バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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明久ラブレター事件(後編)

~SIDE IN 明久~

 

Fクラスの皆の嫉妬はまだ続いていた。

僕たちはそれに気づかずにいた。

 

 

 

 

授業が終わり教師が教室を後にすると今から昼休みとなるので

命や楓、雄二、秀吉、ムッツリーニ、光一は屋上で昼を食べるという事で教室を出て行った。

貴浩は少しばかし用事があるので皆とは別行動となるって言ってた。

 

僕は少し遅れてからいく。もらったラブレターを見たいしね。

そして皆の姿が見えなくなった瞬間、僕はクラスメイトに取り囲まれた。

 

明久「え…えっと?みんなどうしたの?」

 

須川「なあ吉井。やっぱ納得いかねえんだよ、お前がラブレターを貰うなんてな」

 

クラスメイトの皆からそういう声が聞こえてくる。

 

明久「えっ!?みんなあきらめたんじゃ……」

 

僕は焦り始める

 

近藤「あれは、織村と羽鳥がいたからできなかっただけだ!」

 

周囲から殺気が膨れ上がる。

 

須川「俺達は気づいたんだよ。あいつらに気づかれなきゃ問題ないってな……」

 

すべて屁理屈だよね。

 

姫路「みなさんやめてくださいっ!」

 

割り込む声は、姫路さんだった。

 

明久「姫路さん、君は味方なんだね? ありがとう」

 

さすが姫路さんだ理解してくれるんだね。

僕は姫路さんを味方と思い手紙を取り出し、席を立とうとすると

 

姫路「いえ、先に私と美波ちゃんとOHANASIをしてからですよ。

   皆さん良いですよね?」

 

明久「え!?」

 

あれ?おかしいな。もしかして・・・・・・

 

姫路「・・・・・・明久君、それが例の手紙ですか?」

 

明久「え?何のことかな?僕は手紙なんて持っていないよ」

 

僕はすぐさまポケットに手紙を隠してとぼけてみた。

そして立ち去ろうとする僕の肩を誰かが掴んでいた。

 

島田「アキ?どこにいくつもり?」

 

げぇ!美波だ

 

明久「な、なにかな?僕はこれから命や雄二たちと昼飯を食べに行くだけよ」

 

僕は美波の腕を振り払い教室から飛び出た 

 

島田「待ちなさいアキ!逃がさないんだから」

 

姫路「明久君にはそんなもの必要ありません。それをこっちに渡して下さいっ!!」

 

須川「ハッ!?ターゲットが逃げたぞ!追うんだっ!」

 

いち早く復帰した須川が叫ぶと、

男子たちは即座に再起動し、雄叫びをあげて追跡をはじめた。

 

『逃がすな! 追撃隊を組織しろ!』

 

『手紙を奪え!』

 

『サーチアンドデェースっ!』

 

姫路「待ってください明久君。OHANASI中ですよ!」

 

島田「待ちなさいアキ!」

 

僕の逃亡劇が始まった。

なんか2年になってから逃げ回る回数が増えたような気が・・・・・・ 

 

 

 

 

 

『G班!そっちに逃げたぞ!』

 

『C斑とF斑もやられたそうだ、敵が1人だとしても甘く見るな!』

 

「「「「了解!!」」」」

 

『隊長!先回りしていたA班とE班との連絡が途絶えました』

 

『なにぃ!?ならB班とH班を回せ』

 

『いたぞ!吉井だ!用具室に逃げ込んだぞ!』

 

団員の1人が僕を発見したようだ。

 

ガララッ!

 

おもむろに扉が開けられる。

 

「へへへ…追い詰めたぞ吉井」

 

「貴様だけ幸せになろうなんて不届きせんばん」

 

「今ならその手紙を引き裂いたあと、紐無しバンジーの刑で済ませてやる。

 わかったら手紙を渡すんだ」

 

今の言葉を聞いて素直に渡すと思っているのだろうか。

 

明久「嫌だね、欲しかったら自力で奪って見れば?」

 

「「「「いい度胸だ!!」」」」

 

挑発に乗って一カ所しかない扉から侵入してくる団員たち。

 

明久「……今だ!!」

 

「「「「ッッ!!?」」」」

 

ふふ、驚いたところでもうおそい。

 

団員の頭上からサッカーゴールのネットがふってくる。

 

「くっ…このネットビショビショに濡れてやがる」

 

「落ち着け!ネットの端に近いほうから脱出して行くんだ!」

 

そんな隙は与えない!

 

明久「バイバイみんな♪」

 

明久はそう言うと、僕は貴浩から貰ったスタンガンを皆に向けて投げつけた。

 

「お、お前たち急いで……」

 

叫び声を上げるが時すでに遅い。無情にも投げられた物体は濡れたネットに着弾した。

 

「「「「ギャアアァァッッ!!」」」」

 

クラスメイトの叫び声が用具室に響き渡る。

 

明久「ふん、人の幸せの邪魔をするからさ」

 

そう言うと明久はその場を後にした。

 

『どこだ?確かにこっちに来たはずだが』

 

『気をつけろ。きっと近くに潜んでいるぞ』

 

『A、C、E、Fに続きG部隊もやられたそうだ。油断はするなよ』

 

明久「人の恋路の邪魔をしようとするからそんな目にあうのさ!」

 

『おのれ吉井!裏切りものめ!』

 

『覚えていろ!お前の幸せを必ずぶち壊す!』

 

 

 

 

 

 

 

その頃、命たちは……

 

命「おそいですね明久君」

 

秀吉「そうじゃな」

 

雄二「何か起きたんだろうな。ムッツリーニわかるか?」

 

康太「・・・・・・・・・朝のラブレターの件で追いかけまわされている」

 

光一「何だと!?」

 

命「明久君は無事なんですか!?」

 

康太「・・・・・・・・今のところは大丈夫」

 

光一「あいつら、今度はもっと痛めつめてやる」

 

楓「落ち着いてください光一君」

 

雄二「さてしょうがないな。明久を助けに行くか」

 

光一「当たり前だ」

 

雄二「秀吉と楓、命はここにいてくれ。ムッツリーニ、光治いくぞ」

 

光一「言われなくてもいくさ」

 

康太「・・・・・・・・(コクン)」

 

 

 

 

 

 

そのころの明久は……

 

「「「「くたばれ吉井ィィ!!」」」」

 

明久「だれがくたばるか!」

 

現在食堂内を逃げ回っていた。

 

明久「くそ、食堂内なら襲ってこないと思ったのに」

 

明久は人が多くいる食堂ならば、

襲ってくることを自重するだろうと予想したが、それは間違いだった。

 

『きゃあ!』

 

『おわあ!』

 

『俺のカレーが!!』

 

周りの人に迷惑かけすぎだ!ごめんなさい、関係のない皆さん。

 

ガッシャーン

 

『ああ!!俺のパフェが!!』

 

ん、なんか聞き覚えのある声が。

 

「なんてことしてくれたんだ!俺のパフェが全部丸々毀れたじゃねーか!!

 週1でしか食べる事ができないんだぞ!!」

 

「「「「ちょ、まっ、ギャアアアァァァ!!」」」」

 

アレ、今のは銀さん?・・・・・・・・・・まあ気のせいだよね

 

明久「ふ~だいぶ片付いたかな……」

 

FFF団の追撃を逃れた僕は現在旧校舎から屋上にあがる階段の前にいた。

 

明久「やっぱりここは屋上に……ッッ殺気!!」

 

殺気を感じ明久が飛びのいた所には、シャーペンなどが付き刺さっていた。

 

明久「やっぱりムッツリーニか」

 

ムッツリーニは再びシャーペンなどを投げつける。

・・・ただしそれは僕ではなく後ろから追ってきていた人たちにあたる

 

康太「・・・・・・早く行け屋上なら安全だ」

 

明久「え!?ムッツリーニ?」

 

康太「・・・・・・・・異端審問会は他人の幸せを許さない。

   だがお前に手を出すと後が怖い(ガクガクブルブル)だからここは俺に任せろ」

 

F「チッ、なら覚悟しろムッツリーニ!!」

 

シュッ

 

相手の目の横をカッターが通過する

 

康太「次は目を狙う……」

 

F「よ、よし、撤退だ」

 

ここにいた追跡部隊はムッツリーニのおかげで何とかしのげたので屋上に向かった。

他のFクラスのメンバーは雄二と光一がやっつけてくれたらしい。

 

秀吉「大変じゃったの明久」

 

命「明久君無事ですか?怪我とかない?」

 

秀吉と命が慰めてくれる。ああ、癒されるよ。この2人は僕の心のオアシスだよ

 

雄二「ところで明久、ラブレターはどうした?」

 

明久「え?もちろんここに……あれ、あれ!あれれ!!ない!ないよ!」

 

まさか逃げ回ってる最中に落とした!嘘初めてもらったラブレターなのに・・・

 

雄二「結局明久は報われない運命なんだな」

 

明久「うう…………(シクシク)」

 

光一「落ち込まないでください明久殿、次がありますよ」

 

明久「……うん」

 

その後僕は命に弁当を分けてもらい昼休みを過ごした

その時命がほっとしていたのは言うまでもないだろう。

 

 


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