バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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我慢と作戦と本気の悲鳴

優子「こういうの好きじゃないんだけどね……まあ貴浩と一緒だからいいけどね(ボソッ)」

 

楓「……うっやっぱり怖いですね」

 

秀吉「…大丈夫じゃ楓よ。怖いのならワシの手を握っても良いぞ」

 

楓「……それじゃあお言葉に甘えて」

 

楓はそういうと秀吉の手をしっかり握った。

 

優子「良かったわね楓…それより秀吉。顔がにやけているわよ」

 

秀吉「はっ!」

 

貴浩「……ここは我慢、我慢」

 

明久「……なんかこのままじゃ貴浩が失格しそうだよ」

 

優子「違う意味で貴浩が失格しそうね……なら」

 

命「どうするの優姉?」

 

優子はそういうと俺に近づいてきて

 

ギュッ

 

貴浩「えっ?」

 

優子「あたしも少し怖いから手を繋いでもいいわよね?」

 

いきなり俺の手を握ってきた。

 

貴浩「えっ? まあいいけど……」

 

明久「じゃあ命。僕たちも手を繋ごうか?」

 

命「えっ、でも…それじゃ気づかれるよ?」

 

明久「大丈夫だって。この中って結構暗いし木下さんは貴浩のほうに集中してるしね」

 

命「な、ならお言葉に甘えて」

 

明久と命も手を繋いだ。

そして進んでいくと例の先輩のところに辿り着いていた

 

小暮「あら? あなた方は…そうですか。女の子同士の組み合わせできましたか。

   それにもうお付き合いされてる方もいるみたいですしね。

   また1人だけの男性の方にもあまり効果がないみたいですね。 

   それでしたら、わたくしにはできることはありませんね。どうぞお通り下さい」

 

貴浩「じゃあ、お言葉に甘えて進ませてもらうかな」

 

優子「ええ、そうね」

 

明久「……手を離すの忘れてたね////」

 

命「……うん////」

 

楓「行きましょうヒデ君」

 

秀吉「納得いかぬのじゃ。ワシは男じゃというのに」

 

言葉の通り、小暮先輩は脇に避けて道を譲ってくれた。何の抵抗もなく

 

小暮「それにしても無反応というのは正直少しショックですね。

   これでもスタイルには自信があるほうなんですが」

 

貴浩「確かに小暮先輩はとても魅力的だとは思いますよ。

   正直言うと皆と同じように叫びたい気持ちはありますし

   もう少し見ていたい気もしますが

   ……これ以上は何か大事なものを失うような気がしたんです」

 

小暮「……そうですか。ではどうぞお通りください」

 

そして俺達は小暮先輩を抜けて進んでいった。

 

明久「何だか随分あっさりと通過さてくれたね」

 

楓「そうですね」

 

命「あとはチェックポイントだけかな?」

 

優子「そうね後は大丈夫でしょう。チェックポイントは数学が得意な貴浩がいるんだし」

 

秀吉「そうじゃな。貴浩がおれば百人力じゃ」

 

貴浩「あまり俺を頼りすぎるなよ…俺としてはまだ後ろに問題が残っているんだが

   さて何処で隠れるかな(ボソッ)」

 

俺はさりげなく後ろのほうを見てみると姫路と島田がついて来るのが見えた。

その後ろは見えないが清水がついてきているだろう。

 

明久「どうしたの貴浩?」

 

貴浩「どうもしないぞ。さて先に進もうぜ。でも何が起こるかわからないから慎重にな」

 

そうして小暮先輩がいた場所を通過して少ししたところまで進んでいくと

常夏島トリオのもう1人・・・変態先輩が立っていた。 

モヒカン先輩は普通に突っ立っているだけだった。

見たところ何もおかしな道具はないように見える。

 

貴浩「……何が目的だ?」

 

明久「わからないね。さっさと抜けたほうがいいと思うよ。あまり命に見せていたくないしね」

 

そして俺達はそのまま先輩の横を通り過ぎようとすると

 

常村「きたか、木下秀吉。待っていたぞ」

 

秀吉「何じゃ? ワシを待っていた?どういうことじゃ?」

 

貴浩「秀吉、無視して行くぞ。じゃないと変態が映る」

 

秀吉「う、うむ」

 

常村「おい、なんだ今の発言は! ま、まぁいい、待て。

   時間は取らせねぇ・・・良いか、木下秀吉」

 

秀吉「……何じゃ?」

 

モヒカン先輩が真剣な顔で一歩近づき、そしてはっきりと間違えのない口調で秀吉に告げた

 

常村「俺は・・・お前のことが好きなんだ」

 

「「「「!!!!!!」」」」

 

秀吉「■■■■■■■■」

 

その日、俺たちは生まれて初めて、秀吉の本気の悲鳴を耳にした。

 

秀吉「……できればワシと楓でCクラスを突破したかったのじゃが・・・」

 

貴浩「いや、あれは仕方がないと思うぞ……」

 

楓「そうですよヒデ君」

 

明久「そうだよ秀吉。アレは人間なら仕方が無い反応だよ」

 

優子「そうね。アタシも聞いてるだけでも気分が……」

 

貴浩「まあとりあえず楓と一緒に雄二たちのところへ帰ってくれ。

   あまり楓を長く居させるわけには行かないしな」

 

秀吉「そうじゃな…では戻るとするかの楓」

 

そして秀吉と楓はこの場を後にした。俺達は前へと進んでいった。

 

貴浩「さて、そろそろか」

 

明久「そうだね。もうそろそろチェックポイントだろうね」

 

貴浩「じゃあ明久、優子、命ちょっとあそこに身を隠すぞ」

 

明久「えっ? なんで?」

 

貴浩「作戦の1つだ」

 

俺達は曲がり角の隅のほうにあった死角に隠れると

 

島田「アキ。こんなところに命と入って何をするつもりかしら?」

 

姫路「そうですね。吉井君にはオシオキが必要ですね」

 

2人は俺達が隠れていることに気づかず通り過ぎていった。

 

優子「えっ? なんであの2人が?」

 

貴浩「つけて来たんだろうさ」

 

そしてそのすぐ後を

 

清水「お姉様♪すぐに追いつきますわ!」

 

久保「少し落ち着きたまえ清水さん。

   このままでは追いつく前に失格になってしまうよ」

 

清水「はっ!そうでしたわ。いけないいけない」

 

久保「・・・・・・さて、吉井君のためにもあの2人をどうにかしないとね」

 

清水「何か言いました?」

 

久保「いや何も。先に進むとしよう」

 

島田と姫路が通ったすぐ後に清水と久保が通っていった。

その時久保がこちらを1度見てそのまま進んでいった。

 

明久「あれって清水さんと久保君だよね」

 

貴浩「……ああ、清水がいるのはわかっていたが

   まさか久保が清水のペアになってるとは予想外だったな」

 

まあ久保にも何か考えがあるんだろうしな。

 

優子「でも貴浩。清水さんが着いて来てるのは知ってたのね?」

 

貴浩「まあな。島田たちがついてくるの分かってたから清水をたきつけた。

   だが久保が一緒とは驚きだったが……」

 

命「それより4人が先に行ったってことはチェックポイントは任せるって事ですよね」

 

貴浩「だな。まあ姫路がいるから大丈夫だろう。科目も数学だし島田も大丈夫だろう」

 

明久「じゃあ僕たちは戻ろうか。ここにいても意味なさそうだしね」

 

命「そうですね」

 

優子「でも残念ね。せっかく貴浩とペアで戦えると思ってたのに」

 

貴浩「まあそう言うなよ。ちなみに優子のオカルト召喚獣ってなんだ?」

 

命「私も気になります」

 

優子「アタシ? ちなみに吉井君と命はどうなの?」

 

明久「………僕はデュラハンだよ」

 

命「私は水の精霊のウンディーネですね」

 

貴浩「俺は見たと思うが天使のウリエルだな」

 

優子「……アタシは九尾の妖狐よ」

 

貴浩「おっ! なんか強そうだな」

 

明久「そうだね。某漫画でも九尾ってかなり強そうだしね」

 

命「さすが優姉ですね」

 

優子「そうかしら?」

 

俺達は姫路たちにチェックポイントを任して雄二たちの元へと戻った。


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