていたからなかったんだろ」
俺は、かなりの時間考え込んでいたらしい。
「あぁ、なかった。あの様子じゃ他のログアウト方法もないんだろ」
「あぁ…」
その言葉を聞いて俺は笑みを隠すことが出来なかった。ようやく面白いことが起きたのだ。これが笑わずにはいられない。
「なぁ、キョウヤ?どうしたんだ?笑って?」
「まぁな」
俺がそう答えた瞬間強制転移が行われた。
本日二度目の投稿です。
メインヒロイン募集中。
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