原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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原作開始前
01_現状確認と自己紹介


零冶 サイド

 

 

「んっ……あれ? ここは……!」

 

 俺は目を覚まして見慣れない部屋を見て声を出したが、いつもの声ではなくやけに高い声だったので、驚いた。

 

「もしかして、本当に転生したのか……」

 

 目線もやけに低いし……。

 

「うわっ! 手ちっさ! 本当に3歳児なんだな」

 

[おはようございます。マスター]

 

「ッ! ……どこだ?」

 

[こちらです。マスター]

 

 俺は声のしたほうを見ると、机の上の黒い宝石が光っていた。

 

「お前か?」

 

[はい、神様より貴方用に作られたデバイスです]

 

「そうか……あっ、挨拶がまだだったな、おはよう。え~と、名前はなんていうんだ。俺は」

 

[月無 零冶様ですね。既に神様から聞いています。私の名前はまだ未設定ですので、

マスターが付けてください]

 

「そうか……なら、お前の名前はブラックミストだ」

 

[了解、名前認証完了しました。よろしくお願い致します。マスター]

 

「ああ、よろしくミスト」

 

[マスター、早速ですが、マスター登録とバリアジャケットの作成を推奨致します]

 

「ああ、わかった。どうすればいい?」

 

[マスター認証は私に触れて頂ければOKです]

 

「了解」

 

 俺はミストを手に乗せる。

 

[これよりマスター認証を開始します。魔力波紋解析……解析完了。登録開始……登録完了、

 マスター認証完了しました]

 

「これでいいのか? 俺は何もしてないんだが?」

 

[はい、マスターの魔力波紋を登録しました。これで他の方に私を使用することはできません]

 

「魔力波紋って?」

 

[簡単に言うと指紋や声紋の魔力版です]

 

「なるほどな。次はバリアジャケットか……イメージすればいいんだっけ?」

 

[はい、私のほうで精製致します。イメージができたらセットアップと仰ってください]

 

「わかった。…………ミスト、セットアップ!」

 

[イエス、マスター。スタンバイレディ、セットアップ!]

 

 俺は黒い光に包まれる。しかし、光なのに黒いなんて変な感じだ。光が収まると俺はバリアジャケットを纏っていた。

 

「うん、イメージ通りだ。ありがとう、ミスト」

 

[いえ、ですがその……なぜ仮面を?]

 

 ミストが聞き辛そうに俺に問いかけた。俺の格好は黒のズボンに紺色のカッターシャツ、黒いロングコートを羽織り、腰には刀を模した剣、そして顔の上半分を覆う仮面を着けていた。

(イメージはテイルズオブグレイセスのアスベルの衣装を黒くして、仮面をした感じ)

 

「ああ、これか……俺は原作に関わらないようにするが、万が一介入することになった場合、

 顔がばれないようにするためだ」

 

[マスターは原作に関わらないおつもりで?]

 

「ああ、俺以外の転生者に任せるよ、俺はあくまで自由に生きる」

 

[了解しました]

 

「さて、特典の確認をするか」

 

 俺は気持ちを落ち着かせ、自分の中にある生命エネルギーを感じ取る。

 

――これがオーラか、今は垂れ流し状態だからそれを肉体の周りに留める

 

 すると、俺の周りを湯気のようにオーラが包み込む。

 

「これが纏……なるほど、重さのない服を着ている感じってキルアが言っていたが、

 確かにそんな感じだな」

 

 これだけでもなかなかのパワーを感じる。

 

「さて、次は絶……体内の精孔を閉じる」

 

 ふっと体の周りのオーラが消える。

 

「これが絶……どうだミスト、なにか変化はあるか?」

 

「はい、気配が虚ろというか、薄くなった気がします」

 

「そうか、なら次は練だな……体内の精孔を広げ、オーラを生み出し、それを一気に外へ!」

 

 俺の体の周りを通常の纏より多いオーラが包む。

 

「ふぅ、こんな感じか……結構疲れるな」

 

 さて、次は手にオーラを集中させる。

 

「うん、凝も問題なくできるな、他の応用技はまた今度にしよう」

 

「最後は水見式だな。ミスト、この家にワイングラスがあるか?」

 

[はい、台所にあります。ここは2階のマスターの部屋ですので、階段を下りて右に行って

頂ければ台所です]

 

「分かった。ちょっと取って来る」

 

 俺はそう言って台所にあったグラスに水をすり切りまで入れ、外の葉っぱを持って部屋に戻り、グラスを机の上に置き、葉っぱを水に浮かべる。

 

「さて、早速、ふぅ~……練!」

 

 俺はグラスを挟むように手をかざし練をする。これで俺は何の系統かが分かるんだが……まったく変化が起きないな。

 

「何も起きないな……」

 

[そうですね]

 

 俺は練をやめ、水を舐めてみる。

 

「変わってない……かな? どういうことだ……やり方が違う?」

 

[いえ、私の情報でもやり方に問題はありませんでした]

 

「そうか……」

 

 練ができれば僅かでも変化があるはず、アテナに頼んだ発の性質上特質系になると思ってたんだが……

 

「もう一度やってみよう…………練!」

 

 俺は同じように水見式をやるが、やはり変化は起きない。

 

「ふぅ、ダメだな。何も変わらない……これから分かることは変化が起きないことが起きたのか、

 それとも何か変化は起きているがそれが何かが分からないってことなんだが」

 

 前者は起きるはずの変化が起きないと言うことだ。しかし、それは何の能力も持っていないと言っている様なものだ。

 

 アテナに頼んだ能力があるはずだから、それはない。だとしたら後者なんだが、それじゃ確かめようがないな……取り合えずグラスを片づけるか。俺はグラスを持とうとしたが、練を使った疲労からかグラスを落としてしまった。

 

「やべっ!」

 

 俺は慌てて手を伸ばすが無情にもグラスは落ちて行き水をぶちまけながら、床にぶつかり、音を立てて……

 

 

カァーーーーーン

 

 

 割れなかった。

 

「これはいったい……」

 

 俺はグラスを持ちもう一度落としてみる。すると、カァーーーーーンと音はするものの割れなかった。

 

[どういうことでしょうか?]

 

「……おそらく、水見式の影響だな、グラスの強度が変わったんだ」

 

[なるほど]

 

「良かったよ、何も起きなかったときはどうしようかと思った」

 

[そうですね]

 

 何はともあれ、これで四大行は問題なしだな。俺はぶちまけた水とグラスを片付ける。

 

「じゃあ、最後だ……神の遊戯(キャラクターメイキング)発動!」

 

 俺がそういうと目の前に端末が出現する。

 

[それがマスターの能力ですか?]

 

「ああ、自分自身をゲームのキャラクターに見立てて、強化できる能力だ」

 

 端末を操作し、自分のステータスを見る。

 

 

名前:月無 零冶(つきなし れいじ)

 

性別:男

 

年齢:3歳

 

特典:①ハンター×ハンターの念及びオリジナルの発

   ②自分以外の転生者からリリカルなのは以外のアニメ・漫画・ゲームの原作知識消去

   ③成長率の向上

 

デバイス:ブラックミスト(インテリジェントデバイス)

愛称:ミスト

 

ステータス

 筋力:G

 俊敏:G

 耐久:G

 魔力:C

 幸運:A+

 

 顕在オーラ量(AOP):B

 潜在オーラ量(POP):B+

 

 

発=レアスキル

 1、神の遊戯(キャラクターメイキング)

    系統:特質系

    説明:端末を具現化し、自分自身のステータス確認・強化及びレアスキルの作成・

       強化を行える

       ステータス強化及びレアスキル作成・強化にはEXPポイントが必要になり、

       EXPポイントは修行や実戦などで手に入る

       レアスキル作成はオリジナルを考えて端末に登録でき、必要なEXPを消費すること

       で覚えることが可能

    現在のEXP:85ポイント

 

 

 発=レアスキルか……まあ、説明するのが楽になるからいいか。あと、ステータスは3歳だから妥当な数値だけど、幸運がやけに高いな……何でだ?

 

[そういえば、マスター。神様より伝言があります。]

 

「なんて?」

 

[実は転生者についてですが、マスターの次の方が居たらしく、

そのことをお伝えするのを忘れていたとのことでした]

 

「そうか……ということは転生者は全員で4人ってことか?」

 

[はい、そのようです。それで、お詫びとして神様から祝福を与えたそうです]

 

「わざわざいいのに……でもそれで幸運が高い理由が分かったな」

 

[お伝えするのが遅くなって申し訳ありません]

 

「気にするな、悪い話ならともかく、いい話なら問題はないよ。

 さて、現状確認はこんなところでいいだろう。早速修行しようかな」

 

 ひとまず、修行に役立つレアスキルから作って行くか。

 

 俺は今後の修行計画を立てて行く。

 

 

零冶 サイドアウト


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