原作を放って置くとバッドエンドになるんですが、どうしたら良いですか?   作:月の光

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13_零冶『俺を誰だと思っているんだ?』ミスト『失礼、愚問でした』

零冶 サイド

 

 ゼロがなのは達の前から転移してから、俺は神の不在証明(パーフェクトプラン)で姿を消し、なのは達の様子を見ている。

 

「さて、これからどうするかを考えましょう」

 

「そうだね。今度のジュエルシード発動までに何か対策を考えないと」

 

「でも、どうするの? あの人すっごく強かったよ?」

 

「……俺はしばらく学校を休んで修行する」

 

「ちょっと、こんなときに個人プレーに走んないでくれる? こういう時はチーム全体で

 一致団結しないとダメでしょ」

 

「もちろんそれも大事なのは理解している。だが、いくらチームワークが良くなっても

 個人のレベルがあいつに通用しないと話しにならない」

 

「それはそうだけど、次のジュエルシード発動までにそこまでに強くなるなんて無理だと

 思うよ? 僕は葵の意見に賛成だ」

 

「私もそう思うの」

 

「私も」

 

「もちろん、あたしもさ」

 

「5対1よ。私の意見に従ってもらうわ」

 

「だけど」

 

「オイ! モブー! 何、我のなのはたちに馴れ馴れしくしてやがる!」

 

「こいつのこともあるから、俺は外れたほうが良い気がするんだ」

 

「「「「「一理ある《の》」」」」」

 

「サッサとどっか消えやがれ!」

 

「分かってるよ。それじゃ皆、悪いが俺はしばらく一人で修行する。次のジュエルシードが

 発動した時にはまた来るから」

 

「……仕方ないわね。ただし! しっかり強くなってくるのよ」

 

「了解。それじゃ」

 

 オリ主が街中から消える。

 

「ふん、やっと消えやがったか。なあ皆、このあとデートしないか」ニコ

 

「あんた、今までの話聞いてなかったのかい?」

 

「聞いていたとも。セロだがマ○ックだか知らないが、我に掛かればそんなやつを倒すのは

 容易い。何故なら我はオリ主だからな(ふっ、決まったぜ)」

 

「あっそ、楽しみにしてるわ。だけど、私達はこれから大事な用があるの。悪いとは微塵も

 思っていないけれど、外してくれるかしら?」

 

「……いいだろう(流石に人前では甘えるのは恥ずかしいんだな。仕方ない、此処は言う通りに

 しておこう。さっきのジュエルシードは邪魔が入って我の活躍がなくなってしまったからな。

 だが、いずれは……グへへ)」

 

 踏み台が街中から消える。

 

「やっと消えてくれたわ」

 

「ねぇ、なのは、アオイ。オウガが言っていたオリシュって何?」

 

「さぁ? 私は知らないの」

 

「バカって意味よ」

 

「そうなんだ……自分で自分のことバカって言ってるんだ。何だかかわいそう……」

 

「フェイト。真に受けちゃダメだよ。嘘だから……たぶん」

 

「え? そうなの?」

 

「アルフ、貴方のマスターは大丈夫なの? いろいろな意味で」

 

「これがフェイトの良いところさ」

 

「まぁ、素直なのは良いことだよ。さて、これからだけどゼロを倒すには

 チームプレーが大事だと思う。だから、それぞれの役割を決めて

 その練習をしたほうがいいと思うんだ」

 

「なるほどね。幸いにも速さならフェイト、補助にユーノとアルフ、攻撃になのは、

 そしてバランスの私がいる。フェイトとアルフで前衛、私とユーノで中衛、なのはの後衛

 と役割を分けられる。結構良いチームだと思うわ」

 

「うん、それで良いと思う。私は速さで相手を撹乱させる」

 

「あたしはフェイトをフォローする」

 

「僕はフェイトとアルフを中心に守り、相手の動きを封じる」

 

「私はフェイトとアルフの邪魔にならないように攻撃して相手の注意を引き付ける」

 

「えっと、私はどうすれば良いの?」

 

「なのはは相手の隙を見て最大の攻撃を仕掛ける」

 

「で、でも私より葵ちゃんの魔法の方が威力あるよ?」

 

「確かに今はそうね。でもまだなのはに中衛は無理だと思うわ。

 常に全体の状況を把握し、その状況にあった適切な行動をしなくてはならない。

 いわば、チームの要なのよ」

 

「そっか……」

 

「それになのはなら、私より威力のある魔法を使えるようになるわよ。きっと」

 

「うん、分かったの」

 

「それじゃ、今日はここで解散して、明日チームプレーの練習をするわよ」

 

「「「「分かった《の》《よ》」」」」

 

 そして、街中から誰もいなくなった。

 

『ふむ、桜羽は本当に大活躍だな。俺の思惑通りにことが運んだ。それにリーダーとしての

 資質もある。かなり優秀だ。オリ主の言っていることも一理あるんだが、ユーノが言ったこと

 の方が正しい。修行は時間を掛けてやらないと効果が薄い。次のジュエルシード発動まで

 期間が分からないのにどうするつもりだ?』

 

『たしか、原作では翌日の夕方くらいに発動したと思いますよ?』

 

『それについては俺が少し遅らせるつもりだ。探し物の行方(ダウジングフューチャー)で探せば直ぐだ。

 3日くらいが妥当かな』

 

『3日で出来る修行なんてたかが知れてますね。マスターじゃあるまいし』

 

『俺には影分身の術(かげぶんしんのじゅつ)があるからな』

 

『でも、それはチームプレーも同じでは? 3日で何とかなるでしょうか?』

 

『まったくの他人とであれば無理だが、友達同士であれば十分だろ。

 それに完璧である必要はない。ゼロにない武器で攻めるのは良い方法だ』

 

『数で攻めるということですね?』

 

『そうだ。だからこそ、オリ主の取った選択はよろしくない。50点だな』

 

『思ったより点数が高いですね。てっきり30点くらいかと……』

 

『個人のレベルを上げるというのも強敵と戦う上では大事なことだ。

 それ自体は間違いではない。問題は修行内容だ。まあそれは次回のお楽しみだな』

 

『マスターなら修行内容も把握できるのでは?』

 

『もちろん出来るが、それをしてしまってはゼロとして対策出来てしまうからな。

 それがボロに繋がる可能性がある。知らないほうが良いのさ』

 

『それで負けたら元も子もないですよ?』

 

『俺を誰だと思っているんだ?』

 

『失礼、愚問でした』

 

『違う。ワザとだ』

 

『かみまみた』

 

『ワザとじゃない~!』

 

 さて、遊んでないで早速ジュエルシードを探すとするか。

 

探し物の行方(ダウジングフューチャー)発動。

  対象:ジュエルシード

  条件:①翌日発動予定

     ②海辺の公園

     ③大樹の思念体

     ④KY登場

  検索開始……1件該当あり、座標―――』

 

『KY登場はいらないでしょう』

 

『いや、なんとなく』

 

 そして、指定の座標に移動した

 

『これか……では早速、時の支配者(クロックマスター)発動。巻き戻し(リワインド)

 

 そして、ジュエルシードを2日前の状態に戻す。

 

『これでよしっと、さて帰ろっか』

 

『了解です。相変わらず見事な手際です』

 

『褒めても何も出ないぞ』

 

『別にそんなつもりはありませんよ。ただ、久しぶりにメンテナンスして欲しいな~

 なんて思ってませんから』

 

『何だそんなことか、別にそんなことしなくてもいつでもメンテナンスするよ。

 俺の大事な相棒なんだから』

 

『ありがとうございます(流石天然ジゴロです。そんな言葉がさらっと出てくるなんて、

 うっかりときめいてしまうところでした)』

 

 

~3日後~

 

 

 さて、ジュエルシードが発動したな。全員の成果を確認するのが楽しみだ。

 

「さあ、皆。まずはジュエルシードを封印しましょ」

 

「「「「分かった《の》」」」」

 

「でも、春兎君がまだだよ?」

 

「ふん、あんなやつ居なくても我一人で十分だ。消し飛べ! エクスカリバーァァァ」

 

 おお、開幕ブッパだ。相変わらずブレないな。踏み台は。

 

 

ゴオオオオオオ!

 

 

バアーーーン!

 

 

「「「「「「な!」」」」」」

 

「あの思念体、生意気にもバリア張ってるよ」

 

「しかも、今の神宮寺の一撃でもビクともしないなんて!」

 

「それほど硬いバリアってことなの!」

 

 いや、それだけじゃないな。あれは魔力を飛散させる性質があるんだ。ちゃんと魔力結合のできていない踏み台の砲撃じゃいくらやっても無駄だ

 

「そんなはずはない! 我があんなやつに負ける訳無い。我はオリ主なんだー!」

 

 踏み台が突っ込む。どうやら直接バリアを攻撃するつもりらしい。

 

 

ビシッ

 

 

ヒュッ

 

 

「な、地面から根っこが」

 

 

ドカッ

 

 

「バカな! この我が! ウボァーー」

 

 根っこに吹き飛ばされる踏み台。ほんとにブレないな。3日前からまるで成長していない。

 

「みんな! あのバカに構っている暇は無いわ! 全員の砲撃であのバリアを破るわよ」

 

「でも、神宮寺君の砲撃でもビクともしなかったのに私達の攻撃であのバリアを壊せるの?」

 

「あいつの砲撃は魔力量以外はたいしたこと無いわ。そうよねサファイア」

 

[イエス、魔力結合が不十分なため、見た目ほどの威力はありません]

 

「私達の砲撃を一箇所に集中させればきっと破れるわ! ユーノとアルフは私達の援護を!」

 

「「「「了解!」」」」

 

「ユーノ! あたしが根っこを攻撃して注意を引きつけておくから、

 フェイト達のことは任せたよ!」

 

「分かった!」

 

「さあ、行くよ! 根っこ共! ハアアァァ」

 

「私達も準備するわよ」

 

「「分かった《の》」」

 

「僕が皆を守るから安心して」

 

「よろしく、ユーノ」

 

 うん、采配は悪くない。だが、相手のバリアへの分析が甘いな。さて、その作戦であのバリアを破れるかな?

 

「いくわよ。なのは、フェイト」

 

「「了解」」

 

「アルフ! 下がって!」

 

「あいよ!」

 

「「「せーの!」」」

 

「ディバインバスター!」

 

「サンダースマッシャー!」

 

「アイシクルバスター!」

 

 

ドカーーーン!

 

 

 三人の砲撃魔法が相手のバリアに衝突する。しかし

 

 

「そ、そんな!」

 

「あれでも破れないの!」

 

「くっ! どうすれば!」

 

「皆、危ない! サークルプロテクション!」

 

 3人に根っこが襲い掛かったが、間一髪でユーノの防御魔法が間に合った。相変わらず地味だが、優秀な補助要員だ。ゼロとの戦いでもハドロンスフィアを防いだだけはある。

 

「ユーノ、ありがとう。助かったわ」

 

「ありがと、ユーノ君」

 

「ありがとう」

 

「べ、別に。当然のことをしたまでだよ」

 

「それよりどうするんだい? これじゃジリ貧だよ」

 

「さっきの攻撃で気付いたんだけど、あのバリアは魔力を飛散させる性質があるんじゃないかな」

 

 おっ、フェイトが気付いた。

 

「なるほど、それなら防がれたのも納得ね」

 

「でも、根本的な問題は変わってないよ。魔法が通じない以上、どうすることもできない」

 

「だったら物理攻撃を仕掛けるしかないわね」

 

「この中で一番腕力があるのはアルフだね」

 

「でも、あの硬いバリアを破るだけの攻撃力はあたしにはないよ」

 

 その通り、アルフではいくら魔力で強化しても残念ながらあれを破ることはできない。さっきの踏み台も砲撃魔法じゃなくていつもの王の財宝(ゲートオブバビロン)の投戟にしておけば、破れたのにな。

 

「みんな! すまない、遅くなった」

 

「「「「「春兎《君》」」」」」

 

「遅いわよ! 何やってたのよ!」

 

「すまない、かなり離れたところにいたんだ」

 

「春兎、状況を説明するね」

 

 ユーノがオリ主に説明する。

 

「なるほど、魔力を飛散させるバリアか……」

 

「ええ、でも物理攻撃を仕掛けようにもあれを破るだけの攻撃力が」

 

「なら、俺がやる」

 

「! あんたなら破れるのかい?」

 

「断言はできないが、たぶん大丈夫だ」

 

 たいした自信だな。俺の分析だと、いくら魔力を飛散させるといっても4人の砲撃を一箇所に叩き込めばギリギリ破れると思ってるんだがな。あのバリアはSランククラスの砲撃までなら守りきれるが、それ以上は無理だ。

 

 さっきの砲撃はなのはがA+ フェイトがA 桜羽がAAだったから合計してもSランクほどだった。ここにオリ主の砲撃が加われば、Sランクは超えるだろう。それをやってからでも遅くはないと思うんだが、何かあるのか?

 

 まあ、物理攻撃ならAランクほどの攻撃力で破れるからオリ主の筋力Sで殴れば破れるのは事実だ。何をするつもりか見させてもらうとしよう。

 

「よし! みんな、援護は任せた! 俺があのバリアを破ったら封印を!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

「いくぞ、ゼファ! モード夕凪!」

 

[イエス、マスター。モード夕凪展開しました]

 

 オリ主がデバイスを長刀に変化させた。まさかあいつ……

 

「はああぁ! 神鳴流奥義! 斬岩剣!」

 

 

バリーーーン

 

 

「やった! いくわよ! なのは、フェイト」

 

「うん!」

 

「分かった!」

 

「ディバインバスター!」

 

「サンダースマッシャー!」

 

「アイシクルバスター!」

 

「GAAAAAAAAAAAA!」

 

 無事、ジュエルシードを封印できたな。だが……

 

[マスター! 転移反応です!]

 

「「「「「え!」」」」」

 

 レイジングハートが転移反応に気付いた

 

「ジュエルシードの封印ご苦労だった」

 

「「「「「ゼロ!」」」」」

 

 俺はジュエルシードを拾う

 

「5人とも3日前よりも成長しているようだな。実に喜ばしい。

 では、答えを聞かせて貰おうか? 私にジュエルシードを渡すか否か」

 

「答えは……NOよ」

 

「そうか、残念だよ。では、無理やり奪うとしよう」

 

「みんな! 準備はいい!」

 

「待ってくれ。ここは俺にやらせて欲しい」

 

「あんた! こんなときまで個人プレーする気!」

 

「連携の練習をしていない俺が加わってもかえって足手まといになる。

 だったら、一人の方が良い」

 

「……分かったわ。勝手にしなさい」

 

「すまない」

 

「おや? 一人で良いのかな?」

 

「ああ、お前の相手は俺だ。 ふぅ~、咸卦法(かんかほう)!」

 

「ほう、随分器用なことをする。魔力と気を融合させたか。面白い……では、お相手しよう」

 

 オリ主が刀を構えたので、俺も腰の剣を取り出し構える。そして

 

「はああああぁ!」

 

 オリ主が刀で切りかかる

 

「ふっ」

 

 俺は剣で刀を受け止める。

 

 

ガキン

 

 

「ふむ……悪くない腕力だ。だが、太刀筋がまだ甘い」

 

「その余裕なくしてやる! 斬岩剣!」

 

 俺はそれをかわす

 

「相手の体勢を崩さず、いきなり技を繰り出してどうする」

 

「ならこれだ! 斬空閃!」

 

 俺から距離を取ったオリ主が剣閃を放ってくる

 

「ふっ」

 

 俺は剣で切り払う

 

「はあああぁ! 雷鳴剣!」

 

 絶対守護領域で防ぐ

 

「今だ! 斬岩剣 弐の太刀!」

 

 絶対守護領域をすり抜け俺に斬撃が襲い掛かる。

 

「はぁ~」

 

 俺はため息を吐きながらそれを()で振り払う

 

「な!」

 

「まるでお遊戯だな」

 

「なんだと!」

 

「この3日で仕上げたにしては上出来だ。今の防御をすり抜ける斬撃も見事だ。

 しかし……それだけだ。一撃一撃にたいした威力が無い。お前のそれは使えているだけだ。

 使いこなしている訳ではない」

 

「そ、そんなことは……」

 

「言った筈だ、たった3日で仕上げたにしては上出来だと。だが、これは長い年月を掛けて

 身に付けていくものだ。お前のしたことは短所を埋める行為だ。

 だが、未知の強敵と戦うのなら長所を伸ばすべきだった」

 

「くっ! だが、負けたわけじゃない!」

 

「教えてやろう、力の差を!」

 

 俺は一瞬でオリ主に近づく

 

「は、速っ!」

 

「ふ」

 

 俺は剣で横に切りつける

 

「くっ!」

 

 刀で受け止めるオリ主

 

「足元がお留守だぞ!」

 

 足払いをしてオリ主の体勢を崩す

 

「しまっ!」

 

「そら!」

 

 オリ主の腹に蹴りを入れ、蹴り飛ばし、そこに先回りをする

 

「技とはこうやって出すんだ! 虎牙破斬!」

 

「が! ぐ!」

 

 一撃目を食らったものの二撃目を何とか刀で防ぐオリ主

 

「双牙斬!」

 

「ぐは!」

 

 ついに防ぎきれなくなったオリ主

 

「空襲剣!」

 

「が!」

 

「飛燕連斬!」

 

「ぐ!」

 

「幻影刃!」

 

「う!」

 

「爪竜連牙斬!」

 

「かは!」

 

「崩龍斬光剣!」

 

「うは!」

 

「塵も残さん! 奥義! 浄破滅焼闇!」

 

「うわああああああ!」

 

「闇の炎に抱かれて消えろ」

 

『中二病乙』

 

『後で黒歴史にならないことを祈る。マジで』

 

「所詮はこの程度だ。付け焼刃でどうにかなると思った自分の浅はかさを悔やむが良い。

 ふっふっふっ……ふっははははははははははははは!」

 

 はあ~あ、ほんとに期待外れだな。短所を埋めるのは大事だが、今回は長所を伸ばすべきだった。てっきり闇の魔法(マギア・エレベア)を練習してくるかと思ってたんだがな……あれならもう少しまともに戦えたろうに。

 

「スノーリボン!」

 

「おっと」

 

 俺は桜羽のバインドをかわす

 

「ふふふ、油断も隙も無い。なるほど、さっきの赤髪の少年を囮にして私を拘束する

 作戦だったのかな?」

 

「違うわよ。いえ、否定できないわね。私は春兎を利用した」

 

「その通りだ。まったく薄情な人間だよ」

 

「でも、それは貴方を倒して挽回するわ!」

 

 ふむ、精神もなかなか強いな。挑発に乗らないし、揺さぶりにも動じないか……ほんとに優秀だな。もうこいつがオリ主で良いじゃない? いや女だからオリ子か?

 

『魔法少女オリ子☆マギカ! 始まるよ』

 

『僕と契約してオリ主になってよ』

 

『インキュベーターはお帰り下さい』

 

『訳が分からないよ』

 

「では、掛かってくるがいい!」

 

「ブリッツアクション!」

 

[ブリッツアクション]

 

 フェイトが高速移動で俺の後ろに回りこむ

 

「む!」

 

「はああぁ」

 

 バルディッシュのサイズフォームの刃で切りかかってくる

 

「ふ!」

 

 俺は剣でそれを受け止める

 

 

ガキン

 

 

「あたしを忘れてもらっちゃ困るよ」

 

 アルフが俺に接近する

 

「こないだのお返しさ。はあああ! 見様見真似の掌底破!」

 

「むむ!」

 

 アルフが掌底破を繰り出してくる。それを空いている手で防ぐ

 

「ちっ!」

 

「チェーンバインド!」

 

 アルフが舌打ちし、ユーノがバインドを使うが、俺はそこから移動し、バインドをかわす

 

「逃がさない、アイスエッジ!」

 

 桜羽が魔力弾を放ってくる

 

「甘い! ハドロンスフィア!」

 

 魔力弾で対抗する俺

 

「甘いのはそっち! はあああ」

 

 フェイトがまた俺の後ろに回りこんだ

 

「くっ! 厄介な!」

 

 俺はフェイトのサイズをかわし、そこから離れる

 

「今だ! 発動! チェーンバインド×3」

 

「何!」

 

 俺の逃げた先に設置型バインドがあり、拘束される

 

「いつの間に! まさかさっきの赤髪の少年との戦闘中か! だが、こんなもの!」

 

「まだだよ! ライトニングバインド!」

 

「スノーリボン!」

 

「貴様等!」

 

「くらいな! はあああ! 掌底破!」

 

「ぐっは!」

 

「これで! しばらく動けないはずだ」

 

「くっ! 貴様等何をするつもりだ!」

 

「今よ! なのは!」

 

「受けてみて、ディバインバスターのバリエーション!」

 

[スターライトブレイカー]

 

「これが私の全力全開! スターライトォォ! ブレイカーァァァァァ!」

 

「おのれ! この小娘共があぁぁぁ!」

 

 俺はスターライトブレイカーに飲み込まれていった

 

 

零冶 サイドアウト

 

 

葵 サイド

 

 

 なのはのスターライトブレイカーが晴れると地面に寝そべったゼロの姿があった。

 

「や、やったわ! ゼロを倒した!」

 

「やったね。なのは!」

 

「うん! フェイトちゃん!」

 

「これでジュエルシードを守れる」

 

「もうこういうのはこりごりだよ」

 

 私達は勝利を噛み締めていた。

 

「ダークネスバインド」

 

「「「「「な!」」」」」

 

 私達は黒いバインドに拘束された。すると

 

パチッパチッパチッ

 

 拍手をしながらゼロが上から降りてきた

 

「おめでとう。実に良い余興だった」

 

「ど、どうして……」

 

「ん? どうして私が無事なのか気になるのか?」

 

「当たり前だろ! 大体あんたはあそこに!」

 

「ふむ、では種明かしと行こうか……」

 

 ゼロは地面に寝ているゼロの所に下りていき、首の裏に手を触れると、寝ていたゼロはたちまち小さくなっていき、ただの人形になった。

 

「「「「「な!」」」」」

 

「こいつはデッドコピーパペット、使用者の魔力を注入することで本人の10分の1の実力を

 持った身代わり人形になるロストロギアだ」

 

「み、身代わりですって! 一体いつから!」

 

「最初からだ」

 

「ま、まさか、春兎と戦っていた時から?」

 

「あ、あれで10分の1の実力だったの!」

 

「そ、そんな……」

 

「そんなの勝てるはずが……」

 

「違うな、間違っているぞ。言っただろ、最初からだと」

 

「? どういう?」

 

「分からないか? 答えは、3日前に君達と会ったときから既に人形だったということだ」

 

「う、嘘……」

 

「実に滑稽だったぞ。私に勝てたと思ったか? 倒したと思ったか?

 お前達は私の手の平の上で踊っていたに過ぎないのだよ!

 ふっふっふ、ふっははははははははははははははは!」

 

「あ、ああ……」

 

「も、もうダメなの……」

 

「ジュエルシードがあんなやつに利用されたら……」

 

「くそ、何か手は無いのかい!」

 

 皆が諦めて絶望している。

 

「みんな! 諦めないで!」

 

「無駄だよ。力の差は明らかなのだ。諦めてジュエルシードを渡せ、そうすれば命は

 助けてやる。だが、渡さないと言うのであれば」

 

 ゼロが殺気を放つ

 

「ひっ!」

 

 私はその殺気に当てられてしまった。これが実戦……命のやり取りなの? 怖い……怖いよ!

誰か……誰か助けて!

 

「サンダーレイジ!」

 

「む?」

 

 ゼロが突然雷の魔法に飲み込まれた。

 

「大丈夫ですか! 皆さん!」

 

「「「「「リニス《さん》!」」」」」

 

「私もいるわ」

 

「「「「「プレシア《さん》《母さん》」」」」」」

 

 雷の魔法が晴れると

 

「いきなり攻撃とはご挨拶だな」

 

「あなたは敵に攻撃すると宣言してから攻撃するのかしら?」

 

「おっと、これは一本取られたな」

 

 ゼロはピンクのシールドで防いでいた。あれだけの攻撃魔法を余裕で防ぐなんて……やっぱりあいつの実力は底が知れない

 

「プレシア・テスタロッサ……昔大魔導師と言われていた魔導師か」

 

「怖気ついたかしら?」

 

「まさか……しかし」

 

「ストップだ! こちらは時空管理局執務官クロノ・ハラオウン!

 これ以上の戦闘は危険すぎる! 直ちに戦闘行為を停止しろ!」

 

「管理局もお出ましだ。私はこれで失礼させてもらう。ブラック」

 

[準備できています。転移発動]

 

「では、ごきげんよう」

 

 そして、私達の前から姿を消すゼロ

 

「しまった! 逃がした!」

 

『クロノ、そちらはもう良いわ。そちらの方々をアースラにお連れして』

 

「分かりました、艦長。すまないがそちらの事情を知りたい。同行してもらえないかな?」

 

「知らない人にはついて行かないように言われているんだけど?」

 

 本当は知っているけど、知らないふりしないとね。

 

「すまないな。悪いようにはしない。それにそっちの彼と向こうの彼を治療したほうが

 いいだろう?」

 

「どう思いますか? プレシアさん?」

 

「そうね……貴方は管理局だと証明できるかしら?」

 

「管理局をご存知なんですね。信じてもらえるかは分かりませんが、これが僕のIDカードです」

 

「……どうやら、偽造ではなさそうね」

 

「……分かりました。そちらに同行します」

 

「ご協力感謝します。エイミィ」

 

『りょうか~い。転送開始するね~』

 

 私達を光が包み、アースラへ転送された。

 

 

葵 サイドアウト

 


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