バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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天使と鬼と暴露

貴浩「本当にあっけなかったな」

 

島村「クックク…それはどうかな?」

 

貴浩「どういうこと──ぐっ!」

 

俺は島村先輩の言葉がわからず振り向いたその時わき腹に痛みが走った。

そこで俺が目にしたのは俺の召喚獣が真っ二つにしたはずの島村の召喚獣の姿だった。

しかも2体で

 

島村「油断したな織村。俺の召喚獣の腕輪の力を使ったのよ。

   この召喚獣の能力は『分裂』だ。相手から斬られたりすると分裂するんだ。

   まあ大きさと点数は分散しちまうがな」

 

貴浩「ってことは斬れば斬るほど数が増えるって事か。やっかいな能力だな」

 

分裂して現れた召喚獣は子鬼ってところか

 

島村「そらっ行くぞ!」

 

そういうと島村先輩は分裂した召喚獣で俺を攻撃してくる。

 

貴浩「っ!」

 

俺はその攻撃をかわしたり剣で防ぐなどして防ぐが

防げない攻撃は斬って防ぐなどして対処していく。

だが斬ってしまうとでドンドン数が増えていく一方だった。

 

島村「どうした!どうした!威勢が良かったのは最初だけか?」

 

すでに島村の召喚獣は10体に分裂しておりもう避けるのが難しくなってきた。

 

【世界史】

 

 2年

  Fクラス  織村貴浩  291点

  Aクラス  木下優子  346点

 

        VS

 3年

  Aクラス  島村辰彦  39点×10体

  Aクラス  3年モブ    0点

 

 

 

 

優子「貴浩っ! 大丈夫!?」

 

貴浩「大丈夫だ優子。こっちは大丈夫だから自分の身を守ってくれ」

 

優子「そう、わかったわ」

 

島村「けっ! なに余裕こいて女と話してんだよ! その女もなんでこんな男がいいのかね。

   この女も頭が可笑しいのか? こんな男がいいなんて笑ってしまうぜ。

   良かったら俺と付き合わないか?」

 

優子「訂正しなさい! 貴浩はアナタと違って数千倍いい男よ!

   アナタみたいな男こちらから願い下げよ!」

 

島村「チッ、生意気な女だな! お前から倒してやるよ!」

 

島村先輩が優子に標的を変え攻撃しようとするが

 

貴浩「それはさせない! 優子には手を出させないぜ」

 

島村「織村か! ならまずはお前からだ! まあ今のお前は俺に何も出来ずにいるがな」

 

貴浩「それはどうかな?」

 

島村「どういうことだ?」

 

貴浩「お前の分裂した召喚獣は明久のダブルの腕輪と違って

   簡単な命令しかできないんだろ? 動きが雑だぜ」

 

島村「それがわかったところでどうしたっていうんだよ。

   お前の召喚獣では俺の召喚獣は倒せない!」

 

貴浩「確かに俺の剣では数を増やすだけだな」

 

島村「そういうことだ」

 

貴浩「だが俺の攻撃はそれだけじゃないぜ」

 

島村「なにっ?」

 

俺はそういうと腕輪の力を発動させる。

 

貴浩「俺の召喚獣は7大天使の1人で、懺悔の天使として現われ、

   神を冒涜する者を永久の業火で焼き、不敬者を舌で吊り上げて火であぶり、

   地獄の罪人たちを散々苦しめるというらしい。ウリエルという名前は、

   「神の光」「神の炎」を意味してる。そしてその能力は『炎』だ。

   いくら剣で斬られて大丈夫でも燃やされたらどうなるかな?」

 

島村「くっ!?」

 

貴浩「その反応だと燃やされるのはまずいみたいだな。なら燃えろ!」

 

俺はそういうと剣を炎で纏い分裂した召喚獣を焼き斬る。

すると島村の召喚獣は分裂せず消滅した。

 

島村「くそっ! だがこちらはまだ9体いるんだ!」

 

貴浩「全て焼き尽くすのみ!」

 

俺は右手で剣を振るい敵を焼き斬り

左手で炎を具現化して炎で焼き払う。

そして最後の1体になる。

 

島村「な、何故だ…何故俺がコイツなんかに……」

 

貴浩「じゃあな先輩」

 

俺は最後の1体を剣で焼き斬った。

 

優子「お疲れ様貴浩」

 

貴浩「ああ、お疲れさん。じゃあ戻るか」

 

そして俺と優子はBクラスを突破し皆の元へ戻った。

 

俺と優子はBクラスを突破し明久や雄二の元へ戻ると

 

明久「お疲れ様貴浩! 優子さん!」

 

雄二「お前らのおかげで残すはAクラスだけだな」

 

貴浩「……腕輪の能力には驚いたな。それにしてもあいつがあそこまで点数があるとはな」

 

光一「おそらく残りの常夏も点数が高いだろう」

   

刀麻「腕輪持ちと想定したほうがいいな」

 

貴浩「どうだ明久に雄二? 勝ち目はありそうか?」

 

雄二「正直微妙だな。相手の点数がどれほど高いかにもよるが

   翔子はともかく俺の物理の点数は200点前後程度だからな。

   召喚獣の操作も向こうの方が1年長くやってるから良くて五分って所だろう」

 

明久「僕も物理は自信ないよ200点もいってないよ」

 

貴浩「……だろうな。お前が得意なのは歴史系だしな」

 

雄二「まあ……策が無い事はないからな。

   貴浩はここまで頑張ったんだ。後は俺達に任せろ!」

 

貴浩「そうか。なら頑張れよ」

 

翔子「……雄二は私が守る」

 

明久「じゃあ行こうか命」

 

命「はいっ! どこまでやれるか分かりませんが頑張ります!」

 

優子「……ねぇ? アタシの気のせいかしら

   命と明久君なんか仲が良すぎな気がするんだけど……」

 

貴浩「優子…ちょいこっち来ような。4人とも頑張れよ」

 

優子が2人の仲を探る前に手をとり

明久たちとは別の方向へ引っ張り明久たちを見送った。

俺は少し離れたところまで優子を連れて行く。

 

愛子「……貴浩君いつまで優子の手を握ってるのかな?」

 

貴浩「ん? ああ悪い」

 

優子「あっ……もうちょっと繋いでて欲しかったのに(ボソッ)」

 

愛子「ダメだよ優子……僕だってしてほしいんだから」

 

貴浩「?」

 

優子「……ところで貴浩。明久君と命のことで何か知ってるのかしら?」

 

愛子「あっそれ僕も気になる」

 

貴浩「ああ……それはだな……」

 

もうここらでぶっちゃけたほうがいいか。

隠し続けるのは難しそうだし今後の事を考えたらな。

 

貴浩「言ってなかったが2人は付き合ってるんだ」

 

愛子・姫路・島田「「「えっええええええええ!!!!!」」」

 

俺の言葉に話を聞いていた愛子と偶然俺達のそばにいた姫路と島田が驚く。

優子はというと

 

優子「ツキアッテル? ナニソレ? ドウイウコトカシラ貴浩?」

 

般若が具現化せんばかりのオーラをだしていた。

 

姫路「織村君その話本当なんですか!?」

 

島田「本当の事を話しなさい!!」

 

本当にこの2人はうるさいな・・・・・・今はお前らよりコッチだな

 

貴浩「お、落ち着けよ優子。さっき言ったとおり明久と命は付き合ってるんだ。

   彼氏彼女の関係なんだよ」

 

優子「どういうことよ!? いつ!? いつからつきあってるの!?」

 

貴浩「付き合い始めたのは確か……召喚獣のシステム異常が起きた後だな。

   期末試験が始まる前には付き合ってたぞ」

 

優子「う、うそ…そんなに前から付き合ってたの……ってなんで貴浩は知ってるのかしら?」

 

貴浩「……優子怒らないか?」

 

優子「怒らないから話なさい!」

 

貴浩「ぶっちゃけると俺が2人のキューピットだったりする」

 

優子「さあ覚悟いいかしら貴浩?」

 

優子の顔が般若に変わった。

 

貴浩「ま、まて優子! 怒らない約束だろ?」

 

今のままじゃ俺が殺されちまう

 

優子「アンタが犯人なら話は別よ!!」

 

愛子「落ち着こうよ優子!」

 

俺に殴りかかろうとした優子を愛子が後ろから羽交い絞めで止めてくれる。

 

島田「それより……一体どういうことかしら……? 命と付き合ってるって本当……?」

 

姫路「もしそうだとすれば明久君にはオシオキガヒツヨウデスネ……?」

 

バキバキと拳を鳴らす島田とバットを持つ姫路。

共にドス黒い殺気を醸し出す島田と姫路はAクラスへ向かった明久を追おうとしている。

 

貴浩「待てよ姫路に島田」

 

そんな危険な2人を明久と命のところに行かせる訳にはいかない。

まあ行かせても別いいのだがそっちのほうがより2人の絆が深まるかもしれないし。

ただ今回は状況が状況なのでやはり行かせられない。

俺は姫路と島田の前に立ちふさがる。

 

島田「どいて織村! ウチはすぐにアキを処刑しないといけないの!」

 

姫路「そうですっ! 落ち着いてなんかいられませんっ!」

 

貴浩「……お前らマジでうざい」

 

島田・姫路「「っ!?」」

 

貴浩「別にいいだろ? 明久はお前らの彼氏じゃねえんだし、

   明久が誰と付き合おうが勝手じゃねぇか」

   

島田「そ、それは……っ」

 

姫路 「でも……っ!」

 

貴浩「それとも何か? 自分と付き合わなきゃいけないっていうのか?

   ハッ! 笑わせる。ハッキリ言ってやろうか姫路に島田!

   お前らは明久にフラレたんだよ!」

 

島田・姫路「「・・・・・・・・・」」

 

俺がそういうと姫路と島田は糸が切れたように床に膝をついて崩れた。

 

愛子「貴浩君もう少し優しく言ったほうが……」

 

貴浩「良いんだよあいつらなら」

 

愛子「厳しいんだね」

 

貴浩「……まあそういうことだ優子。明久と命は付き合ってるんだ。

   そして今幸せなんだよ。だから邪魔しないでくれな」

 

楓「私からもお願いします!」

 

秀吉「姉上よワシからもお願いするのじゃ」

 

優子「秀吉まで!?」

 

優子はまさか秀吉からも言われるとは思わず驚きの声をあげる。

 

秀吉「ワシも姉上と同じ気持ちじゃったが

   命の事を思うと今の関係がいい気がするのじゃ。

   今の命は毎日が楽しそうじゃしの」

 

貴浩「黙っていたことは謝る! だから2人のことは──」

 

優子「いいわよもう……アタシが悪かったわ。命に依存しすぎだみたいね。

   秀吉の言うとおりよ。今、命は幸せみたいだしね。

   アタシも応援しないとね。でも……あとでちゃんと2人から話して貰わないとね」

 

貴浩「それはもちろんだな」

 

そしてなんとか優子に明久と命の関係を伝え承諾を得ることができた。

ハァ・・・疲れた。なんで俺がこんな事を……まあ2人のためだし別にいいか。

後は任せたぞ明久、雄二。


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