バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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告白

~ 放課後 ~

 

明久「えっと貴浩。放課後になったから屋上に行けば良いんだよね」

 

貴浩「ああ、屋上に行って少し待っててくれ。

   ただし1人で行けよ。これは絶対だからな」

 

明久「なにがあるのかわからないけど。わかったよ」

 

明久はそれだけ聞くと教室を出て行った。

 

貴浩「じゃあ、命後は頑張れよ!俺が出来るのはここまでだ。応援してるからな」

 

命「は、はい。き、緊張します」

 

貴浩「まぁ、きっと大丈夫だ。自分を信じろ」

 

命「はい!じゃあ行ってきますね」

 

貴浩「おう!」

 

命はそういうと教室を出て行った。

 

貴浩「さて、結果は明日聞くかな。明久も命に気がありそうだから大丈夫だろうしな」

 

俺は帰り支度をすませ教室を出ようすると、

 

鉄人「ん? 織村か?」

 

貴浩「鉄人? なんですか? Fクラスに用ですか?」

 

鉄人「鉄人言うな! まぁ吉井にな」

 

貴浩「それって・・・・・・雑用ですか?」

 

鉄人「ああ、そうだ。ところで教室に吉井はいるか?」

 

よりによって明久に用事かよ……仕方が無いか・・・

 

俺は明久と命の邪魔をさせないため行動する。

 

貴浩「明久は今はいませんよ。ですから今日は自分が明久の代わりに雑用しますよ」

 

鉄人「ん? そうか? なら頼むとしよう」

 

貴浩「は~い、了解で~す」

 

俺は鉄人の後に続いていった。

 

 

~明久SIDE~

 

 

貴浩に言われ屋上に向かっていると

 

島田「ねぇアキ。ドコ行くの?」

 

明久「あ、美波! それに姫路さんもどうしたの?」

 

話しかけてきたのは美波と姫路さんの2人だった。

 

姫路「明久君このあと用事があったりしますか?」

 

島田「この後ウチらと一緒に映画でもどう?」

 

明久「ごめんね2人!僕屋上に行かないといけないんだ」

 

姫路「屋上にですか?」

 

明久「うん、貴浩が放課後1人で屋上に行って欲しいって言ってたから」

 

島田「うっ…織村が……」

 

姫路「それは仕方がありませんね……」

 

島田「(どうする瑞希?)」

姫路「(今回は諦めましょう美波ちゃん。織村君に睨まれるとやっかいですから)」

島田「(そうね)」

 

美波と姫路さんが何か言ってるけどどうしたんだろ?

 

明久「じゃあ、僕は行くね。じゃあね2人とも!」

 

僕はそういうと屋上に向かっていった。

 

 

[ 屋上 ]

 

 

僕は貴浩に言われた通り1人で屋上で待っている。

 

貴浩はなんで僕を屋上に呼び出したんだろ?

 

明久「…………………」

 

うん 暇だいざとなったらやることないなぁ~。

いつも貴浩たちと一緒だったから1人でやることがないや

 

……そういえば貴浩と命って仲が良いよね。

思ってたけど2人ともお互いの事が好きなのかな。

命は貴浩とよく一緒にいたりするし内緒話したりしているみたいだから、

やっぱり貴浩のことが好きなんだろうな。

僕としては少し胸がモヤモヤするけど……

でも、貴浩は僕の親友で、僕と違って頭もいいしカッコイイし頼りになるし。

お似合いのカップルになりそうだな。

僕には止める権利がないし、むしろ後を押してやるべきだよね。

 

明久「よしっ!」

 

これでいい これでいいんだ

 

命「何が“よしっ!”なの?」

 

明久「うわぁっ! びっくりした! 命、いつの間に?」

 

命「ついさっきだよ」

 

明久「そ、そうなんだ」

 

命「あのね明久君に話があるんだけど……」

 

明久「話? どうしたの?」

 

命「うん、あのね……そのぅ…実はね……」

 

明久「???」

 

命「明久君、好きです! 私とつき合ってください!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・へっ?

 

 

 

今なんて? 

 

好き? 

 

つき合う?

 

命が?

 

僕に?

 

告白された?

 

 

……考えられることは1つ

 

 

明久「ドッキリ?」

 

命「…………」

 

えっ何? いくらなんでもそれはないって目は?

 

命「鈍感なのはわかってたけど、まさかここまでなんて……さすがにショックです」

 

明久「……ごめんなさい」

 

すごい罪悪感が……でも罰ゲームやドッキリとかじゃないとすると

まさかホントにーーーー

 

明久「………命はホントに僕が好きなの?」

 

命「うん////」

 

命が僕を好きだなんて……命は貴浩のことが好きなはずなのに……

あっ!もしかしてお姉さんの優子さんが貴浩のことを好きだから、

貴浩のことを諦めたのかな。そうなんだろうな……きっと!

じゃなかったら僕なんかを好きになるわけないしね。

 

命「明久君?」

 

明久「あ、なに?」

 

命「あの…返事を聞かせてもらってもいいですか?」

 

返事……ああ、そうか、命は僕に告白したんだっけ。

でもそれは偽りの告白なんだよね。

命が好きなのは僕じゃなく貴浩なんだ!

命は僕が1人だから仕方が無く僕に告白したに違いないんだ。

だから僕の答えは決まっている。

 

明久「えっと……ごめん」

 

命「えっ?」

 

明久「命の気持ちは偽りだよ。命が本当に好きなのは僕なんかじゃないよ」

 

命「え、わ、私は…明久君のことが……」

 

明久「ごめん!」

 

僕はそういうと命をおいて屋上から出て行った。

僕は命のためを思っていったのに胸が痛むのは何でだろう。

そして僕は一人で家に帰った。

 

 

~明久SIDEEND~

 

 

貴浩「ったく鉄人め! 仕事手伝わせすぎだろ」

 

俺が帰るころにはもうあたりは暗くなっていた。

鉄人の手伝いをしていて今帰っている途中だった。

 

そして帰宅途中、見知った背中を見つけ俺は近づいてた。

 

貴浩「よぉ! 命どうだった?」

 

俺が見つけた人物は命だった。

 

貴浩「命どうだったん……どうしたんだ命?」

 

命「…………あっ貴浩君………」

 

命はえらく落ち込んでいた。

そして泣いたあとも見えた。

 

貴浩「一体どうしたんだ?明久はどうした?」

 

命「……私ね…明久君に振られちゃった……」

 

貴浩「はぁ!? 明久がふった!? なんでだ!?」

 

明久が命を振っただと・・・俺が見る限りお互い好印象なイメージしかなかったが・・・

 

貴浩「……とりあえず何があったのか話せるか?」

 

命「うん………」

 

俺は命に屋上でのことを聞いた。

 

命「私の何がダメだったのかな……」

 

貴浩「………明久のバカやろうが……命…今日はウチに泊まるといい。

   優子と秀吉には上手く言っておくから」

 

命「・・・・・・えっ?」

 

貴浩「さすがに今の状態のお前を帰すのは気が引けるし、

   それが秀吉と優子に知られるとメンドクサくなりそうだからな」

 

命「……良いんですか?」

 

貴浩「ああ、もちろんだ!命だってそっちのほうがいいだろ」

 

命「……はい」

 

貴浩「それにまた作戦考えないとな」

 

命「えっ?」

 

貴浩「まさか、もう諦めた気じゃないよな?

   あいつの事だ。おそらく勘違いしてるだろうしな。

   それともお前が明久を思う気持ちはそんなものだったのか?」

 

命「……私諦めきれません!」

 

貴浩「それでこそ命だな。じゃあ帰って作戦会議だ!」

 

命「はいっ!!」

 

そして俺は優子と秀吉に連絡をいれ、命を家に泊めて作戦を練った。

 

さてと少し本気になるか・・・・・・


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