バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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Aクラス戦 1試合目

高橋「では、両名共準備は良いですか?」

 

今日はここ数日、戦争で何度もお世話になっている

Aクラス担任かつ学年主任の高橋先生が立会人を務める。

 

雄二「ああ」

 

霧島「・・・・・・問題ない」

 

一騎討ちの会場はAクラス。

こちらの方が広いし、廃屋のFクラスでは締まらないからな

 

高橋「それでは1人目どうぞ」

 

優子「あたしから行くわよ!」

 

向こうは秀吉と命の姉の木下優子。

 

対するこちらは

 

秀吉「ワシがやろう」

 

その弟の秀吉だ。さてどういう戦いになるかな

 

優子「ところでさ、秀吉」

 

秀吉「なんじゃ?姉上」

 

優子「Cクラスの小山さんって知ってる」

 

秀吉「はて誰じゃ?」

 

ん?Cクラスの小山さんってこの前秀吉が……

 

優子「じゃあいいや。その代わり、ちょっとこっちに来てくれる?」

 

秀吉「うん?ワシを廊下に連れ出してどうするんじゃ姉上?」

 

秀吉が廊下につれてかれる。

何か嫌な予感がしたので、楓を手招きして呼び廊下に近づいて行くと

 

秀吉「姉上、勝負は・・・・・・どうしてワシの腕を掴む?」

 

優子「アンタ、Cクラスで何してくれたのかしら?

   どうしてアタシがCクラスの人達を豚呼ばわりしている事になっているのかなぁ?」

 

廊下から2人の話し声が聞こえる

 

秀吉「はっはっは。それはじゃな、姉上の本性をワシなりに推測して……

   あ、姉上っ!ちがっ……その関節はそっちには曲がらなっ…!」

 

 

 

ガラガラガラ

 

 

 

扉を開けて優子が戻ってくる。

 

優子「秀吉は急用ができたから帰るって」

 

この時俺はガタガタと震えていた。

 

それは、1年の時少し命をからかい過ぎて涙目にさせてしまった所を

優子に見つかり関節と言う関節を曲げられたからだ。

 

今でもあの時の事を覚えている・・・

 

ちなみにではあるが貴浩は優子が腐女子であることは知らない。

知っているのは学園では家族である秀吉と命あと楓の3名だけである。

楓は去年から命と交友があり木下家に訪れたことがあり、その時偶々知ってしまったのである。

 

優子「まったく秀吉も演劇なんて遊びばっかりしないで勉強していれば

   成績だってもう少し上がったでしょうに。

   演劇なんてくだらないことばかりしているから」

 

 

プチッ

 

 

あれぇ?今どこかで血管が切れる音がしたような気が……

俺は恐る恐る後ろを振り返ると俺の後ろには……

 

優子「さて秀吉の代わりの人出してくれる?」

 

雄二「い、いや・・・。こちらの不戦p『待ってください』いで…?」

 

楓「私が秀吉君の代わりに出ます!」

 

俺の後ろには笑顔なのに目が笑ってない楓さんがいらっしゃった…

もしかして怒っていらっしゃる?・・・・・・

 

雄二「ま、待て。楓には……」

 

楓「良いですよね。坂本君?」

 

雄二の台詞途中に目線で「私がやる」といわんばかりに雄二を見ていた

 

雄二「・・・・・・ああ。任せる」

 

雄二は楓に反論する事ができず試合に出る事を認めた。

俺はこの時に廊下で倒れている秀吉を抱えAクラスに戻った

 

優子「楓が相手ね」

 

楓「優子さん。今さっきあ演劇の事をくだらないとか言いませんでした?」

 

優子「ええ、言ったけど。それが何か?」

 

楓「秀吉君に謝ってください。

  確かにCクラスのことで秀吉君はやりすぎたかも知れませんが

  それでなんで演劇の事まで侮辱されないといけないんですか!?」

 

優子「え?」

 

優子が楓の行動に驚いているようだ。

俺も正直驚いている。楓がここまで怒ることなんて滅多にないからだ。

 

するとそこで気絶していた秀吉が目を覚ました。・・・・・・復活がはやいな

 

楓「私もですが秀吉君は演劇に力をいれて頑張っています。

  将来も演劇の俳優になるという夢を私に教えてくれました。

  夢のために頑張ってる人を馬鹿にするのはたとえ優子さんでも許しません」

 

優子「許さないって、じゃあどうするの?」

 

楓「先ほども言いましたが秀吉君に謝って下さい」

 

優子「い、嫌よ。何で私がアイツに」

 

楓「それは優子さんが秀吉君の夢を馬鹿にしたからです。

  私は秀吉君の演技に憧れています。

  そして私も将来は演劇に関わる仕事に就きたいと思っています。

  では、逆に聞きますが優子さんは何か夢を持って勉学に挑んでいるんですか。

  夢を持たない人が夢に向かって努力している人を馬鹿にしないでください!」

 

優子「うっ・・・」

 

そこで優子は詰まった。

俺は楓がここまで怒るのを久しぶりに見たし、

初めて楓の夢についても知った

 

楓「だから、優子さんに勝って秀吉君に謝ってもらいます」

 

優子「わ、わかったわ。楓が勝ったら謝るわよ」

 

高橋「教科は何にしますか?」

 

優子「総合科目でお願いします」

 

楓・優子『試獣召喚(サモン)!』

 

 

【総合科目】

 

Aクラス  木下優子    VS   織村楓

      3641点        3946点

 

 

優子「え?」

 

F「点数高いな!」

 

A「学年次席レベルの点数じゃないか」

 

楓「優子さん行きます『剛烈』ッ!」  

 

楓の召喚獣は優子の召喚獣に狙いをさだめ強烈な一発を放つ。

優子の召喚獣はランスで矢を弾こうとするが矢の勢いが強く

反らすだけで精一杯で矢は肩に命中した。

あたった分点数が下がる。

 

木下優子  3221点

 

楓「まだです『五月雨』!」

 

再び優子の召喚獣に狙いを定め今度は複数の矢を同時に放った。

矢の範囲が広く逃げ出せないとわかると優子は目の前の矢を弾いていったが

矢が多すぎて何発かが命中する

 

 

木下優子  2686点

 

優子「クッ。今度はこちらの番よ」

 

すると優子の召喚獣はランスを楓の召喚獣に向けて突進してくる。

楓は牽制に矢を何発か放ちあたるがが優子の召喚獣の勢いは止まらず

楓の召喚獣の横腹に掠ってしまった

 

木下優子  2254点

織村楓   3423点

 

楓「まだです」

 

楓は優子の召喚獣から距離を取り矢を放つ。

優子も矢の攻撃を食らいながらも致命傷は避け楓に攻撃を入れていく

それが何度も続いていき

 

木下優子  854点

織村楓   2180点

 

優子の召喚獣が楓の召喚獣にランスを振り上げた

 

優子「これで!!」

 

楓「ま、まだです」

 

楓は間一髪避ける。

すると優子の召喚獣が先ほどの攻撃がよけられてしまい体勢を崩した。

 

楓「そこです。凄いのいきますよ『ワイルドギース』!!」

 

楓の召喚獣が至近距離で楓の召喚獣の持つ弓の技で最強の一撃を食らわせる。

 

そこで決着がついた。

 

【総合科目】

 

Aクラス  木下優子    VS   織村楓

        0点         2030点

 

 

高橋「勝者Fクラス」

 

F「「「「「うぉおおおお」」」」」

 

こうして楓の活躍により先に1勝を獲得した。

 

楓「私の勝ちです。約束どおり秀吉君に謝ってください」

 

優子「わかっているわ……秀吉、ごめんなさいねあなたの夢を馬鹿にしてしまって」

 

優子はそう言うと秀吉に頭を下げた

 

秀吉「い、いいのじゃよ姉上。今回の事はワシにも非があるからの。

   今回の事はお互い水を流そうではないか」

 

優子「ありがとうね。楓もごめんなさいね。

   まだ夢を持っていないあたしが夢に向かって頑張っている人を

   馬鹿にするなんていけなかったわね」

 

楓「い、いえ。わかってくれたなら良いんですよ・・・」

 

とその後も3人は話しているようで

俺が入る隙間が無かったので次の戦いに集中する事にした。

 


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