原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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相変わらず更新が遅くて申し訳無いです。


空白期2
38_ミスト『ここから回想シーンに入りま~す』零冶『メメタァ』


零冶 サイド

 

 闇の書修復作戦の翌日、俺は自宅にいた。え? 学校はどうしたって? 今日も休みだよ。だって冬休みに入ったんだから。実を言うと作戦は冬休みに入って直ぐに行ったんだ。その方がなのは達にとっても良いだろうと思ったから……なんて理由ではなく、訓練が追いつかず、ここまで時間が掛かってしまった。

 

 と言う訳でもなく、単純に原作に近づけるためだ。何かと理由を付けてでここまで引っ張った。だって作戦の後に学校なんてめんどくさいじゃん。おっと本音が洩れてしまった。

 

[このマスター確信犯である]

 

「全ては俺の思いのままなのだ。はっはっは!」

 

 という訳で、今日はクリスマスイブ。世は非リア充達にとってはリア充達がはびこる魔の巣窟となっている。俺? リア充とかまだそう言う年じゃねぇし。まだ小学生だからね。さて一応、なのは達はどうなったかを話しておこうか。

 

 まず、はやてだが、無事夜天の書に戻った事で足の麻痺が取れ、動かせるようになった。だが、筋力が無いのでリハビリが必要だ。今日は無事に夜天の書に戻したお祝いに翠屋でクリスマスパーティをするそうだ。

 

 その後、アースラに乗ってミッドチルダに行き、色々な手続きをした後、晴れて管理局に入隊となる。今日は主治医のフェリスさんに足が動くようになった事を報告すると言っていた。それとミッドに言っている間は親戚のギル・グレアムのところにお邪魔すると話をしておくそうだ。

 

 足のリハビリ次第だが、冬休み明けに学校に復学するそうだ。学校に行けると喜んでいたな。

 

 なのは達民間協力者の5人は元の生活に戻った。高町家と桜羽家は無事に帰ってきたことを喜んでいた。後、バニングスや月村にも帰ってきたことを伝えて同じように喜んでいた。今夜のクリスマスパーティにも出席するらしい。

 

 言ってなかったが、はやては既にバニングスや月村とも面識がある。俺がはやてをなのは達に会わせた後、なのは達がバニングスと月村とはやてを会わせ友達になっている。

 

 テスタロッサ一家もクリスマスパーティに出席するそうだ。後、地球からミッドへの移動を簡単に出来ないかを相談された。なので、今のテスタロッサ家が住んでいる部屋に隠し部屋があることを伝え、そこからミッドに転移できる固定長距離転移型の魔法陣を敷いたらどうかと話をした。

 

 その隠し部屋は魔力を注入しないと外からは空けられない仕組みなので、一般人には開けられないからな。そのことを伝えたところ、プレシアさんがちょっと呆れた風にそうすると言っていた。

 

 そして俺はというと

 

「よ~し! 宿題終わった~」

 

 冬休みの宿題をやっていた。そう、やって()()のだ。

 

「いや~、影分身マジ便利。全部の宿題が一時間で終わったし、影分身消したらちゃんと経験が

 入ってくるし。作って良かったわマジで」

 

[何ということでしょう。あんなに有った宿題が(マスター)(レアスキル)によってあっと言う間に

 終わってしまいました]

 

「劇的ビフォーアフターか」

 

[まったくレアスキルの無駄使いですよ? マスター]

 

「いいだろ。使えるものは使う。それが俺だ。それにこの後予定があるんだ。

 早いに越したことはない」

 

[早い男は嫌われ「おっとそれ以上はいけない」ちぇ~]

 

 え? クリスマスパーティに行くのかって? まさかそんな訳ないだろ。一応誘われたけどな。断ったよ。用事があるってな。ワザワザ巻き込まれに行くかっての。それに本当に用事があるんだよ。

 

「さて、そろそろ行くか。ミスト」

 

[了解、セットアップ]

 

 俺はミストに頼み、ライに変身する。

 

「よし、ミスト。ミゼットに連絡を」

 

[了解…………マスター、繋がりました]

 

「わかった。こちらライ、ミゼット聞こえるか?」

 

『はい、聞こえますよ。どうしたのかしら?』

 

「ああ、闇の書の救済の件は聞いてるな?」

 

『ええ、聞いているわ。無事上手く行って良かったわ。流石ライね』

 

「今回の件については俺はほとんど何もしていないさ。頑張ったのはあの子達だ」

 

『そこに到るまで頑張ったのはあなたよ。謙遜しなくてもいいんじゃなくて?』

 

「だったら今回の報酬は期待できそうだな」

 

『あら? 要らぬことを言っちゃったかしら?』

 

「冗談だ。報酬はいつも通りで頼む」

 

『畏まりました。相変わらずね』

 

「それよりお願いしたい事があってな。そっちに行っても良いか?」

 

『お願い? 分かったわ。こっちは大丈夫よ』

 

「すまんな。では」

 

『ええ、お待ちしておりますよ』

 

 そう言って、俺は通信機を切る。

 

「さて、行くとするか。『愛里。行って来る』」

 

 俺は念話で愛里に伝えると

 

『はい、行ってらっしゃいませ。ライ』

 

 愛里から念話が返って来た。俺は飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)でミゼットのところに転移した。

 

 

フッ

 

 

「こんにちは、ミゼット」

 

「ええ、こんにちは」

 

 俺は転移するとミゼットに挨拶をする。ミゼットも俺に挨拶を返した。

 

「久しぶりだな。エリス」

 

「ええ、久しぶり。ライ」

 

 ミゼットの傍にエリスが居たのでそっちにも挨拶をする。

 

「今、紅茶を入れるわ」

 

「ああ、頼む」

 

 エリスは紅茶を入れるため、給湯室に移動した。

 

「ふぅ、私も少し休憩しようかしら。エリス。私の分もお願い」

 

「畏まりました」

 

 ミゼットは空中ディスプレイを消すと、机から立ち上がると中央のテーブルの所に移動する。

 

「ライも座ったら?」

 

「それじゃ、遠慮なく」

 

 ミゼットに薦められたので、俺はソファーに腰かける。

 

「それで? お願いって何かしら?」

 

「ああ、夜天の書の主のことなんだが」

 

「はやてちゃん? はやてちゃんがどうしたのかしら?」

 

「管理局に入隊した後の担当をリンディさんにして貰いたくてな」

 

「リンディちゃんに? それはまたどうして?」

 

「どうやらリンディさんは地球に腰を下ろして、管理局の仕事すると言っていた。

 なら、はやての担当に丁度良いじゃないかと思ってな。それに彼女は信用できる」

 

 これは本当だ。リンディさんに確認も取ってある。

 

「あら、そうなの? ならその方が良さそうね。分かったわ。そのように話しを進めておきます」

 

「そうか……助かるよ」

 

「い~え、貴方からお願いなんて珍しいもの。もちろん貸し借りは無しでいいわ」

 

「いいのか? 借りを作る覚悟だったんだがな」

 

「ええ、構わないわよ。寧ろ良く教えてくれたわ。その方がはやてちゃんにとって良いものね」

 

「流石ミゼットだ。話が分かる」

 

「褒めても何もでませんよ。話しは以上かしら?」

 

「お願いに関してはな。他に聞きたいことがある」

 

「何かしら?」

 

「今回の闇の書救済作戦に対しての上層部の反応を知りたい」

 

「なるほど、そうねぇ。話せる範囲になるけど良いかしら?」

 

「ああ、構わない」

 

「分かりました。と言っても貴方が懸念しているようなことは多分ないわよ。上層部は

 夜天の書についてより、現れたゼロの話題で持ちきりよ」

 

 いや、その情報が一番聞きたかったんだよ。つまり俺の狙い通りになった訳だ。

 

「そうなのか?」

 

「ええ、最初は闇の書を良く思っていない上層部の人間も居たんだけど、ゼロの事を聞き、

 それと同等に戦えた夜天の書や守護騎士達が味方になると分かった途端、手の平を返した

 ように態度が変わったわ」

 

 本当に俺の狙い通りになったな。大丈夫か管理局。

 

「そうか、ならはやては無事管理局の受け入れられそうだな。安心した」

 

「……ライは」

 

「ん?」

 

 ミゼットが俺に声を掛けてきた。

 

「どうしてあの子にそこまで入れ込むのかしら?」

 

「……そうだな。自分と重ねてるんだろうな」

 

「自分と?」

 

「俺も小さい時に家族を亡くしてな。ずっと一人で生きてきた。そんな自分とさ」

 

「……そうだったの」

 

「だから、はやてには幸せになってもらいたい。俺と違ってな」

 

「ライ……」

 

「はやての事は頼んだぞ、ミゼット。ここから先は俺では守ってやれないからな」

 

「分かりました。はやてちゃんのことは任せて」

 

 こういう交渉ごとは多少自分の弱音を見せたほうが上手く行くんだ。まあ、ある程度の信頼関係が有って初めて成功するんだけどな。

 

「紅茶が入りました」

 

 俺がミゼットにお願いしたところでエリスが紅茶を運んできて、ミゼットの前に置いた。

 

「ありがとう」

 

「いえ」

 

 ミゼットはエリスに礼を言うと次は俺の前に紅茶を置いた。

 

「どうぞ」

 

「ああ、ありがとう」

 

 置かれたティーカップの取っ手を持ち、口に運ぶ。

 

「いい香りだ。ベルカの高級紅茶、セイントオリーヴァか」

 

「あら、良く分かったわね」

 

「傭兵として情報に精通していないといけないからな。確か古代ベルカ時代に聖王オリヴィエが

 好んで飲んでいた紅茶だったな。それに因んで名付けられたんだったかな?」

 

「流石ね。ライ」

 

 エリスはそういうとテーブルの中央にお茶請けの器を置いた。

 

「あら? エリス。貴方は飲まないの?」

 

「はい、お茶請けが切れたので買って来ます」

 

「別に今じゃなくていいじゃない(ライとお茶できるチャンスよ)」

 

「いえ、丁度休憩中ですし(今日はとてもそんな気分ではないので)」

 

「そう? ならお願いね(そんなに気にしないでいいじゃない。ライも気にしてないわよ?)」

 

「分かりました(……そう! です! ね!)」

 

 なんかミゼットとエリスが口で会話しながら念話でも会話してるな。念話のほうは内容までさぐってないけど。それにしてもエリスのやつ今日は随分元気ないな。しかも念話が終わった辺りから機嫌も悪いしどうしt……ああそう言う事か、ったくしょうがないな。

 

 っと考え事している間にエリスが執務室から出て行ったな。買い物に行ったんだろう。

 

「まったく素直じゃないんだから」

 

「まったくだな。無くしたなら無くしたって言えばいいのに」

 

「あら? 気付いてたの?」

 

「気付いたのはさっきだ。お前達が念話での話が終わってからだな。今日は妙に元気が無いと

 思ってはいたがな」

 

「そうなのよ。3日前に無くしてから元気が無くて」

 

「別にあのイヤリングにこだわる事はないだろうに」

 

「あら、相変わらず女心が分かってないわね。貴方からのプレゼントだったものよ?」

 

「もちろん覚えているさ。俺が傭兵活動を始めた最初の任務だったからな」

 

「そうね。懐かしいわ。そう言えば、あの星の開拓も終わりましたよ」

 

「そうか、やはり元のあの人数では5年以内は無理だったろう」

 

「ええ、貴方の言う通りでしたね。思えばあの時からあなたは優秀でした……」

 

『ここから回想シーンに入りま~す』

 

『メメタァ』

 

零冶 サイドアウト

 

 

 闇の書救済作戦から約5年ほど前、零冶は傭兵としてある活動をし、ある程度の知名度を確保するため、ミストにリストアップしてもらった管理局の依頼を確認していた。

 

「ん? 何だこれは」

 

[どうしました? マスター]

 

「いや、この依頼なんだが」

 

 零冶は確認していた依頼の詳細イメージをミストに見せる。

 

[ああ、これですか。一応護衛任務ですし、難易度がSSだったので、大きな任務だと思いまして]

 

「確かに大きな任務だが、内容がな」

 

 零冶は再び、依頼内容に目を通す。

 

 

 依頼種類

  要人護衛

 

 依頼内容

  一定期間の要人を護衛

 

 難易度

  SS

 

 期間

  未設定

 

 報酬

  働きに応じて且つ交渉次第で上限無し

 

 回答期限

  本日中

 

 

「期間の設定無しの上報酬の上限無し、しかも回答期限が今日中って誰の護衛だ?」

 

[しかも依頼日も今日です。突発的な依頼ですね。余程上の重要人物の護衛なんでしょう]

 

「……初依頼にするには厳しいかな?」

 

[マスターのステータスなら問題無いと思いますが?]

 

「……ミスト。この依頼を受けてくれ」

 

[了解しました]

 

 ミストは依頼者に連絡を取り、零冶はその依頼を受けた。

 

 

 

 

 翌日零冶は待ち合わせの場所に移動した。

 

――ミッドの町外れの廃墟か……随分慎重だな。一応円で周囲の警戒をして入るが

 

 しばらく、待っているライの円の中に車が入ってきた。

 

――この車、随分大きいなリムジンほどじゃないが

 

 車がライの傍に乗りつけ、一人の女性が降りて来た。

 

「失礼ですが、ライさんでよろしいでしょうか?」

 

「そうだ。あなたは?」

 

「はじめまして、エリス・リートルードと申します。早速ですが、車のご乗車願います。

 詳しい任務の説明はそちらで致します」

 

「了解」

 

 ライは車に乗り込むと、エリスも続いて車に乗る。

 

――広い車だなまさか、後部差席で対面式になるとは

 

――変な仮面をした傭兵ですね。大丈夫でしょうか……

 

「依頼内容の説明の前にいくつか質問します」

 

「どうぞ」

 

「ではまず、魔導師ランクを教えて下さい」

 

「無い」

 

「は?」

 

「正確には受けた事が無いので分からないだな」

 

「……そうですか、では傭兵としての実績を」

 

「それも無い。これが初めての任務だからな」

 

――大丈夫なんでしょうか……

 

「では、この後実力のほどを測らせて頂きますが、よろしいですか?」

 

「構わない。元々そのつもりだったのだろう? 実力が不明な人間を要人警護に付ける

 訳には行かないからな」

 

「……ご理解頂き感謝します」

 

 その後もエリスからの質問が続き、ライはそれに答えた。

 

「好きな食べ物は?」

 

「色々だ」

 

「……趣味は」

 

「無い」

 

「仮面の下は?」

 

「教えるつもりはない」

 

「魔力量は?」

 

「後で分かるだろ?」

 

――結局分かったことは名前だけなんですが……しかも偽名ですし。不安になってきました。

 

「では依頼内容についてですが、護衛対象についてはまだ話すことは出来ません。

 期間についても現在不明です。護衛対象の用が済み次第となります。また、報酬については

 働きに応じてこちらから提示します。また、交渉次第では割り増ししても構いません」

 

「ふむ」

 

「以上です」

 

――は? 結局依頼内容で分かったことないんだけど? 大丈夫なのか?

 

 それぞれが不安を抱いたまま、ライを乗せた車は管理局が保有する演習場へ辿りついた。

 

「これからBランク昇格試験相当の実技試験を行います。なおこれは公式では無いため、

 貴方の魔導師ランクに変動はありません。よろしいですね?」

 

「ああ、構わない」

 

「では、試験内容を説明します。貴方にはこれから目標地点に向かって移動してもらいます。

 その際に出現するターゲットを破壊して目標地点に制限時間内に到着して下さい。

 制限時間は10分。合格ポイントはターゲットを九割以上破壊し、制限時間内に目標地点

 到着となります。また、移動経路にはアタッカーが出現し、貴方の移動が妨害されます。

 このアタッカーは破壊してもしなくてもポイントに反映はされませんのでご注意下さい」

 

『なあ、ミスト』

 

『何ですか?』

 

『Bランク昇格試験ってアタッカーなんて出てきたっけ?』

 

『いえ、出てきませんね』

 

『ってことは。実質Aランク相当ってことかな?』

 

『そうですね。恐らく実力を測るために高めにしたんでしょうね』

 

『そう言う事か』

 

「試験を開始しても、よろしいでしょうか?」

 

「構わない」

 

「では、始めて下さい」

 

「了解」

 

 こうしてライの実技試験が始まった。

 

 

 

 

「到着っと」

 

 試験を開始して10分ほどで試験は終了した。

 

『あれ? 終わりじゃないの?』

 

『いえ、終わりの筈ですが』

 

 ライが目標地点に到着したにも関わらず、コールがならなかった。

 

「エリス・リートルード。コールはまだか?」

 

「はっ!? も、目標地点到着、到着時間9分35秒、ターゲット破壊率、10割です」

 

「一応、合格でいいかな?」

 

「え、ええ」

 

――まさか、本当に合格するなんて、管理局のSランク魔導師でも全てのターゲットを破壊し、

  10分以内に到着したものなんていないほど難易度に設定したはずなのに……

  しかもアタッカーも全て破壊されている。こんなのありえないわ

 

 エリスがライの実力に驚愕していると

 

「これで実力のほう証明できたかな」

 

 ライがエリスに確認を取る。

 

「いえ、次はある方と模擬戦をしていただきます」

 

「模擬戦?」

 

『それは助かるな。正直自分の影分身体として模擬戦したことがないからな』

 

『そうですね。いったいどれだけチートなのか分かりますね』

 

『いや、流石に実戦経験が無いからな。良い勝負になる……はずだ』

 

「はい、ではまた移動しましょう」

 

「了解」

 

 ライはエリスに連れられ、演習場から訓練場に案内された。

 

『今度は訓練所か』

 

『しかし、演習場と訓練場を貸切にするとは中々の重役のようですね』

 

『権力の無駄使いじゃね? 模擬戦も演習場でよくね?』

 

『次に使う人がいたんじゃないでしょうか?』

 

『ああ、なるほどね』

 

 ライがミストと念話で会話をしていると

 

「ったくめんどくせぇ。何で俺が模擬戦なんてやらなけりゃいけねんだよ」

 

『報酬分は働いてもらいます』

 

「ちっ、しょうがねぇな」

 

 一人の男が訓練場に入ってきた。エリスは管制室から声を掛けた。

 

『190以上の長身の金色の髪の赤いメッシュの入った髪。ガンズランス状のデバイスに左肩に

 ある髑髏の刺青、マグナ・ベルーゼか?』

 

『そのようですね。陸戦ランクS、空戦ランクAAA+、魔導師ランクニアSでフリーの傭兵。

 傭兵の実力者ランキングでも五本指に入る実力だったはずです』

 

『相手にとって不足無しだな』

 

「お前、名前は?」

 

「ライだ」

 

「ライ? 聞いたことねぇな」

 

「今日が初めての任務だからな」

 

「まじか! がっはっは! お前新米か! 初任務でこの依頼受けたのか!

 馬鹿を通り越して大馬鹿だな!」

 

「そうかな?」

 

『二人とも模擬戦を始めますよ』

 

「おっといかんいかん」

 

「了解した。エリス・リートルード」

 

『では、双方準備はよろしいですか?』

 

「「ああ《おう!》」」

 

『では、試合を開始して下さい』

 

「手加減はできねぇぞ!」

 

 マグナはガンズランスをライに向け、魔力弾を放つ。ライは横に移動することで魔力弾を避わす。

 

「おらおらぁ!」

 

 マグナはガンズランスのシリンダーをグルグル回転させて魔力弾を増やし、ライに放つ。ライは更にスピードを上げ、魔力弾を避わす。

 

「避けてばっかじゃ話しになんねぇぞ!」

 

『くっ! これが実戦だとでも言うのか』

 

 手も足も出せず、攻撃を避わし続けるライ。

 

『このままじゃ……このままじゃ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『余裕で勝っちゃうじゃないか!』

 

『これ不味くないですか?』

 

『不味いよ! 何だよこの魔力弾の威力は! C~Bって! 弱っ! 俺ならこの十倍の威力で

 百倍の弾幕張れるわ!』

 

『流石バグチートさんです』

 

『遊んでる場合か! この戦いは引き分けかギリギリ負けで終わらせないとマグナと角が立つ。

 この後一緒に任務を受けるなら俺は弱者の立ち場を演じないといけないのに手加減すらまま

 ならない実力差……どないせいちゅうねん』

 

『とりあえず、相手のステータスを調べて、強者の慈悲(リミッターオン)で合わせたらどうですか?』

 

『そうだな……それで行こう』

 

 ライはマグナの放つ魔力弾を避わらしながら、一つの魔力弾を精製するとそれを地面に放ち煙幕を張る

 

「ちっ! 小ざかしいまねを」

 

『よし、この位置ならエリスとマグナにも見えない』

 

 ライは栄光の手袋(グロリアスハンド)時の支配者(クロックマスター)のコンボで時間を止める。ライはその間に煙幕から抜け出す。

 

「ふぅ、やっと落ち着いたな」

 

[そうですね]

 

「さて、早速。神の遊戯(キャラクターメイキング)発動」

 

 ライは神の遊戯(キャラクターメイキング)で端末を具現化する。

 

「作るか作らないか迷ってたんだけどな。レアスキル作成を選択」

 

 ライは端末を操作し、レアスキル作成覧を選択する。

 

「続けて、レアスキル未作成一覧を選択」

 

 レアスキル作成覧から未作成のスキルの一覧を表示する。レアスキル未作成一覧はライが予めレアスキルの能力や制約と誓約を設定し、保存していたレアスキル一覧だ。後は代償(EXP)を支払うことで作成が可能となる。

 

「確か【イ】だったな。五十音順に並び替えてっと」

 

 ライは未作成レアスキル一覧を並び替える。

 

「【イ】、【イ】、あった。解析眼(インペクト・アイ)を選択。必要な代償(EXP)を払ってっと」

 

 ライは解析眼(インペクト・アイ)を覚えた。

 

「よし、早速。……解析眼(インペクト・アイ)発動」

 

 ライは仮面の目の部分にレンズをはめる。

 

「さて、一分間見つめてっと」

 

[目と目が合う~♪ 「おい馬鹿やめろ」]

 

 一分間マグナをレンズに収めた。

 

「おっ、出た出た。は?」

 

 ライはマグナのステータスを見て呆気に取られる。

 

[どうしました? マスター]

 

「……はっ! いやいやまさかそんな」

 

[マスター?]

 

「あ、ああ。マグナのステータスを見たんだが……」

 

[それがどうしました?]

 

「今お前にも見えるようにする」

 

 ライはマグナのステータスをミストにも開示する。

 

[どれどれ……ああぁなるほど。これはひどい]

 

 

 

名前:マグナ・ベルーゼ

 

性別:男

 

年齢:32歳

 

デバイス:ガンライズ・ランス(アームドデバイス)

愛称:ガンズ

 

ステータス

 筋力:D

 俊敏:E

 耐久:C

 魔力:AAA+

 幸運:F

 

 

「ステータス低っく!」

 

[いや、案外これが普通なんじゃないですか? マスターが異常なだけで]

 

「俺のステータスは確かに異常だな。これと比べると」

 

 零冶は神の遊戯(キャラクターメイキング)の端末を操作し、自分の現在ステータスを表示する。

 

 

名前:月無 零冶(つきなし れいじ)

 

性別:男

 

年齢:5歳

 

デバイス:ブラックミスト(インテリジェントデバイス)

愛称:ミスト

 

ステータス

 筋力:SS

 俊敏:SS

 耐久:SS(EX)

 魔力:SS

 幸運:A

 

 顕在オーラ量(AOP):EX

 潜在オーラ量(POP):EX

 

※()内はオーラによる纏あり場合

 

 

「うわっ……俺のステータス、高すぎ……?」

 

[一応強者の慈悲(リミッターオン)で下げてますけど、まだ高すぎますね]

 

「そうだな。初任務だから高めにしていたのが、裏目に出たな」

 

[まあ、自分達以外の魔導師のステータスなんて見るの初めてですし仕方ないのでは?]

 

「まあな。さてステータスを調整するか……強者の慈悲(リミッターオン)発動」

 

 ライは強者の慈悲(リミッターオン)でステータスを再調整する。

 

 

 

名前:月無 零冶(つきなし れいじ)

 

性別:男

 

年齢:5歳

 

デバイス:ブラックミスト(インテリジェントデバイス)

愛称:ミスト

 

ステータス

 筋力:A

 俊敏:A

 耐久:A(SS)

 魔力:A

 幸運:A

 

 顕在オーラ量(AOP):S

 潜在オーラ量(POP):S

 

※()内はオーラによる纏あり場合

 

 

「こんなもんで良いかな?」

 

[そうですね。耐久は高いに越した事ありませんし、良いんじゃないでしょうか?]

 

「そうだな。強敵と出合った時は竜の紋章(ドラゴンのもんしょう)で対抗しよう。

 よし、これで戦闘再開と行こう」

 

 ライは煙幕の中に戻り、栄光の手袋(グロリアスハンド)時の支配者(クロックマスター)を解除する。動き出した世界の中でライは魔力弾をマグナに放ちつつ、ライ本人も高速でマグナに接近する。

 

「何! 舐めるな!」

 

 マグナは魔力を収束させる。

 

「ガンブレイズバスター!」

 

 砲撃魔法をライに放ち、ライの放った魔力弾を相殺する。ライはその場から飛び上がり、砲撃魔法を避わす。

 

『推定威力Aか、まあまあだな。俺の魔力弾も威力はBだし、このくらいのステータスが丁度良い

 感じだな』

 

『そうですね。後は上手く手加減すればいいじゃないでしょうか?』

 

『そうだな。そこは俺の腕の見せ所だな』

 

『本来逆の意味で使う言葉の筈なんですけどね』

 

『言うな。悲しくなってくる』

 

「良く避けたな! おらおら!」

 

 マグナは砲撃魔法を上空に居るライに向かって乱射する。ライは飛行魔法でその攻撃を避わす。

 

「ちょこまかと!」

 

『おかしいな。マグナの砲撃魔法は威力Aランクだ。あれほど乱射したにも関わらず、あいつ自身

 魔力はほとんど減っていない』

 

『確かにおかしいですね。恐らくカードリッジシステムのようなものを搭載しているのでは?』

 

『なるほど。さて、そろそろ終わらせるか』

 

 ライはマグナの砲撃魔法を避わしながら、右手に魔力を収束し始める。

 

「マテリアライズバスター」

 

「ガンブレイズバスター!」

 

 ライとマグナの放った砲撃魔法が衝突し、辺りは煙に包まれる。その中ライは魔力弾を4つ精製し、マグナの前後左右から襲い掛かるように魔力弾を放った。

 

「ちっ!」

 

 マグナは上に飛び上がることで魔力弾を回避する。

 

「風牙絶咬!」

 

 ライは煙の中から飛び出し、強烈な突きを放つ。

 

「くっ!」

 

 マグナはガンズランスを横にしてライの攻撃を受け止めた。

 

「おらあ!」

 

 マグナはガンズランスを強引に振り払い、ライを押し返す。

 

「くっ!」

 

 ライはマグナに押しかえられ、距離が開く。

 

「惜しかったな!」

 

 マグナはガンズランスの切っ先をライに向け、魔力弾を放とうとするが、ライはマグナが避わした魔力弾を操作し、マグナの背後から攻撃した。

 

「がっ!」

 

 突然の衝撃に仰け反るマグナ。

 

『魔力弾の威力はCまで落としてるから大丈夫な筈だけど』

 

『手加減するのはめんどくさいですね』

 

『まったくだ』

 

「このクソガキが!」

 

 マグナはガンズランスをライに向け

 

「ガンズ! 魔力チャージ!」

 

[了解]

 

 マグナのデバイスに魔力が収束する。

 

「消し飛べ! ガンランレイズブレイカー!」

 

 マグナは巨大な砲撃魔法をライに放った。

 

『推定威力Sランク! ほぼノータイムでこれほどの威力を放てるだと!?』

 

『やはりデバイスに何か仕込んでいそうですね』

 

『そうだな。これがマグナの強みか……よし、ここでやられておくか』

 

「ブレイズルミナス!」

 

 ライは防御魔法を使用し、ひし形の青色の盾が出現する。その盾は更に高速で回転をし始め、マグナの砲撃魔法を受け止めた。その回転により、魔力を飛散させ、威力を和らげる。

 

『あ、駄目だ。このままじゃ受け切っちゃう。出力弱めよ』

 

『手加減も大変だ』

 

 ライの防御魔法は次第にひび割れ、ライは砲撃魔法に飲み込まれた。

 

 

ドッカーーーン

 

 

 辺りに煙が立ち込め、煙が晴れると地面に片膝を付いて、肩で息をしているライが現れた。

 

「はぁ、はぁ」

 

「ほう、俺のガンランレイズブレイカーを受けてまだ意識があるとはな。だがこれでトドメだ!」

 

『あいつ模擬戦だって忘れてない?』

 

『そうみたいですね』

 

『まあ、そろそろエリスさんが止めるだろう』

 

 ライがミストと念話で会話していると

 

『そこまで、戦闘を停止して下さい』

 

「ちっ! 良い所だったのによ」

 

『あいつの言っている意味が分からない』

 

『まあ、所詮傭兵ですし』

 

『俺もその傭兵なんだけど?』

 

『まあ、所詮マスターですし』

 

『どういう意味!』

 

「流石はマグナ・ベルーゼだな。俺ではまだ及ばないか」

 

「がっはっは。当たり前だ! それとマグナ()()だ。クズが」

 

「了解。マグナさん」

 

「お疲れ様でした。マグナさん。ライさん」

 

 エリスが訓練場に入ってきて二人に声を掛ける。

 

「マグナさんから見て彼はどうでしたか?」

 

「ったく割に合わねぇな。コイツ結構やるぞ。俺ほどじゃねぇがな」

 

「そうですか……」

 

 マグナに言われたエリスは少し考えるように右手を口元に当てる。

 

「エリス・リートルード。俺は合格か? 不合格か?」

 

「……合格と致します」

 

「そうか、それは良かった」

 

「では、ライさん。これから護衛対象とお引き合わせ致します」

 

 ライとマグナはエリスに連れられ、訓練場を後にする。訓練場の外に出ると再び車に乗せられ、そのまま管理局の本局へ移動した。

 

 車を降り、エリスに連れられ、執務室の扉の前まで案内された。

 

「こちらです。少々お待ちを」

 

 エリスがドアの前の端末を操作するとドアが開いた。

 

「エリスです。入ります」

 

「どうぞ」

 

「失礼致します」

 

 ライとマグナはそのまま部屋の中に案内された。

 

「ただいま戻りました」

 

「ええ、お帰り。エリス。そちらが?」

 

「はい、今日の護衛任務を受ける傭兵のマグナ・ベルーゼとライです」

 

「そう、久しぶりねマグナ」

 

「久しぶりだな。ミゼット・クローベル」

 

「貴方は相変わらずね」

 

「当たり前だ。俺は俺だからな」

 

 ミゼットはマグナに軽い挨拶をする。

 

『まさか、伝説の三提督のミゼット・クローベルとはな』

 

『驚きですね』

 

『それにしてもマグナはミゼットと知り合いなのか?』

 

『どうやらその様ですね』

 

「はじめまして、ミゼット・クローベルです」

 

 ミゼットはライに挨拶をし、右手を差し出してきた。

 

「はじめまして、ライです。伝説の三提督にお目にかかれて光栄です」

 

 ライはミゼットの手を取らず、お辞儀で返す。

 

「あら? 握手をご存じない?」

 

「いえ、知っています。ですが、素性が知れていない相手と気安く握手などしないほうが、

 懸命ですよ? 何があるか分かりませんからね」

 

「ふふ、覚えておくわ」

 

 そう言ったミゼットは手を引いた。

 

「では、改めて依頼内容についてお話します」

 

『やっとまともな依頼内容が聞けるな』

 

『そうですね』

 

「あなた方二人にはミゼット・クローベル統幕議長の護衛についてもらいます。

 本来は管理局員10名以上で護衛に付くのですが、突発的な仕事により、

 護衛に付ける人間がいないため、お二人に護衛についてもらいます」

 

「ふむ」

 

「以上です」

 

――は? いやだから、どこに何しに行くとか無いの?

 

『俺がおかしいのか?』

 

『いや、本来は話すべき内容だと思いますが』

 

「エリス……それでは分かりませんよ?」

 

「しかし、彼らは傭兵です。ミゼット様の仕事内容まで話す必要はないかと」

 

「はぁ……ごめんなさいね。今掲示するわ」

 

 ミゼットは右手を宙で動かすと空中ディスプレイが出現した。

 

「こちらを見てもらえるかしら」

 

「おい、新入り。お前はよく見とけよ。俺は知ってっからな」

 

「了解」

 

『良かった。ミゼットさんは常識人のようだ。俺がおかしいのかとひやひやしたぜ』

 

『マスターはおかしいですよ? ステータスが』

 

『誰もステータスの話はしてません』

 

 ライは空中ディスプレイに目を通す。

 

 

 

 

 第123管理外世界グローランディアは管理局の管轄外であるが、その星に存在する水晶鉱山から発掘される魔水晶が外界に持ち出されていることが判明。魔水晶は直径一センチの石程度の大きさでも魔力量Bランクほどの魔力を内包しており、グローランディアはこの魔水晶から魔力を抽出できる技術によって人々は生活している。

 

 しかし、その魔水晶が外界に持ち出され、次元犯罪者の中で流通し、犯罪が拡大している。管理局としてグローランディアを管理世界にする事とし、魔水晶及び、水晶鉱山をロストロギアと認定。使用及び発掘を禁止する。

 

 そのため、グローランディアの世界を分割する三カ国、ローシュタイン、バンザッグ、ラルザリアの代表者と話し合いを行い、魔水晶の使用及び発掘を禁戒へと取り付けること。だが、管理世界化を反対している過激派がいるため注意が必要。

 

 

 

 

『何これ。魔水晶が危ない。だからロストロギア認定するから使っちゃダメ。だから認めてね?

 認めないとこの星滅ぼすよ? ってこと? 魔水晶の使用を禁じたら、その星の人たちは

 どうやって生活するの? 後は知らんってこと? だとしたらひどいな』

 

『ひどい話ですね。地球で言うところの電気危ないから使っちゃダメ。後は勝手に生活してね?

 って感じですね』

 

「確認した。質問していいか?」

 

「どうぞ」

 

 ライは空中ディスプレイから目を放すとミゼットのほうを見た。

 

「俺達の任務は貴方がグローランディアに滞在している間の管理世界化を反対している

 過激派から貴方を護衛するという事で良いか?」

 

「はい、そうなります。しかし、内容は内容だけに何時まで掛かるかが不明です。

 なので、終わるまでになります。もちろん期間が長くなればなるほど報酬の方は上がります」

 

「分かった。では次の質問だ。魔水晶の使用を禁じたらこの星の住人の生活が行き届かなくなる

 それについてはどうするつもりだ?」

 

「そちらについては管理局から技術者を派遣し、魔水晶に変わるエネルギー製造施設を建設。

 星全体にそのエネルギーが行き渡るように設備を配備します」

 

 ライの質問に対し、ミゼットは答える。

 

「それはどれだけの期間を予定してるんだ? 派遣する人数は?」

 

「五年の期間で考えています。人数はこの資料を確認して下さい」

 

 ライは更に質問をし、ミゼットが答え、更に資料をライに掲示した。ライはその資料を見つめる。

 

「…………この人数で五年以内に星一つの設備を整えるのは不可能だ。この倍はいないと」

 

「しかし、依頼するのは管理局お抱えの技術会社です。その会社には測量もしてもらっています。

 その結果を持ってこの人数で問題ないと回答を頂いていますが?」

 

「その会社は確かエンシャルト社だったな。ここで提示されている人数で十分なのではなく、

 出せる人数がこれが限界なだけだ。管理局から依頼された手前、この人数で受けざるを

 得なかっただけだろう」

 

「しかし、この会社もプロです。無責任に仕事を受けたりしないでしょう。この人数でやりきる

 算段が付いているのでは?」

 

「この人数で五年以内に終わらせる方法はある」

 

「なら、その方法で」

 

「一人二倍の作業量をこなせばいい。それも五年間続けてな」

 

「それは……」

 

「ああ、不可能だ。最初はいいかも知れないが、疲労が蓄積し、作業効率が落ちる。

 更に重大な事故に繋がる可能性が高い。実質不可能だ」

 

「……ではどうすれば?」

 

「三カ国有るんだ。エンシャルト社にその内の一カ国を任せ、他の会社二社と契約し、

 それぞれを残りの二カ国に割り当てる。その三社共同で整備する。

 エンシャルト社の見積もり通りなら先に作業を終えるだろうから人数を二つに分け、

 残りの二カ国に派遣する。そうすれば、効率良く作業が出来るだろう」

 

「しかし、それではエンシャルト社に泥を塗る事になりませんか?」

 

「本当に五年以内に終わらせられるならその一カ国を一年と六ヶ月強で終わらせられるだろう。

 それが出来たら正式に謝罪し、残りの作業を委託すればいい。まあ領土の違いで正確には

 今は分からないがな」

 

「……なるほど。参考にさせてもらいます」

 

 ライからの提案に考えるように口元に手を当てるミゼット

 

「それから」

 

「おい、新入り。余計なこと言うじゃねぇ。俺達傭兵は依頼されたことだけこなしてりゃ良いん

 だよ。分かったか?」

 

「……了解」

 

 マグナに言われたライは黙る。

 

「あら、別にかまわなかったのよ?」

 

「先輩に止められたんでな。止めておくよ」

 

「そう? 残念ね」

 

 その後、ライは更に詳細な説明を受け、次元航空場へ移動。次元艦に乗り、第123管理外世界グローランディアに移動した。




今回の話は一話分として投稿しようとしたのですが、書いていたら26000文字を超えて更にまだ書き終わりませんでした。なので、二話に分けて投稿することにしました。

続きは何れ投稿します。

さて、零冶の念能力紹介のコーナーです。

では、次の念能力はこれだ!


 26、絶対改変(ギアス)
  系統:操作系
  説明:瞳にV型の鳥のような紋章浮かび上がり、相手の改変したい記憶を思い浮かべ、光情報と共に
     情報を乗せ、相手の目に入ることでその記憶に書き換えることが出来る能力。
     予め相手の記憶を見ておく必要があるため、使用する場合は絶対読心(ギアス)で相手の記憶を見ておく
     必要がある。
     原作のシャルルはそこまで使用できたが、この能力では再現できないため
     他の能力と組み合わせて再現している。

   制約
    1、光が相手の目に入らないと記憶は改変できない
    2、相手の記憶を知って置かなければならない

   誓約
    なし


 このギアスは私が原作を見ていて一番良く分からない能力です。
相手の記憶を改変する能力ってことは相手の記憶を知って置かなければならないと思うのですが、
シャルルはどうやって相手の記憶を改変するのだろうか? わからない……どういうことだってばよ。

 まあ、それを補うために私は絶対読心(ギアス)を併用する事にしました。多分これで改変できると思います。

って感じです。

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