今回も原作に沿った展開となっております。退屈だと思われる方も多いかと……何卒お手柔らかにお願い致します。
さて、いよいよ更新ペースが落ちて参りましたね。伏してお詫び申し上げます。こ、これからは頑張ってペースを早めます故、焼き土下座はご勘弁を……!
では、第九話です。どうぞ。
「このお店のカップって、全部無地だよね?」
──きっかけは、ココアちゃんのそんな発言からだった。
彼女曰く、様々な種類のカップを使えばお客さんに喜んで貰えるのではないか、ということだ。チノちゃんは一理あるといった様子で、リゼも興味が湧いたようだった。
……と、いうわけで今現在。時刻は昼過ぎ。ラビットハウスには、僕とタカヒロさんの二人のみだ。ココアちゃんたち三人は学校から帰るついでに、ティーカップを見に回る手筈になっている。
僕も誘われたのだが、全員が留守にしたままだと店側に損害が出る。タカヒロさんが居るとはいえ、誰か一人くらい残った方がいいだろう──という口上を述べ、渋々ながらも納得して貰った。
……チノちゃんが妙にガッカリしていたように見えたのは、目の錯覚だろう。そうに違いない。
「おや、砂糖が切れそうだね……上白君。悪いけど、街に行って砂糖を調達してくれないかい?」
「砂糖ですか?了解です」
タカヒロさんに言われ、接客を一旦離れて外着に着替える。外出準備を済ませると、更衣室の外でタカヒロさんが待ち構えていた。
「5キロ程度で構わないよ。ああ、お金は余ったら自由に使いなさい。お駄賃さ」
タカヒロさんはそんなことを口にしながら、僕に一枚の紙幣を差し出した。僕はそれを丁重に受け取り、財布の中に仕舞おうとして──動きを止めた。
「……あの」
「なんだい?」
「これに描かれているの、野口じゃなくて樋口なんですけど」
「おや? 諭吉の方が良かったかな?」
「いや、そうじゃなくて!」
この街の、砂糖の相場に関しては全くの無知である。が、流石に砂糖5キロを買うのに五千円札は過剰であるのは理解できる。
ましてや、お釣りをお駄賃と称して渡すには、少々大き過ぎる額だ。
「う、受け取れません!」
「生憎、今それしか持ち合わせがなくてね」
「だったらお釣りはちゃんと返しますって!」
「なら、就任祝いだと思ってくれればいいさ」
「うっ……でも、たまにコーヒーとか奢って貰ってますし……」
受け取りを渋る僕に折れたのか、ついにタカヒロさんは肩を竦めた。
「なら、その分はちゃんと給料から引いておくさ。それで問題ないかい?」
「……まあ、それなら」
出された折衷案に、僕は頷いた。正直なところ、今お金を貰えるのは僕にとって有難い話だからだ。
「いってらっしゃい。あまり急がず、ゆっくりしていくといい」
「有難うございます。じゃあ、いってきます」
今度野菜を買ってうさぎたちと戯れよう──その未来を想像し、顔が綻ぶのを自覚しながら、僕はラビットハウスを後にした。
後日、給料の金額が皆と変わっていない事に気付くのだが、それはまた別のお話。
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言われた通り砂糖を購入し、後は帰路に就くだけ──そんな時、僕は見覚えのある人物と出くわした。
「……あれ? もしかして、シャロちゃん?」
「か、上白さん!?」
背後から声を掛けると、女の子──シャロちゃんは、一瞬ビクリと肩を震わせた後、僕を見て叫んだ。
「そんなに驚かなくても……」
「す、すいません!」
「それと、そんなに畏まらなくてもいいって。年だって大して変わらないんだし」
「いえ、私と一つしか違わないのにあんな凄いことが出来るなんて、十分尊敬できます!」
言動からも解るが、シャロちゃんは僕のサーカスのファンだったりする。ある意味で一番ファンらしい子なのだが、そのせいでずっと敬語が外れないままだ。まあ、リゼと同年齢というのも作用しているのかも知れない。なんか憧れの先輩らしいし。
「お堅いなぁ……まあ、徐々に慣れていけばいいさ。ところで、今学校の帰り?」
「はいっ。これからティーカップ見に行こうとしていたところなんです」
なんと、この子もティーカップを見る腹づもりらしい。偶然とは怖いものだ。
「そうなんだ。僕もご一緒していいかな?」
「もちろんです!」
あわよくば、ココアちゃんたちと遭遇するかもしれない──そんなちょっとした下心もあり、僕はシャロちゃんに同行することにした。
「行きつけのお店があるんですけど、そこのカップが凄く可愛くてですねっ」
「なるほどね。なんだか、シャロちゃんらしい趣味だね?」
「そっ、そんなことないです! 私なんて、家は貧乏だし……」
シャロちゃんは喋り方こそ堅いものの、接する態度は気兼ねの無いものである。
初めて会った時に言っていたが、彼女が決して裕福でないことは知られたくない秘密らしい。だが、僕はその秘密を予め知っている。その為学校で振る舞うソレよりは、幾分肩の力が抜けているのだろう。
「──あ、見つけました。あそこです」
どうやら到着したらしい。シャロちゃんが指を差す先へ目を向ける。
「へえ、いい雰囲気じゃん」
看板に描かれた美麗なティーカップの絵。ガラス越しに、所狭しと並べられた陶器の数々。無駄な装飾を排した、シンプルだが馴染みやすい店先。建物自体は少し老朽化しているが、それも相まって良い雰囲気を醸し出している。
扉を開けると、木造住宅特有の匂いが鼻腔を刺激した。
「あのカップ……ちょっと見てきます!」
シャロちゃんは店内に入った瞬間、お眼鏡にかなう逸品を見つけたのか一目散に駆け出してしまった。
その様子に苦笑しつつ、僕は改めて店内を観察する──。
「────げっ」
「げっ、は失礼じゃないか?」
何故かリゼとチノちゃんが居た。縁って怖い。
「店番はどうしたんだ?」
「砂糖を買いに出たんだよ。それにしても奇遇だね……ココアちゃんは?」
「ココアさんなら、あそこですよ」
チノちゃんが視線を動かす。それを追うと、丁度ココアちゃんが一つのカップに手を伸ばしている様子が窺えた。
「「これなんていいかも……」」
その時、ココアちゃんの手が、同タイミングで手を伸ばしたシャロちゃんの指先に触れた。
見つめ合う両者。その状況を受け、チノちゃんが呟く。
「このシチュエーション……漫画で見たことあります」
「よく恋愛に発展するよな」
「この場合、どちらが攻めなのかな?」
「……上白さん。攻めとは何のことでしょう?」
「それは勿論百合的な展開の事で──」
「チノに変な事を吹き込むんじゃない!」
リゼに怒られた。
「て──天々座先輩!? どうしてここに?」
騒いでいた僕たちに気がついたのか、シャロちゃんが此方を──正確にはリゼを見て驚愕の声を上げている。元々二人が顔見知りなのは聞いているので、予想通りの反応である。
「お、よく見たらシャロじゃん。久しぶりだな……あと、リゼでいいよ。噛むし」
……まあ確かに、天々座は言いにくい。
そんなことを思っていると、チノちゃんが小首を傾げてリゼに問い掛けた。
「知り合いですか?」
「ああ、私の学校の後輩なんだ。ココアたちと同い年だな」
「私と同い年……?」
リゼの言葉に、何故か疑問符を浮かべるココアちゃん。何か問題でもあったのだろうか?
「──リゼちゃんって年上だったの?」
「「「今更!?」」」
僕とリゼ、そしてあのチノちゃんまでもが驚愕していた。ココアちゃん、天然ボケに関しては一流だと思う。
シャロちゃんは困惑した表情で目線を彷徨わせていたが、やがて近くにいた僕へと声を掛ける。
「あの……この人たちは?」
「みんなうちのバイト先の人だよ」
「バイト先──って、上白さんサーカス止めたんですかっ!?」
「いや、兼任してるだけだよ?」
「よ、よかった……」
あからさまに安堵するシャロちゃん。僕たちの会話を見ていたのか、少し目を見開いてリゼが問う。
「なんだ、お前たちこそ知り合いだったのか?」
「私、上白さんのサーカスのファンなんです」
「毎度ご贔屓にどうも」
「……世間は狭いですね」
そこは僕の人脈が広いと評して欲しかった。
「シャロは何かいいもの見つけたのか?」
「いえ、私は見ているだけで十分ですのでっ」
少々慌てたように言葉を返すシャロちゃん。その態度の真の意味は、彼女の家庭事情を存じていなければ理解できないところである。
「この白く滑らかなフォルム……はぁ」
悩ましい吐息を出すシャロちゃん。その様子を観察していたココアちゃんが、一言。
「変わった趣味ですなー」
「え、お前が言う?」
「それをリゼが指摘するのもおかしいと思うよ」
「な、なんだと!? お前だって四六時中うさぎの事しか考えてないクセに!」
「うさぎの事しか考えてない、だって? ──その通りだよ!」
「胸を張って言うことか!?」
うさぎはいつでもどんな時でも僕の正義ですので。
「私もうさぎのことばっかり考えてるよ!」
「さっすがココアちゃん! 解ってるなぁ!」
「えへへー、当然だよ!」
「喫茶店のことも考えて下さい」
「「……」」
チノちゃんの冷静な突っ込みに、僕とココアちゃんは揃って口を閉ざす。
「あの、リゼ先輩」
そんな中、唐突にシャロちゃんがリゼへと喋り掛けた。
「どうした?」
「リゼ先輩と上白さんって、随分仲が良いですけど……お二人はどうやって知り合ったんですか?」
「私と上白?」
「あ! それ私も気になる!」
シャロちゃんの疑問にココアちゃんも触発されたようで、爛々と目を輝かせている。その傍らに立っているチノちゃんも気になるのか、先程からそわそわとした様子だ。
「しかし、特筆するような場面は無かった気がするんだが……」
「うさぎに囲まれてのんびりしてたらリゼが釣れたんだよ」
「み、身も蓋もない言い方をするんじゃない……!」
だって事実だし。
「へえー! やっぱりリゼちゃんもうさぎが好きなんだねっ」
「乙女ですね」
「先輩も、やっぱり可愛いものとか好きなんですね」
「わー、リゼ可愛いなぁー」
口々に褒める(最後の棒読みは僕だ)と、リゼは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「ぐ……! 後で覚えてろよ上白……!」
そんなに赤面したまま涙目で言われても何も怖くない。
しかし、このままだと可哀想なのでそろそろ別の話題に移そう。僕はシャロちゃんに向けて声を掛けた。
「ところで、シャロちゃんはリゼとどうやって出会ったの?」
「私、ですか? 私は暴漢に襲われていたところを、先輩に助けて頂いて……」
「そうなの? かっこいいねー!」
いざ聞いてみると、随分ドラマ性のある出会い方だったようだ。シャロちゃんはリゼに心酔している様子だったが、それなら確かに納得出来る。
「リゼちゃん、暴漢の前に颯爽と現れて『この私が断罪してくれる!』とか言いそうだもんね〜」
「「あー、すごいわかる (ります) 」」
「そんな事一言も言ってないからな!?」
お、リゼからの突っ込みが来た。どうやら立ち直ったようだ。一つ咳払いをして、リゼが口を開く。
「本当はだな。シャロが道端で不良野良うさぎに怯えて──」
「あ、先輩言っちゃダメですっ!」
慌ててシャロちゃんが叫ぶも、時既に遅し──。
「「……」」
ココアちゃんとチノちゃんの生温かい視線がシャロちゃんを襲う。
「そ……そうよ! うさぎが怖いのよっ! 悪い!?」
あ、開き直った。
「シャロちゃん」
僕が声を掛けると、シャロちゃんは救いを求めるように僕の方へ振り向いた。
「大丈夫だよ。人には怖いものの一つや二つあるさ。うさぎが怖くたって、何も恥じる事はない」
僕がそう語り掛けると、シャロちゃんは救世主でも目の当たりにしたかのような表情に変化した。心なしか、周りからの視線も敬意を帯びている。
「か、上白さん……!」
「──だからちょっとそのうさぎの所まで案内して下さい」
「上白さん?」
視線が絶対零度のものへと変化した。
──結局、カップの件はシャロちゃんに相談することになった。
「うーん、うちはコーヒーがメインだからコーヒー用のカップが欲しいんだが」
「えっ、そうなんですか?」
話を聞いていると、どうやらシャロちゃんが主に使用するのは紅茶やハーブティー用の物らしい。ラビットハウスはコーヒー主流なので、運悪く噛み合わなかったみたいだ。
「もしかして、コーヒー苦手?」
ココアちゃんが尋ねると、シャロちゃんはかぶりを振った。
「いや、苦手じゃないんだけど……」
「ないんだけど?」
「カフェインを摂り過ぎるとちょっとテンションがおかしくなって……」
何それ超見てみたい。
「と、ともかく! コーヒーにも合うカップですね!」
「シャロちゃん、これはどう?」
と、ココアちゃんが指差した先には、見るからに豪華絢爛な紋様の入ったティーカップが。
「流石に高いです」
「五万円って、凄いね」
「ま、まあアンティーク物ならこれ以上するわよ。これも結構価値のある品だと思うわ」
「……シャロちゃんって、もしかしなくてもお嬢様なのかな?」
「そんな雰囲気ありますね」
「えっ!?」
なんだかシャロちゃんが、ココアちゃんとチノちゃんに勘違いされて狼狽していた。
ふと横に目を向けると、リゼがやたら真剣な眼差しで先程ココアちゃんが差したカップを見つめている。どうしたのだろうか?
「……これ、昔私が的にして撃ち抜いたやつじゃん」
「「「「──!?」」」」
──今この子、なんて言った?
「り、リゼ。それはちょっと……」
「リゼちゃん、流石にないよ……」
「カップに土下座すべきです」
「先輩、銃刀法違反って知ってます?」
このカップが貴重だと事前に知らされていた分、みんなの反応は氷点下だ。
「い、いや、廃棄処分されかけてたのを貰っただけなんだが……」
「──ブルジョワだ! ここにブルジョワが居るぞ!?」
「わっ、私は普通の女子高生だ!」
「チノちゃん。普通ってなんだっけ?」
「少なくとも、銃とナイフを携帯はしていないと思います」
「先、輩……?」
「ああ、シャロ! そんな変人を見るような目付きで見るんじゃないっ!」
店内にリゼの悲痛な声が響き渡った。
「ところで、シャロちゃんって何処に住んでるの?」
何気なく質問したココアちゃん。
──だが、それに対してシャロちゃんの反応は劇的だった。
「どっ、どどど何処でもいいじゃないっ!?」
どこからどう見ても狼狽えているシャロちゃん。必死に話を誤魔化そうとしている。
しかし──無情にも、その対応が逆にココアちゃんの好奇心を煽ってしまった。
「やっぱりお嬢様が住むような大豪邸なのかな?」
「きっとメイドさんを何人も雇っているんですよ」
「シャロは成績もいいし、立ち振る舞いも優雅だからな」
益々ヒートアップしていくココアちゃんたち。一方で冷や汗を流し、目線を彷徨わせているシャロちゃん。
ふと、目が合った。懇願するような眼差しで視線をぶつけてくるシャロちゃん。僕に救助を要求しているみたいだ。
それに対して、僕は────。
「…………ふぅ」
無言で目を逸らした。
「助けてくれないんですかっ!?」
思わず、といった感じで叫ぶシャロちゃん。世の中はそう甘くないのだ。
「ん? いきなりどうしたんだ、シャロ?」
と、ここでシャロちゃんの叫び声に釣られて、リゼたちが会話を中断する──計画通りである。なんというちょろさ。
「あはは、なんでもないよ。砂糖を届けないといけないから僕はそろそろラビットハウスに戻るけど……皆はどうする?」
話が途切れたこのタイミングで、僕は帰宅の旨を告げる。僕の問いに対し、真っ先にチノちゃんが返答した。
「私たちも帰りましょう」
「えー? カップは買わないの?」
「無地のカップだって趣があっていいですよ。今のままで十分です」
澄まし顔で語るチノちゃんと、渋々納得した様子のココアちゃん。カップの件も決着がついたようだ。
「じゃあ、私たちは行くよ。また学校でな、シャロ」
「え? あ……はい」
シャロちゃんはまだ少し現状を把握し切れていないみたいで、少し呆けている。そんな彼女に、僕はそっと耳打ちした。
「──色々聞かれなくて、良かったね?」
「あ──ありがとうございます!」
僕の意図がようやく伝わったのか、シャロちゃんの表情はみるみるうちに喜色へ染まっていった。
「なに話してるの?」
「何でもないよ。行こうか」
「また変な事を吹き込んだんじゃないだろうな?」
「あははー……変な事って例えば?」
「そ、それは……!」
「リゼさん、顔が紅いです」
他愛もないやり取りをしながら、僕たちはカップ専門店を後にしたのだった。
□□□□□□□□□□
場所は変わって、喫茶店《甘兎庵》前。千夜は、ふらふらと覚束ない足取りで歩いて来たシャロへと声を掛けた。
「あら、お帰りなさい」
「…………はあ」
千夜からの挨拶に、シャロは溜息で返した。
「どうしたの? 随分疲弊してるみたいだけど」
「リゼ先輩に余計なイメージ持たれかけて……」
「あら、ココアちゃんたちに会ったのね!」
途端に顔を綻ばせる千夜。対照的に、憂鬱そうな声でシャロが言った。目線は、甘兎庵の隣にある小ぢんまりとした一軒家へと注がれている。
「……私がこんなボロアパートに住んでるの、絶対内緒よ」
「慎ましやかでいい家だと思うのだけど……」
「良くないわよっ!?」
「そうかしら……でもイメージを持たれ
「上白さんが上手く話を逸らしてくれたの」
「あら、上白君が?」
すると、突然思考に耽り始める千夜。
その様子をシャロが首を傾げて眺めていると、数秒の後に千夜が口を開いた。
「もしかして──惚れちゃった?」
「そ、そそそそそそんなわけないでしょーがっ!!」
驚嘆すべき早さで顔を真っ赤に染め上げ、否定の意を口にするシャロ。千夜は、そんな彼女を聖母の如く優しい笑顔で見つめていた。
「でも随分彼の事を意識してなかった?」
「し、してたけど! それは別の事よ! そもそも上白さんはリゼ先輩とお似合いだしっ」
「上白君とリゼちゃん、確かに仲が良いわよね〜……じゃあ、別の事って?」
「うっ、その……」
シャロは目線を左右に彷徨わせる。やがて、蚊の鳴くような声で言った。
「あんなお兄ちゃんが居たなら、きっと楽しいかな、って……」
「──それは姉の私に対する挑戦状ね!」
「誰が姉かっ!」
シャロは全力で突っ込んだ。
「冗談よ。流石、上白君のサーカスに入り浸りなだけあって、彼の事を気に入ってるのね」
「そうそう、そうなのよ──って、なんであんたがその事を知ってるわけ!?」
「あら、私もファンよ?いつもシャロちゃんの半歩後ろで見守っていたのだけれど……気付かなかったの?」
「声を掛けなさいよ、声を!」
「うさぎに夢中だったのね! お姉ちゃん嬉しいわっ」
「話を聞けーーーーっ!!」
シャロの叫びが、閑静な街の空気を引き裂いたのであった。
シャロちゃん可愛い。(唐突)
読了有難うございます。今回は少し文字数が多めになりましたが、読みにくい等ございませんでしょうか?長くなるにつれ、誤字脱字も比例して増幅するかと思いますが、ご容赦下さい。誤字脱字報告、文法的ミス、違和感のある表現等ございましたらどうぞお気軽に仰って下さい!勿論、普通の感想もお待ちしております!
では今回はこの辺りで。次回お会いできる日を楽しみに致しております。