バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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0点と盗塁と最終回

明久「お疲れ、美波。ナイスピッチ」

 

島田「ありがとうアキ。さっき打つ方で活躍できなかった分、

   守備で活躍しないとね」

 

清水『お姉様! 最高です! 格好良すぎです! そんなお姉さまを見ているだけで、

   美春は・・・美春は・・・』

 

スタンドからDクラス女子の応援が聞こえてくる。

 

貴浩「さて、次は8番からだから須川からだな」

 

須川は意気揚々でバッターボックスに立ったがセカンドゴロでアウト。

続く福村、秀吉も凡退して、無得点で交代となった。

 

 

 

そしてお互い得点を挙げられないまま三、四回が終わる。

 

 

 

迎えた最終回。科目は保健体育ということなので──

 

貴浩「雄二。俺がピッチャーでムッツリーニがキャッチャーでいいよな」

 

雄二「ああ、それで行ってくれ」

 

明久「2人の保健体育の点数ならこの回の守備は安心だね」

 

そこで話をやめ各自ポジションにつく。

 

そうして何の苦も無く二者連続三振にしてめる。

 

西郷「ここで再び私との対決とは胸が躍るぞ、織村!」

 

 

【保健体育】

 Fクラス      VS   Eクラス

 織村貴浩 597点      西郷武  152点

 

 

俺は振りかぶりムッツリーニが構えるミット───

 

西郷「来い、織村!」

 

───ではなく西郷の召喚獣の頭部に投げた。

 

キュボッ!

 

西郷「・・・・・・・はっ?」

 

俺が投げた球は西郷の召喚獣の頭を吹き飛ばしていた。

 

【保健体育】

 Fクラス      VS   Eクラス

 織村貴浩 597点      西郷武  0点

 

 

『西郷武、戦死!』

 

西郷「な、なんと!?」

 

中林「えっ? えーっと、この場合は戦死扱いってことだから補習室行きってことですよね」

 

『はいっ、そういうことになります』

 

西郷「な、何故だぁぁああああ!?」

 

その後、鉄人が現れ西郷を補習室へと連れて行った。

 

『バッターアウト! チェンジ!』

 

西郷の後のバッターを三振に抑え攻守交替になる。

 

 

 

 

雄二「さぁ逆転するぞお前ら!この回は誰からだ!」

 

秀吉「ワシからじゃな」

 

打順は先ほどの回で丁度二巡して、この回は再び秀吉に戻っている。

 

貴浩「頼むぞ秀吉。塁に出てくれよ」

 

明久「秀吉ならできるよ。頑張って」

 

雄二「絶対に打ってくれ」

 

康太「・・・・・・期待している」

 

「木下、石にかじりついても打つんだ!」

 

「気合を入れてくれ木下! お前にかかっているんだ」

 

「そうだ!頑張ってくれ! そして、なんとしても打ってくれ!」

 

「う、うむ。努力はするが────」

 

「「「俺たちの、エロ本の為に!」」」

 

秀吉「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

『ストライク、バッターアウッ!』

 

 

 

明久「どうしたのさ秀吉! スイングに力が入っていなかったよ!?」

 

秀吉「あの激励で力を奪われてしまっての・・・」

 

貴浩「まぁ気を落とすな。次はムッツリーニの番だな。

   必ず良い結果がでるだろうな」

 

康太「・・・・・・行ってくる」

 

ムッツリーニがバッターボックスに入る。

 

 

【保健体育】

 Fクラス      VS   Eクラス

 土屋康太 797点      古河あゆみ  102点

 

 

この圧倒的な差だ。さすがムッツリーニだ。

 

『ボール。フォアボール』

 

康太「・・・・・・・・・(コクリ)」

 

やはり、ムッツリーニはフォアボールになる。

あの点差だ。予想できた事だ。

 

貴浩「明久・・・わかってるよな」

 

明久「もちろん」

 

次のバッターである明久がバッターボックスに入る。

 

 

【保健体育】

 Fクラス      VS   Eクラス

 吉井明久 137点      古河あゆみ  102点

 

 

明久がバッターボックスに入るのを確認すると

相手ピッチャーが第一球を投げる。

ピッチャーが投げたと同時にムッツリーニが2塁を目指し駆け出していた。

そして、明久もムッツリーニを援護するため、敢えて高めにバットを空振りする。

キャッチャーが球を受けて、即座に二塁へと返球しようとする。

 

明久「・・・え・・・?ギリギリ・・・?ムッツリーニが?」

 

明久がわざとキャッチャーに聞こえるように声を出す。

そして二塁に向けてキャッチャーが球を投げる。

これで作戦は成功した。

 

康太「・・・・・・かかった」

 

突如、ムッツリーニの召喚獣の動きが一気に加速する。

先ほどまで力を抑えていたのだ。

 

「は、速ぇっ!」

 

ムッツリーニの召喚獣はすでに二塁をベースを踏み、三塁に向かっていた。

そこでキャッチャーが投げた球が二塁に到達する。

ムッツリーニが手を抜いていたのは三塁に送球されないためだ。

 

「サードっ!」

 

「わかってらぁ!」

 

セカンドは即座にサードへと送球する。

 

康太「・・・・・・加速」

 

ムッツリーニが腕輪を発動させる。

 

ボールがサードに到達した頃には、

ムッツリーニはホームベースの上を駆け抜けて生還したムッツリーニがいた。

 

「「「おっしゃあーーーっ!!」」」

 

Fクラスベンチから歓声が湧きあがる。これで3対3だ。

 

貴浩「よしっ、このままの流れで一気に勝つぞ。

   明久、雄二、2人で決めてこいよな」

 

明久「もちろん!」

 

雄二「後は俺と明久に任せろっ!」

 

その後、明久が二塁打で塁に出ると、雄二が外野前にヒットを放つ。

明久は雄二が打つと同時に走り出していたので、それがサヨナラとなりFクラスの勝利となった。

 


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