バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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最終回と糸口と反撃開始

雄二「っしゃー!しまっていくぞー!」

 

「「「うおぉおおー!」」」

 

ピッチャーは明久、キャッチャーは雄二、そして俺はサードに入る。

相手は先ほどジュディス先生の代わりに出場する船越先生からだ。

 

雄二≪外角 高め ストレート≫

 

雄二の指示どおり明久がボールを投げる。

草野球レベルのピッチングとはいえ、

運動不足の先生たちに打たれるほどおれたちのは柔ではない。

 

『バッターアウト! チェンジ!』

 

そして3つアウトをとり交代となる。

さすがに烏丸先生にはヒットを打たれたが他の3人を三振に打ち取った。

 

秀吉「鉄人や鈴村先生たちが相手でなくて助かったの」

 

貴浩「ああ、烏丸先生に打たれた時はヒヤッとしたがな」

 

明久「ジュディス先生が借り物競争に向かってくれて助かったね」

 

貴浩「あの先生のことだから何となく俺たちの策をわかってて行ったぽい気がするけどな」

 

雄二「とりあえず結果オーライだ。

   さて・・・・・・残すところは俺たちの攻撃だけとなった」

 

現在の状況は相変わらず、0対3で、今は最終回。

俺たちに残されたのはたった1回の攻撃チャンスだ。

 

雄二「3点取って追いついてもダメだ。

   ここで逆転できなきゃ、俺たちは負ける。延長戦になったら勝ち目はねぇ」

 

延長戦になったら借り物競争で出て行った先生たちも戻ってくる。

そしたらまた、点数を使った競技に戻ってしまう。

そうなれば俺たちの勝利は無くなるだろう。

 

雄二「この一回が、俺たちの正念場だ。何が何でも4点もぎ取れ。いいか絶対勝つぞ」

 

「「「おうっ!」」」

 

皆の気合は充分だ。打順は4番の俺からか・・・先生たちの守備位置は・・・・・・

 

 ピッチャー  大島武

 キャッチャー 西村宗一

 ファースト  スタン・デュナメス

 セカンド   烏丸真紅朗(レイブン)    

 サード    布施文博

 ショート   鈴村瀬名

 センター   寺井伸介 

 レフト    船越照子

 ライト    高橋洋子  

   

ジュディス先生の代わりに船越先生が入り、寺井先生と、

スタン先生と布施先生がポジション交代か。

 

さて、勝つための糸口は見えた。

あとは前に進むだけだな。

 

明久「確か貴浩からだよね」

 

貴浩「ああ、塁に出るから繋げてくれよ」

 

俺はバットを担いで打席に向かった。

 

西村「やってくれたな織村。まかかこのような手を使うとはな」

 

貴浩「まぁいいじゃないですか。例年通りならこういう形だったんですし。

   それに負けられない理由ができましたので」

 

西村「そこまでして没収されたものを取り返したいのか」

 

貴浩「まあ、そうですね。自分は正直どっちでも良いですけど・・・

   ある友達の物だけは取り返したいんですよ」

 

西村「ふむ・・・そうか。なら俺たちに勝って取り戻すんだな」

 

貴浩「言われなくても勝って取り戻しますよ」

 

『プレイ』

 

雄二『キャッチャーは鉄人のままか。クロスプレーを警戒してやがるな』

 

明久『まぁ仕返しがどうのって騒いでたからね』

 

正直鉄人がキャッチャーでありがたい、

鉄人がピッチャーをやったら打てるかどうかわからないからな。

 

大島先生が一球目を振りかぶり、景気よくその腕を振り下ろす。

ボールはうねりを上げて、キャッチャー目掛けて飛んでくる。

 

『ストライク』

 

俺はまず一球目を見逃した。

やはり体育教師だけあって球が速い。

だけどこの速さなら打てないことはない。

 

大島先生はキャッチャーからボールを受け取り2球目を投げてくる。

球は外角高めに投げられる。

 

俺はある方向に打つようにバットを振った──

 

カッキーン!

 

振ったバットにボールがあたりライト方向に飛んでいく。

俺は打ったと同時に全力で走り出す。

 

西村「高橋先生ッ!」

 

鉄人がライトの守備をしている高橋先生に声をかける。

高橋先生はぎこちない動きながらボールを追っていく。

そして、ボールはライトフェンスに直撃し、転がっていく。

高橋先生が転がっていくボールを捕球した時には、すでに俺は二塁到着間際だった。

 

俺は高橋先生がボールを確認するのを確認する。

 

烏丸「高橋先生っ!」

 

高橋先生は中継に入っていた烏丸先生を確認してボールを投げる。

高橋先生がボールを投げようとしたのを確認し二塁ベースを踏み三塁へと走り出す。

 

高橋「っ!?」

 

高橋先生は俺の行動に反応し、慌ててボールを烏丸先生に投げるが軌道がそれてしまう。

烏丸先生はそれたボールを追いかけ捕球すると三塁に向かって送球する。

俺は三塁に向かってヘッドスライディングで飛び込む。

三塁にいた布施先生が烏丸先生からの球を受け取り俺にタッチする。判定は──

 

『セーフ!』

 

審判の判定はセーフだった。

 

貴浩「よっしゃーっ!!」

 

危ない危ない。高橋先生の所が穴だと思って狙ったが、

思いのほかレイブンの送球が良かった。危うくアウトになるところだった。

こうして先頭打者である俺は3塁打を放ち得点圏にランナーを進めることができた。

 


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