バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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勉強会

明久と別れ俺の家に着くと

 

なのは「お帰り! あれ? 康太君も一緒なんだ?」

 

貴浩「ああ、ムッツリーニがどうしてもなのはと会いたいって言うからさ」

 

康太「・・・・・・・・・!?」

 

俺がそういうとムッツリーニは驚いたような顔をする。

 

なのは「そうなんだ康太君。嬉しいな」

 

康太「・・・・・・・・・まぁ嘘でもないし(ボソッ)」

 

貴浩「へぇ~(ニヤニヤ)」

 

康太「・・・・・・・・・なんだ」

 

貴浩「いや、なんでもないさ」

 

愛子「僕たちも一緒でいいのかな?」

 

今この家には

俺と康太、命、光一、なのは、優子、愛子がいる。

 

貴浩「別に構わないさ」

 

優子「ならお邪魔するわね」

 

貴浩「さて今日は優秀なAクラスの生徒が3人もいるし光一もいるからな。

   ムッツリーニと命は鍛えられることができるな」

 

命「うん、頑張るよ!」

 

康太「・・・・・・・・・俺も頑張る」

 

光一「康太、先に言っておくが今日は保健体育の勉強は一切しないからな。

   お前の場合、保健体育以外は正直言って目も当てられない点数だからな」

 

康太「・・・・・・・・・・・・・・努力する」

 

なのは「私がちゃんと教えてあげるね」

 

康太「・・・・・・・・・ありがとう」

 

愛子「いいなぁ・・・なのは。少し羨ましいよ…」

 

優子「えぇ…」

 

なのはがムッツリーニに物理・化学を

光一が現代文・古典を命に

そして俺は優子と愛子の2人に英語(強制的に)に勉強を教えた。

 

 

 

~明久SIDE IN~

 

島田「ただいまー。葉月、いる?」

 

玄関の扉を開けて美波が呼びかけると、

 

葉月「わわっ、お姉ちゃんですかっ。お、お帰りなさいですっ」

 

廊下に面した部屋から、葉月ちゃんが勢い良く飛び出してきた。

 

島田「?葉月、今お姉ちゃんの部屋から出てこなかった?」

 

どうやら今葉月ちゃんが飛び出してきた部屋が美波の部屋らしい。

 

葉月「あ、あぅ……。実はその……1人で寂しかったから、

   お姉ちゃんの部屋に行って……」

 

島田「ぬいぐるみでも取ってこようと思ったの?

   それくらい、お姉ちゃんは別に怒らないのに」

 

葉月「そ、そうですか?お姉ちゃん、ありがとですっ」

 

そして葉月ちゃんの頭を撫でる美波。

 

明久「葉月ちゃん、こんにちは」

 

葉月「あっ! バカなお兄ちゃんっ!」

 

僕の姿を見せるなり、勢いよく腰にしがみつく。

そしてそのまま額を僕の腹に当てていた。

だけどおでこが的確に鳩尾に食い込んでいんだけど……

 

楓「こんにちわ、葉月ちゃん。お邪魔しますね」

 

雄二「邪魔するぞちびっ子」

 

葉月「わぁっ。綺麗なお姉ちゃんや大きいお兄ちゃん達まで。

   今日はお客さんがいっぱいですっ」

 

葉月は僕たちを見ると、満面の笑みどころか全身で喜びを表現していた。

 

島田「ほらほら、葉月。アキから離れなさい。皆が中に入れないでしょ?」

 

葉月「あ、はいです。それじゃ、バカなお兄ちゃんたち、こっちにどうぞっ」

 

明久「っとと、そんなに引っ張らなくても大丈……ん?」

 

葉月に手を引かれる僕に付いてきながら廊下を歩いていくと、

その途中にある部屋のドアが開いていて中が少し見える。

所狭しと並べられているぬいぐるみ。

そして、その中央では如月ハイランドの

マスコットキャラクターのノインが写真たてを抱えている。

何故かオランウータンの写真が入っているのかは謎だけど……

 

島田「ちょ、ちょっとアキっっ!?」

 

明久「ほぇ?」

 

僕が美波の声に振り返ると、その瞬間に脳天・鼻先・下顎の三箇所を攻撃され、

バランスを崩したところで両手首の関節が一瞬で外されていた。

 

島田「何見てるのよ!?」

 

それは地獄です。

 

島田「いい? この部屋は絶っっっ対に、入ったらダメだからねっ!」

 

美波は大慌てで扉を閉める。

やっぱりオランウータンの写真が飾ってあるのが恥ずかしいのかな?

 

雄二「リビングはこっちでいいのか?」

 

葉月「はいですっ。こっちですっ」

 

ちなみに、雄二は自分の家から出ていつもの調子を取り戻していた模様。

 

島田「取り合えず適当に座ってもらえる? 今テーブルをもってくるから」

 

僕たちを通すと、美波が勉強道具を広げるテーブルを取りに行こうとする。

 

葉月「? お姉ちゃん、テーブルなんて何するです? トランプですか?」

 

その様子を見て、事情を知らない葉月ちゃんが首を傾げていた。

 

島田「葉月。今日はお姉ちゃんたちはね、ウチでテストのお勉強をするの」

 

美波がそう言うと、葉月ちゃんは少し寂しげに目を伏せた。

 

葉月「あぅ……テストのお勉強ですか……。

   それじゃあ、葉月は自分のお部屋でおとなしくしているです……」

 

察しが良く、葉月ちゃんは僕達が何か言う前に勉強の邪魔になるまいと

部屋を出て行こうしようとする。

 

明久「待って葉月ちゃん。良かったら、僕らと一緒にお勉強しよっか?

   学校の問題とか、予習とかはないかな?」

 

葉月「えっ? 葉月も一緒にお勉強していいですかっ?」

 

一転して表情が明るくなる。

 

明久「勿論だよ。ね」

 

雄二「まぁ、ちびっ子なら邪魔になるような事もないだろうしな」

 

楓「はい。葉月ちゃんはいい子ですからね」

 

姫路「葉月ちゃん。一緒にお勉強しましょうね」

 

秀吉「ワシはあまり教えたてやれることもないかもしれんが、

   一緒に勉強するのは大歓迎じゃ」

 

葉月「葉月、一緒にお勉強をしたいです」

 

雄二「おう。それなら勉強道具を持ってくるといい」

 

葉月「はいですっ」

 

軽い足音を立ててリビングを出て行く葉月。

ただ一緒に勉強するだけなのに随分と嬉しそうだった。

 

雄二「さてと。それじゃ、テーブルを持ってくるんだろ?手伝うぞ島田」

 

島田「あ、大丈夫よ。ウチ一人で」

 

雄二「そうか。まぁ、誰かの写真でも飾ってあるのなら、

   下手に歩き回られたくないだろうから無理に手伝おうとは言わないがな」

 

島田「ななな何言ってんのよ坂本!?

   あんたまさか、さっき部屋の中が見えてたの!?」

 

雄二「いや、ジョークのつもりだったんだが……」

 

秀吉「島田は存外乙女じゃな」

 

雄二「ところで、テーブルはいいとして夕食はどうする?」

 

楓「何か作りましょうか?」

 

明久「僕は別にいいけど」

 

時刻は現在午後五時。何かを作るのなら買い物に行かないと遅くなってしまう。

 

島田「今日はピザでも取りましょ。作る時間が勿体無いし」

 

楓「そうですね。特に明久君は頑張らないといけませんから、

  ご飯を作る時間が勿体無いですしね」

 

秀吉「なんじゃ。ワシはてっきり島田が手料理を振舞うのかとおもっておったのじゃが」

 

島田「昨夜、プライドを打ち砕かれたからちょっと、ね……」

 

秀吉「なるほどのぅ」

 

島田「ほら、いいから皆適当に座ってて。今テーブルを持ってくるから」

 

美波が一旦リビングを退室して、

入れ替わりに葉月が両手に勉強道具を抱えて戻ってきた。

 

葉月「お待たせしましたですっ」

 

明久「葉月ちゃん、やる気いっぱいだね」

 

葉月「はいですっ。あ、バカなお兄ちゃん、ここへどうぞです」

 

葉月は勉強道具をリビングテーブルに置くと、

カーペットの上にクッションを置いた。僕にここに座ってほしいと言うことか。

 

秀吉「相変わらず仲慎ましいのう」

 

楓「そうですね」

 

そんな2人を見ていると、葉月ちゃんは僕の膝の上に乗っかっていた。

そこに丁度美波が戻ってきた。

 

島田「お待たせ。このテーブルをそっちに……ってコラ葉月っ。何してるのっ」

 

葉月「えへへー。葉月はここでお勉強するです」

 

島田「ダメ。アキのお勉強の邪魔になっちゃうでしょ?」

 

美波が姉らしく注意する。

 

明久「美波。僕なら別に大丈夫だよ。葉月ちゃんなら小柄だし」

 

葉月「バカなお兄ちゃん、優しいです」

 

島田「それならいいけど……アキ。変な気は持ってないわよね?」

 

姫路「明久君。万が一変なことをしたら、大変なことになりますからね?」

 

明久「?そんな事思っても無いけど?」

 

それに僕にはもう命という彼女がいるしね。

 

楓「じゃあ早く勉強始めましょうか。時間が勿体無いですし」

 

秀吉「楓の言う通りじゃな」

 

そうやって準備を整えて、僕達は葉月ちゃんを交えて勉強をすることになった。

 

 


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