バカと俺達の召喚獣   作:ターダン8

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最終日

今日で合宿最後の勉強となる。

 

といっても昨日の覗きの件でFクラス男子と刀麻以外の男子は

別の校舎で鉄人監視のもと自習が行われている。

もちろん清水も同じ扱いである。

 

明久「脅迫状の犯人も見つかったし、覗きの犯人も捕まったからもう安心だね」

 

雄二「そうだな。翔子の件も貴浩のおかげでなんとかなったしな」

 

秀吉「今日はのんびりお風呂に入れるのじゃ」

 

貴浩「そうだな。最後ぐらいゆっくり入りたいぜ」

 

康太「・・・・・・秀吉とお風呂(ブシュー)」

 

秀吉の風呂という単語でムッツリーニが鼻血をふきだす。

 

貴浩「おーい! ムッツリーニ大丈夫か? 雄二いつもの頼む」

 

雄二「ああ、わかった」

 

俺達はすぐさま救急セットを持ち出し輸血を始めた。

はじめて数分でムッツリーニが意識を取り戻す。

 

刀麻「・・・・・・いつみても見事な手際だな」

 

貴浩「まあ、日常茶飯事だからな」

 

明久「そうだね。ほぼ毎日倒れてるから慣れちゃったよ」

 

刀麻「そんな状況に慣れたくないな・・・・・・ってか本当に凄いな」

 

優子「Fクラスだもの」

 

愛子「そうだねFクラスだから不思議じゃないね」

 

刀麻「・・・・・・お前らも順応してきたな」

 

すると雄二が俺のほうを手招きしている姿が見えたので俺は雄二に近寄る。

 

雄二「で、お前これから姫路と島田に対してはどうするんだ?

   一応お前が任せて欲しいと言ってたから放置しておいたが・・・」

 

貴浩「ああ、あの2人か。まあ勝手にすれば良いと思うぜ。

   もう俺からは呆れて何も言いたくないからはただの同級生という事で俺は扱っていく。

   雄二たちがどう扱うかは任せるがな。

   ただ、明久に手を出そうとした時は遠慮なく殺らせてもらう」

 

雄二「・・・わかった」

 

雄二はそれを聞くと皆の元へと戻った。

 

 

 

       ☆

 

 

 

雄二「そういえば今日の昼は外でカレーを作るんだったか?」

 

明久「そういえばしおりにそんな事書いてあったね」

 

秀吉「そういえばそうじゃったな」

 

貴浩「確か合宿で俺達も騒いだからFクラスメンバー(男子)で作るんだったな」

 

これがこの合宿で騒ぎを起こした俺達への罰だった。

さすがにあれだけの事をしておいたので罰が何もないということはなかった。

 

雄二「なら人数も多いことだしそろそろ準備に取り掛かるか」

 

食事は2年全女子(清水を除く)と俺達Fクラスメンバーと刀麻、

そして教師分を作らないといけないのでかなりの量になる。

 

覗きメンバーは自分達で作らされるらしい。

 

 

 

調理場

 

 

 

楓「あの兄さん。私達も手伝いますよ」

 

命「うん、そうだよ。私達だってFクラスだし」

 

明久「気持ちだけで充分だよ。

   ただ2人が手伝ったら姫路さんまで手伝っちゃいそうだからね」

 

秀吉「それは勘弁して欲しいのじゃ」

 

貴浩「だから2人はゆっくりしてていいぞ」

 

雄二「さて、量が多いから分担して作るぞ」

 

貴浩「じゃあ具材を切り分ける班と調理する班、

   火をおこし、皿などを準備する班の3つに分かれるか」

 

秀吉「ワシは楓に少し習った事があるから切り分ける位の事はできるのじゃ」

 

光一「すみません。自分も料理は全然で・・・・・・」

 

刀麻「俺は料理はそこそこ出来るぞ」

 

雄二「なら、具材を切り分ける班が秀吉を中心に、準備する班が光一を中心に、

   調理のほうは、甘口を貴浩に、中辛を明久・康太に、

   辛口を俺と刀麻を中心に別れて作るぞ」

 

刀麻「ってか甘口っているか?やっぱカレーはせめて中辛からだろ?」

 

雄二「まあ俺は辛口派だな」

 

明久「僕は中辛程度かな」

 

康太「・・・・・・・俺も」

 

光一「俺も中辛かな」

 

貴浩「いや、カレーは甘口で充分だろ」

 

秀吉「ワシも甘口のほうが好きじゃの」

 

刀麻「ってか貴浩は甘口派なのか?てっきり辛口派かと・・・・・」

 

貴浩「辛口も食べれない事はないが、俺って甘党なんだよな」

 

刀麻「そうなのか?少し意外だな」

 

雄二「さておしゃべりはここまでにして準備に取掛かるぞ!」

 

『『『『『了~解!!』』』』』

 

 

 

じゃあ作るとするかな。

 

近藤「なあ織斑。作り方教えてもらってもいいか?

   お前の作ったヤツはおいしいからな」

 

須川「俺も! 中華は得意だが、カレーはあまり作らなくてな」

 

貴浩「いいぜ。じゃあ作りながら言うからな。

   まずは秀吉たちが切ったにんじん、玉ねぎ、じゃがいもを、

   フライパンでニンニクと一緒にいためてる。

   もちろん焦がさないようにな。

   それでいためた野菜を水をいれたカレー鍋に入れるっと」

 

近藤「うん、それで」

 

貴浩「次は豚肉は小麦粉をまぶしてサラダ油をひいたフライパンでいためる。

   少しカリカリ感が出来る感じに」

 

須川「こんなものか?」

 

貴浩「そうそう。それぐらい。で、豚肉をカレー鍋にいれ弱火で1時間煮込む。

   蒸発した水分の量だけ水を足しすのを忘れないように」

 

 

1時間後

 

 

貴浩「で最後にルーをいれて弱火で20分煮て完成なんだけど。

   隠し味にコレとアレを入れる」

 

須川「え?コレとアレを入れるのか?」

 

近藤「おいしいのか?」

 

貴浩「なら少し味見してみるか?」

 

俺はお玉でルーを少し掬い味見用の小皿にのせ味見をさせた。

 

貴浩「どうだ?」

 

須・近「「う、うめぇ!!」」

 

近藤「甘口ってバカにしてたけどコレはうまいな」

 

須川「さっきの隠し味を入れただけでこんなに変わるのか!?」

 

貴浩「だろ。甘口はカレー本来の味を楽しめるからな」

 

俺達ができたと同じくらいに皆のほうでもできたみたいだな。

 

 

 

         ☆

 

 

 

俺達はみなの前にカレーを並べていく。

 

西村「ほう。これをお前らが作ったのか?」

 

明久「そうですよ。鉄人のは雄二と刀麻が作ったのだけど・・・」

 

リリス「これはたのしみですね」

 

貴浩「なんかリリス先生に食べてもらうのか緊張しますね」

 

リリス先生は甘口を食べるので少し緊張する。

先生が家庭科の教師であるって言うのもあるが、リリス先生の料理の腕はプロレベルだからな。

 

リリス「大丈夫! ちゃんと評価してあげるから」

 

貴浩「お手柔らかに」

 

明久「じゃあ僕達も席に着こうよ」

 

俺達は全員に配り終えると自分達の席についた。

 

貴浩「じゃあ食べるか」

 

『『『『『いただきます!』』』』』

 

楓「やっぱり兄さんのカレーはおいしいですね」

 

命「明久君たちが作ったカレーも美味しいですよ」

 

翔子「・・・・・・・雄二が作ったのもおいしい」

 

あちこちで美味しいという声が上がっている。

 

愛子「美味しいけど何か凹むね」

 

優子「・・・そうね。ここまでおいしいとね」

 

美味しいという声が上がると同時に各所で女子が落ち込んでいる。

なんでだろ?

 

なのは「康太君もかなり料理上手いんだね」

 

康太「・・・・・・・コレくらい一般常識」

 

秀吉「うッ!」

 

楓「ヒデ君はこれから一緒に頑張ろうね」

 

康太の一言で少し落ち込んだ秀吉を楓が励ます。

仲むつましいな・・・・・・・ってか羨ましい。

 

カレーを食べ終わると(ちなみに3杯食べました)

 

リリス「織村君。おいしかったよ。

    コレ隠し味にチョコレートとパイナップルを入れなかった?」

 

貴浩「さすがですね先生。そうですよ。

   チョコレートとパイナップルを細かく切り刻んで入れてコクを出してみました」

 

明久「貴浩はチョコレートとパイナップルを入れたんだ。僕は無難にりんごを入れたよ」

 

雄二「俺はコーヒーだな」

 

リリス「皆、一工夫してるのね。これは次の試験も楽しみね」

 

その後は食後という事もありゆっくり休んでいたら

何故か女子達がやってきた。

料理についてのアドバイスをしてほしいという事らしい。

 

まあ、別にかまわないけど・・・・・・ということで結局ゆっくり休めなかったな。

 

 

 

 

 

 

貴浩「さて、今日はゆっくり風呂に入るかな」

 

秀吉「のう貴浩よ。ワシと一緒に入ってくれぬか?1人ではさすがに寂しくての」

 

貴浩「そういや、秀吉だけ時間帯は違ったな」

 

秀吉「そうなのじゃ。せっかくの合宿じゃから友達と入りたいのじゃ」

 

雄二「なら楓と入れb──」

 

貴浩「何か言ったか雄二?」

 

俺は雄二にトンファーを向ける。

 

雄二「な、なんでもない」

 

貴浩「・・・・・・それならいい」

 

俺は雄二からトンファーを下げる。

いくら恋人同士であろうとそんな事はさせない。

 

秀吉「で、どうかのう?」

 

貴浩「ああ、いいぜ。なら明久たちも一緒に入ろうぜ」

 

明久「え? どうせ男子は僕達しかいないから当たり前じゃない」

 

雄二「それは少し違うぞ明久。

   俺達の他にもFクラスのメンバーがいるだろうが、

   それを秀吉と入ったら暴動が起きるぞ」

 

明久「そうだったね。最後くらいゆっくり入りたいしね」

 

貴浩「だからムッツリーニも鼻血出すなよ」

 

康太「・・・・・・大丈夫」

 

ちなみにもう明久とムッツリーニは秀吉を男として見る様になった。

 

方法は簡単、秀吉の下半身を見せただけだ。

その時の2人は凄く絶望していたがな。

 

そして俺達の入浴時間。

先にFクラスメンバーに入ってもらい、後の時間俺達の貸切というわけだ。

 

雄二「じゃあ、入りに行こうぜ」

 

貴浩「そうだな」

 

秀吉「了解じゃ!」

 

浴場につくと

 

貴浩「今にしても思うとここの風呂ってこんなに広かったんだな」

 

明久「そうだね。昨日まで目的のためにゆっくり入れなかったしね」

 

雄二「まぁ最後ぐらいゆっくり入れそうだな」

 

刀麻「そういえば隣は女湯だったな」

 

康太「・・・・・・女湯」

 

貴浩「鼻血出すなよムッツリーニ。風呂を赤に染めたくないぞ」

 

康太「・・・・・・ま、まだ大丈夫」

 

光一「ま、まだって・・・・・・」

 

秀吉「確かこの時間帯じゃと姉上や工藤たちが入っておるのう」

 

明久「そうなんだ」

 

刀麻「なら向こうも俺達が入ってるの知ってるんじゃないか?」

 

貴浩「もしかしたら呼んだら返事したりしてな」

 

雄二「まさか、さすがに返事するヤツいないだろ」

 

貴浩「じゃあ、やってみるか」

 

刀麻「え?マジか?」

 

貴浩「誰の名前呼んでみようか?無難に霧島かなのは、砂原あたりか?」

 

明久「なんでその3人?」

 

貴浩「砂原は呼んだら面白がって返事しそうだし、

   なのはと霧島は彼氏がこっちにいるからな」

 

明久「あ~それなら納得」

 

雄二「翔子はやめてくれ頼む」

 

康太「・・・・・・俺も」

 

刀麻「さすがに呼ぶのはやめようぜ」

 

貴浩「わかったよ」

 

結局今回は悪ふざけせずゆっくり風呂に入った。

 

 

最終日は光一が頼んだリムジンバスに乗り帰宅した。

もう乗る機会なんかないだろうが・・・・・・・

 

 

― 処分通知 ―

 

文月学園第2学年全男子生徒(Fクラス男子とAクラス不知火を除く)と

2年Dクラス清水

 

上記の者達全員を1週間の停学処分とする

 

文月学園学園長 藤堂カヲル

 

 

 

 

 

 

ついムラッと来てやった。

今は心の底から後悔している


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