原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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14_零冶&ミスト『『お、恐ろしい!?』』

葵 サイド

 

 ゼロとの戦いの後、駆け付けたプレシアさんとリニスさんと共に私達はアースラに転送された。

 

「ふあ~! なんかすごいの!」

 

「ええ、近未来的な光景ね」

 

 アニメで見たことあるけど、実際に見るのとでは全然違う。ちょっと感動している。

 

「ようこそ、アースラへ。少し待ってくれ。『すまない、二人を医務室に運んでくれ』」

 

『了解しました』

 

 すぐに白衣を着た人たちが来て、春兎と神宮寺をストレッチャーに乗せていく。

 

「こちらの金髪の少年は気絶しているものの大した外傷はありません。

 ですが……赤髪の少年はかなりひどい状態です。直ぐに処置に入ります」

 

「……分かった。よろしく頼みます」

 

「了解しました」

 

 そして、二人とも医務室へ運ばれていった。

 

「春兎君。大丈夫かな?」

 

「……きっと大丈夫よ」

 

「大丈夫? アオイ。顔色悪いよ?」

 

「私は平気……」

 

 嘘……全然平気じゃない。春兎を囮にして結局このざま……そして知ってしまった。

実戦の恐怖を……私は完全に自信を無くしてしまった。

 

「しかし、プレシアとリニスが来てくれて助かったよ。どうして分かったんだい?」

 

「フェイトから話は聞いていましたから、もしものために控えていたんですよ」

 

「そうだったんですか……おかげで助かりました。僕達だけじゃやられていました」

 

「気にしないで娘とその友達を助けるためだもの。それに助けるのが遅くなって

 ごめんなさい。怖い思いをさせてしまったわ」

 

「お話中すまない。艦長のところへ案内する。そこでそちらの事情を教えて貰いたい」

 

「分かったわ」

 

「それとそこの君も元の姿に戻ったらどうだ?」

 

「あっそっか、ずっとこのままだったから忘れてたよ」

 

 ユーノの体が光ると民族衣装を着た少年になった。

 

「ふえーーー! ユーノ君! 人間だったの!」

 

「あれ? なのはにあった時ってこの姿じゃなかったっけ?」

 

「最初からフェレットだったよ!」

 

「……ああ! そっか!」

 

「良かったわね、ユーノ。温泉の時は春兎に連れてってもらえて、もし女湯に来てたら、

 ただじゃすまなかったわよ?」

 

「ははは……ほんとに春兎には感謝してるよ」

 

「そうね。もしアリシアとフェイトの柔肌と見ていたとしたら、消し炭にしていたわ」

 

「ほんっっとうに良かったです!」

 

「か、母さん……」

 

「何か行き違いがあったようだが、もういいか? それと君たちもバリアジャケットを

 解いても構わないよ」

 

「あっはい」

 

 なのはがバリアジャケットを解く

 

「なのは、まだ完全に信用出来てないんだから、素直に従っちゃダメよ」

 

「でも……大丈夫って気がするの」

 

「……まあいいわ」

 

 私とフェイトもバリアジャケットを解く

 

「それじゃ、艦長のところへ案内する。こっちだ」

 

 私達はクロノに案内され、扉の前まで来た

 

「艦長、クロノです」

 

「どうぞ、入って頂戴」

 

「失礼します。さあ、君たちも」

 

「「「「「「「失礼します」」」」」」」

 

 私達の目の前に入ってきたのは、和風なんだか洋風なんだか分からない部屋だった。

 

「ようこそ。いらっしゃいました」

 

「これはなんというか」

 

「いろいろごちゃ混ぜなの」

 

「あまり見ないでくれ。僕も恥ずかしい」

 

「? 遠慮しないで座って頂戴」

 

 遠慮している訳じゃなく、どう反応していいか分からないだけなんだけど

 

「では、遠慮なく」

 

 まったく動じず席に座るテスタロッサ一家。まあ当然といえば当然よね。私となのはも席に着く。

 

「では、私が時空管理局提督 巡行艦アースラの艦長 リンディ・ハラオウンです」

 

「あれ? ハラオウンって」

 

「ええ、そこのクロノ執務官の母親よ」

 

「ふえ~、フェイトちゃんのお母さんもそうだけど、すっごく若いの」

 

「桃子さんだって似たようなものじゃない」

 

「ふふ、ありがとう。では、そちらの事情を聞く前にお茶にしましょう」

 

 リンディさんは緑茶を入れていく。

 

「お砂糖はいくつ?」

 

 これが噂に聞くリンディ茶。どぼどぼと緑茶に角砂糖を入れていくリンディさん

 

「わ、私達は結構です」

 

「……お茶がかわいそうなの」ぼそ

 

「あら、大丈夫? 子供には苦すぎないかしら?」

 

「いえ、慣れてますので」

 

「そう?」

 

 そうしてお茶を飲む。リンディさん。

 

「ふぅ美味しい。それで本題なんだけど、そちらの事情を聴かせてもらえるかしら?」

 

「じゃあ、僕の方から」

 

 

~ユーノ説明中~

 

 

「そう、ジュエルシードは貴方が発掘したのね」

 

「はい、だから僕が責任持って回収しないと」

 

「立派だわ」

 

「でも、無謀でもある。何故管理局を待てなかった?」

 

「管理局にも要請しましたが、人手が足りないので直ぐには無理とのことだったので……

 ジュエルシードを放って置いたら大変なことになると思い……」

 

「そうだったのか、すまない。それについては管理局を代表して謝罪する」

 

「い、いえ! そもそも僕がジュエルシードを発掘したから」

 

「少しいいかしら? それについて補足したいのだけど」

 

「何ですか?」

 

「ジュエルシードがばら撒かれたのは私のせいなのよ」

 

「! どういう意味ですか?」

 

「ええ、実は」

 

 

~プレシア説明中~

 

 

「……なるほど、自分の病を治すために彼の次元艦を襲ったと」

 

「ええ、でも病はアリシアとリニスが連れてきた医者に治してもらったわ。

 ユーノ君、私が先走ったせいでごめんなさい」

 

「謝らないで下さい。それについては以前、謝罪してもらっていますし、事情が事情ですので、

 僕もやむを得ないことだったと思っていますから」

 

「ありがとう」

 

「……プレシアさん。残念ですが、今回の襲撃と違法研究に手を出していることから、

 私達は貴方を捕らえなくてはいけません」

 

「覚悟の上よ。元々全てのジュエルシードを回収したら、自首するつもりだったのだから」

 

「ですが、出来る限り罪を軽く出来るように致します」

 

「良いのかしら?」

 

「ええ。その代わりと言っては何ですが、今回の事件解決に力を貸してください。

 先程の戦闘を見させていただきましたが、残念ながら私達の戦力ではゼロを捕らえられません」

 

「交換条件という訳ね」

 

「もちろん、無茶はさせません。私達も出来る限り自分達の力で何とかします」

 

「……分かったわ」

 

「ありがとうございます」

 

 プレシアさんが協力することになった。私はどうしよう……私はさっきの恐怖が抜けきっていない。また、あんな目に合うかと思うと……

 

「あの……私も協力させて下さい」

 

 なのは?

 

「悪いがこれは民間人が手を出すべきじゃない。ここは僕達に任せて「理由を聞いても

 良いかしら?」母さん?」

 

「艦長ですよ。クロノ執務官」

 

「……すみません。艦長」

 

「それでなのはさん、何故協力したいのですか?」

 

「はい、私運動が苦手で、勉強も得意じゃなくて、でも魔法が使えるって分かってすごく

 嬉しかったんです」

 

 私はなのはの言葉に耳を傾ける

 

「何の取り柄もない私が誰かの役に立てるって思えて、誰を守れるんだって思えて、

 だから私、諦めたくないんです。勇気を出して戦いたいんです。

 だって……勇気は夢を叶える魔法だから」

 

 勇気……

 

「だから、私にも協力させて下さい。私もっと強くなりたいんです。みんなを守れるように」

 

「そう……分かったわ。是非協力して下さい」

 

「はい!」

 

「僕も協力させて下さい!」

 

「私も! ここで立ち止まりたくありません!」

 

「フェイトがやるならあたしもさ!」

 

「ええ、もちろんよ。こちらこそよろしくお願いします」

 

 みんな……

 

「私は……少し……考えさせて下さい」

 

「ええ、ゆっくり良く考えて、焦っちゃダメよ」

 

「はい……すみません」

 

「葵ちゃん……」 

 

「ごめんね。みんな……私は」

 

「ううん、今まで葵ちゃんには何度も助けてもらったの。だから私達の事は気にしないで」

 

「そうだよ。リンディさんの言う通り、焦っちゃダメだ」

 

「落ち着いて良く考えた方がいいよ」

 

「うん……」

 

「それでは、今日は疲れているでしょうからここまでにして続きは明日にしましょう」

 

「あ! 明日学校だ……どうしよう」

 

「無理にこちらに合わせる必要はない。自分の用事を済ませてからで構わない」

 

「ううん、お母さん達に事情を話せば許してくれると思うの……」

 

「しかし、魔法の事を話す訳には……」

 

「……状況が状況です。話してもらって構いません。ただ、親御さんがダメだと言ったら

 無視してはいけませんよ?」

 

「分かりました」

 

「それじゃクロノ、皆さんを元の場所に送って差し上げて」

 

「了解しました」

 

 

 それから私達は元の公園まで転送してもらい、それぞれ自宅に帰った。

 

 

「ただいま」

 

「お姉ちゃん! おかえり~」

 

「ただいま、蒼乃」

 

「? お姉ちゃん、元気ない?」

 

「!? そんなことないよ~、お姉ちゃん元気!」

 

「……お姉ちゃん、しゃがんで~」

 

「な~に?」

 

 蒼乃の言う通り、膝をついて目線を合わせる。すると蒼乃が私の胸に手を置き

 

「いたいのいたいのとんでけ~」

 

「……え?」

 

「えへへ~、お姉ちゃん、元気でた?」

 

「~~っ、うん! ありがと、蒼乃!」

 

 私は感極まって涙が出てきてしまった。

 

「お姉ちゃん、まだどこか痛いの?」

 

「ううん、大丈夫。私は大丈夫だよ。大好きだよ蒼乃」

 

「えへへ~、私もおねえちゃんのこと大好き~」

 

 私は大切なことを見失っていた。いつの間にか自分のために戦っていたのかもしれない。

ゼロを野放しにしたら、この町が……いや、この星が壊されてしまうかもしれない。

そんなこと絶対にさせない。私は強くなる! 家族は私が絶対に守る!

 

 

葵 サイドアウト

 

 

零冶 サイド

 

 

 ふむ、桜羽はどうやら大丈夫そうだな。少し心を折り過ぎたかと心配だったんだが、取り越し苦労だったようだ。

 

『相変わらず便利ですね。この覗きスキル』

 

『お前、メレオロンに謝って来い』

 

 いや、こんな使い方をしている俺が謝らないとダメか? …………ごめんちゃい!

 

『誠意の欠片もない』

 

『後悔はしていない。さて、帰るとするか』

 

 俺は飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)で自宅に転移した。

 

[それにしても葵ちゃんが持ち直さなかったらどうするつもりだったんですか?]

 

「え? ゼロで妹を誘拐して「返して欲しければジュエルシードを持ってこい! ふはははは!」

 って感じかな?」

 

[下衆の極み]

 

「てへぺろ!」

 

 まあ冗談は置いといて、人は大切なものを守りたいと思った時が一番強くなれると思っている。

それに気付かせるようにするつもりだったが、自分で気づいたんだ。これから桜羽は飛躍的に強くなるだろう。もうこっちは大丈夫だ。

 

「後はオリ主と踏み台か」

 

[オリ君はともかく、踏み君もなんとかするのですか?]

 

「何だその呼び方は?」

 

[マスターと同じ理由ですよ]

 

「ああ、なるほどね」

 

 どういうことかというと俺はあの二人を名前で呼んでない。少なくともここ最近は……

理由は認めていないからだ。踏み台は言わずもがなだが、オリ主の方は本当に期待外れだった。

自分の能力を設定したが為に、力を過信している。魔法の訓練はしているが必死さが足りない。

 

 一度挫折させ、初心に帰らせる。そして自分が何のために、何をなすのかを考えさせ、今何をすべきなのかを理解させる。今回のことで改めて自分がまだ弱いことを実感しただろう。そして、次すべきことのヒントも出したつもりだ。

 

[マスター、オリ君が目を覚ましました]

 

「分かった。神の不在証明(パーフェクトプラン)発動」

 

 俺はオリ主に付けた飛雷神のマーキングに飛んだ。え? いつ付けたかって? 医務室に運ばれているときだよ。実はあの時、神の不在証明(パーフェクトプラン)で姿を消して見てたんだ。艦長室の一部始終も見てたよ。

 

『ほんとに便利ですね。そのストーカースキル』

 

『ごめ~んちゃい』

 

 

零冶 サイドアウト

 

 

春兎 サイド

 

 

「うっ! ……ここは」

 

[マスター! 目が覚めましたか!]

 

「ゼファ……ここは?」

 

[ここは管理局の戦艦アースラです]

 

「アースラ? 俺はいったい……! そうか、俺はまた負けたのか……」

 

[申し上げにくいですが、そうです。完敗でした]

 

「くそ! 俺は!」

 

 徐々に記憶が蘇ってくる。まったく手も足も出なかった。

 

「そうだ! みんなは!」

 

[安心して下さい。皆さん無事です]

 

「そうか……良かった。それじゃゼロを倒したんだな」

 

[…………]

 

「ゼファ?」

 

[一度は倒しました。いえ、正確には偽物を倒しました]

 

「偽物? どういうことだ」

 

「それは僕の方から話をしよう」

 

「! 誰だ!」

 

「失礼、僕は時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。体の調子はどうだ?」

 

「……痛みはあるが、大丈夫だ」

 

「それはよかった。君は管理局を知っているかい?」

 

「……ああ、俺の両親が管理局員だった」

 

 と言ってもそういう設定だっただけだが、

 

「そうか、なら話は早い。まず、君が気絶した後の映像を見せよう」

 

 そして俺はなのは達の戦いの映像を見せてもらった。

 

「あれでたったの10分の1……ははは」

 

 もう笑うしかなかった。手も足もどころじゃない。そもそも相手にもして貰えて無かったなんて……

 

「気に病むことはない。あれの強さは尋常じゃない。管理局でもあれほどの強さは

 ほんの一握りだろう。むしろよくやった方だと思う」

 

「気休めは止してくれ! 俺のやったことが全く意味の無かったことだったなんて!」

 

「本当にそうかな?」

 

「! どういう意味だ?」

 

「君が先に戦ったことでユーノ・スクライアは設置型バインドのトラップを仕掛けることが

 出来た。もし、君が居なかったらあそこまで楽には戦えなかっただろう」

 

「だが、それだけだ! それじゃただの捨て石と変わらないじゃないか!」

 

「捨て石の何が悪い!」

 

「!?」

 

「僕達管理局は僕達の正義のために戦っている! 力無きもの達を守るために!

 捨て石になってでも後に続く者たちの役に立ち! 悪を倒すことが僕達の正義だ!」

 

「…………」

 

「……すまない。感情的になった」

 

「いや、こっちこそ……すまなかった」

 

「僕の父は……ある事件でロストロギアを一人で押さえ、自分の命を犠牲にしてロストロギア

 諸共……父さんはみんなを守るために捨て石になったんだ」

 

 そういえば……そうだったな

 

「僕は君のしたことは決して無駄ではなかったと思っている。ただ、相手の方が一枚も二枚も

 上手だったというだけだ」

 

「…………」

 

「そして、君はまだ生きている。生きている限りまだ挽回のチャンスはある。

 自分が負ける時は諦めた時だ」

 

「諦めた時が負け……」

 

「傷ついても、立ち止まっても、諦めなければ必ず、また歩き出せる。

 僕はそう信じている」

 

「……」

 

「君は一度良く考えた方が良い。何のために戦うのか、何がしたいのか、そして……

 今、何をすべきなのか」

 

「今、何をすべきか…………俺は……俺は! ゼロを倒したい! 例え俺が勝てなくてもいい!

 みんなが! いや、みんなで! ゼロに勝てるように俺は強くなる!」

 

「それが君の答えか」

 

「ああ!」

 

「なら、僕も協力する。一緒に強くなろう」

 

「ああ、よろしく。クロノ! あっ、クロノさんの方が良いか?」

 

「いや、クロノで良い。これからよろしくな、春兎!」

 

「ああ、クロノ!」

 

 俺はクロノと固い握手をする。俺は絶対に諦めない! ゼロを倒すまで!

 

 

春兎 サイドアウト

 

 

零冶 サイド

 

 

 よし、こっちも大丈夫そうだな……え? 結局何もしてないじゃないかって? いやちゃんとクロノを誘導したでしょ。え? 意味が分からない? それでは俺の新しいレアスキルをご紹介しよう!

 

 

 29、絶対誘導(ギアス)

    系統:操作系

    説明:円で広げた範囲内にいる生物の思考を誘導する能力

 

 

 簡単に説明すると、対象の理性を外すことで相手の思考を思い通りに誘導する能力だ。

例えば、良いことがあり、感極まって知らない人にでも抱きついてしまうことがあると思う。

え? 無いって? それは理性によってその行動を抑制しているからだ。

 

 この能力はその理性を外して抱きつかせることが出来る。他にも殺してやると思っても理性によってその気持ちを抑制し、本当に殺したりはしない。だが、この能力なら殺させることができる。

そういう能力だ。

 

 だが、もちろんこの能力にも弱点はある。思ってもいないことには誘導できないということだ。

殺したいと本気で思っていないと誘導できない。それはそうだ、思っていないのだ。それは誘導とは言わない。

 

 この能力の一番優れているところはあくまで思考の誘導だという点だ。絶対遵守(ギアス)絶対改変(ギアス)は相手の思考を完全に操作するのに対し、思考を誘導しているだけだから、あくまで本人の意思で行動していると思わせることが出来る。

 

 今回はクロノの思考を誘導し、オリ主と話をさせた。気持ちを抑える理性を外して感情的にさせ、言わせたい言葉まで誘導した。

 

『恐ろしい能力ですね』

 

『ああ、我ながら凶悪な能力だ』

 

『何しろ…………中二病に掛かっていたら人前であろうと中二発言をしてしまうなんて!?』

 

『そして! 能力が解けたら悶えるのだ! 何で俺はあんなことを言ったんだぁぁ! と。

 きっと恥ずかしさのあまり悶え死ぬだろう!』

 

『『お、恐ろしい!?』』

 

 さて、これでオリ主も死に物狂いで修行するだろう。きっと強くなる。後は踏み台だが……

こっちが問題なんだよな。未だに心はへし折れてすらいない。そりゃそうだ、そもそも思念体との戦闘で既に気絶していて、戦えてすらいないのだ。

 

『ある意味強敵ですね』

 

『ああ、戦うことすら出来ないとは』

 

 さて、どうするかな……作戦を考えないとな。おそらく俺は今まで一番頭を悩ませているだろう。戦いの前にいなくなってしまう相手とどうやったら戦えるのかを!

 

『なんてくだらない悩みなんでしょう』

 

『仕方がないさ、相手がくだらないのだから』

 

 

零冶 サイドアウト

 

 


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