原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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今回は話だけ、先にあげます。
あとがきの念能力紹介は後日、書きます。
すみません。時間があまり無いもので(言い訳)


2014/12/27 追記
 念能力紹介を書きました。
 よろしければ見てみてください。


24_ミスト『フラグが増えるよ! やったね! マスター!』零冶『おいばかやめろ』

 10月上旬、季節は冬に向け、すこし肌寒くなってきた頃、ライは八神邸を訪れ、闇の書の真実をはやて達に伝えた。そして、闇の書を修復するため、まず蒐集活動をするにあたり、ライの実力を測るため模擬戦をすることとなった。

 

「さて、ザフィーラも食べ終えたし、そろそろ行こうか」

 

「うむ、待たせてすまなかったな」

 

「構わないさ、美味かったか?」

 

「ああ、実に美味だった。また食べたいものだ」

 

「そうか、まあこれからは八神の作った料理を食べると良い」

 

「せやな、これからはザフィーラの分も作ることにするわ。まあ、ドッグフードが

 余ってまうからしばらくはドッグフードやけどな」

 

 はやての言葉を聞き、耳が垂れるザフィーラ。そんな話をしていると

 

「なら、私が作ってあげましょうか? ザフィーラ」

 

「遠慮する。お前のは料理ではない」

 

 即拒否するザフィーラ

 

「ひどいわ!」

 

「ああ、あたしも同感だ。あれを食うならドッグフードを食べる」

 

「ヴィータちゃんまで!」

 

 ヴィータにまで言われ、涙目になるシャマル。

 

「シャマルの料理はそこまで酷いのか? ヴィータ」 

 

 疑問に思ったライがヴィータに尋ねる。

 

「酷いなんてもんじゃねぇって、マジで死ぬかと思ったからな。あれは兵器だ」

 

「そ、そこまで言わなくても」

 

「せやな、あの日以来シャマルには料理を禁止にしとるくらいやからな。それよりライさん」

 

「何だ? 八神」

 

「何で私だけ、苗字なん?」

 

「は?」

 

 はやてが不機嫌そうな顔でライに聞いた。

 

「いやな。皆、名前で呼んどるのに何で私は八神なんかなと思って」

 

「いや、守護騎士達は苗字が無いだろ。何だ? 名前で呼んで欲しいのか?」

 

「まあ……その……そうやね」

 

 顔を赤くして右手と左手の人差し指をツンツンしながら言うはやて

 

『なあ、ミスト……これって』

 

『フラグが立ちましたね。流石はマスターです。何時の間にフラグを立てたんです?』

 

『知らん。知りたくも無い』

 

『フラグが増えるよ! やったね! マスター!』

 

『おいばかやめろ』

 

「構わないぞ。ではこれからははやてと呼ばせてもらう」

 

「そ、そうか! ま、まあ。うれしくないこともないけどな」

 

 満面の笑みになるはやて

 

「さて、模擬戦をやるぞ。場所を移そうか」

 

「分かった」

 

 ライ達は模擬戦をするため、場所を移すことにした。

 

「じゃあ、適当な次元世界に転移するわね」

 

「いや、その必要はない。俺の方で転移させる」

 

 シャマルの提案を却下したライははやて達をオーラで覆い、周の状態にした。

 

飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)

 

 はやて達はライの飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)で八神邸を後にした。

 

 

 

フッ

 

 

 

「着いたぞ」

 

「「「「な!?」」」」

 

「へ? 何が起こったん?」

 

 急の出来事で何か起こったかが分からないはやて達。

 

「今の転移、魔力反応がまったく無かった。まさかレアスキル?」

 

「そうだ。俺には複数のレアスキルがある」

 

 シャマルが今の転移を分析し、ライが答える

 

「まさか、複数のレアスキル保持者とはな」

 

「レアスキル? なんやそれ?」

 

 シグナムがその事実に驚愕し、はやてがレアスキルについて聞いてくる。

 

「レアスキルというのは魔法とは違う特殊技能のことだ。希少技能とも言われ、

 普通の魔導師が持っていない固有スキルだ」

 

 はやての疑問にライが答える。

 

「レアスキルを持っている人は非常に稀です。それを複数持っているなどほとんど聞いたことが

 ありません」

 

 ライの説明にシグナムが補足する。

 

「へ~、じゃあライさんは激レアキャラっちゅうことやね」

 

「まあ、そうだが……人をカードゲームのカードみたいに言うな。さて、闘うとしようか?

 フィールドは荒野、互いに地の利はない。実力を測るには絶好だろう」

 

 ライが転移した場所は辺り一面が荒れ果てた野原。大きな岩も無いため、身を潜めることも出来ない。

 

「それから」

 

 ライははやての方を向き

 

「大地に眠りし守りの神よ、我等に大地の加護を。フィールドバリア」

 

 ライが魔法を詠唱し、はやてにバリア魔法をかける。

 

「何やこれ? おお! 触れるで」

 

「そのバリアの中に居れば安全だ。そこで見ていると良い」

 

「おおきにな」

 

 はやてにバリア魔法をかけたライは守護騎士達に向き直る。

 

「すまんな。本来は私がやる事なのだが」

 

 ザフィーラがライに申し訳なさそうに言った。

 

「構わないさ。さて始めようか?」

 

「いいだろう。先の言葉後悔させてやる」

 

「ちっとばかり、怪我しても文句言うなよな」

 

「我等の力を見せてやろう」

 

「怪我しても治してあげるから安心してね。思いっきり行くわよ」

 

「お手柔らかに頼むよ。それじゃあ」

 

 ライは腰を落とし、地面の石を拾う。

 

「この石を上に投げ、それが地面に着いたら試合開始としよう」

 

「「「「分かった《分かったわ》」」」」

 

 ライと守護騎士達は互いに荒野に足をつけ、睨み合い、ライが石を上に投げた。

 

『まずは私とヴィータで前に出る。シャマルとザフィーラが援護を』

 

『『『了解《了解した》』』』

 

 高く投げられた石は次第に地面に近づき、そして……

 

「まずは小手調べだ!」

 

 石が地面に着いたと同時にヴィータが動き出した。

 

「うらぁ!」

 

 ヴィータは二つの魔力鉄球を作り出し、グラーフアイゼンで打ち飛ばす。二つの鉄球は誘導弾のように弧を描き、左右からライに襲い掛かる。

 

――やつはどう動く? そこに先回りして接近戦に持ち込んでやる

 

 シグナムがライの動きを観察しているとライは予想外の行動に出た。

 

 

バシッ

 

 

「どうした? この程度か?」

 

「「「「な!?」」」」

 

 ライに高速で飛来する鉄球が消えたと思ったら、鉄球は既にライの右手の人差し指と中指、中指と薬指の間あった。鉄球は指の中で高速で回転している。

 

――避けるわけでも無く、受け止めただと! それに今の動き、まったく見えなかった……それほ

  どの実力と言う訳か……

 

 シグナムがライの力を測っていると

 

 

バキッ

 

 

 ライはそのまま指の力だけで鉄球を砕いた。

 

「くそ! ならこれだ! グラーフアイゼン! カートリッジロード!」

 

[了解]

 

 

ガション!

 

 

 グラーフアイゼンが銃弾を装填するような動きをし、ラケーテンフォルムに変わる。

 

「ラケーテン!」

 

 ロケットのような形態になったグラーフアイゼンから魔力を噴出させ、その場で回転したヴィータはロケットのように加速し、不規則な軌道を描きながらライに襲い掛かる。その動きはさながらロケット花火のようだ。

 

「はああああ!」

 

 ヴィータはそのままライにグラーフアイゼンを叩きつける。

 

「ハンマーァァァ!」

 

――入った! これでおしまいだ!

 

 ヴィータは勝利を確信したが、ライはその攻撃を

 

 

バッシィ!

 

 

 素手で受け止めた。その衝撃を受けたライの足元の地面は大きくひび割れた。

 

「馬鹿な!」

 

「ヴィータちゃんの攻撃を防御魔法も使わず素手で受け止めるなんて!」

 

「信じられん……」

 

「くそ! 負けんな! アイゼン!」

 

[了解]

 

 ヴィータはさらにカートリッジをロードし、威力を上げる。

 

 

ドガッ

 

 

 ライの足元の地面は更にひび割れ、クレータのようにへこんだ。しかし、

 

「ほう、大したパワーだな」

 

 変わらず余裕で受け止めているライ。

 

「はあああ!」

 

 シグナムがヴィータとは反対側からライに切り掛かった。ライは飛び上がりシグナムの攻撃を避わす。

 

「ちっ!」

 

 守護騎士達は上を向きライを見た。しかし、見ていたライが一瞬で消える。

 

「な! 消え」

 

「ッ! ヴィータ! 後ろだ!」

 

「な!」

 

「一閃!」

 

 一瞬でヴィータの後ろを取ったライは腰に帯刀した剣を居合いの要領で引き抜き、ヴィータに切りかかる。

 

「テォアアアアア」

 

 

ガギィィン

 

 

 ザフィーラがヴィータとライの間に割り込み障壁を張って受け止める。

 

「さすがは守護獣だな。おっと」

 

 シャマルのペンデュラムがライを捕らえようとしたが、ライは再び飛び上がり、その場を離脱してかわした。

 

「あぁ、外しちゃったぁ」

 

「はあああ! 陣風!」

 

 飛び上がったライをシグナムが追撃し、広範囲に炎の衝撃波を放った。

 

「魔王炎撃破!」

 

 ライは同じように炎の衝撃波を放ち、相殺する。互いの攻撃がぶつかり、あたりは煙が立ち込めた。その煙の中からライが飛び出し、高速の突きを放ち、シグナムに襲い掛かる。

 

「風牙絶咬!」

 

「くっ! はあああ!」

 

 シグナムはレヴァンティンの鞘で受け止め、レヴァンティンを横になぎ払い、ライに切りかかる。その攻撃はライを切り裂いた……ように見えたが、ライが煙のように消えた。

 

「何!」

 

「崩雷殺!」

 

 ライはシグナムの上から急降下し、剣を突き立てる。

 

「くっ!」

 

 シグナムは鞘とレヴァンティンをクロスさせ、剣を受け止めるが、その勢いは止まることなく、ライと共に地面に激突する。そして地面に激突すると同時にドーム状の雷撃が発生し、シグナムに電撃が襲う。

 

「かっは!」

 

「シグナム! てめぇ!」

 

「待て! ヴィータ!」

 

 止めるザフィーラを余所にヴィータがライに襲い掛かる。

 

「絶破!」

 

 ライは剣をⅩ状に振り抜いて、氷の斬撃を作り、

 

「烈氷撃!」

 

 それを掌底で砕き、襲い掛かるヴィータに氷の刃を叩き込む。

 

「な! うわあああ!」

 

「ヴィータちゃん!」

 

 ライはその場から離脱し、守護騎士達から距離を取る。

 

「こんなものかな?」

 

 倒れているシグナムとヴィータに駆け寄るシャマルとザフィーラ。ザフィーラはシグナム達三人を守るようにライの間に立つ。

 

「何故追撃しない?」

 

「忘れているのか? これは殺し合いじゃない。ただの模擬戦だぞ?

 サッサと回復させたらどうだ?」

 

「……そうだったな。シャマル」

 

「ええ、分かったわ」

 

 シャマルの体が緑色に光り、

 

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」

 

 シグナムとヴィータの体が光り出す。

 

「くっ、油断した」

 

「チクショウ、あいつめちゃくちゃ強ぇじゃねーか」

 

「確かに……炎熱、電撃、氷結の魔力変換をここまで使いこなすとは……」

 

「それに恐ろしく速いわ。私、目で追えないもの」

 

「更にヴィータの攻撃を素手で受け止めるほどの腕力……確かにやつは強い。だが」

 

「ああ、まだ負けたわけじゃねぇ!」

 

「まだやるのか? もう十分だと思うんだが?」

 

 ライはまだ諦めていない守護騎士達に確認する。

 

「たりめぇだ!」

 

「我等、ヴォルケンリッターに敗北は許されん。ベルカの騎士の誇りに懸けて

 貴様に勝つ!」

 

 ライの問い掛けに対し、ヴィータとシグナムが答える

 

「ふむ、そうか……なら」

 

 ライは剣を腰の鞘に戻す。

 

「な! 貴様! 何故剣を戻す!」

 

「あたし達を舐めてんのか!」

 

 ライの行動に怒りをしめすシグナムとヴィータ。

 

「そうじゃないさ。君達の覚悟は分かった。だから俺も相応しい技で応えようと思ってな」

 

「相応しい技だと」

 

「そうだ、全力でかかって来い。俺はそれを凌駕して見せよう」

 

「ちっ! 上から見やがって! 後悔させてやるぜ!」

 

 ライは緩やかに両腕を動かし、左手を自分の頭の高さまで上げ、右手を腰の高さに下げ、両足を肩幅より少し大きめに開き、左足をやや前に出した。

 

「「ッ!!!?」」

 

 その構えを見た途端、シグナムとザフィーラは驚愕した。

 

「はっ! 何だそれ! 大したことねぇじゃねぇか」

 

 ライの構えを鼻で笑ったヴィータが飛び出そうとしたが、

 

「待て!! ヴィータ!」

 

 シグナムがヴィータを止める。

 

「何だよシグナム!あんな適当な構えにびびッt!?」

 

 びびってんのか? と言おうとしたヴィータはシグナムの顔を見て言葉を止めた。

 

「…………あれはそんな生易しいものじゃない」

 

「うむ、迂闊に飛び込めば一瞬でやられる」

 

「あれのどこがすげぇんだよ……シャマル、分かるか」

 

「いえ、私にはぶっきら棒に構えているようにしか……」

 

「ふっ、この構えの恐ろしさが直ぐに分かるとは流石は歴戦の将と守護獣と言ったところか……」

 

 ライは初見で自らの構えを見抜いたシグナムとザフィーラを賞賛する。

 

「で、でもよ、どうすんだ。ずっとこのままって訳にもいかねぇだろ」

 

「…………」

 

『全員、聞こえるか?』

 

『『ッ!』』

 

『ああ、聞こえるぞ、将』

 

『今から私とヴィータで最大の攻撃を仕掛ける。シャマルは我々にブーストを

 ザフィーラは私と共に来て、やつの攻撃を防いでくれ』

 

『そ、そこまですることかよ、下手すりゃあいつ再起不能になるぞ』

 

『心得た』

 

『ザフィーラまで! 良いのかしら……』

 

『我等の出せる最大の攻撃でなければ、あれを破ることはできないだろう。

 カートリッジも惜しみなく使え』

 

『わ、分かったよ』

 

「作戦会議は終わったかな?」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

「全てお見通しと言う訳か……」

 

「安心しろ。作戦の内容までは分からん」

 

 しばらく、そのまま硬直状態が続いたが、

 

「覚悟しろよ!」

 

「いざ、参る!」

 

 ヴィータとシグナムが動き出し、ヴィータは高く飛び上がり、シグナムはザフィーラと共にライに突っ込んだ。

 

「もう! どうなっても知らないからね! クラールヴィント!」

 

 シャマルはすかさず、シグナム達にブースト魔法をかける。

 

「行くぜ! アイゼン! カートリッジロード」

 

「レヴァンティン! カートリッジロード」

 

[[了解]]

 

 

ガション、ガション、ガション

 

 

 ヴィータとシグナムのデバイスから薬莢が飛び出し、魔力の底上げをする。

 

 

「はああああああ! 紫電一閃!」

 

「フェニックスウィング!」

 

ガギィン

 

 シグナムの炎を纏った強烈な一撃を、腰の高さに置いていた右手を超高速で動かし、その掌撃で防ぐライ。その手はあまりの速さに空気との摩擦で炎を纏い、まるで不死鳥が羽ばたいたかのようだった。

 

「な!」

 

 そして、頭の高さに置いていた手で手刀を作る

 

「テォアアアアア」

 

 シグナムとライの間に割り込み、障壁を張るザフィーラ

 

「カラミティエンド!」

 

 ライはそのまま手刀を高速で振り下ろした。

 

 

バリィィィン

 

 

「馬鹿な!」

 

 その手刀はザフィーラの障壁を切り裂き、その斬撃でシグナム諸共、ザフィーラを切り裂いた。

 

「「がっは!」」

 

「ご、轟天爆砕! ギガントシュr」

 

「カイザーフェニックス!」

 

 ライは右手に纏った炎に魔力を注ぎ、更に巨大な不死鳥の炎を放った。その不死鳥はザフィーラ、シグナムを巻き込み、上空に居たヴィータに襲い掛かる。

 

「な! うわああああぁ!」

 

「皆!」

 

「カラミティウォール!」

 

 ライは左手に魔力を纏わせ、横に振り払い、高速で地面から上空に立ち込める魔力衝撃の壁を放った。それは高速でシャマルに向かっていき

 

「え? きゃああああああ!」

 

 シャマルは衝撃に備えて身を固め、目を瞑ったが、何時まで経っても衝撃が来ないことに疑問を持ち、目を開けるとそこには抉れた地面が自分の直ぐ手前で切れており、地面に伏せているシグナム、ヴィータ、ザフィーラの姿があった。

 

「え? 一体……何が起こったの?」

 

「本来ならカラミティウォールを当てるところだが、その必要は無いだろう。

 シャマル、三人を回復させてやると良い」

 

「み、皆!」

 

 シャマルはすぐさま三人に駆け寄り、回復魔法をかける。しばらくして目を覚ます三人。

 

「い、一体何が起きたんだ……一瞬でやられちまったぞ」

 

「こ、これほどまでとは……」

 

「くっ! やつは一体どれほどの力を……」

 

「気が付いたな。さて、これで模擬戦終了で良いかな?」

 

 ライは目を覚ましたシグナムに確認する。

 

「……仕方あるまい。認めよう。お前は我等より強い」

 

「ああ、実際に見せられちゃ、しょうがねぇな」

 

「うむ」

 

「そうね」

 

「そうか、では俺の提案通り、管理局に話し、蒐集活動は俺と守護騎士一人で担当する。

 守護騎士はローテーションで行くぞ」

 

「「「「分かった《分かったわ》」」」」

 

「よし、では」

 

 ライははやてのバリアを解いた。はやては車椅子を動かし、ライ達のところに来た。

 

「いや~、凄かったわ~。何やテレビの特撮を見てる気分やったで。未だに信じられんわ、

 これが現実なんて。てゆうか、ライさん強すぎちゃう? 特に最後のなんて何が

 起きたかさっぱり分からんかったわ」

 

「確かに見ていた私でも何が起きたか良く分からなかったわ」

 

 はやてとシャマルがライが最後に使った技について聞いてくる。

 

「ふむ、それじゃあ、解説と行こうか、あの構えは天地魔闘の構えという」

 

「「「「「天地魔闘の構え!」」」」」

 

「随分と大層な名前じゃねぇか」

 

「だが、それに相応しい威力だった」

 

「天地魔闘の構えの秘密。すなわち天とは攻撃、地は防御、そして魔は魔力の使用を指す」

 

「ほへ~、つまりどゆこと?」

 

「なるほどな」

 

「そういうことか」

 

「うむ」

 

「まさに奥義ね」

 

「へ? 皆今ので分かったんか?」

 

「はい」

 

 シグナム達は納得したが、はやては分かっていなかった。

 

「つまり天地魔闘の構えは受けの奥義、返し技だ。本来、攻撃・防御・魔法はそれぞれが

 独立している。だが、さっきのシグナムの紫電一閃のように物理攻撃と魔法を組み合わせる

 ことは可能だ。ここまではいいか?」

 

「オーケーや」

 

「天地魔闘はそこに更に防御を組み込み、三つの動作を一瞬で行う。

 相手に先手を取らせることでその攻撃を防ぎ、一瞬で必殺の攻撃を叩き込む、

 必勝奥義と言う訳だ。分かったか?」

 

「はあ~、なるほどな~」

 

 ライの説明で納得したはやて。

 

「よし、模擬戦も終わりだ。帰るぞ」

 

 ライははやて達をオーラで覆い、飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)を発動させ、その場から消える。

 

 

 

 

フッ

 

 

 

「着いたぞ」

 

「いや~、これ慣れへんわ。急に景色が変わるって何や変な感じやね」

 

「悪いな。こういうものなんだ」

 

「あ~、いや、別に責めてる訳やないんよ」

 

「さて、今日の所はゆっくりすると良い。俺は管理局に連絡を取り、蒐集活動の許可を

 貰って来る。準備が出来次第、またここに来る」

 

「分かった」

 

「サッサとしろよな。少しでも早くはやてを楽にしてやりたいんだから。それとさっきは

 負けたけど、次はこうはいかねぇからな。覚えとけよ」

 

「ふふ、俺に勝てるつもりなのか?」

 

 ライはヴィータの言葉に子供をあしらう様に返した。

 

「当たり前だ。ベルカの騎士をなめんなよ」

 

「ふふ、そういう台詞は俺に本気を出させてから言って欲しいものだ」

 

「な! 貴様、あれで本気ではないと言うのか!?」

 

「ああ、あれで一割ってところだな」

 

「「「「「は?」」」」」

 

「あれで一割だ」

 

「……だ、騙されねぇぞ。あれが一割な訳」

 

 ライの発言をヴィータが否定する。

 

「俺は複数のレアスキルを持っていると言った筈だが? 俺は先の模擬戦でレアスキルは

 一つも使っていない」

 

「は? 貴様のレアスキルは2つではなかったのか?」

 

 シグナムがライに確認をする。

 

「俺は複数と言った。2つとは言っていない」

 

「マジかよ。お前一体いくつレアスキルを持ってんだ?」

 

「それは……」

 

 

ゴクリ

 

 

 はやて達は緊張した面持ちでライの言葉を待つ。ライは右手人差し指を口元に当て

 

「秘密だ」

 

 飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)でその場を後にした。




零冶の念能力紹介のコーナーです。

紹介が遅くなり、申し訳ありませんでした。

では、次の念能力はこれだ!


12、ギアスキャンセラー
  系統:特質系
  説明:瞳にV型の鳥を逆さにしたのような紋章を浮かび上がり、円を広げると
     円の中にいるギアス系能力に操作された対象の念を解除する能力。
     ハンターハンター風に言えば、ギアス限定の除念能力。
     また、ギアスによって記憶操作された内容や操作中の間の記憶も蘇る。
     そして、自分自身に対してギアスが使用された場合は自動発動し、除念を行う。
     絶対停止(ギアス)と同様に対象を円で完全に覆わなければならない

  制約
   1、対象を円で完全に覆わなければならない
   2、効果対象はギアス系のみ
   3、自分自身にギアスが使用された場合は自動発動する

  誓約
   1、自動発動はOFFにできない


 説明でもある通りギアス系能力限定の除念能力です。
コピーパペットにゼロ役をやらせる際にギアスキャンセラーを管理者の鍵(マスターキー)封印(ロック)を掛けたのは絶対遵守(ギアス)に対して自動発動させないためです。

 ギアスは強力なので誤った命令をしてしまった場合や自分自身が誤って操作されてしまった場合などの保険で作成しました。

 誓約の自動発動はOFFにできないとありますが、自分自身に管理者の鍵(マスターキー)封印(ロック)を掛けることは可能なので、自分自身にギアスを掛けることは可能です。……が、そんなことはしません。

 原作のオレンジ君は最初好きではありませんでしたが、R2で再登場したときに好きになりました。あの時にジェレミアはカッコ良かった。


「ほう、久しぶりですね、まだ軍に居られたのですか? しかし、今貴方に
 関わっている暇はないんですよ……オレンジ君」

「オッ!? オォォォォオレンジだとぉ!!!? 死ねぇぇぇぇぇぇ!!?」

からの!?

「枢木スザク、君には借りがある。情もある。引け目もある。
 しかしこの場は忠義が勝る!? 受けよ!? 忠義の嵐!?」

ですよ? カッコ良すぎますね。私は敬意を込めてこの言葉を送ります。

オレンジさん! マジカッコ良いッス!?


って感じです。では

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