バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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鉄人の実力

秀吉「明久が勝ったのじゃ!!」

 

命「す、凄いです明久君っ!!」

 

僕が姫路さんの召喚獣を倒すと周りから歓喜の声があがる。

 

雄二「よくやったな明久。驚いたぞ!」

 

楓「凄かったですよ明久君」

 

翔子「……吉井凄かった」

 

久保「吉井君見事だったよ。正直見ていてハラハラしたけど、本当に凄かったよ」

 

明久「そ、そうかな。無我夢中だったから……」

 

命「凄いですよ明久君!私感動しちゃいました!!」

 

貴浩「本当に凄かったな明久」

 

明久「えっ?」

 

僕が振り返るとそこには貴浩の姿が目にはいった。

 

 

 

      ☆

 

 

 

貴浩「最後のところしか見れなかったが見事なもんだなお前は。

   さすが学年1の操作技術を持つだけあるか」

 

俺はそういいながら明久のほうへと向かっていく。

その後ろに優子と愛子の2人が続く。

 

明久「もう大丈夫なの貴浩?」

 

貴浩「ああ、随分寝てたみたいだしな。今は何とも無い」

 

明久「そっか・・・それなら良かった」

 

貴浩「後は俺に任せてお前はゆっくりしてろ」

 

俺は召喚獣を召喚して愛子と優子のサポートの元で

学園長の指示でシステムの修理を行っていた。

 

そしてケーブルの接続が完了。

そこで学園長が防犯システムの主導権を取り戻し、扉が開かれた。

 

明久「やれやれ、これで一安心だね」

 

貴浩「ああ……とりあえずはな」

 

学園長「さて、すぐに修理に入るとするかね」

 

そして学園長はどこかへ連絡を。

 

雄二「で、ババァ長」

 

高橋「坂本君?」

 

雄二「……学園長、アイツから連絡はありましたか?」

 

学園長「今こっちに向かってるとのことだよ」

 

雄二「そうですか」

 

雄二は貴浩に目配せをすると、貴浩が頷く。

他の皆は、ソレをみて疑問符を浮かべていた。

 

そして……

 

鉄人「吉井、織村、まさかお前達を褒める日が来るとは思わなかった」

 

鉄人をはじめとする教師陣と、試験召喚システム開発技術者達のご到着。

 

貴浩「今回俺は何もしてないぞ。褒めるなら明久だな」

 

明久「いやいや、貴浩のおかげだよ。

   僕1人だったら昨日の時点で終了してたよ」

 

鉄人「とにかくお前達2人とも良くやってくれた」

 

明久「そう思うなら、補習を免除してくれると嬉しいんですけど…」

 

鉄人「それとこれとは話は別だ。まあ今回の功績をたたえ、今週は免除してやろう。

   だが来週からは厳しく行うぞ」

 

ソレを聞いて、多少だが報われた様な気がした。

 

鉄人「なにはともあれ、良くやってくれた」

 

フィードバックによる疲労とダメージで座り込んでる

俺と明久の頭に、鉄人は手を置き乱暴に撫でまわす。

 

貴浩「……なんか、変な感じだな」

 

明久「うん……いつも怒鳴られてばかりだから、なんだか新鮮な感じというか」

 

だが、満更でもない感じの2人。

 

鉄人「さて、後は俺達の仕事だ」

 

という発言を受けて、周りの教師と開発メンバーたちが動きを見せる。

 

いざ修理にと……

 

雄二「ちょっと待て!」

 

入ろうとしたところで、雄二が遮った。

 

鉄人「どうした坂本?」

 

雄二「ちょっと腑に落ちない事があるんでな。

   それをハッキリさせるまで、ここに誰かを入れる訳にはいかない」

 

それを受けて、教師陣も開発陣もどよめく。

鉄人も雄二を止めようとした者の、その真剣そのものの顔を見て黙る事に。

 

鉄人「……どういう事だ?」

 

雄二「まず、この騒ぎの根本からだ。この騒ぎは侵入者によるものだと聞いている」

 

鉄人「その通りだ」

 

雄二「だが、おかしいと思わないか?

   学会発表を控えたこの日に、しかも学園の心臓部ともいえるサーバールームに、

   誰にも気づかれず侵入者が入るなんて、幾らなんでも手際が良すぎる」

 

その通りだと、大半が頷いた。

そして、ある結論にたどり着く。

 

ジュディス「坂本君は私達、教師の中に手引きした内通者がいるかもしれないと言うのね」

 

雄二「そうだ。ウチの学園の醜聞なんて、近隣の私立校にとっては格好の餌だ。

   当然、それを利用してのお小遣い稼ぎをしようなんて企む奴がいてもおかしくないだろ?」

 

康太「…………そう言う事」

 

光一「そういう事だ」

 

その声に、その場全員がその音源を見る。

そこには、1人の教師の背にスタンガンを構えるムッツリーニと光一の姿があった。

 

教師「土屋!羽鳥!キサマら、何を……」

 

雄二「証拠は揃ったのか?」

 

康太「…………(コク)」

 

光一「もちろんだ」

 

ムッツリーニがMP3プレイヤーと写真を取り出し、雄二に渡した。

雄二はそれを再生する。

 

『……りま……た。では……はい』

 

多少音質の悪く、ノイズ交じりの声。

しかし、それが鮮明になっていき……

 

『ええ。このままいけば確実に学園長は失脚、文月学園は信用をなくすでしょう。

 では、礼金はいつも通りの口座によろしくお願いします』

 

ハッキリと、その教師の声でそう告げられた。

 

鉄人「……滝川先生、これは一体どういう事ですかな?」

 

鉄人がずいっと前に出て、その教師に問いかける。

 

滝川「でっ、でたらめです!」

 

烏丸「コレを見ても、そう言えるのかな?」

 

今度は烏丸先生が現れ、とある写真をつき付けた。

そこには、裏門で見知らぬ男を中に誘うその教師の姿が。

 

烏丸「さっき侵入者も捕らえさせてもらったよ。

   そしてそいつが全て白状したよ。証言からも、間違いないよ」

 

鉄人「……残念です。では、少々大人しくして貰います」

 

滝川「くっ……サモン!」

 

追い詰められ、その教師はフィールドと共に召喚獣を展開。

ムッツリーニと光一も流石に深追いはせず、すぐにその教師から離れた。

 

明久「あっ! 召喚フィールド!?」

 

貴浩「よりによって英語かよ!?」

 

鉄人「吉井、織村下がっていろ!」

 

威風堂々と立ちふさがる鉄人。

 

明久「ちょっ、待った鉄人! いくら鉄人でも、教師の召喚獣相手に生身は……」

 

鉄人「ふん、テストは受けてあるわ、バカ者が!サモン!」

 

<英語>

 

補習教師 西村宗一 898点

 

     VS

 

英語教師 滝川敏則 528点

 

 

 

「「「「「……は?」」」」」

 

鉄人の召喚獣は、一方的に敵召喚獣を葬り去った。

その光景に、俺達はあっけにとられる。

 

明久「うっそ!? 鉄人って、あんなに頭いいの!?」

 

貴浩「まっ、マジか!?鉄人が頭いいなんて!?」

 

雄二「あのヤロ、バケモンか!?」

 

秀吉「さっ、流石にこれは意外だったぞい」

 

その後、無意味にも駆け出し逃げようとしたが、

鈴村先生、烏丸先生、スタン先生、鉄人に囲まれ簡単に捕縛された。

ってか逃げても鉄人の体力にかなう訳もないだろうな。

 

問題は完全解決となり、試験召喚システムもお披露目には間に合うとのこと。

 

貴浩「ま、これで万事解決だな」

 

明久「そうだね。何だか今日は疲れちゃったよ」

 

雄二「そうだな。さて、さっさと帰るか。予期せぬ事態だったしな」

 

秀吉「うむっ。今日はしっかりと休む事にしようかの」

 

康太「………(コクコク)」

 

これで、文月学園の危機は解決した。

 

姫路「明久君、ちょっとお話が……」

 

島田「アキ、今日はこれから……」

 

サァァァッ……! (明久の血の気が引く音)

 

ダッ!      (明久が必死で駆け出す音)

 

……1人の少年と2人の少女達との間に、大きな溝を作って……

 

島田「ちょっ、待ってよアキ!だから、あれは違うって言ってるでしょ!?」

 

姫路「あれは違うんです!私達は本当に酷い事をしようとした訳じゃないんです!!」

 

雄二「あの2人には言っちゃあ悪いが、こりゃしばらくは面白くなりそうだな」

 

秀吉「今回は流石に、何とも言えんぞい」

 

康太「…………不運な事故」

 

貴浩「…………どうでもいい」

 

俺はそういい残し先に帰宅した………さすがに疲れた。

 


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