近藤「んじゃ、行ってくるぞ」
貴浩「頼むぞ近藤」
こちらのトップバッターの近藤がバッターボックスに立つ。
向こうのピッチャーは保健体育の大島先生で、キャッチャーは鉄人という組み合わせだ。
貴浩「ライトに飛ばせたら、まだチャンスがあるかもな」
先ほどの高橋先生の行動を見ていたら何とかなるんじゃないかと思ってしまう。
雄二「ああ、そうかもな」
明久「ああ、この試合どうなるんだろう・・・?」
と、雄二と明久と話している間に、
近藤、須川の二人が三球三振に終わり、秀吉も粘っていたがサードゴロに倒れた。
再び守備位置につくFクラスメンバー。
2回の科目は現代国語なので、まだ明久がピッチャーを続けている。
【現代国語】
2-F VS 教師陣
吉井明久 121点 西村宗一 741点
相手は俺たちの担任かつ補習指導の鉄人だ。
だが、この点数ってなんだ?
てっきり頭はそこまでと思っていたのにこれか・・・
雄二≪敬遠するぞ≫
明久≪OK雄二≫
雄二が明久に敬遠の指示が出されていた。
まあ、あの点数で鉄人の運動神経だ。妥当な考えだろう。
雄二がストライクゾーンの外にキャッチャーミットを構える。
『ボール』
鉄人は明久が投げた一球目を見逃した。
鉄人『・・・・・・これは、坂本の指示か?』
雄二『そうだが、何か?』
鉄人『・・・そうか、お前達は勉強は苦手でも、
こういったことはわかっているものだと思っていたんだがな・・・。
まだまだ教育が必要だということか』
雄二『? 何を言ってるんだ。敬遠くらい、勝負の世界では常識だろう。
この程度のことで文句を言うとは───』
鉄人『いいや。そういうことを言ってるんじゃない。
・・・いいか、坂本。教師として1つ言っておくぞ』
鉄人と雄二が会話している中、明久が雄二のキャッチャーミットに目がけて投げる。
鉄人『───何事もやるなら徹底的にやれ!』
ガギン、と豪快な音を立て、一瞬で視界からボールが消え去る。
行方を目で追う必要も無い。
『ホームラン!』
鉄人『・・・・・・フン』
鉄人の召喚獣が淡々と各ベースを回っていく。
雄二『く・・・』
雄二が悔しそうに唇を噛んでるのがショートからでもわかる。
これは、まださっきのことを考えているなアイツ。
明久「タイム!」
明久が咄嗟にタイムを申請し、雄二のところに駆け寄る。
おそらく明久も雄二の状態に気づいたのだろう。
『プレイ』
しばらく明久と雄二が話して、明久がマウンドに戻ると試合が再開する。
【現代国語】
2-F VS 教師陣
吉井明久 121点 鈴村瀬名 349点
雄二≪インコース 低め 直球≫
雄二の指示は一般的に打ちにくいと言われるインコースか。
低めに投げるのは、長打を避ける為だろう。
明久が第1球を構え、ミット目がけて思い切り投げ込んだ。
カッキーン!
明久が投げた球を鈴村先生は躊躇せずバットを振る。
ボールは見事レフトフェンスに直撃する。
鈴村「まぁ・・・こんなものか・・・」
ボールが二塁へ到達する頃には悠々と鈴村先生の召喚獣は二塁へ到着していた。
スタン「次は俺の番だな。試獣召喚(サモン)」
【現代国語】
2-F VS 教師陣
吉井明久 121点 スタン・デュナメス 319点
次はスタン先生か・・・先生も召喚獣の操作技術は相当なものだ。
注意していないといけないな。
雄二≪アウトコース 低め 直球≫
雄二が明久の投球指示を出す。
明久は雄二の指示を受け取り、第1球を投げる。
カッキーン!!
明久が投げた球をスタン先生は躊躇することなくバットを振った。
ボールは確認するまでも無かった。
『ホームラン』
スタン「上出来だな」
鉄人に続いてスタン先生もホームラン。
これで3対0だ。
続く寺井先生は三振に打ち取り、
ジュディス先生、烏丸先生を何とか凡打で打ち取り交代となった。
なんとか失点を3点に抑えることができた。
ここから巻き返さないといけないな。