原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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前書きにあった趣味の悪いネタは消しました。

皆様、騙してしまい申し訳ありませんでした。


36_ミスト[最終回ってやつですね]零冶「しかも、打ち切り系のな」

 ライが闇の書に取り込まれてから数十分が経過した。ライが起動したワクチンプログラムにより、防衛プログラムは著しく機能を低下し、管理人格の制御下に置かれた。しかし、管理人格は夜天の書を管理する者。防衛プログラムを切り離すことはできない。

 

 それは主である八神はやてにしか出来ない。ゆえに管理人格は主であるはやてを起こしに掛かった。はやてが目覚めるのを時間の問題だろう。しかし、その前に主に害成す敵を倒す。それが今の守護騎士達と管理人格の使命だ。

 

 管理人格は守護騎士達に現状を伝え、本来の敵であるゼロ及び親衛騎団の殲滅を命じた。

 

 

 

 

 

 

 シグナムとヒムは激しい白兵戦を繰り広げていた。

 

「はっはっは! やっぱり戦いはこうじゃなきゃな! お前もそう思うだろ大将!」

 

「否定はせん。だが、私はお前を倒すだけだ! はあああ!」

 

 ヒムの問い掛けに淡々と答えるシグナムだったが、内心では焦りがあった。

 

――このレヴァンティンでも傷が付かんとは……いくら管理人格とは言えあのゼロを相手に

  するのは厳しいはず……あまつさえ。主はやてを起こすのも同時にやるとなれば尚こと。

  逸早く援護に向かいたいのだが

 

「おいおい! 考えごととは随分余裕だな! 本気で来いよ! 大将!」

 

 ヒムはシグナムの剣に迷いがあることを見抜き、シグナムに語りかける。

 

「そうだな。今は目の前の敵に集中しよう」

 

 シグナムは剣を構える。

 

「へっ! そうこなくちゃなぁ!」

 

 ヒムはシグナムに突っ込み、距離を詰める。シグナムはヒムの拳をレヴァンティンで受ける。

 

「おらおらおらおらおらああ!」

 

 シグナムはヒムのラッシュを剣で捌く。時折、剣で切りかかるもののヒムも剣を受け止め、決定打にならない。二人の実力は拮抗していた。しかし、シグナムは待っていた。

 

「おらおら! どうした! 防戦一方じゃねぇか!」

 

 ヒムはシグナムを押している。そう思っていた。だからこその油断。

 

「食らえ! ヒートナックル!」

 

――来た!

 

 シグナムはヒムの放った拳を右手で掴んだ。

 

「なっ!」

 

「灼光拳!」

 

 シグナムは高熱を纏った光の拳でヒムの拳を攻撃した。

 

「があっ!」

 

 ヒムの拳はヒートナックルの熱と灼光拳の熱に耐えられなくなり、爆発した。

 

「閃光裂破!」

 

 光を纏った連続突きにより、攻撃をする同時にヒムの目を晦ます。

 

「くっ! おらあ!」

 

 ヒムは光で見えていないにも関わらず、目の前にいるはずのシグナムに殴り掛かった。

 

「な! いねぇ!」

 

「閃空裂破!」

 

「ぐあ!」

 

 シグナムは風を体に纏い、ヒムの後ろに回りこみ、切り掛かった。

 

「屠龍閃!」

 

「がっ!」

 

 炎を纏った剣を振り上げ、ヒムを上に打ち上げる。

 

――まじぃ……何て連撃だ。耐性を立て直す暇がねぇ

 

 ヒムはシグナムの連撃に成すすべなく攻撃を受ける。

 

「翔凰烈火!」

 

 更にシグナムは炎を纏った剣を横に振り払い、その場で回転し、手に収束させたの炎の塊りをヒムに放った。

 

――負けられっか! ゼロ様のために!

 

「うおおおお!」

 

 ヒムはシグナムから放たれてた炎の塊りを残った左手で振り払い、体勢を立て直す。だが

 

「空牙昇竜脚!」

 

「ぐお! がっ! ぐおお!」

 

 全身に炎を纏ったシグナムの連続蹴りで再び、体勢を崩す。

 

「レイジングフレア!」

 

 シグナムは自身を中心に周りを炎で包み込んだ。

 

「ブレイズビースト!」

 

「があああ!」

 

 左手に纏った炎を獅子の闘気をヒムに叩きつけ、ヒムを地面に吹き飛ばした。

 

「レヴァンティン!」

 

[任せろ]

 

 

ガション!

 

 

 レヴァンティンはカードリッジを一つロードした。

 

「はあああ! 緋凰!」

 

 シグナムは炎を全身に纏いながら、地面に叩き付けたヒムに向かった高速で突進し、ヒムを追い越した。

 

「絶炎衝!」

 

「があああああ!」

 

 地面に着地したシグナムはヒムに向かって駆け抜け、すれ違いざまに切り払った。更に地面から噴き出す炎がヒムを追い討ちする。

 

「トドメだ!」

 

[一気に決めるぞ!]

 

 

ガション! ガション!  ガション!

 

 

 レヴァンティンは更にカードリッジを三つロードする。

 

「真の姿を現せ!」

 

 シグナムがレヴァンティンを上に掲げると途轍もない炎が噴き出す。

 

「劫炎の剣!」

 

 その場で回転したシグナムはその炎を纏い、急上昇する。

 

「その身に焼き付けろ!」

 

 その後、急降下したシグナムは地面に剣を突き立てると爆炎が起きる。

 

「奥義!」

 

 ヒムに向かって高速で突進突きを放ち。

 

「業魔!」

 

 振り返り、再び高速でヒムを切り抜ける。

 

「灰燼剣!」

 

「があああああああ!!!!」

 

 その場で跳躍し、剣に纏った炎を叩きつけ、巨大な火柱をヒムに叩き付けた。しばらくして、凄まじい炎が晴れるとそこにはぼろぼろになったヒムが居た。

 

「はぁ、はぁ。まさかオリハルコン製のこの体がここまでぼろぼろになるとはな」

 

「まさか、まだ生きているとは私も驚いた」

 

「俺をなめんじゃねぇ……って言いてぇところだが、もう駄目だ。流石にダメージが

 でか過ぎるぜ。畜生。ゼロ様のために戦うって思いは負けてねぇ筈なのによ」

 

 ヒムの体から電流が漏れている。もう長く無いだろう。

 

「確かに主のために戦う思いは同じだ」

 

「……」

 

 シグナムがヒムに語りかける。

 

「だが、それだけじゃない。私の後ろには友もいる。恩人がいる。我々には絶対に負けられない

 理由があるんだ」

 

「……ちっ! 思いの強さは負けてねぇ……が、思いの量に……大きさに負けたことか……

 お前とは……お前達とは別の形で会いたかったぜ」

 

「ヒム……」

 

「あばよ……」

 

 そう言い残し、ヒムは

 

 

ドッカーーーン!

 

 

 爆散した。その光景を無言で見つめていたシグナムは

 

「さらばだ。我が宿敵」

 

 その場を後にし、管理人格の元へ駆けつけることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 ヴィータは親衛騎団騎士(ナイト)シグマと激戦を繰り広げていた。

 

「うらあああ!」

 

「ふん!」

 

 互いの武器ハンマーとランスが交錯する。

 

「ウインドアロー!」

 

「ぬのおお!」

 

 ヴィータが空気の塊りをシグマにぶつけることで吹き飛ばした。ヴィータがライから譲り受けたSDコアクリスタル【イクティノス】はライと同じ魔力変換資質 風圧を使用可になる特性があった。

 

――まったく、便利な能力だぜ。使ってみて分かる……この力の凄さが、たくライが強い訳だ。

  まあ、空気だから大したダメージはねぇが

 

 ヴィータの言う通り、たかが空気をぶつけるだけでは大したダメージにならない。だが、魔力変換資質 風圧の真骨頂は空気を自在に操る点だ。フェンブレンの空気の流れを読み、魔力によって空気を操るのでは無く、空気そのものを操ることが出来る。

 

 それにより、シグマの持つ魔法を反射するシャハルの鏡も殆ど意味を成さない。何故なら、いくら跳ね返そうとすぐさま自在に操るため、使用者に当たる事は無いからだ。

 

「ぬうぅ、厄介な魔法だ」

 

 吹き飛ばされたシグマは直ぐに体勢を立て直す。

 

「陽炎」

 

 ヴィータはその場から霞のように姿を消した。空気の密度を変え、光を屈折させることで、自分の姿を消したからだ。

 

「むぅ、またそれか」

 

 そうシグマは何度もこの技に苦渋を飲まされている。

 

「がっ!」

 

 ヴィータが突然、後ろから現れ、グラーフアイゼンをシグマに叩きつける。

 

「むん!」

 

 シグマはすぐさま体勢を立て直し、ランスでヴィータを攻撃するが、

 

 

ブォン!

 

 

 シグマのランスは空を切った。

 

「またか……」

 

 そう、光の屈折を変えることが出来るほどの空気の密度により、目の前にいるように虚像を見せ、相手をかく乱する。それを至近距離からでも行える変換資質 風圧はそれだけでも脅威といえるだろう。

 

 更に空気を操り、空気の流れに逆らわず、移動することで高速移動が可能となる。その光の屈折と高速移動が可能となったヴィータはシグマを手玉に取った……にも関わらず、ヴィータは焦っていた。

 

――しっかし、こんだけぶっ叩いてんのに傷一つ付かねぇ。あの葵が苦戦する訳だ。

 

「ちっ! いい加減倒れろよ。てめぇ」

 

「悪いが、そういう訳にいかん。私の攻撃が当たらんのは厄介だが、このまま行けば必然的に

 私の勝ちになるのだから」

 

 シグマの言う通りである。互いにダメージを受けない状況は同じ。しかし、相手の攻撃を避わし続け、ダメージを受けないのと攻撃を受けてもダメージを無いのとではまったく違う。

 

 ヴィータは魔力を使い、攻撃を避わすのに対し、シグマは元々のその装甲により、ダメージを受けない。つまり、ヴィータはいずれ魔力が底を尽く。そうなれば、シグマの勝利となる。

 

――今は耐えるのだ。いずれチャンスは来る。

 

 シグマは耐え続けている。更に防御に専念している分ダメージはより受けなくなる。

 

――まっじいな……この変換資質、強力だけど魔力消費も早ぇ。ライの野郎は魔力量Aランクで

  何であんなに連発できんだよ。

 

『しかたねぇ。アイゼン、あれやるぜ』

 

『了解した。無茶するなよ、ヴィータ』

 

『分かってるよ』

 

「陽炎」

 

「またそれか。馬鹿の一つ覚えだな」

 

 ヴィータは再び、姿を消す。そして、シグマの後ろに現れ、アイゼンを振り抜いた。

 

「ぐおおお!」

 

 シグマは吹き飛ばされ、地面に激突する。

 

――何だ! この威力は! 今までと段違いではないか!

 

 姿を現したヴィータはまた、霞のように消える。シグマの目の前に現れたヴィータはアイゼンを振り下ろした。

 

「ごっは!」

 

「痛ッ!」

 

 ヴィータの攻撃はシグマのオリハルコンの装甲を砕いた。

 

「ぐうぅ……貴様。一体何をした」

 

「言う訳ねぇだろうが」

 

 ヴィータは再び、姿を消した。ヴィータがしたこと。それはアイゼンの周りの空気を無くすこと。つまり、真空状態にした。真空状態になったことで空気抵抗を受けなくなったヴィータの攻撃はヴィータの攻撃力を100%引き出した。

 

 しかし、攻撃の衝撃が無くなる訳ではない。ヴィータは100%の攻撃による反動を受けていた。いわば諸刃の剣なのだ。

 

『大丈夫か? ヴィータ』

 

『こんなもん大したことねぇって。葵の受けた痛みに比べればな』

 

 ヴィータは激怒していた。仕方が無かったこととは言え、目の前で友人が吹き飛ばされている光景を目の当たりにし、シグマに対して怒りを覚えた。そして見てることしか出来なかった自分に対して憤りを感じていた。

 

――これ以上。あいつらを傷付けさせねぇ!

 

「煌憐昇!」

 

「がっ!」

 

 ヴィータはアイゼンを振り上げ、シグマを打ち上げる。

 

「ストリームアロー!」

 

「がっ! ぐっ! ぐお!」

 

 風の刃で吹き飛ばされるシグマ

 

『一気に決めるぜ。アイゼン!』

 

『了解した』

 

 

ガション! ガション! ガション!

 

 

 アイゼンはカートリッジを三つロードする。

 

「そんな物みすみす食らうとでm!? う、動けん!」

 

 エアロバインド。ライも良く使う空気を圧縮して相手の身動きを封じるバインドでシグマの動きを封じた。

 

「轟天爆砕!」

 

 ヴィータはグラーフアイゼンをギガントフォルムに変更し、更に巨大化させる。

 

「真・ギガントシュラーク!」

 

 巨大なハンマーを振り下ろした。そのハンマーの周りは真空状態になっており、ヴィータの振り下ろしとその重力も相まって驚異的なスピードになっている。

 

「ぐおおおおおお!」

 

 シグマはハンマーを受け止めきれず、そのまま地面にハンマー諸共地面に激突する。その一撃はとてつもない衝撃を発生させ、大地を揺らした。

 

「はぁ、はぁ」

 

 アイゼンを通常フォルムに戻したヴィータは肩で息をしていた。

 

[大丈夫か? ヴィータ]

 

「ああ、ったく。すっげぇ衝撃だぜ。まだ手が痺れてやがる。一日に何発も打てねぇな」

 

[仕方あるまい。真空を使うとはそういうことだ]

 

「ライは何で普通にあんなに使えんだよ」

 

[我がマイスターながら化け物だな]

 

「まあいいや、あいつを確認しに行こうぜ」

 

[了解した]

 

 ヴィータは飛行魔法で巨大なクレーターの中心に向かった。そこにはぼろぼろになったシグマが居た。

 

「げっ! まだ原型留めてんのかよ」

 

「当たり前だ。オリハルコンを舐めてもらっては困る……と言いたいところだが、

 もはや長くあるまい。君の勝ちだ。小さき騎士よ」

 

「小せぇって言うな! まあ、お前も中々だったぜ」

 

「うむ、良い戦いだった。ゼロ様も私を責めまい。私はもうすぐ爆発する。離れていろ」

 

「ああ、じゃあな。騎士(ナイト)シグマ」

 

「さらばだ。鉄槌の騎士ヴィータ」

 

 

ドッカーーーン!

 

 

 シグマは爆発した。

 

「……管理人格のところに行くぞ。アイゼン」

 

[了解した]

 

 ヴィータは飛行魔法で移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テォアアアアア!」

 

「ヌオオオ!」

 

 ザフィーラとフェンブレンは激戦を繰り広げていた。ザフィーラは手と足に氷を纏い、フェンブレンの刃を防いでいた。

 

「おのれ……わしの刃を防ぐとはな。流石は盾の守護獣と言ったところか」

 

「これだけ攻撃しても傷一つ付かんとはな。厄介な装甲だ」

 

 互いに相手に決定打を与えられないことに軽い苛立ちを覚えた。

 

「わしの矛とおぬしの盾……どちらが最強か決めようではないか!」

 

「悪いがそんな物に興味はない。主を守る。それだけだ」

 

「ふむ、その信念……驚嘆に値する。だからこそ……おぬしのその心を折るのは楽しみだ」

 

「……外道め」

 

「わしは残酷なのだ」

 

「ならば、ここでやられることになっても文句は無いな」

 

 ザフィーラはフェンブレンに突っ込んだ。

 

「真正面から! 馬鹿め!」

 

 フェンブレンはザフィーラにタイミングを合わせて腕を振り下ろす。

 

――今度こそ捕らえた!

 

 フェンブレンの攻撃はザフィーラを捕らえ、ザフィーラを切り裂いた……筈だったが、ザフィーラは煙のように消えた。

 

「なっ! 残像!」

 

「無影掌!」

 

「がっ!」

 

 ザフィーラはフェンブレンの刃が当たる前にバックステップで残像を残し、前方に移動し、鋭い突きをいれた。

 

「転泡!」

 

「むお!」

 

 ザフィーラは素早い足払いでをくり出し、フェンブレンの体勢を崩す。

 

「連牙弾!」

 

「ぬおおおお!」

 

 ザフィーラは拳や脚で連打を叩き込む。

 

「飛燕連脚!」

 

「ぐっ!」

 

 フェンブレンを蹴り上げ、そのまま蹴り下ろすザフィーラ。

 

「獅子戦吼!」

 

「ぐおお!」

 

 獅子を象った闘気を放ち、フェンブレンを地面に叩きつける。

 

「アトワイト!」

 

[分かったわ]

 

 ザフィーラが首から提げていたSDコアクリスタル【アトワイト】が空中に投げ出され、その姿を短剣に変える。ザフィーラはその短剣を逆手に持ち。

 

 

ガション! ガション! ガション!

 

 

 カートリッジをロードする。

 

「氷霧に彷徨え!」

 

「ぬおお!」

 

 ザフィーラが短剣を振るうととてつもない冷気がフェンブレンを襲う。

 

「凍牙に果てよ!」

 

「がああ!」

 

 短剣を上に振るい地面から氷にの刃を出現させ、フェンブレンを貫く。

 

「冷気に抱かれて刹那に沈め!」

 

 フェンブレンの上空に無数の巨大な氷柱が出現し、

 

「インブレイスエンド!」

 

 フェンブレンを氷の棺に閉じ込め、氷の棺はフェンブレンと共に砕け散った。

 

「さらばだ」

 

 ザフィーラは管理人格の元へ移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャマルは城兵(ルック)ブロックと戦っていた。その体格差を見れば、明らかにシャマルの手に余る敵だ。しかし

 

「ライトニング!」

 

「ブローーーム!」

 

 シャマルはブロックを手玉に取っている。その理由は

 

「ファイアボール! アイスニードル! ウィンドアロー! ストーンブラスト!」

 

「ブ、ブローーーム!」

 

 多彩な魔力変換資質によって、ブロックを寄せ付けないからだ。シャマルの持つSDコアクリスタル【クレメンテ】は魔力変換資質 炎熱 氷結 電撃 風圧 大地を扱う事が可能となるチートコアなのだ。しかし、多彩である分、一つに特化したコアクリスタルには劣る。

 

 だが、それをシャマルが扱うことでその真価を発揮する。本来サポートがメインのシャマルだが、それは状況把握に特化しているという事。その場その場の適切なサポートを行うための必須能力だからだ。

 

 それ故に状況に応じた適切な変換資質を選択することで相手を圧倒することが可能となる。

 

「ふぅ、厄介な装甲ね。あれだけ攻撃しているのにまだ動けるなんて」

 

[そうじゃな。このままではこちらの魔力が尽きるのが先になるじゃろう]

 

「そうなる前に何とか仕留めたいところね。クレメンテ。今まで使った魔法で一番有効だった

 のはどの系統かしら?」

 

[そうじゃな、電撃が一番ダメージが大きかったかのぅ]

 

「そう、なら電撃を中心に戦略を組み込みましょう」

 

[了解じゃ]

 

 シャマルはクレメンテと作戦を組み立てていく

 

「ブローーーム」

 

 そんなシャマル達を他所にブロックは右手を前に出し、魔力変換資質 氷結を使い、マヒャドをシャマルに放つ。強烈な冷気がシャマルを襲う

 

「そんなの食らうと思うの? フレアトルネード!」

 

 シャマルは魔力変換資質 炎熱を使い、炎の竜巻を放ち、ブロックの魔法を相殺する。

 

「サンダーブレード!」

 

「ブローーーム!」

 

 シャマルは右手を前に出し、雷の剣を放つ。

 

「サイクロン!」

 

「ブ、ブローーム!」

 

 巨大な竜巻がブロックを中心に出現し、ブロックを切り裂いた。

 

「続けて行くわよ」

 

 ブロックをサイクロンで足止めしている間にシャマルは詠唱を開始する。

 

「天光満ところに我はあり」

 

 ブロックの周囲に光の球が発生する。

 

「黄泉の門開くところに汝あり」

 

 詠唱と共に天候が荒れ、空がよどんで行く。

 

「出でよ! 神の雷!」

 

 よどんだ空から一条の光がブロックに向かって放たれた。

 

「インディグネイション!」

 

 光が地面に衝突すると巨大な雷のドームとなり、ブロックを襲った。

 

「ブローーーーーム!」

 

「さあ、行くわよ。クレメンテ!」

 

[了解じゃ!]

 

 シャマルのペンデュラム型のデバイス、クラールヴィントは身の丈ほどの大剣へとその姿を変える。そして

 

 

ガション! ガション! ガション!

 

 

 カートリッジをロードする。

 

「来たれ、生誕の雷!」

 

 シャマルを中心に無数の雷が降り注ぎ、ブロックを襲う。

 

「怒れ、創生の大地!」

 

 シャマルが大剣を振り上げると剣先から光が空に放たれ、空から巨大な雷が降り注ぐ。

 

「リバース! クルセイダー!」

 

 巨大な雷は地面を抉り、大地を翻した。

 

「ブローーーム!」

 

 雷が止むとぼろぼろになったブロックの姿があった。その威力は周囲の地形を見れば一目瞭然だろう。

 

「ちょっとやり過ぎたかしら?」

 

[問題ないじゃろう]

 

「そうね」

 

「ブロー……ム」

 

 ブロックは横たわり、その体からは電気を放電しており、今にも爆発するといったところだった。

 

「あら? しぶといわね。え~い、シャマルボム♪」

 

 

ドッカーーン!

 

 

 シャマルの懐から出されて爆弾によって爆破されたブロック

 

[……容赦ないのぅ]

 

「さあ、管理人格の援護に行きましょう」

 

[うむ]

 

 シャマルは管理人格の元へ移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 ゼロ親衛騎団の最強の駒女王(クイーン)アルビナス。両手両足をマントにしまっている時は得意の閃熱魔法と固い装甲で敵を次々倒す一対多の戦闘を得意とする。両手両足をマントから出して展開した時は圧倒的なスピードと破壊力が増幅させた閃熱魔法で敵を圧倒する。

 

 そんなゼロ親衛騎団最強の駒を相手にするのは時空管理局提督ギル・グレアムの使い魔であるリーゼアリアとリーゼロッテの姉妹。二人の実力は守護騎士達とほぼ同等のレベルであり、双子特有のコンビネーションで戦うことで1+1を3にでも4にでもする事が出来る。

 

 そんな双方の戦いは……

 

「でやあああ!」

 

「くっ!」

 

 ロッテとアリアがアルビナスを圧倒するという形となった。

 

――何故です! スピードも魔法の威力も私にはまったく及ばないのに何故私が圧倒されて

  いるのです!

 

 ロッテが前衛に出て、アリアが後方からロッテを援護する。アルビナスは両手両足をマントから出し、その圧倒的なスピードでロッテを倒すため動いていた。しかし、目にも止まらない速さで動いているにも関わらず、ロッテに攻撃が当たらない。

 

 ロッテの後ろに回りこんでもまるで後ろに目があるかのように攻撃を避わす。何故なら

 

――ライからもらったリングはやっぱり凄い。アリアの見ている光景が自分で見ているかのように

  見える。

 

 そう、ライが二人に上げたシンクリンクリングによって思考を共有しているため、互いの見ている光景を自分が見ているかのように知る事が出来る。その機能を利用し、アリアは少し離れたところに下がり、援護すると共にアルビナスの動きをロッテに知らせていた。更にシンクリンクリングには他の機能がある。それは

 

「行くよ。アリア!」

 

「ええ、ロッテ!」

 

 離れた場所に居たアリアがいつの間にかロッテの傍に現れた。理由はシンクリンクリングの複数ある裏技の内のひとつ【シリンクジャンプ】。互いの思考が【ここに移動して欲しい】【そこに移動したい】という思考した場所が一致した場合、すぐさま転移出来るショートジャンプ機能。そして二人はシンクリンクリングのもう一つの裏技を使う。

 

「「絶風刃!」」

 

「ああああ!」

 

 互いに腕を振り上げるように振るい、発生した風の刃をクロスさせ放つ。互いの力を掛け合わせることで技を放つ【リンクアーツ】

 

「固ったいやつだね」

 

「あれだけ攻撃しても傷一つ付かないなんてね」

 

「ならアリア、あれやるよ」

 

「オッケー、ロッテ」

 

「ええい! まとめて葬ってくれるわ!」

 

 アルビナスは猛スピードで二人に突進する。

 

「「ヴァイト・ルインフォース!」」

 

「な! ああっ!」

 

 二人の周囲を赤い魔力弾が旋回し、二人の中に吸収されていった。ヴァイト・ルインフォースは自分達の身体能力を急上昇させる技だ。更に発生した衝撃波で再び吹き飛ばされるアルビナス。

 

「行くよ!」

 

 今度はロッテがアルビナスに突っ込む。

 

「舐めないで頂戴!」

 

 ロッテを迎え撃とうとするアルビナス。しかし

 

 

フッ!

 

 

 ロッテの姿が消える。

 

「何!」

 

 そして、シリンクジャンプにより、アルビナスの後ろに現れた。

 

「な、何故!」

 

「でやあああ!」

 

「ああああ!!」

 

 ロッテは拳をアルビナスに振り抜いた。その一撃はアルビナスの装甲に傷を付けた。

 

「いける! このシンクリンクリングなら! 一気に!」

 

「アリア!」

 

「ええ!」

 

 吹き飛ばされたアルビナスをアリアが更に上空に蹴り飛ばした。光の剣を持ったロッテが振り下ろした。

 

「「カタラクトブレード!」」 

 

「ああああ!!」

 

 攻撃を受け、更に装甲が砕けるアルビナス。その勢いを殺しきれず、地面に激突し、土煙が立ち込める。

 

「やったかな?」

 

「まだ分からないわ」

 

 しばらくして、煙が晴れるとアルビナスが現れた。

 

「くっ! おのれ、雌猫の分際で……この私に傷を付けるなんて」

 

「やっぱりまだ無事だったわね」

 

「でもダメージは与えられた。このまま一気に行くよ!」

 

 ロッテはアルビナスに突っ込んだ。

 

「確かに貴方達は強い……ですが、そのからくりは分かりました。後ろの雌猫が私の動き

 を前の雌猫に伝えているのですね。だったら」

 

「でやあああ!」

 

 ロッテの攻撃をひらりと避わすアルビナス。

 

「後ろの雌猫から片付けるだけよ!」

 

「しまった!」

 

 アルビナスはロッテを無視し、猛スピードでアリアに接近した。アリアは後方支援のスペシャリストだが、接近戦はロッテほどではない。アルビナスに接近されたら成す術なくやられるだろう。アルビナスは拳を振り抜きアリアを攻撃した。その一撃が当たればアリアは沈むだろう。

 

 もっとも……

 

 

ガッ!

 

 

 当たればの話だが、

 

「なっ! 何故!」

 

 その一撃はそこにいるはずのない者に受け止められた。アルビナスの目の前にはロッテが居た。

 

「お前はあそこに!」

 

 アルビナスが後方を見るとそこには居たはずのロッテの姿はなく、攻撃したはずのアリアの姿がった。

 

「ど、どういことです!」

 

 これがシンクリンクリングの最後の裏技、互いの居る位置を入れ替える【シフトチェンジ】

 

「捕まえた」

 

「おのれ、離しなさい!」

 

「それは出来ないよ! はああああ!」

 

 ロッテの連続攻撃はアルビナスに炸裂する。

 

「がああああ!」

 

「飛んで! アリア!」

 

「任せたわ!」

 

 アリアは飛行魔法でロッテ達より上に急上昇する。その間アルビナスを拳で叩き続けるロッテ。

 

「輝け!」

 

「がっ! ぐあっ!」

 

 ロッテはアルビナスをアリアの居る方へ殴り飛ばす。

 

「極光!」

 

「あああ!」

 

 アリアは飛んできたアルビナスを二回蹴り飛ばし、ロッテのほうへアルビナスを飛ばす

 

「込めろ!」

 

 ロッテとアリアはアルビナスの所へ急接近する。

 

「「虎牙破斬・咢!」」

 

 互いにすれ違い様にアルビナスに強烈な一撃を与えた。

 

「ああああああ! そんな馬鹿なああああ!」

 

 

ドッカーーーン!

 

 

 アルビナスは空中で爆散した。

 

「……ああ! 疲れたぁ~」

 

「お疲れ、ロッテ」

 

「アリアもお疲れ~」

 

 ロッテとアリアは互いに労った。

 

「私達の勝ちね」

 

「もうこう言うのはこりごりだよ」

 

 アリアは爆発したアルビナスのいた場所を見上げ、ロッテはその場に寝転んだ。

 

「そうね。でも」

 

「うん、まだゼロが残ってる」

 

「他の親衛騎団は守護騎士達が倒しているでしょう」

 

「なら管理人格のところに行く?」

 

「……いえ、そっちはきっと守護騎士達が向かっているわ。私達は怪我をして避難している

 皆を守りに行きましょう」

 

「それもそうだね。よ~し、もう一頑張りしますか!」

 

 そう言い残し、アリアとロッテは移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 管理人格とゼロは激闘を繰り広げていた。

 

「光弾」

 

[デルタレイ!]

 

「ちっ!」

 

 管理人格は三つの光の弾をゼロに放つが、ゼロは難なくそれを避わす。

 

「更に」

 

[トリニティ~スパーク!] 

 

「何! がっ!」

 

 放たれた光弾がゼロの背後で急停止し、電撃を放つ。更に管理人格の周囲に新たな光弾が出現し、ゼロの背後の光弾に電撃を放つ。流石のゼロも避わし切れず、攻撃を食らう。

 

「おのれ!」

 

 ゼロがその場から消えたように高速移動し、管理人格の背後に現れた。そして剣で管理人格に切りかかる。

 

 

ガギン

 

 

 しかし、突然発生した防御壁に阻まれる。

 

「ええい! 厄介な!」

 

 防御壁の正体は完全に制御された防衛プログラム本来の機能だ。主の危険を察知し、自動的に守る機能。ライのワクチンプログラムによって管理人格の制御下に置かれたことで夜天の書本来の性能を発揮しているといえるだろう。

 

「おのれ……これが夜天の書、本来の実力と言う訳か」

 

「暗剣」

 

[シャドウエッジ!]

 

「ちっ!」

 

 管理人格が魔法を唱えるとゼロの足元から突如、黒い刃が出現し、ゼロを襲う。それを避わすゼロ。

 

「更に」

 

[ブラッディクロス!]

 

「舐めるな!」

 

 ゼロの避わした先の足元から更に黒い刃が出現した。ゼロは剣で受けるも

 

「ぐあ!」

 

 しかし、左右からも黒い刃が現れ、ゼロはダメージを負う。

 

「光剣」

 

[プリズムフラッシャ!」]

 

 突如、ゼロの上空から光の剣が降り注ぐ、ゼロは絶対守護領域で防いだ。

 

「更に」

 

[シャイニングスピア~]

 

 ゼロの上空から降り注ぐ、光剣の中から一際大きい槍がゼロに向かって放たれる。それを絶対守護領域の密度を上げ、防ぐゼロ。しかし

 

「何!」

 

 周囲から同じ槍がゼロに向かって迫ってくる。それをその場から離脱する事で避わすゼロ。

 

「闇の門」

 

[ネガティブゲイト!]

 

「ぐおおお!」

 

 ゼロが離脱した先に闇の空間を発生させてゼロの飲み込む。

 

「更に」

 

[イービルスフィア!]

 

「くっ! ハドロンスフィア・マルチショット」 

 

 無数の魔力弾がゼロに向かって放たれる。ゼロも無数の魔力弾で相殺する。

 

「聖なる意思よ」

 

 ゼロが魔力弾を相殺している間に管理人格は詠唱を開始する。

 

「我が仇為す敵を討て」

 

 管理人格は右手を高く上げるとゼロの上空から四本の稲妻がゼロを取り囲むように降り注ぐ。

 

「ディバインセイバー」

 

 四本の稲妻はゼロの周囲を回り出し、徐々にゼロに迫る。

 

「おおおおお!」

 

 絶対守護領域で防ぐも

 

 

パリィーーーーン

 

 

 蓄積したダメージに耐え切れず、砕け散る絶対守護領域

 

「ぐあああああ!」

 

 稲妻に飲まれるゼロ。

 

「具現せよ、精霊の結晶」

 

[ソル・ブライト~]

 

 ゼロの上空に鎧を纏い、背中に神々しい、光の翼を持った戦乙女が出現した。

 

「精霊召喚だと!」

 

「至高の意思よ」

 

 管理人格が詠唱を続けると戦乙女は右手を十字に切る。

 

「我らに力を」

 

 戦乙女が両手を左右に広げるとその手から無数の光弾が放たれた。

 

「願わくば」

 

 無数の光弾はゼロを襲った

 

「がああああ!!」

 

「浄化の光、彼らを救わん」

 

 戦乙女がゼロの傍に降り立つとゼロの足元に魔法陣が現れ、光の波動がゼロを襲った。

 

「くそがあああああああ!」

 

 光が止むと戦乙女は姿を消し、ゼロが現れた。

 

「はぁ、はぁ」

 

「まだ意識があるとわな」

 

[しっぶといわね~。解剖してあげよっか?]

 

「ぐぅ、調子に乗りおって!」

 

「諦めろ。お前に勝ち目は無い」

 

[本調子なら兎も角、春兎のからダメージがある以上、無理よ。諦めなさいな]

 

 管理人格とベルセリオスはゼロに降伏を勧告する。

 

「……確かに。このままでは勝ち目は無いな」

 

「大人しく管理局の裁きを受ける事だ「だが」?」

 

 管理人格の言葉を遮り、ゼロが言葉を発する。

 

「この私が何の準備もせず、この戦いに挑むを思っているのか? 舞い上がれ!

 ゲフィオン・ネット!」

 

 ゼロが懐のペン型スイッチを押すと管理人格の下の地面から複数の球体が打ちあがった。それらは管理人格を囲うように止まり、緑の色の光を放つ。

 

「何だこれは? ベルセリオス、破壊するぞ。光弾」

 

[…………]

 

「ベルセリオス?」

 

「無駄だ。それはゲフィオン・ネット。ゲフィオンディスターバーを改良し作った。

 魔法の使用を禁じ、動きを封じる結界を発動させる装置だ。更に副産物として、デバイスの

 機能を停止させるジャミング機能付だ。まあ、起動時間は長くないがな」

 

「くっ!」

 

「更に」

 

 ゼロは新たなペン型スイッチを取り出し、それを押す。すると管理人格を中心に前後左右の地面から四つの銃砲が現れた。

 

「ふはははははははは! これで終わりだ! 管理人格! 夜天の書よ!

 我が宿敵共にこの世から消え失せろ! シュタルケハドロン・フォースブラスター!」

 

 四つの銃砲から赤黒い巨大な砲撃が放たれた。

 

 

ドッカーーーーン!

 

 

 

 大きな音と共に煙が立ち込める。しばらくして煙が止むと。

 

「……ふ、ふはははははははは! やった! やったぞ! ついにライを葬った!」

 

 管理人格の姿は無かった。それは主であるはやての死とライの死を意味していた。

 

「これで我が覇道を阻む者はいない! 世界はこの私のものだ! ふはははははははは!」

 

 ゼロは高らかに笑った。

 

「貴様あああああ!」

 

 シグナムがゼロに襲い掛かった。

 

「おっと」

 

 ゼロはシグナムの攻撃を難なく避わした。

 

「これはこれは烈火の将。随分と遅い登場だな。残念だが、お前の……いや。お前達の

 守るものは無くなった」

 

 ゼロはその場から飛び退いた。すると、ゼロのいた場所にヴィータのハンマーが通り過ぎ、ヴィータが姿を現した。

 

「いくら姿が見えないといってもそれだけ殺気を出せば、目を瞑っていても避わせるぞ?」

 

「くそ! てめぇ! ゆるさねぇぞ! よくもはやてを! ライを!」

 

「悪いが、これが私の目的だ。夜天の主ごとライを葬る。恨むなら力の無かった自分達を

 恨むんだな」

 

「テォアアアア」

 

 ザフィーラが高速でゼロに接近し、攻撃を仕掛ける。

 

「甘い!」

 

 ゼロは絶対守護領域でザフィーラの攻撃を防ぐと

 

 

グサッ!

 

 

 剣でザフィーラの心臓を貫いた。

 

「かっは!」

 

「「ザフィーラ!」」

 

「ふっ、感情の高ぶった相手ほど動きの読み易いものはいない。消えろ盾の守護獣よ」

 

「ぐああああ!」

 

 

パリーーーン

 

 

 ゼロが剣に力を込めるとガラスのように砕け散るザフィーラ

 

「さあ、お前も沈め」

 

 ゼロは指を鳴らすと

 

「湖の騎士よ」

 

「え?」

 

 上空から無数の黒い槍が降り注ぎ、シャマルを襲った。

 

「デモンズランス・レイン!」

 

「きゃあああ!」

 

「「シャマル!」」

 

 降り注いだ無数の槍に体を貫かれ、シャマルはザフィーラと同じように砕け散った。

 

「ふん、この私を謀ろうなどと考えるからそうなる」

 

「貴様ああ!」

 

「絶対にゆるさねぇ!」

 

 シグナムとヴィータはゼロに襲い掛かった。しかし、

 

「これはバインド!」

 

「こいつ! 何時の間に!」

 

「だから言っただろう? 感情的になった者ほど動きが読み易い者は無いとな。さらばだ

 古代の騎士達よ」

 

 ゼロはヴィータの心臓を貫いた。

 

「ちく……しょう。ごめんよ……はやてぇ」

 

 ヴィータは砕け散った。

 

「さあ、残るはお前だけだ」

 

「許さん……貴様だけは絶対に!」

 

「許す? ふっはっは! 思い上がるなよプログラム体風情が。何故、私が貴様に許しを

 得なければならない? 所詮貴様らは」

 

 ゼロはゆっくりとシグナムの心臓に剣を突き立て

 

「道具に過ぎないんだよ」

 

 シグナムの心臓を貫いた。そして、シグナムはガラスのように砕け散り、守護騎士達の後を追った。

 

「これで終わりだ。後は」

 

 ゼロは飛行魔法で移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「管理人格の方は大丈夫かな?」

 

「大丈夫よ。きっと」

 

 ロッテとアリアは避難している仲間達の護衛に付き、管理人格達の身を案じていた。

 

「そうね。ライの渡したあのマジックアイテムを使った守護騎士達の強さは尋常ではないわ。

 きっと上手く行っている」

 

 プレシアはロッテとアリアの同意する。

 

「それにそろそろはやてちゃんも目を覚ますだろうし」

 

「そうすれば、ライも戻ってくる」

 

 なのはとフェイトが言った。

 

「ライさんならゼロを倒せる」

 

「前にゼロを返り討ちにしてるしね」

 

 ユーノとアルフがなのはとフェイトに同意する。未だに親衛騎団を相手に戦っていた者達は目を覚まさないが、いずれ目を覚ますだろう。

 

 そんな話をしているとアースラから通信が入る。

 

『皆さん! 直ぐにその場から撤退して下さい!』

 

 リンディの慌てた様子にその場に緊張が走る。

 

「どうしたの? リンディ?」

 

『実は……管理人格がゼロに敗れました』

 

≪え?≫

 

 その場にいた全員が絶句した。

 

『闇の書の反応は完全に消失。主のはやてさんは死亡。更に闇の書の中にいたライさんも……

 ゼロはその後駆けつけた守護騎士達を返り討ちにし、全員……消滅しました』

 

 リンディから告げられた非情な言葉に全員が言葉を失い、沈黙がその場を包んだ。

 

「……う……そ、嘘です! そんなの!」

 

『嘘ではありません! ゼロは移動を開始し、皆さんのところに向かっています!

 直ぐに「残念ながら少し遅かったようだな」な!』

 

 ゼロはなのは達の前に姿を現した。

 

「リンディ提督の言ったことは全て真実だよ。管理人格は私が葬った。中にいた主とライ共々な」

 

 ゼロから放たれる絶望の言葉に全員が意気消沈する。

 

「……さない」

 

「ん?」

 

「許さない! 貴方を絶対に!」

 

 なのはは怒りをゼロにぶつける。

 

「ふぅ、ここには思い上がっているものが多いな。何故私が許しを得なければならないのか」

 

「ここでお前を倒してやる!」

 

「覚悟しろ!」

 

 ロッテとアリアが前に出る。

 

「ふははは、目的を果たした私が何故ここに現れたと思う?」

 

「何を?」

 

「まさか我が親衛騎団が敗れると思っていなかった。折角作った駒を台無しにしてくれたんだ。

 君達には然るべき報いを受けてもらう」

 

 ゼロは淡々と言葉を告げる。

 

「君達には代わりの駒になってもらおう。私のために戦い。私のために死ねるようにな」

 

「誰がお前なんかの!」

 

 ゼロの言葉に怒りを露にするフェイト。

 

「そこの双子の使い魔が我が最強の駒アルビナスを屠ったことは知っている。だが」

 

 ゼロは右手を高く挙げ、

 

 

パチン!

 

 

 指を鳴らすと、上空から人間大の物体が降りて来た。それらはゼロを囲うように止まる。

 

「そ、それは……」

 

「まさか……」

 

 そして、物体は徐々に人型に変わっていく。

 

「ど、どうして……どうしてまだ親衛騎団がいるの!」

 

「おや? 君達はチェスをやったことは無いのかな? チェスとはキングが一つ、クイーンが

 一つ、ビショップが二つ、ナイトが二つ、ルークが二つ、そして、ポーンが八つからになる。

 私は一度も各一つしかいないと言った覚えは無いぞ?」

 

 その場に残りの駒全てが出現した。

 

「あぁ」

 

 あまりの状況にプレシアが言葉を漏らし、全員が絶望する。

 

「大人しく降伏しろ。そうすれば悪いようにはしない。今はな……ふっふっふ。ふははははは!」

 

 戦意喪失したなのは達は親衛騎団達に取り押さえられる。

 

「では、ご機嫌よう。リンディ提督」

 

 ゼロは巨大な魔法陣を発生させ、転移を開始する。

 

『待ちなさい! 待って!』

 

 そして、ゼロとなのは達は姿を消した。静寂が辺りを包んだ。

 

 

 その後、リンディ達は現状を管理局に報告。闇の書の主である八神はやて及び守護騎士達は死亡。作戦の責任者、零騎士ライの死亡。作戦に参加してた者たちの誘拐。

 

 闇の書修復作戦は失敗に終わった。

 

 それからリンディは現状を高町家、桜羽家に状況を報告。なのはと葵の家族は悲しみに暮れた。

 

「なのははそのゼロに連れ去られた訳ですね?」

 

「はい、我々の力が及ばず……本当に申し訳ありません」

 

「くそ! 俺が付いてさえいれば!」

 

「落ち着きなさい恭也」

 

「しかし! 父さん!」

 

「落ち着けと言っている!」

 

「ッ!」

 

「……怒鳴ってすまない」

 

「いや……」

 

「リンディさんも申し訳ない」

 

「いえ……お怒りは当然です」

 

「もう一つ確認なんですが」

 

「はい」

 

「ライ君は本当に死んだのですか?」

 

「……はい、ライさんは闇の書の中に入っていました。そしてその闇の書をゼロに葬られました。

 その後闇の書の反応を探しましたが、見つかりませんでした。恐らく亡くなったと思われます」

 

「そうか……彼には大きな恩がある。できれば返したかったのだがな……」

 

「士郎さん……」

 

「リンディさん」

 

 高町士郎は椅子から立ち上がり、

 

「なのはのこと……よろしくお願いします」

 

 頭を深く下げた。

 

「はい、ゼロに連れ去られた方達は必ず、見つけ出します」

 

「よろしくお願いします」

 

 高町桃子も士郎に合わせて頭を下げる。

 

「もし、力が必要な時は声を掛けてください。こう見えて我々は武術を嗜んでいます。

 微力ながらお力にならさせて頂きます」

 

「はい、その時は必ず」

 

 リンディは高町家を後にした。ライの死。そして友人達の行方不明の話しを聞き、アリサ・バニングスと月村すずかは涙をこぼした。そしていつか帰ってくる事を祈った。祈る事しかできない自分達の無力を嘆いていた。

 

 闇の書救済作戦から半年がたった時、全次元世界を震撼させる事件が起こった。それは

 

『人々よ! 我等を恐れ、求めるがいい! 我等の名は、黒の騎士団!』

 

 ゼロが再び姿を現したからだ。その映像を全次元世界に放送し、その存在を世に知らしめた。そしてその傍には連れされれたなのは達の姿もあった。しかし、その姿を捕らえられているのではなく。まるで

 

『我々黒の騎士団は、力を持たない全ての者の味方である!』

 

 ゼロに寄り添い、付き従っているかのように見えた。

 

『時空管理局は自分達の行いが正義だと各次元世界のロストロギアを奪い、支配している。

 それによって衰退している世界があり、滅んだ世界もあった。愚かな行為だ。

 私は戦いを……力を否定しない……しかし! 強いものが弱いものから一方的に奪うことは

 断じて許さない! 撃っていいのは……撃たれる覚悟のあるやつだけだ!』

 

 ゼロのその演説見たリンディ達は怒りを覚えた。お前のやったことも同じ事だろうと

 

『力あるものよ、我を恐れよ! 力なきものよ、我を求めよ! 全ての次元世界は!

 我々黒の騎士団が、裁く! 手始めに管理局を落とそう! さあ、戦争の始まりだ!』

 

 ゼロの宣言通り、それから黒の騎士団と管理局の戦争が始まった。その戦争は苛烈を極めた……かと思いきやたったの一ヶ月で戦争は終わった。黒の騎士団の勝利という形で

 

 

 その大きな要因は管理局中将レジアス・ゲイズの裏切りがあったからだ。レジアスはゼロと通じ、戦争が始まった際に管理局内部から切り崩した。

 

 更に無限の欲望(アンリミテッド・デザイア)ジェイル・スカリエッティの協力もその要因の一つだろう。

 

「創造の前には破壊が必要だ……その為に心が邪魔になるのなら……消し去ってしまえばいい。

 私はもう前に進むしかないのだから……ふっふっふ、ふははははははははははははは!!」

 

「ああ! ゼロ! 君は素晴らしいよ! 君こそ私が仕えるに相応しい! カオスの権化だ!

 もっと! もっと見せてくれ! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 

「その笑い方おかしいからやめろ。ジェイル」

 

「君の笑い方も大概だよ? ゼロ」

 

 こうして、ゼロ達の手によって管理局は落ち、全次元世界はゼロのよって平定された。その後、ゼロに逆らうものは居らず、世界は仮初の平和を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  【原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?】

 

 

                   ~完~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??? サイド

 

 

「と言う夢を見たのさ!」

 

[と言うか記憶ですがね]

 

「まあ、細かい事~は気にすんな~」

 

[あっそ~れ、ワカチコ! ワカチコ!]

 

 さて、俺が誰だか教えよう。月無 零冶 小学3年生です。何で俺が生きているかって? では説明しよう。今日が何日かと言うと実は10月8日、俺が八神はやてに接触する前日なんだなこれが。

 

 え? 意味が分からない? まあ、落ち着きたまえ、順に説明しようではないか。さっきミストも言ったが今まで見ていたのは未来の俺の記憶だ。俺がどう行動したら未来がどうなるかを未来の俺に時空旅行券(タイムトラベラーチケット)を使って過去に来てもらい、どうなったかを教えてもらったのだ。

 

 だが、時空旅行券(タイムトラベラーチケット)は過去の自分に接触してはならないという制約があり、それを破ると時空旅行券(タイムトラベラーチケット)の能力は消滅する誓約がある。

 

 ここで言っている接触してはならないは直接会ってはならないというもの。なので、間接的な接触、つまり手紙などで情報を伝えることは問題がないのだ。

 

 そして更に俺は能力を作っておいた。それがこれだ。

 

 

 32、記憶弾(メモリーボム)

  系統:具現化系

  説明:ハンターハンター パクノダの能力を更に改良し、予め具現化して置いた弾丸に

     オーラと共に記憶を込める事が出来る。

     その弾丸を相手に撃ち込むとその記憶を相手に見せる事が可能となる。

 

 

 俺は未来の情報を得るためにある管理外世界に部屋を用意していた。そこに記憶弾(メモリーボム)を常備して置き、普段そこには俺自身も近づかないようにしている。

 

 そして、未来から来た俺がその部屋を訪れた際はその部屋を使用したことを分かるように目印をつけることで俺は未来から俺が来たことを知る。そして、記憶弾(メモリーボム)に記憶を込めて貰った後、帰って貰い、自分で自分に弾丸を撃ち込んだ。

 

 こうして俺は未来がどうなったかを知る事が出来た。え? ライは死んだはすだって? ああ、確かに死んだね。では逆に聞こう。何時から作戦決行時のライが零冶だと錯覚していた? 俺はあのライが零冶だなんて一言も言っていない。あの決戦時でライに化けていたのは愛里だよ。そしてゼロは俺が化けていたんだ。

 

 当たり前だろ俺が闇の書に取り込まれ、万が一幸せの夢を見たら目を覚まさない自信がある。まあ、神秘の服飾(シンピノヴェール)で俺の情報を抽出できないだろうから、幸せな夢は見ないと思うけどね。それに愛里からは俺の前世の記憶は消しておいた。

 

 更に愛里には絶対遵守(ギアス)で【幸せな夢を見たら直ぐに目を覚ませ】って命令してある。つまり、万全の体勢で決戦に挑んだ訳だよ。ワトソン君! はっはっはっは~!

 

 後はそうだな……わざわざゼロを出した理由でも話しておこうか……理由は簡単、作戦が上手く行き、闇の書を修復し、夜天の書に戻した後ははやては管理局に入る。だが、闇の書の主と言うだけで迫害されるだろう。

 

 そこでゼロという分かり易い悪を出す事で闇の書の印象を上書きする。そして、そのゼロ及びゼロ親衛騎団と対等に戦える戦力が味方になると言う状況にすることで、はやてに対する風当たりを弱くするのが目的だ。

 

 それともう一つ、ライ≠ゼロ≠零冶の構図を完全にするためだ。あの作戦でライ≠ゼロの構図は出る。だが、ゼロ≠零冶やライ≠零冶は出ないんだ。だからあの作戦決行の時、影分身を作っておき、高町士郎と桜羽蒼乃に接触するようにしていた。そして出来れば、アリサ・バニングスか月村すずかに接触……とは行かなくても目に止まるくらいはして置ければベストだ。

 

 特に蒼乃に会って置けば蒼乃は必ずそのことを葵に話すだろう。葵の感の鋭さは厄介だからな。これで完全に零冶は無関係の一般人になる。

 

 また、高町士郎に会うことにより零冶のアリバイが出来上がり、闇の書の事件が終われば俺は平穏に暮らせるという寸法なのだ! どうだ! まいったか!

 

「それにしても酷い未来だな~、悪乗りしすぎじゃない? 俺」

 

[まあ、それで色々貴重な情報が得られたじゃないですか]

 

「そうだな。レジアス・ゲイズとジェイル・スカリエッティの情報は有りがたいな。

 まあ、この情報を得るためにあそこまでしたんだろうな」

 

[でも、あれですよね。さっきの記憶って所謂。最終回ってやつですね]

 

「しかも、打ち切り系のな」

 

 さ~て次の情報はっと。俺は目にオーラを集め、凝をする。すると壁に念字が浮かび上がる。

 

「ふむふむ。仮想現在(バーチャルリアリティー)でシミュレートした結果、ゼロがシュタルケハドロン・

 フォースブラスターを放つのを16秒遅らせると守護騎士達が援護に間に合い、身を挺して

 管理人格を守ると……」

 

 俺が何を見ているかと言うと未来の俺が仮想現在(バーチャルリアリティー)を使い、ゼロが行動をどう変えたら、未来の現在がより良くなったかをシミュレートしてもらい、その結果をこうして壁に念字で残してもらった。念字を使用することで俺にしか見ないからな。万が一他人に見られることは無くなる。

 

「その後、シュタルケハドロンを再充填し、放つと着弾の直前にはやてが目覚め、管理人格と

 はやてをライが助けるか、なるほどな、後16秒遅らせて発射すればいいんだな」

 

 では早速やってみよう! キングクリムゾン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふはははははははは! これで終わりだ! 管理人格! 夜天の書よ!」

 

 確か、後16秒だったな。

 

「しかし、私も随分楽しませてもらったぞ。まさかこの私がここまで追い詰められるとは

 思っていなかった」

 

 後11秒。

 

「それだけに惜しい、これほどの力を消し去ってしまうのはな。ライのことが無ければ

 味方に引き込んだものを」

 

「誰がお前に仕えるものか……」

 

 後6秒

 

「それは残念だ。ならば私の目的を果たすだけだ。さあ、我が宿敵共に消え失せろ!」

 

 3……2……1……今だ!

 

「シュタルケハドロン・フォースブラスター!」

 

 四つの銃口から赤黒い砲撃が放たれた。

 

「させるかああ!」

 

「はやてえええ!」

 

「お願い! 間に合って!」

 

「テォアアアアア!」

 

 おお! 本当に間に合ったぞ! 守護騎士達が管理人格を囲うように一人一つずつの砲撃を受けるようだ。

 

 

ドッカーーーン!

 

 

 その砲撃を受け、地面に落ちていく守護騎士達。俺は守護騎士達に心で敬礼する。お前達のことは忘れないぜ!

 

『死んでませんがね』

 

『雰囲気は大事なんだよ』

 

「ちっ! 無駄話が過ぎたか……だが、無駄な足掻きだ。ブラック、シュタルケハドロンの

 再充填を」

 

[イエス、マスター]

 

 そうして、四つのシュタルケハドロンのエネルギーが充填されていく。

 

「やはり所詮は無駄な足掻きだったな。消えろ! 夜天の書!」

 

 再び、赤黒い砲撃が放たれた。

 

 

ドッカーーーン

 

 

 あたりが煙に包まれた。

 

「ふははははははは! これで終わりだ! これで我が覇道を阻むものは居なくなった!

 私の勝利だ! ふはははははははは!」

 

「何がそんなにおかしいのかな? ゼロ」

 

「何ぃ!」

 

 煙が止むとそこには管理人格を左腕で抱きかかえ、右腕ではやてを抱きかかえるようにライが姿を現した。うん、未来の俺から得た情報通りだな。

 

「おぉのぉれええ! ライィィィィ!」

 

「残念だが、お前の作戦は失敗に終わったようだな。ゼロ」

 

『お帰り、愛里』

 

『はい、ただいま戻りました』

 

 表では敵同士のやり取りをし、俺と愛里は念話でそんなやり取りをする。

 

「ちっ! ここは引かせてもらうとしよう」

 

「逃げるのか? ゼロ」

 

「勝てない戦と負け戦は別物だ」

 

 俺は懐からペン型のスイッチを取り出し、押した。

 

「さらばだ。ライ、次こそお前を葬ってくれる」

 

「やれるものならな」

 

『それじゃ、愛里。後はよろしく』

 

『はい、お任せ下さい』

 

 俺は速攻型転移魔法でその場を後にした。よ~し上手く言ったぞ!

 

 

零冶 サイドアウト

 

 

 

 

「逃げ足は一級品だな……」

 

「あの……ライさん、そろそろ下ろして」

 

「あの……私も」

 

 はやてと管理人格は顔を少し赤らめ、ライに言った。

 

「ん? ああ、すまない」

 

 ライは管理人格を放し、はやてを管理人格に預けた。それとほぼ同時にアースラから通信が入る。

 

『ライさん! 良くご無事で!』

 

「リンディ提督。ギリギリでしたがね。まさかゼロが来ているとは思いませんでした。

 状況の説明をお願いします」

 

『はい、分かりました』

 

 ライはリンディから状況の説明を聞いた。

 

「そうですか。それでは皆無事なんですね」

 

『はい、怪我をした方も居ますが、命に別状はありません』

 

「分かりました。一先ず、守護騎士達を治療します。その後、プレシアさん達の所に向かい、

 同様に治療して、その後、あの闇の書の闇を対処します。アースラは闇の書の闇の

 監視をお願いします」

 

『分かりました。お願いします』

 

 そうして、リンディとの通信が切れた。

 

「さて、命を照らす光よ、ここに来たれ、ハートレスサークル」

 

 ライは範囲回復魔法を発動し、守護騎士達を癒した。

 

「うっ、ここは」

 

「痛てて」

 

「死ぬかと思ったわ」

 

「うむ」

 

 守護騎士達は目を覚ました。

 

「はっ! 管理人格は!」

 

 シグナムが意識が覚醒し、状況を確認し出した。

 

「もう大丈夫だ。ゼロは去った」

 

「ライ! そうか、無事だったのだな」

 

 ライがシグナムに状況を説明した。

 

「皆が身を挺して管理人格を守ってくれたおかげで俺も助かった。ありがとう」

 

「べ、別にお前の為に助けたんじゃねぇよ。はやてのためだからな。勘違いすんなよ!」

 

「わかったわかった」

 

 ヴィータは素直になれず、悪態をつく。

 

「ああ、せや皆。この子の紹介せな」

 

 突然、はやてが全員に語り出す。

 

「この子名前が無い言うから私が名前を付けたんや。リインフォース。私達の新しい家族や。

 仲良くしたってや」

 

「リインフォース……いい名前だな」

 

「これからよろしく頼む。将達よ。それと仮面の騎士」

 

「俺はライでいいぞ」

 

「分かった。よろしく頼む。ライ」

 

「ああ、よろしく。リインフォース。さて、あまりのんびりもしてられない。直ぐに

 プレシアさん達の所へ治療に向かうぞ」

 

『わかった《了解や》《了解》』

 

 ライは腰から特殊な文字が書かれたクナイを取り出し、その場に落とした。その後、全員にオーラで包み込み、周を行い、プレシアの持つ通信機へ飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「管理人格の方は大丈夫かな?」

 

「大丈夫よ。きっと」

 

 ロッテとアリアは避難している仲間達の護衛に付き、管理人格達の身を案じていた。

 

「そうね。ライの渡したあのアイテムを使った守護騎士達の強さは尋常ではないわ。

 きっと上手く行っているわ」

 

 プレシアはロッテとアリアの同意する。

 

「それにそろそろはやてちゃんも目を覚ますだろうし」

 

「そうすれば、ライも戻ってくる」

 

 なのはとフェイトが言った。

 

「ライさんならゼロを倒せる」

 

「前にゼロを返り討ちにしてるしね」

 

 

フッ

 

 

「皆、大丈夫か?」

 

『ライ!《ライさん!》』

 

「どうやら、半分は無事じゃないようだな」

 

 ライは右手を前に出し、その手に魔力を集中させた。

 

「紡ぎしは抱擁、荘厳なる大地にもたらされん光の奇跡にいま名を与うる。リザレクション!」

 

 詠唱を終えるとその場に巨大な魔法陣が出現し、その場にいる全員を癒す。

 

「す、凄い……これほどの回復魔法を……」

 

「これならシャマルいらねぇんじゃね?」

 

「ひどいわ! ヴィータちゃん!」

 

「私もアトワイトを使えば、この魔法を使えるぞ?」

 

「尚更シャマルいらねぇじゃん」

 

「ぐすん……ひどいわ。二人とも」

 

「落ち着けシャマル。お前は守護騎士に不可欠な存在だ」

 

「ライ……」

 

「シャマルとザフィーラのサポートを二極化することで守護騎士達の連携を磐石に出来る。

 シグナム、ヴィータを前衛に置き、シャマル、ザフィーラを中衛、はやて、リインフォースが

 後衛を勤めることで隙の無い布陣になる。そして戦力の二分かもしやすくなり、より状況に

 応じた適切な対応が可能になる。その為にアトワイトをザフィーラに持たせたんだ」

 

『……』

 

 ライが解説をすると呆然とライを見つめる守護騎士達。

 

「どうした?」

 

「いや、てっきりボケるかと思ったのによ」

 

「お前は馬鹿か? まだ作戦は終わっていない。闇の書の闇が残っているだろ。

 気を抜いている暇はないぞ」

 

「あ、ああ、すまない」

 

 ライがまじめに対応していることで調子が狂うシグナム達。それもそのはず、このライは今まで接してきたライとは別人なのだから。

 

 その後、ライの治療によって葵達が眼を覚まし、現状を伝えた。

 

「良かった。無事上手く行って」

 

「ああ、これも葵達のおかげだ。ありがとう」

 

 ライは葵の頭に手を置き、撫でた。

 

「はい! ライ兄さん!」

 

 ライに頭を撫でられたことで満面の笑みになる葵。

 

「葵ちゃんずるい。私も頑張ったのに」

 

「私も……」

 

 葵を見て膨れるなのはとフェイト。

 

「ライ~私も頑張ったよ~。撫でて撫でて」

 

「はいはい」

 

「えへへ~」

 

 ライは空いた手でアリシアの頭を撫でる。

 

「アリシアちゃんのあの素直さが羨ましいの……」

 

「私ももっと素直になったほうがいいのかな?」

 

「まあ実際アリシアちゃんのようにはできんけどな」

 

――≪恥ずかしくて……≫

 

「さて、全員。問題ないな」

 

 ライは葵とアリシアから手を離し、その場の全員に確認を取った。

 

≪はい!《ああ!》≫

 

「よし、ではこれから闇の書の闇のところに転移するぞ」

 

 ライはその場の全員をオーラで包み、周をする。そして、先程落としていたクナイのマーキングに転移した。

 

 

フッ

 

 

「着いたぞ」

 

「あれが……」

 

「闇の書の……闇」

 

 ライの飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)で転移したなのは達は上空に浮かぶ怪しく光る光のを見上げた。ライは地面にまっすぐ刺さったクナイを抜き、腰のホルダーに戻した。

 

「そうだ。今は夜天の書から切り離され、実体が無いが、現在形成している。いずれ実体化し、

 暴走を始めるだろう」

 

 リインフォースは上空に浮かぶ光について説明する。

 

「分かった。アースラ。聞こえるか?」

 

『はい、何でしょうか?』

 

「闇の書の闇が実体化するまで推定時間を教えてくれ」

 

『分かりました。エイミィ』

 

『はいは~い、今から約21分後に闇の書の闇は実体化します。それまでに何か手を考えないと』

 

「そちらについては俺に考えがあるから大丈夫だ。アースラはそのまま闇の書の闇の監視を

 続けてくれ。何か変化があったら連絡を」

 

『了解しました』

 

 ライはアースラに指示を出し、リインフォースの方へ向き直る。

 

「では、闇の書の闇が実体化するまでできることをやるとしよう。リインフォース」

 

「何だ? ライ」

 

「お前の中に防衛プログラムのバグはどれだけ残留している?」

 

「ッ! 何故それを……」

 

 ライに言い当てられたリインフォースは少し動揺した。

 

「え? どう言う事なん?」

 

「いくら防衛プログラムを切り離してもバグを全て切り離せる訳ではない。

 お前の中に残ったバグは再生し、いずれまた防衛プログラムに支配されるだろう」

 

「……分かっている。そうなればいずれまた主に害を成す存在になってしまうだろう。

 だから、主には黙って消えるつもりだったのだがな」

 

「消えるって……そんなんあかん! 絶対に許さへんで!」

 

 リインフォースから告げられた言葉に感情的になるはやて

 

「主……分かって下さい。そうしなければ、また主に害を成してしまう」

 

「嫌や! 嫌や! 嫌や! そんなんしなくてもきっと何か手がある!」

 

「……二人とも勝手に話を進めるな」

 

「ライさん……お願いや。リインフォースを助けて!」

 

「いくらライでもバクを消す事はできない。ご理解下さい」

 

「何のために俺がいると思っている。そもそもこの事が予想できていた俺が何も手を

 打っていないと思っているのか?」

 

「「え?」」

 

 ライは右手の手の平を上に向け、前に出すと

 

管理者の鍵(マスターキー)発動」

 

 一つの鍵が出現した。

 

「それは?」

 

「これは管理者の鍵(マスターキー)。対象の特定の能力を封印することが出来る俺の

 レアスキルだ。これでリインフォースのバグを封印する」

 

「そ、そんなことできるんか?」

 

「まあな、それと」

 

 ライは左手に栄光の手袋(グロリアスハンド)を具現化し、時間を掴むと時の支配者(クロックマスター)で時間を止める。そして、世界の時間が止まる。

 

「さて、解析眼(インペクト・アイ)発動」

 

 ライは仮面の目の部分にレンズを填め、リインフォースを1分間、レンズに収め、リインフォースのステータスを確認する。確認を終えたライは

 

「ふむ、なるほどな」

 

 ライは解析眼(インペクト・アイ)を解き、時間を動かす。

 

「バクの進捗率は5.4%か……主にユニゾン機能に侵食が見られるな。悪いが、

 ユニゾン機能は諦めろ」

 

「何故、そこまで知っている」

 

 自分の詳細を理解しているライにリインフォースは尋ねた。

 

「秘密だ。さて」

 

 ライはおもむろに鍵をリインフォースの胸に突き刺した。

 

「な! 何しとるん! ライさん」

 

「大丈夫だ。痛みはない。そうだろ? リインフォース」

 

「ああ、まったく痛みはない」

 

「そういう事だ。では、ユニゾン機能及び防衛プログラムのバグを封印(ロック)

 

 言葉と共に鍵を回すライ。

 

「どうだ? リインフォース?」

 

 ライに聞かれたリインフォースはその豊満な胸に手を当てる

 

「……確かに防衛プログラムのバグが完全に封印された」

 

「じゃあ、リインは消えんでええの?」

 

「はい、主」

 

「良かった……ホンマに良かった」

 

「続けて、存在しなかった鍵(デリートキー)

 

 ライの持つ鍵が薄くなっていき、そして完全に消えた。

 

「な!」

 

「リイン? どうしたん?」

 

 はやては突然リインフォースが驚いたので、尋ねた

 

「今、私の中のユニゾン機能と防衛プログラムのバグが完全に消滅しました」

 

≪は?《へ?》≫

 

「何かしたのか? ライ」

 

 シグナムがライに聞いた。

 

「ああ、今のは存在しなかった鍵(デリートキー)。鍵を消滅させ、その鍵が封印(ロック)していた

 能力も対消滅させる能力だ」

 

「じゃあ、リインフォースの中にバグはなくなったってことか?」

 

 今度はヴィータがライに聞いた。

 

「ああ、これで安心して暮らせるだろう」

 

「本当に貴方って規格外ね」

 

「だが、そのおかげで我々は助かった。礼を言う。ライ」

 

 シャマルとザフィーラがライに言った。

 

「気にするな。それと」

 

 ライは懐に手を入れ、一つの宝石を取り出した。

 

「SDコアクリスタルのベルセリオスははやてに上げたものだからな。お前にはこれをやる」

 

 そう言って茶色のクリスタルをリインフォースに差し出す。

 

「これは?」

 

「これは最後のSDコアクリスタル【シャルティエ】だ。使ってやってくれ」

 

 リインフォースはライからクリスタルを受け取った。

 

[貴方が僕の新しいマスターですか? これからよろしくお願いします。お嬢]

 

「ああ、よろしく頼む。シャルティエ。それとありがとう。ライ」

 

 リインフォースは笑顔でライにお礼を言った。

 

「気にするな。君はそうやって笑ってくれるなら。俺も頑張った甲斐があるというものだ。

 これから守護騎士達とはやてを支えてやってくれ」

 

 ライは右手を前に差し出す。

 

「ああ、もちろんだ」

 

 リインフォースはその手を取り、二人は握手を交わす。

 

『お話中失っ礼! そろそろ闇の書の闇が実体化するよ』

 

「さて、話は終わりだ。闇の書の闇は俺が対処する。全員その場を動くなよ」

 

「え? 一人っていくらライさんでも」

 

「大丈夫だ。皆、さっきの戦いで消耗しているだろう。俺に任せておけ。それと、

 大地に眠りし守りの神よ。我等に大地の加護を、フィールドバリア」

 

 ライはエリア型の防御魔法を発動し、その場の全員を包み込んだ。

 

「その中なら安全だ」

 

≪ライ!《ライさん!》≫

 

 そして、闇の書の闇が実体化し、巨大なモンスターが出現した。

 

『ライさん! 気を付けて! 何重ものバリアが本体を守ってる! まずはそのバリアを破壊

 しないと』

 

「その心配はない。ギガジャディス!」

 

 エイミィの言葉を遮り、ライは右手を前に出すと魔力変換資質 光輝を使い、光の波動を放った。すると、闇の書の闇が張っていたバリア全て打ち消された。

 

『攻撃が届か……あれ? 闇の書の闇のバリアが消失してる!』

 

≪は?≫

 

 信じられない光景に一同がライを見たが、そこにライの姿は既に無かった。

 

「アアアアアアアア!」

 

「今度は何!?」

 

 突然、闇の書の闇の声に葵が声を出し、その後一同は上を見上げることになる。何故なら、いつの間にか闇の書の闇の巨体が上空に居たからだ。そして、元々闇の書の闇が居た場所を見るとそこには蹴り上げたように足を上げているライが居た。

 

≪……≫

 

 その場の全員が言葉を失った。そんな一同を他所にライは

 

双竜紋(そうりゅうもん)発動!」

 

 双竜紋(そうりゅうもん)を発動し、両手を頭の上で組み、闇の書の闇に向ける。

 

竜闘気砲魔法(ドルオーラ)!」

 

 強大な砲撃を放つ

 

「アアアアアア……」

 

 砲撃に飲まれた闇の書の闇は一瞬で蒸発し、防衛プログラムのコアが露出した。そして、ライは防衛プログラムのコアの傍に飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)で転移し

 

 

ガシッ!

 

 

 防衛プログラムのコアを掴んだ。

 

≪な!≫

 

「つ、掴んで大丈夫なの?」

 

 ライの行動を心配するなのは。

 

「いや! 防衛プログラムは直ぐに再生をする。あのままではコアに取り込まれるぞ!」

 

 なのはにリインフォースが反応する。

 

「そ、そんな! ライに伝えないと!」

 

 リインフォースの言葉に慌てるフェイト。

 

完全修復(パーフェクトリカバリー)発動!」

 

 だが、ライは防衛プログラムに取り込まれることは無かった。

 

「……いったい何が?」

 

 リインフォースでも分からない状況に一同は不安になっていた。そして、ライが飛行魔法でゆっくりとリインフォース達の所に戻ってきた。

 

「ライ。貴方いったい何をしたの?」

 

 戻ってきたライにプレシアが尋ねた。

 

「俺のレアスキル、完全修復(パーフェクトリカバリー)で改竄される前の……つまり原初の防衛プログラムに戻した」

 

≪は?≫

 

「俺の完全修復(パーフェクトリカバリー)は対象の過去の状態を俺が知っていれば、そこに戻せるレアスキルだ。

 俺はある筋から夜天の書が作成された当初の状態を知っていた。その知識を使い、

 防衛プログラムを改竄される前の状態に戻した」

 

「……もう、何を言われても驚かないと思っていたけど。驚きを通り越して呆れているよ。

 君は何でもありだな」

 

 あまりの状況にクロノが遠い目をして言った。

 

「後はこれを夜天の書に戻して完全に夜天の書の修復完了だ。防衛プログラムは主の危険を

 察知し、自動で主を守る機能だ。あって損はない」

 

 そう言ってコアを夜天の書に近づけると、コアはゆっくり夜天の書の吸い込まれていった。

 

「一度切り離してしまったからな。完全に同調するまでしばらく時間は掛かるだろう。

 まあ、そこはゆっくり待つと良い」

 

「ライさん……何から何まで本当にありがとうございました」

 

「気にするな。俺が勝手にやったことだ。さて、アースラ、作戦終了だ。全員を回収してくれ」

 

『はい、分かりました。皆さんお疲れ様でした』

 

 アースラに戻ったライはゼロに仕掛けられたウイルスを除去と他のウイルスが無いかの確認。作戦の報告や書類作成を行い、アースラを後にした。

 

 

 こうして闇の書修復作戦は幕を閉じた。




後書き書いてあった内容を削除しました。

繰り返し申しますが、皆様騙していまい申し訳ありませんでした。


さて、零冶の念能力紹介のコーナーです。

では、次の念能力はこれだ!


 24、探しモノの行方(ダウジングフューチャー)
  系統:特質系
  説明:人探しや物探しをする能力。
     対象の情報が多いほど精度が高まる。
     能力発動後に検索する対象の情報を頭で思い浮かべることで、
     該当する情報の件数が出てくる。その一つ一つを閲覧することも可能。
     更に情報を追加し、絞る事も可能。
     簡単に言えばインターネットで情報検索する時のようなイメージになる。

  制約
   1、自分の中で調べたい対象を明確にして置けなければならない

  誓約
   なし


 制約が分かり辛いと思うのでについて補足します。
調べたい対象を明確にとは例えばなのはの居場所を調べる場合、明確に「高町なのは」を思い浮かべる必要があります。当然ですね
 ですので、適当に「誰かの居場所」何て思っても能力は発動しないという事です。
まあ、ググル時だって同じですから、明確に調べたいものを考えて調べるのは当たり前ですよね。
 また、存在しないものを検索してももちろん引っ掛かりません。作中に出てきた「アルハザード」はこの能力で探しましたが、もし存在していなければ、引っ掛かりません。

 そんな感じです。今後この能力が出てくるかは不明です。


って感じです。では。あと皆さん騙して申し訳ありませんでした。





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