プロローグ
楓「ゴホッゴホッ」
貴浩「……やっぱり俺も学校休む」
楓「駄目だよ兄さん。学校行って試験受けてきて」
貴浩「いや、でもなぁ……」
楓のことが心配だしな…
楓「私のことは気にしないで」
貴浩「……わかった。じゃあ学校に行くけど何かあったらすぐ連絡しろよ」
楓「……うん、兄さんいってらっしゃい。試験頑張ってね」
貴浩「ああ、じゃあ行って来る」
今日は文月学園のクラス分けの振り分け試験がある日である。
そして妹の楓が高熱を出してしまい昨日から寝込んでいるのである。
俺も休んで看病しようとしたのだが楓からのお願いで試験を受けることにした。
振り分け試験はA~Fクラスに分ける試験で
F→Aになるほど成績が良いとなっている。
しかし、試験を休むあるいは途中退出してしまうと0点となってしまい
自動的にFクラスとなってしまう。
よって楓は自動的にFクラスとなってしまった。
☆
そして俺は学園へ登校していると
秀吉「貴浩おはようなのじゃ」
優子・命「「貴浩君おはよう」」
貴浩「ああ、おはよう秀吉に優子に命」
と後ろから木下姉妹に声をかけられた。
秀吉「朝からどうしたのじゃ、暗い顔しておるようじゃが?」
貴浩「ああ、昨日から楓が熱出して寝込んでてな」
秀吉「なんじゃと!?」
命「それで楓ちゃんは大丈夫なんですか?」
貴浩「昨日よりは熱は下がったが、まだ熱が少しあるから今日は休ませてきた」
命「そうなんですね……」
と命は少し残念そうにしていた。
貴浩「大丈夫だ。多分明日には治っていると思うからさ」
命「……そうですよね」
貴浩「ちなみに命は体調大丈夫なのか?顔色が少し優れないような気がするが?」
命も楓と同じく生まれつき体が弱く体調を崩しやすかったりする。
命「はい、大丈夫ですよ」
優子「何かあったらすぐ言うのよ」
秀吉「そうじゃぞ、すぐに教えるのじゃぞ」
命「優姉・秀兄大丈夫だって」
貴浩「まあ俺は命と同じ試験教室だから何かあったら知らせるさ」
優子「ごめんね。貴浩君お願いするわ」
秀吉「すまぬの。よろしく頼むのじゃ」
貴浩「ああ、まかせろ」
俺と命は同じ試験教室で優子と秀吉は別の教室なのである。
教室前にたどり着くと
優子・秀吉「「じゃあ悪いけど命のこと頼むわね(のじゃ)」」
貴浩「了解。じゃあ、命試験頑張ろうな」
午後の試験中────まあそこそこできているな。
午前中もできただろうからCクラスには行けるか…?
そういえば命はどうだろうか?
午前中は大丈夫そうだったが…
そう思い命のほうを見てみると、いきなり命は倒れてしまった。
貴浩「命、大丈夫か!?」
俺はすぐ命の元へと駆け寄った。
教師「織村!!試験中だぞ、席につけ!
席につかないのなら試験を0点にするぞ。
そうなりたくなかったら早く席につけ」
貴浩「分かりました。0点にしたければどうぞお好きに。
友達が倒れたままにするのは嫌なんで0点で大いに結構です」
教師「織村!!」
貴浩「じゃあ、自分は命を保健室に連れて行くので」
そういうと俺は命を抱えて教室を出て行った。
キーンコーンカンコーン♪
今、試験最後のチャイムがなった。
優子と秀吉にはメールをしているのでもう少ししたら来るだろう。
ガラッ
扉が開く音がしたので扉のほうを振り返ると
試験が終わって1分も経っていないのに
そこには優子と秀吉が息を荒げて入ってきた。
そこで俺と目があい、2人は命に駆け寄って行き
優子・秀吉「「命は大丈夫なの(かの)!?」」
貴浩「ああ、先生に見てもらったら軽い貧血だってさ」
優子「そ、そうなの。よ、良かった無事で」
秀吉「ヒヤッとしたのじゃ」
そう言うと2人は安心したようだった。
命「優姉・秀兄ごめんね。心配かけて」
優子「ううん、良いのよ。でも今度からはきつい時はちゃんと言うのよ」
命「貴浩君もごめんね。私のせいで試験が」
貴浩「ああ、気にしないで良いぞ。
正直俺は楽しければクラスなんてどこでもいいんだ。
それに楓も同じクラスだからな。正直こっちのほうがいいさ。
それにどうせアイツもFクラスだろうし…
それよりより本当に悪いな。体調が悪いのに気がつかなくてな。
優子も秀吉も悪い。命のこと頼まれたのに……」
優子「ううん、気にしないで。それにこちらこそ、ごめんなさいね」
秀吉「そうじゃ、気にしないでほしいのじゃ。逆にありがとうなのじゃ」
そう言われ後は2人に任せて俺は保健室を出ていった