バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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Aクラス戦 4試合目

いつのまにか鉄人に捕まっていたFクラスのメンバーが戻ってきていた。

そして鉄人も監視も兼ねて勝負の行方を見るらしい。

 

高橋「4人目の方どうぞ」

 

康太「・・・・・・・・・(スクッ)」

 

ムッツリーニが立ち上がる。

ムッツリーニは科目選択に保健体育を選ぶだろう。

保健体育だけでムッツリーニは総合科目の点数のうち80%を占めている。

その単発勝負ならAクラスにだって負けはしないだろう

 

工藤「じゃ、僕が行こうかな」

 

Aクラスからは工藤が出てきた。

そういえば工藤の成績ってどうなんだ?

Aクラスだから高いとは思うが・・・・・・

 

愛子「1年の終わりに転入してきた工藤愛子です。よろしくね」

 

俺と目が会うと手を振ってきたので俺も軽く手を振り返した。

 

高橋「教科は何にしますか?」

 

高橋先生が尋ねてくる

 

康太「・・・・・・保健体育」

 

ムッツリーニの唯一にして最強の武器が選択される

 

工藤「土屋君だっけ?随分と保健体育が得意みたいだね?」

 

工藤がムッツリーニに話し掛ける。

 

工藤「でも、僕だってかなり得意なんだよ?……キミとは違って『実技』で、ね♪」

 

康太「・・・・・・・・じ、実技・・・(ブシュー)」

 

貴浩・明久「「ムッツリーーーーニィ!!」」

 

俺と明久は鼻血をだして倒れたムッリーニに駆け寄る。

ってか、工藤ってこう言うキャラだったのか?

 

明久「な、なんてことをするんだ」

 

工藤「そっちのキミ、吉井君だっけ?

   勉強苦手そうだし、保健体育でよかったら僕が教えてあげようか?

   もちろん『実技』でね♪」

 

明久・康太「「・・・・・・・・・(プシュー)」」

 

明久とムッツリーニがかなりの量の鼻血を出して倒れた。

とか言う俺も明久達ほどではないが少しだけ鼻血を出してしまった。

 

ってムッツリーニの鼻血の量はさすがにやばくないか!

 

命「あ、明久君!?」

 

島田「吉井には永遠にそんな機会来ないから保健体育の勉強も要らないわよ!」

 

姫路「そうです!永遠に必要がありません!」

 

と明久の後ろの方から島田さんと姫路さんが反論してきた。

命は鼻血を出している明久に対してどうして良いのかわからず

周りをキョロキョロ見渡していた

 

明久「・・・・・・・・・・」

 

貴浩「…2人とも。明久が死ぬほど哀しそうな顔をしているんだが…」

 

愛子「じゃあ貴浩君が一緒に勉強する?もちろん、『実技』で、ね♪」

 

康太「・・・・・・・・・(プシュー)」

 

次は俺に矛先が向いた。

ムッツリーニは鼻血で再び倒れてしまった。

 

俺がどうするかってそんなの決まっている・・・・・・

 

貴浩「よろしくお願いします!」

 

勢い良く頭を下げお願いしましたよ。

だって俺も男だもの。しょうがない反応だよね

 

楓「・・・・・・兄さん」

 

後ろから呆れられた様な楓の声が聞こえた

 

貴浩「はっ!いや、違うんだ楓。男ならこんな申し出を断れなくてだな」

 

高橋「そろそろ召喚してください」

 

あれだけのハプニングにも関わらず、高橋先生は冷静だった。

 

工藤「はーい。試獣召喚(サモン)っと」

 

康太「・・・・・・試獣召喚(サモン)」

 

ボトボトボトボト・・・・・・。

 

比重の高い液体の落ちる音。ムッツリーニの鼻血だ。

それに気づいた雄二が顔色を変える。

 

雄二「マズイ! ムッツリーニの奴、

   今さっきの発言で軽い貧血を起こしかけてやがる」

 

明久「ええぇーっ!」

 

貴浩「なに!?ムッツリーニ無理するな!棄権するんだ!」

 

康太「・・・・・・大丈夫だ、俺は、まだやれる」

 

拳を握って宣言するムッツリーニ。しかし、力んだ分、鼻血の勢いが増した。

その様子を見て、工藤が笑う。

 

工藤「フフッ、もうフラフラみたいだね? ムッツリーニくん?」

 

康太「・・・・・・俺は、負けない!」

 

不敵な態度の愛子に負けじと、胸を張るムッツリーニ。

だが、その胸元は、すでに鮮血で染めあがっていた。

 

工藤「・・・もう降参したら?」

 

康太「・・・・・・断る!」

 

毅然とした口調。鼻血が無ければさぞかし凛々しく見えるだろうに。

・・・・・・鼻血がなければ。

 

そこで召喚獣の点数が表示された。

 

【保健体育】

 

Aクラス  工藤愛子  VS  土屋康太

      446点      572点

 

 

驚愕するAクラスの面々。確かに、あんな点数は普通目を疑うだろう。

でもまあムッツリーニだしな、仕方ない。この一言で済ませられる

・・・本当に大した奴だと思うよ。

 

工藤「こ、こんなことって・・・!?」

 

康太「・・・・・・工藤愛子。お前では、俺には勝てない」

 

愛子「くっ…!ボ、ボクにだってプライドがあるんだよ!負けられないんだから!!」

 

肩を震わせる工藤と、勝利宣言をするムッツリーニ。

本来なら、ムッツリーニが圧倒的に有利だ。

だが今のムッツリーニは軽い貧血を起こしているから話は変わってくる

 

貴浩「ムッツリーニ棄権するんだ!今は立っているだけでもキツいんだろ」

 

俺はムッツリーニの前に立ち棄権するよう説得する。

 

康太「・・・・・・・大丈夫だ」

 

工藤「・・・ムッツリーニ君」

 

工藤がムッツリーニに話かける。なんか嫌な予感がする・・・

そこで俺は工藤が何かする前に俺はムッツリーニの前に立った。

 

康太「・・・・・・貴様の言う言葉など、聞く気は──」

 

愛子「ボク、今ノーブラだよ」

 

すると、工藤さんは制服のネクタイを取りそれを胸ポケットに入れ

制服の一番上のボタンを開けた

 

ぶぱっ!

 

貴浩「し、しまった!」

 

鼻血を出したムッツリーニを見て驚愕した。

まずい!ムッツリーニの弱点をついてくるとは

 

愛子「あ、あはは!やっぱりムッツリーニ君ってば案外ウブなんだね!!

   悪いけど、この勝負勝たせてもらうよ!!」

 

康太「・・・貴様の、胸など…!!(ブシャアアアァッ)」

 

貴浩「ム、ムッツリーニ!?」

 

俺はすぐにムッツリーニと工藤の間に入り、

ムッツリーニが工藤を見ないようにした。

 

雄二「高橋女史!工藤を止めろ、あれは精神的な攻撃だ!ルール違反だろう!?」

 

高橋「え!?えーとその・・・どうするべきなんでしょう?」

 

さすがの高橋先生も困惑していてストッパーにはなれそうもないな

 

秀吉「しっかりするのじゃムッツリーニ!!」

 

愛子「ボタン開けちゃったりして。あ、もう一つ開けてみようかな♪」

 

康太「・・・っ!!(ドバシャアアアアッ)」

 

F男「「「「「ムッツリーニィィィ!!」」」」」

 

見えていないのに想像だけでこれか。

やばい、鼻血の擬音が人間から出る音じゃなくなってきた!?

これは勝敗どころじゃない、このままだとムッツリーニの命が!!

 

愛子「ごめんね。勝てば官軍って奴だから、

   恨まないでねムッツリーニ君!……あっ」

 

変なテンションから、急に工藤さんの声が素に戻る。

 

ん?なんだ?何かあったのか?

ムッツリーニから工藤のほうへ目を向けると、

工藤が胸ポケットから落ちたネクタイ(制服の一部)を拾おうとしていたところだった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・あれ?待てよ?この状況、やばくない?

 

 

 

今の工藤の状態を思い出してみよう。

彼女は今ノーブラで、制服のボタンを2つ外している状態だ。

元々上着の前は開いており、首元が見えていることから

シャツも着ていないことが判断できる。

 

そして俺の状態は?

 

ムッツリーニを少し下がらせ工藤を直に見せないように

ムッツリーニと工藤さんの前に立っている

 

そこで彼女が、前かがみになったらどうなる?

気づいた俺だったがもう遅かった。

 

前かがみになりながらこちらを向いて『?』という顔をしている工藤。

 

そしてその胸元から僅かにのぞいた隙間から、

 

 

 

 

 

生のおっ○い

 

 

 

 

 

ブシュー!

 

 

今度は俺が鼻血を噴出し倒れた。

 

明久・雄二「「貴浩!?」」

 

今度はいきなり倒れた俺を心配して明久と雄二が近づいてくる。

 

明久「どうしたんだの貴浩。いきなり倒れて」

 

貴浩「・・・・・・あ、明久、雄二」

 

雄二「どうした?何が起きたんだ!?」

 

どうやら俺以外には見えなかったそうだ。

工藤も何が起きたかわからないと『?』を出していた

そこで優子が気が付いたみたいで

 

優子「あ、愛子!?その制服!」

 

工藤「え?」

 

そこで工藤も気づいたみたいで慌ててボタンを閉じた。

雄二もその行動でで気づいたみたいだ

 

雄二「まさか、お、お前…」

 

貴浩「……り、理想郷は実在したんだな…」

 

明久「理想郷?雄二、何の事かわかる?」

 

明久は気づいてないみたいだ

 

雄二「・・・まあな……工藤は今さっきネクタイを拾おうとしたよな。

   で工藤はノーブラと言ってたよな」

 

明久「そうだね」

 

雄二「その時工藤は前かがみになったよな。その時の工藤の制服はどうなっていた?

   でその時、貴浩はどこにいた?」

 

明久「えっと、工藤さんはボタンを2つ外してて貴浩は……ま、まさか」

 

雄二「そのまさかだ。コイツは工藤の胸を生で見てしまったんだよ」

 

雄二がそう言うと工藤さんの顔が茹で上がったみたいに真っ赤になった。

明久も同じように顔が赤くなった。

 

・・・・・・そして問題が起きた。

その話をしていたのがムッツリーニの近くで話していたことだ。

そんな話を聞いていたムッツリーニは普通の人より想像力がある男だ。

どうなるかなんて簡単だ。

 

 

ぶぱっ

 

 

鼻血を噴出した。

 

「「「「「ムッツリーニぃいいいいいい!!?」」」」」

 

鼻血を噴出したムッリーニはまだ意識があるようだ。

だが、もう立ってはいられない様だ。

俺は鼻血を拭き明久の肩を借りて立ち上がり明久と雄二を見て目線で会話した。

おそらく俺の意図がわかったように雄二はムッツリーニを抱え

 

雄二「高橋先生。4戦目は棄権します」

 

と宣言した。

もうムッツリーニも限界に見えるからだ。

これ以上は本当に命が危ないと雄二と明久と共に判断したからだ。

ムッツリーニはまだやれると言わんばかりにこちらを見ていたが

無理やり雄二に担がれて下がらせた。

 

高橋「わ、わかりました。勝者Aクラス」

 

俺もすぐムッツリーニのところに駆け寄り手伝いをした。

ムッツリーニが輸血パックを大量に持っていたので大事には至らなかった。

何故そんなものを持っているのかは気にしないでおくが・・・・・・

ムッツリーニは今は奥のほうで眠っている。

命には問題ないようだ。

 

 

F「坂本!頼む、奴の敵を討ってくれ!」

 

F「俺の購入予定の写真の敵も!」

 

F「俺なんて抱き枕買ってたんだぞ!?それをAクラスの連中・・・許せねぇ!!」

 

「「「「俺達が消えちまった奴等にできるのは、

    Aクラスの設備を手に入れることだけだ!!」」」」

 

うわぁ・・・こいつら最低だな。Fクラスではムッリーニは死んだ扱いになってるな。

ちゃんとムッツリーニは生きてるし少しは心配しろよ。

ムッツリーニが不憫に思えた

 

 

工藤「…な、なんかボクが悪いみたいになってるけど

   …ボクだって、そ、その…貴浩君に見られたんだから(ボソッ)」

 

そして工藤がうつむいて顔を赤らめながらそんなことを呟いているのが聞こえた。

それを優子やなのはが励ましているようだ。

 

やばい、可愛いな。

 

さっきの生チチの威力も凄かったがこれもかなりの破壊力だ。

 

ひとまずデジカメで写真とっておこう

そして俺はカメラを取り出し工藤さんの顔を撮ったのだった。

 

 

 

ってか、俺事故とはいえ生チチを見たんだし謝らないといけないな

 

・・・というか謝るタイミング逃しちゃったしな。

 

後で謝るとしよう・・・・・・うんそうしよう。

 

 

そうして4戦目はこちらの棄権によりAクラスの勝利になった


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