バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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貴浩VS明久!? そして・・・

~翌日の昼休み~

 

貴浩「明久今いいか?」

 

明久「……え?うん、どうしたの?」

 

今日は明久は朝から元気がないように見える。

 

貴浩「お前に伝えたいことがあってな」

 

明久「……伝えたい事?」

 

貴浩「ちょっとここじゃ話しづらいから屋上で」

 

明久「えっ?……お、屋上?」

 

貴浩「ああ、何か都合が悪いか?」

 

明久「え?…い、いや…大丈夫だよ」

 

俺は明久を連れて屋上へと向かう。教室を出るときある人物達に合図してから……

 

 

~屋上~

 

 

明久「で、話ってなんなの?」

 

貴浩「ああ、それはな。お前昨日命を振ったんだろ」

 

明久「っ!?」

 

貴浩「やはりか……それでな。少しお前に話があってな」

 

明久「……それで僕に何のようなの?」

 

貴浩「俺はお前が命に好意を持ってると勘違いしてたんだ。

   でも、昨日それが間違いだとわかったんだ」

 

明久「……それがなに……」

 

貴浩「だから今日、俺は命に告白しようと思うんだ。俺は命のことが好きだからな」

 

明久「……そうなんだ」

 

貴浩「だから親友のお前に告白するところを見てて欲しいんだ。

   俺1人だと逃げ出してしまいそうだからな」

 

明久「……それで…僕は…何をすればいいの?」

 

貴浩「あそこの影に隠れてただ見ていて欲しいんだ。

   それでもし俺が逃げ出そうとしたら捕まえて欲しい」

 

明久「…………わかったよ」

 

貴浩「もう呼び出しているから隠れてもらっても良いか?」

 

明久「………うん、頑張ってね」

 

明久はそういうと屋上に繋がる扉の近くの物陰に隠れてくれた。

 

 

~明久SIDE~

 

 

僕は貴浩に言われたとおり物陰に身を隠した。これも貴浩と命の幸せのためだ。

上手くやらないと……でもなんでだろう……胸が締めつめられるように痛いや

身を隠して隠れていると、扉が開く音がしたのでそちらを見てみると命がいた。

 

明久「………命」

 

そして命が貴浩の前に行くと貴浩が命と会話を始めた。

いよいよ貴浩が命に告白するんだろう。これは僕にとっても嬉しいことだ。

なのにさっきから胸の痛みが治まらないや……なんでだろ?病気かな?

 

僕が少し考え事をしていると

 

貴浩「なんでだ!?」

 

貴浩の声が聞こえそちらに目を向けると貴浩と命が口論しているように見えた。

僕は2人の話が聞こえるような場所に移動する。

 

貴浩「なんで俺じゃダメなんだよ!?」

 

命「……ごめんなさい……」

 

貴浩「俺は明久とは違う!俺ならアイツみたいにお前を悲しませる事はしない!」

 

話をきくかぎり貴浩は命に振られたらしい

でもなんで? 命は貴浩のことが好きなはずなのになんで断るんだろう?

 

命「……ごめんなさい……」

 

命はそういうと扉に向かって行こうとするが、貴浩が命の手を掴んで行くのを止めた。

貴浩はいつもと様子がおかしいように見える。

 

貴浩「待てよ!チッ、仕方が無いな。ならお前を無理やりにでも俺の女にしてやるよ」

 

すると、貴浩は命の前に立ちいきなりキスをしたように見えた。

見えたというのは僕からの位置だと貴浩の背中があって命の顔が見えないけど

あの行動はキスしているように見えたからだ。

そこで命は勢いよく貴浩は突き飛ばす。

 

命「な、なにするの!?……ファーストキスだったのに……」

 

そこで命が泣いているのがわかった……貴浩!何しているんだよ!!

 

貴浩「別にいいじゃねぇか。俺の女になるんだからよ」

 

そこで貴浩はまた命の腕を掴む。

命はそれを嫌そうに振り払おうとするが振りほどけない。

 

命「い、イヤ……た、助けて……明久君!」

 

命のその言葉を聞き、僕は突然飛び出し、

 

バキッ

 

貴浩「グッ!!」

 

貴浩の顔を思い切り殴りつけた。

 

 

~明久SIDEEND~

 

 

命「……あ、明久君」

 

貴浩「イテェな。なにしやがる明久!!」

 

明久「なにしやがるじゃないよ!! 貴浩こそ命に何してるんだよ!!」

 

明久は俺に怒りをあらわにしていた。

 

貴浩「何って? それは見ていたんだから分かるだろ。命を俺の女にしたんだよ」

 

明久「あんな無理やりな方法で自分の女にしたのかよ!」

 

貴浩「別に方法は関係ないだろ」

 

明久「でも、アレはおかしいだろ!!」

 

貴浩「明久には関係ないだろ。命を振ったオマエには」

 

明久「……確かに僕は昨日、命の告白を断ったよ。

   でもそれは貴浩と命がお似合いのカップルだと思ったからだよ」

 

貴浩「なら邪魔するなよな」

 

明久「でも!」

 

バキッ

 

貴浩「っ!?」

 

再び明久が貴浩を殴り飛ばす。

 

明久「今の貴浩を見ていてそんなことを思えない!」

 

貴浩「テメェ!何しやがる!!」

 

バキッ

 

明久「グゥ!!」

 

今度は俺が明久を殴り飛ばす。

 

明久「このっ!!」

 

貴浩「ガハッ!!……このっ!!」

 

 

バキッ  ドゴッ  バキッ  メキッ 

 

 

貴浩と明久の殴り合いが続く。

 

貴浩「……お前は命を振ったんだから別にいいだろうが!!」

 

明久「それは命のことを思っての事だ!!」

 

貴浩「ならお前が幸せにしても良かったんじゃねえのか?」

 

明久「それは、僕より貴浩のほうがお似合いだと思ったからだ!!」

 

貴浩「それならっ!!」

 

明久「僕より貴浩のほうが命のことを幸せにしてくれると思ったんだ!!」

 

貴浩「なら、俺に任せてろよ!!」

 

明久「今の貴浩はそう思えない!! それに正直僕は逃げていたんだ!!」

 

貴浩「………」

 

明久「僕は自分の想いから逃げていたんだ。そしてようやく気づいたんだ!

   僕は本当は命の事が好きだったんだ!」

 

命「………明久君」

 

貴浩「………そうか」

 

明久「だから命を泣かせた貴浩を許せない!!」

 

貴浩「ならどうする?」

 

明久「僕は貴浩を倒す!!」

 

バキッ!!!

 

明久はそういうと貴浩の顔目掛け全力で殴りつけた。

すると貴浩の体が数メートル吹っ飛んでいった。

 

 

~明久SIDE~

 

 

明久「ハァ……ハァ……」

 

僕は命のほうを振り向くと

 

明久「命昨日は本当にゴメン! 今日改めて自分の気持ちに気づいたんだ。

   昨日の今日で可笑しいけど・・・命!僕と付き合ってください!!」

 

僕は土下座して昨日のことを謝り、そしてそのまま告白した。

 

命「………明久君。本当に私でいいの? 姫路さんや島田さんじゃなくて?」

 

明久「え? 姫路さんに美波? なんで2人が? それに2人は関係ないよ。

   僕は命が好きなんだ! それに2人は僕の友達だからそれ以上には思ってないよ」

 

命「……私なんかでよかったらお願いします」

 

明久「え? 本当!? や、やったー!!」

 

命「で、でも!! 条件があります!!」

 

明久「じょ、条件?」

 

命「はい! 私昨日振られてとても落ち込みました。だから罰をあたえます!!」

 

明久「うっ……昨日は本当にごめんなさい。で、でも、罰って何かな?」

 

命「じゃあ、正座して目を瞑って歯を食いしばってください」

 

明久「え? 何するつもりなの?」

 

もしかして僕殴られるのかな?

まぁ当然だよね…昨日僕はそれだけのことをしたんだし…

 

命「良いから早くしてください!!」

 

明久「は、はい!」

 

僕は返事と同時に命が言う通りに行動した。

いったい僕は何をされるんだろう?

僕がそう考えていると、突然僕の口にやわらかいものがふれた。

僕は目を開けて見てみると何をされたのかがわかった。

僕の目の前には命の顔があった。僕は命にキスをされていた。

 

命「……これが明久君の罰です////」

 

命は顔を真っ赤にさせてそういった。

 

明久「え?/////」

 

命「私のファーストキスをあげたんだから、ちゃんと責任とってくださいね////」

 

明久「えっ?…えっ? えぇえええ!? ファーストキス!? でも今さっき貴浩と……」

 

命「アレですか。あれは……」

 

すると僕の後ろから声がする。

 

貴浩「芝居だよ」

 

すると、こちらをニヤニヤしながら見ている貴浩の姿があった。

 

 

~明久SIDEEND~

 

 

明久「し、芝居?」

 

命「うん……ごめんね明久君」

 

貴浩「こうでもしいないとお前自分に正直になれないだろうからな」

 

明久「って事はキスは……」

 

命「うんしてないよ。だから明久君にしたのが初めてだよ////」

 

明久「////じゃ、じゃあ、あの涙は……」

 

命「アレも演技だよ。私は優姉と秀兄の妹だよ。涙を流すぐらいならできちゃうよ」

 

明久「え、えぇ~。じゃあじゃあ貴浩と命がよく一緒にいたのは?」」

 

貴浩「命がお前のことが好きだっていってたから相談にのってたんだよ。

   お前は勘違いしてたけどな。でもまあ2人とも良かった。おめでとさん!」

 

命「貴浩君ありがとう」

 

明久「あ、ありがとう!それと殴ってごめん!」

 

貴浩「気にするな。じゃあこれから2人とも頑張れよ。

   何かあったら相談にのってやるからさ。

   じゃあ、命はさっそく明久の彼女として治療してやるんだな。

   さすがにその顔じゃ授業受けにくいだろ」

 

明久「なら貴浩も一緒に」

 

貴浩「バーカ! お前は今は彼女である命の事を考えておけば良いんだよ。

   俺は自分で勝手にやるからさ」

 

明久「うん、わかったよ。貴浩本当にありがとう!

   じゃあ治療お願いね命。それとこれからよろしくね////」

 

命「うん!////」

 

2人はそういうと屋上を出て行き保健室へと向かっていった。

 

 

 

 

         ☆

 

 

 

 

明久と命が出て行き、屋上には俺1人

 

貴浩「ふぅ~痛って~な明久のやろう。本気で殴りやがって……」

 

でもこれで良かったんだな。2人とも幸せにな。

ってこれで俺の周りで1人身は俺だけか………悲しい

 

楓「兄さん」

 

1人感傷に浸っていると俺を呼ぶ声が聞こえ振り向くとそこには楓の姿があった。

 

貴浩「どうした楓?」

 

楓「さき程明久君と命ちゃんが仲良く保健室に行ってる所をみたので

  無事に成功したみたいですね」

 

貴浩「ああ、大成功だ」

 

楓には昨日の昼間に事情を話しておいたのだ。

それで今回の屋上でのイベントに秀吉が介入しないようにしてもらっていたのだ。

 

楓「2人共幸せそうだったね」

 

貴浩「ようやく想いが伝わったんだ。そりゃ嬉しいだろ。

   お前と秀吉も似たようなもんだぞ」

 

楓「そうかな?」

 

貴浩「ああ、そうだぞ。ちょい秀吉が憎いけど楓が幸せそうだからいいけどさ」

 

楓「………ねぇ兄さん。本当に良かったの?」

 

貴浩「……何がだ?」

 

楓「兄さん本当は命ちゃんのこと好きだったんじゃあ……」

 

貴浩「いいんだよ楓・・・・・・いいんだよ。明久に殴られてスッキリしたところだしな」

 

楓「………兄さん」

 

貴浩「気にするなよ楓。お前は秀吉の事を考えればいいんだ」

 

楓「わかりました!」

 

貴浩「……ハッキリ返事するなぁ~。……少しくらいは兄ちゃんの事も考えてくれよ」

 

楓「え~どうしよっかな~」

 

貴浩「か、楓!?」

 

楓「もちろん冗談ですよ。じゃあさっそく兄さんの治療しないとね」

 

貴浩「頼むわ」

 

これは織村兄妹しかしらない真実だったりする。


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