バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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誘拐!?

明久「それより早い所皆のところに戻ろうよ」

 

雄二「そうだな。ところで楓や命、姫路や島田は教室にいるのか?」

 

明久「えっ?確認してないけどいるんじゃないの?」

 

いきなりの話題に、明久は少々戸惑う。

俺も雄二の発言に少し戸惑ってしまう。

 

雄二「多分、そろそろ仕掛けて来る筈だと思うんだが……」

 

康太「・・・・・・雄二」

 

教室の前に行くと、ドアの前に立っていたムッツリーニが俺達にに駆け寄る

 

雄二「ムッツリーニか。何かあったのか?」

 

康太「・・・・・・ウェイトレスが連れて行かれた」

 

貴・刀「「なっ!?」」

 

明久「えぇっ!?命達が!?」

 

予想外の事態に、俺と明久、秀吉は驚きの声を上げた。

ムッツリーニが言うには攫われたのは

楓と命、なのは、優子、霧島、島田姉妹、姫路達らしい

 

雄二「やはりな」

 

雄二は今回の事が予想できていたみたいだ

 

明久「ってそんな事より、命達は大丈夫なの!?どこに連れて行かれたの!?

   相手はどんな連中!?」

 

雄二「落ち着け明久、これは予想の範疇だ」

 

明久「えっ?そうなの?」

 

雄二「ああ。もう一度俺達に直接何か仕掛けてくるか、

   あるいはまた喫茶店にちょっかい出してくるか、

   そのどちらかで妨害工作を仕掛けてくると予想できたからな」

 

“俺たちに”という言葉に、明久も秀吉も疑問を持つ。

だが、それよりも今回の事態を解決するのが先と、決定づけた。

 

明久「何だか、随分と物騒な予想をしてたんだね?」

 

刀麻「全くだ。誘拐なんて、流石に洒落じゃ済まないぞ?

   下手すれば警察沙汰だって言うのに」

 

康太「・・・・・・・行先はわかる」

 

と言って、ムッツリーニが取りだしたのはラジオの様な機械。

 

明久「何それ? ラジオみたいに見えるけど?」

 

康太「・・・・・・・盗聴の受信機」

 

耳を疑ったが、まあここは気にしない事に。

これで楓たちの居場所がわかるなら今はそれでいい

 

秀吉「あえて何でもっておるかは聞かないのじゃ」

 

雄二「さて、場所が分かるなら簡単だ。

   かる~くお姫様達を助け出すとするか」

 

貴浩「さて誰を誘拐したのか相手には後悔させてやらないとな」

 

秀吉「そうじゃな。貴浩の言うとおりじゃな」

 

明久「命達に何かあったら、正直召喚大会どころの騒ぎじゃないからね」

 

雄二「・・・・・・それが向こうの目的だろうがな」

 

明久「えっ?」

 

貴浩「少し待っててくれ。荷物を待ってくる」

 

俺は更衣室に行きある物を取りに戻った。

 

秀吉「ところで貴浩よ。何をとりに行ったのじゃ?」

 

貴浩「ムッツリーニからもらったスタンガンを取りにな。

   これで誘拐犯たちをブチのめす!!」

 

秀吉「その時はワシにも貸してくれぬか?」

 

明久「あっ!僕にも貸して」

 

貴浩「もちろんだとも!これで誘拐犯を血祭りにあげよう」

 

雄二「貴浩だけじゃなくまさか明久と秀吉までもが黒いオーラを纏うとはな」

 

刀麻「ああ、少し誘拐犯が気の毒に思えるぞ」

 

こうして俺達は優子たちが誘拐されたというカラオケ店まで向かった。

 

 

 

           ☆

 

 

 

雄二「さて作戦だが、ムッツリーニはタイミングを見て裏から助けてやってくれ」

 

康太「・・・・・・・・・わかった」

 

刀麻「となると、俺達がやる事は1つだな」

 

雄二「ああ。そう言う事だ」

 

貴浩「あいつらに死ぬ程後悔させてやる!!」

 

秀吉「いやいや貴浩よ!後悔させるだけでは生ぬるいのじゃ!!いっそ海に沈めぬか?」

 

明久「それも良いね。コンクリにつめて沈めようよ」

 

雄二「・・・・・・お、お前ら殺すなよ?」

 

貴・秀・明「「「なるべくそうなるといいな?」」」

 

雄二「何故疑問系なんだ!?」

 

 

 

          ☆

 

 

 

『さて、どうする? 坂本と織村と……吉井だったか?

 そいつら、この人質を盾にして呼びだすか?」

 

『待て。吉井ってのは知らないが、坂本と織村は下手に手を出すとマズい。

 坂本は中学自体は、相当鳴らしていたらしいしな』

 

『それに織村って、あの織村だろ?俺たちだけでそんな奴ら、どうやれってんだよ?』

 

『ああ。出来れば、事を構えたくはないんだが……」

 

『気持ちは分かるがそうもいかないだろ? 依頼はその3人を動けなくする事なんだから』

 

ムッツリーニの持っていた受信機からの、音楽に混じって聞こえる会話。

それを聞いて、3人は顔を見合わせる。

 

明久(雄二に貴浩、この連中って)

雄二(黒幕に依頼されたその辺のチンピラじゃないのか?)

貴浩(しかし、俺達を狙ってって・・・・・・)

 

ムッツリーニに案内された先は、文月学園から歩いて5分程のカラオケボックス。

そのパーティールームに連れていかれたらしい。

 

葉月『お、お姉ちゃん・・・・・・』

 

島田『アンタ達! いい加減葉月を離しなさいよ!!』

 

優子『そんな小さな子を人質にするなんて、恥ずかしいと思わないの!?」

 

泣きそうな葉月ちゃんの声と、島田と優子の怒鳴り声が次に響いてきた。

 

『お姉ちゃん、だってさ! かっわいぃー!』

 

その声を聞いて、明久が今にも部屋に入りそうな勢いになる。

 

雄二(待て明久、勝手に行動するな)

刀麻(まずは人質の救出が優先だ。ムッツリーニがうまくやってくれるからそれまで待とう)

明久(……わかったよ)

 

康太『・・・・・・灰皿をお取り換えいたします』

 

『おう。で、このオネーチャンたちどうする?ヤっちゃっていいの?』

 

『だったら俺は、コッチの巨乳チャンがいいなー!』

 

『あっ、ズリー!それなら俺、2番目ね!』

 

『俺はこっちの女がいいな。見た目が病弱そうでいいじゃん!』

 

『それにしても笑えたよな。特にこの黄緑の髪の奴とか散々注意してきたくせに

 軽く一発殴っただけで気絶しちまったんだぜ』

 

『他の奴もそうだったろ、ハハッ』

 

明久のボルテージが上がる中、刀麻と雄二が抑える。

俺とて手に持っているスタンガンをギリッと握りつぶしかねない勢いで握りしめていた。

 

『しかし、まさか似た顔が居るとは思わなかったな』

 

『ああ、木下命だろ?ビックリするほど瓜二つだわ。姉と一緒して可愛いと来たもんだ』

 

命『やっ!触らないで!』

 

優子『ちょっと、やめなさいよ!』

 

楓『やめてください!』

 

『あーもう、うっせェ女だな!』

 

ドン、という突き飛ばした音と、楓の悲鳴。

そのあと、まるで何かがテーブルを巻き込んで倒れたような音。

 

ガチャッ!

 

貴・明・秀「「「おじゃましまーす」」」

 

俺達はそのままドアを開け放ち部屋へ。

 

命「あ、明久君に、秀兄に貴浩君?」

 

島田「アキ……それに、織村も」

 

優子「貴浩君……」

 

楓「兄さん、秀吉君……」

 

不良に腕を掴まれている命と優子、そして倒れたテーブルの近くで尻もちをついている楓。

その突然の出来事に、皆驚いている様子。

 

「はァ?お前ら誰よ?」

 

明久「それでは失礼して……死にくされやぁぁっ!」

 

「ほごあぁぁぁぁっ!」

 

明久は思いきり近づいきた奴の股間をけり上げた。

 

「てっ、てめぇ! ヤスオに何しやがる!」

 

明久「イィッシャァァーー!!」

 

「ごぶぁっ!!」

 

その近くにいたチンピラが明久の顔面を殴り、

そのあと明久がハイキックを顔面に叩き込んだ。

 

明久「テメェら、良くも命たちに手をあげてくれたな!全員ぶち殺してやる!!」

 

「コイツ、吉井って野郎だ!」

 

「どうしてここが!?」

 

「とにかく、来ているならちょうど良い!ぶち殺せ!!」

 

貴・秀「誰をぶち殺すって(じゃと)!?」

 

貴浩「よくも楓を突き飛ばしてくれたな!?工藤にも酷いことしやがって!!

   そしてとっととその汚い手を優子から離しやがれ!!」

 

俺もそう言い放つと優子と命の手を掴んでいる男に向かって殴りつける。

 

秀吉「命、姉上、楓よ無事か!?

   よくもワシの大事な人たちに手をだしおったの!」 

 

殴りかかってきた奴の1人の顔面を秀吉が

俺が持ってきていた棒で思いきり殴りつけた。

 

「げっ!コイツ織村か!?」

 

「なにっ!?こいつがあの文月の『紅き死神』か!?」

 

懐かしいな。

アレは確か昔楓にナンパしてきた男達を殴りなおした時についたんだったな

 

雄二「やれやれ…このアホウ共が、少しは頭を使って行動しろってーーのっ!!」

 

「げぶっ!」

 

雄二「翔子!無事か!?」

 

霧島「・・・うん大丈夫」

 

その傍らで向かって来た相手を壁に叩きつける雄二。

そう言いながら、更に他の奴に拳をたたき込み今度は膝を鳩尾にめり込ませる。

 

「で、出たぞ! 坂本だ!」

 

「坂本まで来ていたのか!」

 

雄二を見て、チンピラが浮足立つ。

 

「坂本よぉ、この女がどうなってもいいのかぁ?」

 

向こうの1人が、なのはを羽交い絞めにしていた。

 

「良いか? 大人しくしていろよ? さもないと、ヒデェ傷を・・・」

 

康太「・・・・・・負うのはお前だ」

 

ビシッ!

 

ビリッ!

 

「あがぁっ!」

 

羽交い絞めにしていた男は、腹を抑えると同時に白目をむいて倒れた。

バイトのフリして先に侵入していたムッツリーニは瞬時に相手に詰め寄り

腹を蹴ったと同時になのはを助け出すと、スタンガンを押し当てたのだ。

 

康太「・・・・・・大丈夫か八神」

 

なのは「あ、ありがとう土屋君」

 

命「明久君っ!」

 

命が腕を広げて駆け寄っていく。

 

明久「命!」

 

「吉井ぃ! ヤスオをよくも!」

 

それに備え明久が腕を広げて構えた所に来たのは、チンピラのパンチだった。

 

刀麻「うわーっ…タイミング悪すぎだろ」

 

「な、何だこいつ? 血の涙流してるぞ……?」

 

鬼気迫る雰囲気で、そのチンピラをしばき始める明久。

 

明久「命ちょっと待ってて!こいつをシバき倒した後でもう一度…」

 

雄二「命に島田に姫路お前らもそこでにじっとしていろ!」

 

明久「雄二!キサマまで僕の邪魔をするのか!?」

 

貴浩「落ち着け明久!この場合しょうがないだろ? 

   刀麻女子を守れよ!そしたらさっきの件は完全に許してやる!!」

 

刀麻「任せろ!必ずやってみせる!」

 

雄二「くははははは! それにしても、ちょうど良いストレス発散の相手が出来たな!

   生まれて来た事を後悔させてやるぜぇぇッ!!」

 

貴浩「そうだな雄二!お前ら覚悟はできてるよなぁ!!

   今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろっ!

   誘拐したことを死ぬ程後悔させてやる!!」

 

刀麻「あーあ、雄二と貴浩の奴完璧キレてやがる。タイミングが悪かったな」

 

明久「確かに霧島さんに追い詰められてるこのタイミングで、雄二とケンカするなんてね」

 

秀吉「それに楓を攫ったのもアウトじゃな。貴浩が許すわけないのじゃ。

   じゃが今回は別に良かろう。命に手を出したのじゃ当たり前の報いじゃ」

 

刀麻「秀吉まで黒いぞ」

 

同情するような言葉だがその中に情はこめられていない。

なぜなら言葉とは裏腹に自分達も今痛めつけている相手に

容赦の念を込めず殴りつけているからである。

 

その後、女子を連れて学園へと戻った。


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