~試験日当日~
カリカリ…
シャーペンが踊る音を奏でる。
7月下旬。
高校生になり初めてのテスト真っ最中。
ここ文月学園は中間試験が無く期末試験しかないのだ。
出そうなところをかなり絞って勉強したからな。
おっ! この問題もやったな・・・まあこの調子ならそこそこの点数を取れるかもしれないな・・・
カリカリカリカリ
まぁ、これならなんとかか?
一応見直ししておかないとな・・・・・・名前の書き忘れなんてしないようにしないとな・・・
☆
「「「………」」」
~テスト終了後~
俺の目の前には真っ白になった明久、秀吉、ムッツリーニの3人の姿があった。
貴浩「テスト…ダメだったのか?」
明久「…うん」
康太「………さっばり」
秀吉「…殆ど答えられなかったのじゃ…」
貴浩「・・・・・・・・・まあ、予想通りって言えば予想通りか・・・」
「「「……」」」
その一言を答え気力を尽くしてしまったかの様に再び黙り込む。
貴浩「そういえば雄二はテストどうだったんだ?」
俺の隣で呆れながら3人を眺めていた雄二に聞いてみた。
雄二「ん? 俺か? まあコイツらほど悪くねぇだろうな・・・お前は?」
貴浩「俺は数学は自信あるな。昔から理系科目は得意なんだよな。
まあ後はテストが帰ってきてからのお楽しみだな」
雄二「そうだな。その時のコイツらの表情が楽しみだ」
貴浩「悪趣味だな雄二・・・だが、それは俺もだ!」
~テスト返却日~
教師から名前を呼ばれ次々とテストが返ってくる。
教師「織村」
俺の番までやってきていたので俺はテストを取りに行く。
結果は
国語:72点 数学:100点 英語:30点
社会:63点 理科86点
総合点数:351点
数学と理科はよくできたな・・・・・・やはり英語が悪いな・・・ま、いっか・・・
俺がテストの点数を見ているといつのまにかに明久が呼ばれたいた。
教師「吉井」
明久「ハヒィ!」
声裏返ってるぞ・・・明久は緊張してなのか手と足が一緒にでるという動作で教師の元に向かう。
そしてテストを貰い…
明久「……」
真っ白になった。
何点だったんだ? まさか赤点なのか?
ゆっくりした足取りで席に戻り席に倒れ伏した。
周りを見てみると明久だけでなく秀吉やムッツリーニ、他数名も同じように机に倒れ伏していた。
☆
貴浩「で、どうだった点数は? 俺は総合で351点だったぞ」
雄二「お、すげぇじゃねぇか! 7割ってんじゃねぇか。
俺は303点だったぞ」
貴浩「雄二も6割いってるじゃん。
・・・・・・・・・で、そこで3人はどうだったんだ・・・?」
雄二「聞かなくても分かるけどな……」
貴浩「まぁな…………」
俺達が聞かなくても点数は悪かったらしい
・・・そして3人には追試が言い渡されたそうだ。
明久「・・・・・・追試になっちゃったね・・・」
秀吉「・・・仕方があるまい。赤点を取ってしまったからのう。
高校にあがって勉強のレベルがあがったのう・・・」
康太「・・・・・・追試を頑張るしかない」
明久「はぁ~追試か・・・・・・」
ハァ~と3人が一斉に溜息を吐く。
貴浩「大丈夫だろ。今回は勉強の仕方が悪かっただけだろ?」
雄二「まあ、追試なんて頑張れば余裕だろ。問題もそこまでかわらないはずだしな」
貴浩「そうだな。頑張れば追試なんて余裕だろ」
俺と雄二が追試組を励ましてた。
「「「まあ勉強は全くしてなかったけど(せんかったがのう)…」」」
貴浩「励ましの言葉返せ!」
俺達の激励を自業自得な理由で返してきた。
……………
貴浩「何で勉強しなかったんだ?」
秀吉「いや~…しようと思ったんじゃが…
途中で息抜きで演劇の台本を見ておったらいつの間にかに時間が過ぎておってのう・・・」
明久「あ~それはあるよね。部屋の掃除はかどったりするよね」
康太「・・・・・・・・・息抜きにデータの整理をしていたらキリがつかなかった」
明久「僕は息抜きにゲームしてて気づいたら朝だったんだ」
貴浩「……お前らは……」
もう3人の発言には呆れるしかなかった。
貴浩「ならさっさと帰って勉強しろ」
雄二「それで、追試はいつなんだ?」
明久「ん~とねぇ、1週間後」
貴浩「1週間後か…」
明久「1週間もあれば、大丈夫だよね」
秀吉「うむ、1週間もあれば大丈夫じゃろうな」
雄二「・・・・・・1週間しかないが正しいんだが?」
貴浩「まぁ・・・困った時は言ってくれれば助けてやるよ。
まぁまじめにやってればだが……」
でも、頑張るとか言っときながら勉強しないタイプの人間だろう・・・