バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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Aクラス戦前 嫉妬

Bクラスとの戦争から3日後の朝──

 

いよいよAクラス戦を残すのみとなった俺たちは、

もうじきお別れになる予定のFクラスで最後の作戦の説明を受けていた。

 

雄二「まず皆に礼を言いたい。不可能だと言われていたのにも拘らず

   ここまで来れたのは他でもない皆の協力があってのことだ感謝している」

 

明久「ゆ、雄二どうしたの?らしくないよ?」

 

明久の言う通りだ。気味が悪いぞ。どういうことだ?

 

雄二「ああ、自分でもそう思う。だがこれは偽らざる俺の気持ちだ」

 

やっぱり気味が悪いな

 

雄二「ここまで来た以上絶対Aクラスにも勝ちたい……

   勝って生き残るには勉強が全てじゃない現実を教師どもに突きつけるんだ!!」

 

「「「おおーーッ!!」」」

 

F「そうだぁーーッ!!」

 

F「勉強だけじゃねぇんだーーッ!!」

 

最後に勝負に皆の気持ちが1つになっている。そんな気がした。

 

雄二「皆ありがとう。そして残るAクラスだが……

   これは一騎討ちで決着をつけたいと考えている」

 

F「どういうことだ?」

 

F「誰と誰が一騎討ちするんだ?」

 

F「それで本当に勝てんのか?」

 

雄二が教卓を叩いて黙らせる

 

雄二「落ち着いてくれ。それを今から説明する。一騎討ちをやるのは俺と翔子だ」

 

明久「馬鹿の雄二が学年主席の霧島さんに勝てるわけがな──」

 

シュッ

 

明久の顔のすぐ横をカッターが通り過ぎ畳に刺さっていた

 

雄二「次は耳だ」

 

明久を狙ってやったみたいだな

 

雄二「まあ明久の言うとおり確かに翔子は強い。

   まともにやりあえば勝ち目は無いかもしれない。

   だがそれはDクラス戦やBクラス戦も同じだったろ?

   まともにやりあえば俺たちに勝ち目はなかった」

 

確かにそうだな。

最初は勝てないと思っていた戦争を勝利に導いてきた雄二の言葉だ。

それを否定する人間はこのクラスにはいない

 

雄二「俺を信じてくれ。過去に神童とまで言われた力を、今皆に見せてやる」

 

「「「おおおぉーーーっ!!」」」

 

今Fクラス全員が雄二を信じている

 

雄二「具体的なやり方だが、一騎打ちではフィールドを限定するつもりだ」

 

秀吉「フィールド?何の教科でやるつもりじゃ?」

 

雄二「日本史だ。ただし内容を限定する。

   レベルは小学生程度方式の百点満点の上限あり。

   召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負となる」

 

小学生程度の満点ありだって?

それだと満点前提の勝負だから集中力が先に切れた方が負けになるな

 

明久「でも同点だったら延長戦だよ?

   そうなるとブランクのある雄二には厳しくない?」

 

雄二「おいおいあまり俺を舐めるなよ。

   いくらなんでもそこまで運に頼り切ったやり方を作戦と言うものか」

 

貴浩「どういうことだ?」

 

雄二「アイツなら集中なんかしなくてもこの程度のレベルのテストなら

   何の問題も無く満点をとるだろう。俺がこのやり方をとった理由は1つ。

   『ある問題』がでればアイツは確実に間違えるからだ」

 

なんだ?ある問題って?

 

雄二「その問題は『大化の改心』だ」

 

貴浩「小学生レベルとなると何年に起きたとかか?」

 

雄二「そうだ。その年号を問う問題が出たら俺たちの勝ちだ。

   大化の改心が起きたのは645年。

   こんな簡単な問題だって明久ですら間違えない」

 

明久「そうだよ。雄二そんな問題なら僕だって間違えないよ」

 

雄二「だが翔子は間違えるこれは確実だ。

   そうすれば俺達は勝って晴れてこの教室とおさらばって寸法だ」

 

姫路「あの坂本君」

 

雄二「ん?なんだ姫路」

 

姫路「霧島さんとはその・・・仲が良いんですか?」

 

そういえばさっきから名前で呼んでたりしたな

 

雄二「ああアイツとは幼馴染だ」

 

明久「総員狙えぇっ!!」

 

雄二「なっ!?なぜ明久の号令で皆が急に上履きを構える!?

   それに貴浩までどうした!?なんで明久たち側にいる!?」

 

明久「黙れ男の敵!!」

 

貴浩「そうだ!霧島と幼馴染だとなんて羨ましい!!

   俺の幼馴染はこの馬鹿なんだぞ!!」

 

俺だって男だ。幼馴染は女の子が良かったよ(泣)

 

明久「Aクラスの前にキサマを殺す!」

 

雄二「俺が一体何をしたと!?」

 

貴浩「遺言はそれだけか?」

 

明久「待つんだ須川君靴下はまだ早い、それは押さえつけた後に口に押し込むものだ」

 

須川「了解です。隊長」

 

我らが仇敵め。Fクラスの男子高校生44人分の靴下をとくと味わうがいい。

……俺だって女の子の幼馴染が欲しかったよ。

そしたら、フラグが立つじゃないか!

 

姫路「あの、吉井君」

 

明久「ん?なに、姫路さん」

 

姫路「吉井君は霧島さんが好みなんですか?」

 

明久「そりゃ、まぁ。美人だし」

 

そうだな。霧島さんは学園内でも上位の美しさだろうしな。

まぁ妹の楓の方が綺麗だがな!!

 

明久「え?なんで姫路さんは僕に向かって攻撃態勢を取るの?

   それと島田さんも僕に向かって教卓なんて物を投げようとしているの!?」

 

・・・なんか最近姫路が壊れてきたな。

命は床に手をついて落ち込んでるし・・・

 

秀吉「まあまあ。落ち着くのじゃ皆の衆」

 

パンパンと手を叩いて場を取り持つ秀吉

 

明久「む。秀吉は雄二が憎くないの?」

 

秀吉「冷静になって考えてみるが良い。相手は霧島翔子じゃぞ?

   男である雄二に興味があるとは思えんじゃろうが」

 

え?なんで?

 

秀吉「むしろ、興味があるとすれば・・・」

 

明久「・・・そうだね」

 

明久達の目線が女子(島田以外)に集まる

 

姫路「な、なんですか?」

 

楓「どうかしましたか?」

 

まさか、霧島が同姓愛かなにかと思ってるのか?

雄二の幼馴染で名前で呼んでるんだぞ。

おそらくフラグが立ってるに決まっているだろうよ!

 

雄二「とにかくっ俺と翔子は幼馴染で小さい頃間違えて嘘を教えていたんだ。

   アイツは一度教えた事は忘れない。だから今学年トップの座にいる」

 

それって凄くないか。

一度教えた事は忘れないって…普通にやったら絶対勝てないだろソレ

 

雄二「俺はそれを利用してアイツに勝つ。

   そしたら俺達の机は『システムデスクだ!』」

 


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